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長門 赤城 鳳翔 古鷹 伊良湖

【長門SS】提督「甘やかされた結果」【伊良湖】

長門「今回の大規模作戦も見事に勝利を収めたな」

長門「流石は提督。頼りになるお方だ」

長門「……しかし、働きすぎではないだろうか?」

長門「就寝時以外、あの方が休まれている姿を見たことがない」

長門「月月火水木金金などという言葉もあるが……」

長門「いくら戦時中でも、休養は必要だろう」
長門「無理にも休んでいただくか」

長門「いや、口で言って聞いてくださる方ではない」

長門「ううむ、どうしたものだろうか……」

鳳翔「あら、長門さん」

長門「む、鳳翔」

長門「……おお、そうだ!」

長門「名案を思いついたぞ!」

鳳翔「???」
長門「と、いうわけで、提督には休養を取っていただきます」

提督「なんだ、唐突に」

提督「休養だと? 今は戦時下だ。気を抜くことはできん」

提督「特に今は大事な時期だ。勝って兜の緒を締めよという格言もある」

提督「寝ている時間さえ惜しいほどだ」

長門「それがいけないのです!」

長門「油断なき采配は、尊敬に値するものですが……」

長門「そのように、目にクマを浮かべられては心配にもなります」

長門「この二年、休みらしい休みも取っておられないでしょう?」

長門「いい機会だと思って、ぜひ、休養を」

提督「そうは言ってもな」
長門「執務のことならご安心を」

長門「私を始めとする熟練秘書艦が、提督に恥をかかせないよう、万事取り計らいます」

長門「休養中は、鳳翔、雷、夕雲などの、包容力のある艦娘をお世話係としておつけします」

長門「いつものように、しかめ面の艦娘に囲まれていては心が休まりませんでしょう?」

長門「一週間だけと思い、どうか、ごゆるりと……」

提督「……」

提督「うむ」

提督「長門にそこまでさせておいて、断るほど私も狭量ではない」

提督「その計らい、喜んで受けよう」

長門「提督!」
提督「最近、方々から働きすぎだと言われていてな」

提督「少し、気になっていたのだ」

提督「実際、過労は作業効率を大きく損なうからな」

提督「いい機会だ。のんびりと骨休めをするとしよう」

長門「それでは、提督。明日から一週間、執務は我々にお任せください」

長門「何事も間違いないように致します」

提督「ああ、任せた」

長門「では、打ち合わせをしてきますので、これで」ペコリ
~夜~

提督「……」

提督「ふむ、休みか」

提督「いざ休みが取れるとなると、疲労がドッと出てくるな」

提督「今までこの疲れに自覚症状がなかったとなると……」

提督「なるほど、長門が心配するわけだ」

提督「今日は風呂に入って、早く寝よう」

提督「書類仕事も、今夜からしばらくはさよならだ……」ガチャ
鳳翔「おかえりなさいませ」ペコリ

雷「あっ、遅かったじゃない!」

夕雲「ダメよ、提督。仕事のことは忘れるんでしょ?」

大鯨「今日もお仕事、お疲れ様です」

提督「……はて」

提督「ここは私の私室のはずだが……」

提督「貴様ら、何をしているのだ?」

雷「あれ? 長門さんから聞いてないの?」

大鯨「わたしたち、お世話をするように命じられたのですけれど……」

提督「むむっ」
提督「もう夜も更けた。後は風呂に入って寝るだけだ」

提督「何も世話をしてもらうことなどないぞ」

雷「そんなことないわ。私たちに頼ってもいいのよ?」

提督「何をだ?」

鳳翔「お酌をしたり……」

大鯨「せせ、背中を流したり……」

夕雲「添い寝をしたり、ね」

提督「いらん」
雷「そんなぁ! それじゃ、何もできないじゃない!」

夕雲「提督、気持ちを切り替えると決めたのでしょう?」

大鯨「それなら、そうした方が……えとえと」モジモジ

提督「むっ」

提督「……一理ある」

提督「では、鳳翔。風呂上りに酌を頼む」

提督「他の者は、今日のところは帰れ」

雷「はぁーい」
~お風呂上り~

鳳翔「では提督。一献どうぞ」トクトク

提督「うむ……」クッ

提督「美味い」プハッ

鳳翔「うふふ」ニコニコ

鳳翔「最近はいつも厳しい顔をしていらっしゃったので……」

鳳翔「柔らかな顔が見られて、ホッとしました」

提督「そうか」
提督「む、桜が散っている」

提督「夜桜で一杯、と洒落込もうとしたのだがな」

鳳翔「ふふっ、提督、もう五月ですよ」

鳳翔「桜はずいぶん前に散りましたよ」

提督「……そうか」

提督「季節の移ろいに気がつかないほど、余裕がなかったのだな」

提督「やはり私は病んでいたらしい」

提督「長門には感謝しないとな」

鳳翔「そうですね……」
提督「一週間の休養、ゆっくりと羽休めをしよう」

提督「まずは……このとっくりを空にすることからだな」

提督「鳳翔。貴様も飲め」

提督「一人で飲むには、春の夜は侘しい」

鳳翔「ええ」

鳳翔「いただきます……」コク

鳳翔「ほうっ……」
提督(こうして、春の夜は穏やかに更けていった)

提督(鳳翔と二人、注ぎつ注がれつ)

提督(言葉は少なく、大きな動きもない)

提督(まるで時間が止まってしまったかのような一時)

提督(このような時間が持てたのは何年ぶりだろう……)

提督(私は今、疲れや、心の中の澱がじわり、じわりと溶けていくのを感じていた)
~一週間後~

長門「ふうっ。これで今日の仕事は終わりか」

大淀「お疲れ様でした」

長門「ああ、疲れた。提督の日頃の苦労が察せられる一週間だった」

加賀「これほどの仕事量を一人で抱え込んでいただなんて……」フウッ

利根「頼もしいを通り越して、無茶であると言えるな」

長門「まったく、私たちに一声かけてもらえば」

加賀「ええ。可能な限り手伝っていたわ」

利根「やれやれ、ペース配分も考えられんとは。まだまだ我輩の指導が必要なようじゃの」
大淀「みなさん、あまり提督を責めないであげてください」

大淀「提督はいつもこうおっしゃってました」

大淀「『私は海に出られない。戦いは艦娘に頼るしかない』」

大淀「『だから私は、それ以外のことを力の限りにこなすのだ』」

大淀「『この国の……いや、世界のために戦う、彼女たちのためにな』、と」

艦娘「「「提督……」」」ジーン
加賀「そういうことなら、また明日からこき使ってあげるわ」

利根「ふふふ、加賀よ。顔が少し火照っておるぞ?」

利根「なんじゃ、今ので少しきゅんときたか。胸きゅんか」カカカ

加賀「……貴女こそ」

利根「んなっ!?」アタフタ

大淀「ふふっ」

長門(そうか、提督は私たちのために……)

長門(そう思うと、胸が温かくなるな)

長門(……出勤は明日からだが)

長門(少し、提督に会いに行くか)
~提督の私室前~

長門(……)

長門(い、勢いでここまで来てしまったが)

長門(もういい時間だ。子どもは寝ていてもおかしくない時間だ)

長門(は、はしたないと思われないだろうか)ソワソワ

長門(いやっ! このようなところを人に見られる方が問題なのでは!?)キョロキョロ

長門(……)

長門(ここは腹をくくって……は、入ろう)

長門「提督、夜分遅くに失礼します。長門です」トントン

??(はーい、開いてるわよー。入って入ってー)

長門「失礼します」ガチャ

長門(……ん? 今の声は……?)
長門「提督、誰か先客がいるの……」

提督「バブーwwwww」

雷「はーい、提督。もうねんねしましょうねー」

提督「ファーwwwwww」キャッキャッ

雷「なぁに、おっぱいほしいの?」

雷「提督ったらおっぱいが大好きなんだから」

雷「ほら、もーっと私に甘えていいのよ?」ソイネー

提督「ウキャーwwwww」キャッキャッ

長門「です……か………………」
金剛「アーッ、今日の添い寝係は私デース!」ガチャ

金剛「ドサクサに紛れていいとことっちゃ、ノー! なんだからネ!」

雷「でも、提督が離してくれないのよ」

雷「きっと、まだまだ私に甘えたいんだわ!」

金剛「そう言って頭を抱え込んでいるのはライの方デース!」

金剛「Get out! お子様はもう寝る時間ネー!」ヒョイ

雷「あーん、提督ぅー!」ジタバタ

提督「アンマ、アンマ」

長門「何なのだ……」

長門「何なのだ、これは……」
鳳翔「あら、長門さん。こんばんは」

長門「鳳翔! どういうことなのだ、これは!」

鳳翔「どういうこと、ですか?」

長門「説明してもらおう!」

長門「提督に何があったのだ? 頭でも打ったのか!?」

長門「あの様子は尋常ではないぞ!」

鳳翔「言われてみれば……一週間前に比べて、リラックスされましたね」

長門「リラックス!? あれは幼児退行というのだ!」

鳳翔「そんな大げさな」

鳳翔「でも、まあ、この一週間、色々ありましたね……」
~一週間前~

??「……はよう……おはよう……ございます」ユサユサ

提督「う、うーむ」

提督「誰だ? いや、もう朝か……?」

古鷹「おはようございます、提督」

古鷹「よくお眠りでしたね」ウフフ

古鷹「ですが、もう日も高いので、勝手ながら起こさせていただきました」

提督「なに? ……なっ!? もうこんな時間か!」

提督「昼前ではないか……!」

提督「こうしてはおれん。急ぎ着替えて、執務室に行かねば!」バサッ!

古鷹「きゃっ!」カー

提督「む、す、すまん」
提督「だが、急がねばならんのだ」

提督「古鷹、すまないが退室していてもらえるか?」

古鷹「いえ、その必要はありませんよ」

古鷹「お仕事なら長門さんたちが始めています」

提督「なに? ……む、そういえば」

古鷹「はい。今日から提督はお休みです♪」

提督「そうだったな……」
提督「そうか、休みか……」

提督「そういえば、昨夜は鳳翔と酒を酌み交わしたな」

提督「そして、そのまままどろんでいって……」

提督「あのように穏やかな気持ちになれたのも、こうも熟睡したのも、久しぶりのことだ」

提督「なるほど、人間、たまにはこのような時間が必要かもな」

古鷹「普通の人は週に一度はお休みするんです」

古鷹「この一週間、今までの分を取り戻すために、たっぷり休んでくださいね?」

提督「ああ」
提督「とは言われても、私は仕事人間だ」

提督「急に休みをもらっても、何をしていいものやら……」

古鷹「そうおっしゃると思って、私たちが色々とプランを考えておきました」

古鷹「艦娘のシフトを渡しておきますね」

古鷹「空いている時間に私たちを訪ねてくだされば、心ばかりのもてなしをさせていただきます」

古鷹「事前に伝えていただければ、合同企画も考えますので、ぜひ」

提督「なるほど」

提督「分かった。このシフト表、ありがたく使わせてもらおう」

古鷹「はいっ♪」
~一日目 正午~

提督「さて、遅めのブランチも取ったことだし」

提督「早速、誰かを訪ねてみるか」

提督「ふむ、この時間帯は……」ピラッ

提督「間宮が一息つくころだな」

提督「食後のお茶と甘味を楽しむとするか」スタスタ
~甘味処 間宮~

提督「邪魔をするぞ」

伊良湖「あっ、提督! い、いらっしゃいませ!」

間宮「提督さん、お久しぶりです」

提督「む? ……そういえば、久しかったか」

間宮「ええ、随分とご無沙汰で……」

間宮「少し寂しかったんですよ?」ウフフ

伊良湖「ア、アダルティーな会話です!」ヒャー!
間宮「それで、今日は何を差し上げましょうか?」

間宮「お食事がまだなら、そちらも用意いたしますが……」

提督「いや、食事は済ませてきた」

提督「さっぱりしたものをもらおう。煎茶と豆かんを持ってきてくれ」

間宮「はい。少々お待ちくださいね」

間宮「その間、伊良湖ちゃんとのお話をお楽しみください」ウフフ

伊良湖「えっ!?」ビクッ!
伊良湖「……」ビクビク

提督「……」

伊良湖「……!」オドオド

提督「……」

伊良湖(ひゃ、ひゃー!)

伊良湖(雲の上の人だー!)

伊良湖(面と向かって話をするのは、これが始めてだけど……)

伊良湖(何だろう、何を話せばいいんだろう!?)
提督「伊良湖……」

伊良湖「はははいっ!」

提督「大規模作戦の際、いつも助かっている」

伊良湖「はっ! ……え?」

提督「お前が作ってくれる甘味のおかげで、後一歩を踏ん張れるとみんな言っている」

提督「ありがとう」ペコリ

伊良湖「そ、そんなぁー」

伊良湖「わたしこそ、みなさんには頼ってばかりで……」
伊良湖「提督に比べたら、わたしの頑張りなんて微々たるもので……」

伊良湖「あっ、そうだ!」

提督「ん?」

伊良湖「迷惑でなければ、わたし、マッサージをしますよ!」

伊良湖「お疲れだと聞いていたので、よければ揉み解しますが……」

提督「いや、願ってもないことだが……いいのか?」

伊良湖「はい。いつも間宮さんの腰を揉んでいるので、腕は確かだと思いますよ!」

提督「それなら……せっかくだ。頼もうか」

伊良湖「はいっ!」
~お座敷でマッサージ中~

伊良湖「んしょ、んしょ」グイグイ

提督(むう、これは……)

提督(心地よいな。強張っていた筋肉が解れていく)

提督(まさに夢心地……ああ、力加減もちょうどいい)

提督(遅く起きたというのに、なんだか眠気がぶり返してきそうだ)

提督(うむ、これは……)

提督「zzz」

伊良湖「提督、いかがでしょうか?」

伊良湖「提督?」

伊良湖「あっ、寝てる……」
~一日目 夜~

提督「むう、まさか夕方まで寝てしまうとは」

提督「寝てばかりの一日だったな」

提督「いや、しかし、伊良湖のマッサージは気持ちよかった」

提督「またの機会に、お願いしてみよう」

提督「……しかし、目が冴えたな」

提督「果たして、眠れるかどうか……」

赤城「そういう時は、添い寝に限りますよ」

提督「赤城」
赤城「眠れぬ夜は添い寝に限ります」

赤城「ささっ、提督。今夜は私が寄り添いますので」

提督「何を馬鹿なことを」

提督「乳飲み子ではないのだ。添い寝などするはずがなかろう」

赤城「しかし、今夜眠れないとなると生活リズムが狂ってしまい」

赤城「今後の生活にも支障が出ると思いますよ?」

提督「むう……」
提督「……一理ある」

赤城「でしょう?」

赤城「さあ、物は試しと申しますし……」

赤城「ささっ……ささっ……」

提督「……」

提督「まあ、いいだろう」
提督「では、寝ようか」ドサッ

赤城「はい♪」パサッ

提督「……」

赤城「……」ギュッ

提督(むう、これは……)

提督(柔らかな感触と……甘い匂い……)

提督(幼少のころを思い出すな……)
提督「zzz」スヤァ

赤城「ふふっ」

赤城「このようにあどけない顔を見たのは始めてですね」

赤城「まるで子どものよう……」

赤城「うふふ、かわいい♪」ナデナデ

提督「zzz」スヤァ
提督(こうして、私の長い休暇は始まった)

提督(毎日ぐっすりと寝て、昼間は駆逐艦と戯れたり)

提督(さもなくば、金剛主催の茶会に出席していた)

提督(働いていないと時間がゆるやかに過ぎていくようで)

提督(朝日の煌き、青空の高さ、夕暮れに伸びる影)

提督(執務室の中にいては気づかなかったことが)

提督(私の心を、段々と穏やかにしていった)
提督(思えば、仕事、仕事の日々だった)

提督(お国のために、と言いながら、ひたすらに滅私奉公の毎日)

提督(使命感や、それに応える充実感はあったが)

提督(疲労は否応なく溜まっていくものだった)

提督(…………)

提督(ああ、魂が浄化されていくようだ)

提督(休むことの意義、素晴らしさが、今なら分かる)

提督(いや、忘れていたことを思い出せたのかもしれない)

提督(母の温もり、まどろみの癒しを)
提督(愛宕が優しく抱きしめてくれる)

提督(雪風が無邪気に甘えてくれる)

提督(榛名が用意してくれるお茶やおかしはおいしい)

提督(如月といっしょにねると、心がやすらぐ)

提督(仕事はひしょかんのみんながしてくれる)

提督(めんどうくさいろ号さくせんだって、かたづけてくれていた)

提督(わたしは何もしなくていい……)

提督(……)

提督(でも、これでいいのだろうか)

提督(ときどき、ふあんに)

~一週間後~

提督「ファーwwwwww」

長門「しっかりしてください、提督! 提督!」
長門「くっ……」

長門「よくも提督をここまで甘やかしてくれたな」

長門「提督は私が連れて行く! 元に戻すのだ!」

浦風「待ちねえ! 今の提督さんに仕事は無理じゃ!」

朝潮「そうです。司令官はお疲れなんです」

敷波「あたしらがちゃんと世話するから……なっ?」

長門「悪化するのが目に見えている!」クワッ!
長門「ストレスフルな環境から、一度に休暇を与えすぎたのがいけなかったのだ」

長門「何事も適切な量があるということだ」

長門「提督! お気を確かに!」

長門「この長門、次は間違えません!」

長門「仕事と休暇が釣り合う点を……」

長門「きっと、きっと見つけてみせます!」グッ

提督「アンマー」キャイキャイ
~一ヵ月後~

長門(あの忌まわしき事件から一ヶ月が過ぎた)

長門(過度に甘やかされた提督は、半ば精神崩壊を起こしていたが……)

長門(皆の助けもあって、元の状態に回復するに至った)

長門(今では精力的に執務に励んでおられ、)

長門(週末はゆっくりと骨休めをされるようになった)

長門(よかった……一事はどうなることかと思ったが)

長門(終わりよければ何とやら、だな)ウンウン
提督「長門。これが次の大規模作戦の概要書だ」

提督「目を通しておいてくれ」

長門「はい」

長門(……)

長門(……しかし)

長門(この凛々しい提督に甘えられるというのは)

長門(一体、どのような気分なのだろう?)
長門(求められ、全てを委ねられる)

長門(それは究極の信頼と愛情だ)

長門(ケッコン指輪はもらったが……)

長門(果たして、それほどの親愛が、提督にはあるのだろうか?)

長門(ううむ……)

長門(……)

長門「あ、あの、提督?」

提督「む。なんだ?」
長門「仕事もひと段落つきましたし、休憩を取られてはいかがでしょうか?」

提督「そうだな……そうするか」スクッ

長門「あ、その、つきましては、ですね」

長門「私が膝を貸しますので、そこに頭を載せていただいて……」カァァ

提督「……なに?」

長門「膝枕で、仮眠を取られては、と」マッカ

提督「……」

長門「……」

提督「…………」

長門「…………」

<ファー!
以後、提督の症状は回復したりぶり返したりするのだが――。

それはまた、別のお話である。

おしまい
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