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艦隊これくしょんSSのキャラ別まとめブログ


雲龍

【艦これSS】雲龍「提督、新生機動部隊はお任せ下さい」 提督「任せた」

2016/12/27

マルゴーマルマルです。提督、朝になりました。さあ、活動開始です。

提督「よし、任務娘に繋いでくれ」

雲龍「何を申請しますか」

提督「遠征任務を頼む」

雲龍「はい。大本営の大淀さんは、これね。大淀さん遠征任務を申請します」

提督「ありがとう。では母港に迎えに行こう」

艦隊が、「遠征」から帰投しました。

暁「艦隊が帰ってきたんだって。ふぅ」

雲龍「先輩方、おかえりなさい」

雷「先輩ってなんかいい響きね!」

響「防空射撃演習は大成功だったよ。ボーキサイトがたくさん」

提督「本当か。よくやった、響ぃ!」

暁「これで雲龍さんの艦載機が用意できますね」

脱帽して雲龍を見る。

雲龍「えっと、その」

提督「どうした雲龍。新参とはいえ今は秘書艦代行任務に付いているんだ。やるべきことがあるだろう」

雲龍「そうね。暁先輩よくがんばりました」

提督「うむ。休憩と補給を終えたら、日程に従って行動してくれ」

「「よーそろー」」
マルロクマルマル。提督、朝食は何がいいですか?私のと一緒でよろしいですか?

提督「あぁ、よろしく頼む」

雲龍「食料事情が向上したのは良いことです」

提督「これもお前たちがつかみとった成果だな」

雲龍「まだ、大きな仕事はできていないわ」

提督「そう言うな。出撃もすぐにできるさ。それにお前のような立派な空母が母港にいるだけで、みんな鼓舞されるというものだ」

雲龍「そうね、そうなるといいわね」

提督「そうさ」

雲龍「はい、朝食の準備ができました」

提督「おぉ、随分と早いな」

雲龍「カメノテとワカメのお吸い物とアジの開きです」

マルナナマルマル。一汁一菜の朝食ですみません。少し量が足りなかったですか?
提督「そんなことはないさ。俺はお前たちと違って出撃するわけではないからな」

雲龍「そう。味はどうかしら」

提督「うまかった。出汁は滋味に富んでいるし、魚は……蒸しあげているのか? 特に塩加減がいい」

雲龍「ちゃんとできたみたいね。よかったわ。食器を下げます」

提督「食事こそ大事だからな。どうもありがとう。ん、入ってくれ」

加賀「失礼します。本日の演習ですが……五航戦これは一体どういうことかしら」

翔鶴「あの、雲龍さん。朝ごはん何を食べましたか?」

雲龍「カメノテとワカメを食べました」

翔鶴「加賀さん、あのですね」

加賀「言い訳は後で聞きます。早く雲龍を食堂へ連れて行きなさい」

翔鶴「はい。さぁ行きましょう」

雲龍「提督、少し席を外します」

提督「うむ。翔鶴、よろしく頼む」

翔鶴「了解です」
加賀「……雲龍が失礼しました。すぐに言っていただければ良いものを」

提督「思いの外、味が良かったからな。言いそびれてしまった」

加賀「でしょうね。限られた材料でも足掻いたことがあったのでしょう。しかし、それしか知らない中で出すのと、様々なものを知った上で出すのとでは意味合いが違いますから」

提督「そうだな。演習に出したいから、雲龍にたくさん食べさせてやってくれ」

加賀「了解です。今日は長門さんと赤城さんが給仕担当なので抜かりはありません」

提督「すげぇ」
マルハチマルマルです。さあ、提督。艦載機を積んで艦隊を発進させましょう。
雲龍「……」

提督「どうした」

雲龍「お腹が苦しいわ」

提督「力を抜けばいい」

雲龍「見た目が良くないのは駄目でしょう」

提督「不自然すぎるのはいいのか?」

雲龍「そう……そうね。お言葉に甘えます。ふぅ」

提督「その方が式神と同調しやすいだろうに」

雲龍「……」

提督「少ししてから起こすか」
マルキューマルマル。艦載機は何がいいかしら。天山……? 流星……? 烈風もいいですね。
雲龍「迷ってしまいます」

提督「隼鷹は何と言っていた」

雲龍「できるだけ良い艦載機を積むべきだと言っていたわ」

提督「そうだな。烈風、流星、彗星、二式艦上偵察機で行こう」

雲龍「いいの? すごく嬉しいわ。それに……艦上偵察機、秘書艦の置土産ね」

提督「鳳翔と有給を消化してもらっているだけだからな。所属も何も変わっていないぞ」

雲龍「そうね。妖精さん、どうぞよろしくお願いします」

中堅員「了解っす。自分達頑張るっす」

ヒトマルマルマルです。提督、今搭載してる機体もなかなかですが……あの……あの……。
提督「なんだ?」

雲龍「これいただけますか?」

提督「駄目」

雲龍「残念ね」

提督「今、雲龍用の艦載機を工廠妖精に交渉している最中だからな。もう少し待て」

雲龍「いいわね。今借りているのと同じような艦載機かしら」

提督「おそらくそれ以上になるな。うちの工廠妖精の練度は比類なきものだからな」

雲龍「そうなの? 何かすごいことをしたのかしら」

提督「そうだな、直近では大井を建造(しょうかん)した」

雲龍「本当に? いや、無理でしょう。それは」

提督「ところが真実だ。こんど大井に聞いてみるといい」

雲龍「ええ、そうするわ」

提督「そういうわけで、一番いい艦載機を与えられるはずだ」

雲龍「ふーん……もっと優秀な艦載機を載せてくれるの? なら、色々してあげようかな」

提督「喜んでいるようで何よりだ」
ヒトヒトマルマルです。提督、お昼は何がいいでしょうか?ご用意しますね

雲龍「朝はすみません。けどお昼は大丈夫ですので期待してください」

提督「それは楽しみだ。どんな風に変わるんだ?」

雲龍「まず種類が増えます。一汁一菜では心の栄養が足りなくなると赤城さんが言っていました」

提督「なるほど、赤城らしい言葉だな」

雲龍「あと量が増えます。量が少ないと力が出せないと長門さんが言っていました」

提督「ふむ、超弩級戦艦ならではの合理性だ」

雲龍「そしてこれです」

提督「……縦笛か?」

雲龍「はい、提督が食事をする際は音楽を流すものだと言っていました。長門さんはいろいろと演奏できますが、私にできるのはこれだけですので」

提督「ほぉ? いや、俺くらいの序列だと演奏はないな。この鎮守府だと一度だけか? 以前大元帥をお招きした時の食事会だったな」

雲龍「そうなの? けど、せっかくだからいろいろとやりましょう」

提督「あぁ、お願いする」

雲龍「私、尺八がとっても上手なのよ」
ヒトフタマルマル。お昼は戦闘配食でおにぎりにしてみました。どうでしょう?
提督「なるほど。確かに朝とは大分変わったな」

雲龍「はい、まずはこのおにぎりから」

提督「ふむ」

雲龍「中身ははまぐりの時雨煮です」

提督「甘辛く煮たはまぐりに生姜の香り。食欲がそそるな」

雲龍「次もはまぐりの時雨煮ですが、ご飯に刻んだワカメを混ぜ込みました」

提督「歯ざわりの変化が楽しめるな。磯の香りが強くなるかと思ったが、そうでもないのか」

雲龍「ほんの少し山椒を入れてあります」

提督「そうか、海の幸をただ重ねるのではなく山の幸を加えて調和をとったのか」

雲龍「椀物として潮汁をどうぞ」

提督「これは……ずいぶんとぬるいな。作り置きしたのか?」

雲龍「いえ、絞りたてです」

提督「そうか。潮の香りは少しするが、あまり旨くはないな」

雲龍「そう、残念だわ。次のおにぎりはあさりの時雨煮が入っています」

提督「はまぐりよりもこっちの方が好きだな」

雲龍「喜んでもらえて良かったわ。次のおにぎりは牛肉の時雨煮を入れてあります」

提督「いわゆる大和缶か。これはなかなかうまい缶詰だよな」

雲龍「はい。とっておきです」

提督「ではいただくとしよう。うん? 入ってくれ」
赤城「失礼します。瑞鶴さんと妖精さんが艦載機の開発に成功しましたことを報告します。頑張りましたので褒めてあげてください」

瑞鶴「ちょっ、赤城さん。別に大丈夫ですって」

言い終わる前に瑞鶴の横に提督が現れ、少し時間をおいて破裂音がした。

提督「よーしよしよし、いい娘だ瑞鶴っ! よくできた!」

瑞鶴「あわわわ」

赤城「何度見ても面白いですね。雲龍さん、見ましたか? 提督の移動を」

雲龍「いえ、見えませんでした。すみません」

赤城「そうですか。慌てる必要はありませんよ、これからの訓練と実践で嫌でも向上していきますから」

雲龍「努めていくわ。ところで赤城さん、先程はありがとうございました。お昼はたくさん用意できたわ」

赤城「それは良かったです。途中で私も長門さんもお相手できませんでしたが、その後の瑞鶴さんがきちんと指導してくれたのですね」

雲龍「たくさんおにぎりを用意しました」

赤城「おにぎり? 瑞鶴さんはなんと言っていましたか」

雲龍「一汁五菜は簡単にできると。おにぎりの具を変えるだけだから」

赤城「瑞鶴」

瑞鶴「赤城さん、あのですね」

赤城「言い訳は後で聞きます。あなただけに責任を押し付ける気もありません。ですが、早く雲龍を間宮へ連れて行きなさい」

瑞鶴「はい。さぁ行くわよ」

雲龍「提督、少し席を外します」

提督「うむ。瑞鶴、よろしく頼む」

瑞鶴「了解です」

赤城「大変失礼しました。すぐに言っていただければ良いものを」

提督「見事な頓智(トンチ)だと思ってしまってな。言いそびれてしまった」

赤城「でしょうね。限られた種類の中で工夫をしたのでしょう。しかし、それしか知らない中で出すのと、様々なものを知った上で出すのとでは意味合いが違いますから」

提督「そうだな。徐々に慣らしてやりたいから、雲龍にいろいろ食べさせてやってくれ」

赤城「了解です。今日は瑞鶴さんが蓄えている大量の間宮券を吐き出させますので、抜かりはありません」

提督「やべぇ」
ヒトサンマルマルです、提督。お昼少しシンプルすぎましたか? すみません……。
雲龍「なかなか難しいわね」

提督「そんなことはないさ。工夫が凝らされた楽しい食事だった」

雲龍「夜はなんとか行ける気がするわ」

提督「あぁ、楽しみにしている」
ヒトヨンマルマル。提督、輸送任務ももちろん構いませんが。積み荷は……あの……。
提督「何か運びたいものがあるのか」

雲龍「運びたいもの? 運びたくないものはあるけど、運びたいものか」

提督「希望があれば言うといい。阿武隈に伝えるから」

雲龍「物々しいわね。駆逐艦の先輩たちではないのかしら」

提督「俺の勝手な判断だが、空母はやはり艦載機を積みたいと思うんだ」

雲龍「突然話が変わったわね。そうね、飛行機にも種類があるけれど。艦載機をたくさん積みたいわ」

提督「だろう。なら、護衛は充実させないとな。駆逐艦だけでは力不足だ」

雲龍「輸送任務に護衛? 駆逐艦以外も護衛についてくれるの?」

提督「当然だ。艦爆、艦攻満載の空母になれば、爆発四散、即沈没の危険がある」
ヒトゴーマルマルです。そうですね。爆発するような積み荷はどうかと……はい……。
提督「いや、基本的にお前たちは爆発の危険を孕んでいるからな。戦力を上げるほどその危険も上がってしまう。難儀だな」

雲龍「そうでした」

提督「それとは別に、収支が合わないから雲龍を輸送作戦に参加させられないな。それはもう諦めてくれ。別任務で活躍してほしい」

雲龍「了解です」

ヒトロクマルマルです。提督、この時間は少しナーバスになりますね。やはり潜水艦への警戒は厳としたいところです。
雲龍「今の対潜哨戒担当は誰でしょうか」

提督「日向と祥鳳、後は第7駆逐隊の2人だ」

雲龍「そう、日向師匠がいるのなら安心ね」

提督「なぁ、なんで日向だけそんな呼び方なんだ」

雲龍「翔鶴さんがそう呼んでいるからかしら。理由は知らないのよ」

提督「そういえばそうだったな。う〜ん、あの時か?」

雲龍「いつかしら?」

提督「この鎮守府で演劇をやったことがあってな。練習中、日向が翔鶴を気にかけたらしい」

雲龍「優秀な方ですから。気にかけられたのでしょうね」

提督「技術的なことはあまり口を出さなかったそうだ。むしろ精神面だな」

雲龍「そうなの?」

提督「うむ。妹と比べられるとどうしてもな」

雲龍「瑞鶴先輩と比べれば誰だってそうなるでしょう」

提督「はははっ、そうだな。雲龍からみた瑞鶴はどんな感じだ」

雲龍「尊敬できる空母です。あの人が長い期間戦い続けてくれたおかげでこの国があるのでしょうね」

提督「おぉ」
ヒトナナマルマル。ふぅ……この時間を切り抜けたら一安心です。少し緊張します。
雲龍「提督は緊張することはあったのかしら」

提督「当然あったさ。俺のことをなんだと思っているんだ」

雲龍「あまり想像できないものだから。何があった時なの」

提督「ケッコンカッコカリを申し込んだ時だったな。あれが人生で一番緊張した」

雲龍「……戦闘ではないのね」

提督「そりゃそうだろう。戦闘はお前たちが坦務してくれている。これほど心強いことはあるまい」

雲龍「私も早く出撃したいわ」

提督「事前訓練が済み次第だな」

雲龍「そうね」

ヒトハチマルマルです。提督、夕食の時間ですね。何になさいますか?えっと……。
提督「食堂に行ってもいいが。どうしたい」

雲龍「いえ、今日は最後まで作るわ。あまり種類は作れないかもしれないけれど」

提督「それでいいさ。大雑把に煮込み料理を作って見て欲しい。皮を剥く、切る、炒める、煮る。いい練習になるんじゃないか」

雲龍「多分だけれど、皮を剥くのは得意だと思うわ」

提督「それはいいことだ。誰かに手伝ってもらうのもいいな」

雲龍「そうね……けどこの鎮守府には時雨は着任していないの」

提督「そうだな。うん? 入ってくれ」

島風「失礼しまーす!」

潮「駄目だよ島風ちゃん。静かにしないと。失礼します」

響「失礼します。司令、話は聞かせてもらったよ」

提督「おぉ、どうしたどうした」

響「雲龍さんが水臭いことを言っていたみたいだったからね。私達が手伝うと具申しに来たんだよ」

提督「そいつは素敵だ」

響「雲龍さん」

雲龍「はい、響先輩」

響「舞鶴の響、佐世保の時雨と言われた私だからね。これはもう殆ど時雨と同じなんじゃないかな」

潮「いや、響ちゃん。その理屈はおかしいよ」

響「そんなことはないよ、潮」

島風「聞かれる前に最速で答えるね。阿武隈さんは北上さんに捕まったんです」

提督「それでお前たちだけで来たのか」

島風「そうですよ!」

響「さぁ、雲龍さん。私達と調理しよう」

雲龍「えぇ、ですが」

潮「あの、できれば、ついてきてください。あっ、すみません……あまりこちらを見ないで……」

雲龍「潮先輩、そんなに畏まらないで」

響「はっきり言うけど、あまり北を舐めないほうがいい。1人で駄目なら2人、それでも駄目なら4人。状況なんて一瞬で変わってしまうんだ、できる限りの戦力で臨まないと」

雲龍「そう。じゃあ、よろしくお願いします」

島風「早く調理室に行こうよ!」

雲龍「……私も被った方がいいのかしら」

島風、潮、響はそれぞれ圧力鍋、タジン鍋、アルミ鍋を被っていた。

潮「汽鍋を用意してあります、はい」

提督「これは……まるで私のために用意されたような鍋ね」

潮「提督。あの、雲龍さんを連れて行きますね」

雲龍「提督、少し席を外します」

提督「うむ。皆、よろしく頼む」

「「了解です」」

ヒトキューマルマル。雲龍は帰ってこない。

フタマルマルマル。雲龍は帰ってこない。
フタヒトマルマルです。提督、ひびきカレーは美味しかったです。うふふ。
提督「それはよかった」

雲龍「はい、何の偶然か妙高さんと鉢合わせてそのままカレー対決が始まりました」

提督「ほう、妙高が。この時間に珍しい」

雲龍「何でも巡洋艦の訓練を極限まで実施していたそうよ。北上さんと大井さんが阿武隈さんを曳航して、那珂さんは両手で誰か2人を曳航していたわ。誰だったのかしら」

提督「……それで今夜は静かだったのか」

雲龍「そうなの?」

提督「そうだ」

雲龍「まぁ、いいわ。妙高さんのあまりの迫力に、恥ずかしながら怯えてしまったわ。あの島風さんもよ、意外ね」

提督「ふむ。それでどうなった?」

雲龍「響さんが前進して口上を述べていたわ。『調理前に阿武隈隊で決めたからね。みんなで勝つと。あなたを目の前にして震えは止まらない。それでもやっぱり闘うって決めたから』。格好良かったわ」

提督「それは格好いいな。妙高は何か言っていたか」

雲龍「どこからでも掛かって来るがいいわ、だったかしら。もはや私の眼には魔王が映っていたわ」

提督「そんなことはないだろうに」

雲龍「けれど、眼が光っていたのよ? シニョンが解けてまるで髪が逆立っているようだったし」

提督「本当か? いや、本当に?」

雲龍「嘘を付いてどうするの。その後はお祭り騒ぎよ。那珂さんが青葉さんを連れて戻ってきて実況を始めたし」

提督「好きなんだろうなきっと」

雲龍「そうね。審査員は比叡さんが務めてくれたわ」

提督「それは公正な判定が下せるな。判定基準は何だったんだ」

雲龍「提督が好む方という題目だったわ」

提督「ははは、それは面白いな。味比べでは甲乙付けられないだろう」

雲龍「えぇ、比叡さんも同じことを言っていたわ。『味に甲乙は付けられません。が、司令はきっとお腹を空かせています。より早く完成させた、ひびきカレーの勝利です!』」

提督「さすがは比叡だな。雲龍は何を担当したんだ?」

雲龍「私は白桃缶をみじん切りにしたわ。得難い機会だったわね」

提督「よかったじゃないか」

雲龍「判定後は皆で両方のカレーを食べたの。うふふ。大勢で食べるのは美味しいわね」

提督「そのとおりだな」

提督、フタフタマルマルです。もうすっかり夜ですね。静かになってきました。
雲龍「本当……今夜は静かだわ」

提督「さすがの川内も極限の訓練後だからな」

雲龍「あぁ、那珂さんが曳航していたのは川内さんと青葉さんだったのか」

提督「そのようだな」

雲龍「なにか忘れている気がするの。何かしら」

提督「忘れているなら、それは今思い出さなくていいことだ」

雲龍「そう。なら明日の引き継ぎ準備をやればいいのかな」

提督「そうしてくれ」
提督、雲龍がフタサンマルマルをお知らせします。本日も大変お疲れ様でした

雲龍「提督、仮眠も取っていないようだけど。大丈夫?」

提督「ん? 雲龍の目を盗んで寝ているんだが」

雲龍「……え? いつ?」

提督「お前が雲を眺めたり、コーヒーをかき混ぜたりしている時だな」

雲龍「何十分も眺めたりしていないわ」

提督「細切れに寝られるんだよ。これでも提督だからな」

雲龍「提督ってどんな生き物なの?」

提督「艦娘もよくわからない点では同じ、とだけ言っておこうか」

雲龍「そう……それでいいのかしら」

提督「多分な」
提督、深夜0時となりました。
雲龍「……」

提督「……」

雲龍「……寝てません。寝てませんてば」

提督「いや、寝られるときに寝てくれ」

雲龍「そう……」
提督、マルヒトマルマルです。深夜の静けさ、嫌いじゃないです。
提督「嫌いじゃない、か。好きなものは何かあるのか」

雲龍「好き? そうね、少し風が強くて、曇った日が好きかしら」

提督「やっぱりお前は空母なんだな」

雲龍「そうよ。だから素敵な艦載機を頂戴。くれたらいろいろしてもいいから」

提督「今日……いや、昨日か。瑞鶴が開発してくれたやつがお前のものになる予定だ」

雲龍「なら早く頂戴。飛行甲板に興味あるでしょう? 触ってもいいから」

提督「すぐには無理だな。近日中に瑞鶴が調整してからだ」

雲龍「何を調整するの? 工廠妖精さんが用意してくれたものよ」

提督「お前が使いやすいようにだよ。いつの頃からか先任艦娘が装備を調整してから渡すような文化があるな」

雲龍「そう……私のために。うふふ、もう少し待つわ」

提督「そうしてくれ。ふぅ」

雲龍「疲れた? 飛行甲板触っておく?」
マルフタマルマルです、提督。そろそろお休みになった方がいいのでは?
提督「器用な寝言だな」

雲龍「……」

提督「もう少しで帰ってくるから、それま秘書艦代行をよろしく頼む」
マルサンマルマル。提督。私、天城にもいつか会えるような気がしています。
雲龍「軍艦がそんなことをいうのは変かしら」

提督「そんなことはないさ。雲龍型航空母艦の一番艦がこうしてここにいるんだ。その姉妹艦だっていつか、な」

雲龍「いえ、これは我儘だったわ。保有制限が厳しいもの。私を着任させるにも苦労したんじゃない?」

提督「ひたすら大本営と交渉をしただけだな。お前たちが背負うものと比べれば苦労は言えないかな」

雲龍「今後も交渉をお願いね」

提督「うむ」
マルヨンマルマルです。提督、そろそろ夜が明けますね。また一日が始まります。
提督「丸一日、秘書艦代行ありがとう」

雲龍「一日だけだからなんとかできたわ。これを週七日するなんて、秘書艦って大変なのね」

提督「そうだな。いつも助けられっぱなしだ。おっ、帰ってきたみたいだ」

雲龍「何を言っているの? 誰も来ていないわ」

提督「そんなことはないさ」

執務室の扉を叩く音が響く。

秘書艦「ただいま帰投しました」

提督「あぁ、おかえり」

秘書艦「雲龍、ええ子にしとったか?」

雲龍「もちろんよ。今日は艦載機が貰えるの」

秘書艦「おぉ、それはええなぁ。よっしゃ! 今日はウチと鳳翔が訓練付けたる。赤城や加賀と違って優しい訓練やでな。ぼちぼちやってこか」

雲龍「よろしくお願いします」

秘書艦「秘書艦代行ありがとうな。そんじゃ定刻になったら呼ぶから仮眠しといてな」

雲龍「わかったわ」

提督「なぁ、雲龍?」

雲龍「何?」

提督「この鎮守府でやってけそうか」

雲龍「えぇ、とても気に入ったわ」

提督「それは良かった。着任してくれてありがとう」
おしまい
雲龍の着任をお待ちしております。

>>皆々様
祈り方をありがとうございます。
後1週間、諦めずにやっていきます。
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463693152/

-雲龍