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Roma (ローマ)

【ローマ・艦これSS】提督「ローマに『兄さん』と呼ばれたい」

2016/12/20

※一応前置きしておきますが、いつものような色恋沙汰です

ローマ「――提督、このローマに何かご命令が?」

提督「ああ……とても、重要な任務だ」

ローマ(……凄く真剣な表情。よほどの事なのね……)

ローマ「……私に何をしろと?」

提督「うむ……」

ローマ「…………」

提督「(ゴクリ)…………俺を」

提督「俺を……『兄さん』と呼んでみてくれないかっ!?」

ローマ「…………は?」

提督「頼む、一回でいい。一回だけでいいから、なっ?」

ローマ「……あの、意味が解らないのだけれど」

提督「いやな、ローマがリットリオを『姉さん』と呼ぶのを聞く度に俺は思ってたんだ」

提督「ああ、ローマのあの口で、あの声で、あの表情で『兄さん』と呼ばれたら俺は、天に召されてしまうんじゃないか……って」

ローマ「……むしろ、今すぐ召されてくれないかしら」

提督「なあ頼むよローマ。一生で一度のお願い! 棒読みでもいいから、ちょっとだけ、ねっ!」

ローマ「…………絶対イヤ」

提督「そんなこと言わずに! 土下座でも何でもするから! マミーヤで甘味奢ってあげるから!」

ローマ「どれだけ頼まれたって、イヤなものはイヤ」

提督「……どうしてもイヤ?」

ローマ「どうしてもイヤ」

提督「…………」

ローマ「…………」

提督「……ふーん、あっそ。じゃいいよ。俺にも考えがあるもんね」

ローマ「考え……?」

提督「――というわけで、リットリオさんに来て頂きました」

リットリオ「Buon giorno」

ローマ「……益々意味が解らないわ」

提督「リットリオ、俺のこと『兄さん』って呼んでくれる?」

リットリオ「いいですよ? こほん……兄さん? ……ふふっ♪」

提督「あ、こっちもイイなー……実にイイ……」

ローマ「…………」(蔑みの目)

ローマ「…………で?」

提督「ああ、そうだった……つまりだな、リットリオはローマの姉だろ?」

ローマ「何を今更」

提督「では、そのリットリオから兄と呼ばれる俺は……即ちローマにとっても兄ということにならんか?」

ローマ「なるわけないでしょ」

提督「……ならない?」

ローマ「ならない」

提督「…………」

ローマ「…………」

提督「……っち、こうなったら奥の手だ」

ローマ「奥の手……?」

提督「(ガサゴソ)……リットリオ!」

リットリオ「はい?」

提督「……お前に、大事な話がある」カパッ

ローマ「なっ!?」

リットリオ「まぁ……」

提督「ケッコンしよう、リットリオ……」

リットリオ「そんな……私で、いいんですか?」

提督「ああ、構わないとも……」

リットリオ「提督……私、嬉しいです……」

提督「リットリオ……」

ローマ「……っ、待ちなさいっ!!」バンッ

提督「……何だよ、ローマ」

ローマ「何だじゃないわよ、何考えてるの!? 今のが一番意味が解らないわよ!!」

提督「いや……つまりだな、リットリオはローマの姉だろ?」

ローマ「だから何よ!?」

提督「では、そのリットリオと俺がケッコンすれば……俺はローマにとって義兄ということに」

ローマ(ブチッ)

ローマ「……私も姉さんも、あなたの玩具じゃないのよっ!!」バチッ!

提督「いでっ……」

ローマ「バカ!」タタッ

提督「…………」サスサス

リットリオ「……あんまり、あの子をいじめないで下さいね?」

提督「好きな子ほど……ってやつだよ」

リットリオ「あら」

提督「…………」ポリポリ

リットリオ「でも、今回はちょっと冗談が過ぎましたね。……もっとも」

提督「ん?」

リットリオ「私はさっきの……割と本気だったんですけど」

提督「…………」

リットリオ「…………」

提督「……悪い。俺も今しがたの……本気だから」

リットリオ「……ですか」

提督「…………」

リットリオ「……あの子には、後で謝った方がいいですよ?」

提督「……うん」

ローマ(……気に入らない。本っ当、気に入らないわ)

ローマ(常日頃からバカをやっているけど、今日のは極めつけね)

ローマ(兄さんと呼べ、ですって? おまけに姉さんとケッコン?)

ローマ(……馬鹿馬鹿しい。そんなの、絶対に認めない……)

ローマ(――は私の…………私の……?)

ローマ(……私、今……誰のことを、考えて……?)

提督「あ、ローマ……見つけたぞ」

ローマ「っ……何しに来たの」

提督「うん、その……何と言うか」

ローマ「…………」ジロ

提督「えー……あの……さっきは……」

ローマ「…………ふん」プイ

提督「う……」

ローマ「…………」チラ

提督(シュン)

ローマ(…………)

ローマ「っち……話があるなら、早くしてくれない? 私、こう見えて忙しいんだけど」

提督「……さっきは、すまなかった。お前にもリットリオにも失礼なことをしたと、反省している」フカブカ

ローマ「……解ればいいの。……私も、手を出してしまって……申し訳ありません」

提督「なーに、ローマにだったらいくらぶたれても……」

ローマ「……そう、じゃあもう一発」スッ

提督「すみません冗談です!」

ローマ「言ってる側からこれなんだから……。いい、また今日みたいなことをしたら……全力で潰すわよ?」

提督「……はい」

――翌日

提督「…………」

ローマ(テキパキ)

提督「…………」ジッ

ローマ「……何、さっきからじっと見て」

提督「あっごめん、見惚れてた」

ローマ「っ……! ……どうやら寝惚けてるみたいね。カプチーノでも淹れましょうか?」

提督「いや、至って正気だけど……でもローマが淹れてくれるなら飲みたいな」

ローマ「……あぁそう。ふーん……」

ローマ「……はい」コト

提督「わーい」

ローマ(……ガキっぽい)

提督「(ゴク)……うん、うまい」

ローマ「……へぇ、そう」

提督「こんなうまいカプチーノを、毎朝淹れてくれるステキな恋人がいたらなぁ~」

ローマ「……だったらまずは、素敵な女性に釣り合う素敵な男性になることね」

提督「え……既に顔と実力とユーモアを兼ね備えているのに、これ以上を目指せと……?」

ローマ「……まだ寝惚けてるようね」

提督「いや、さっきからずっと正気……」

ローマ「私が思う素敵な男性は、自分の仕事を部下に押し付けたりしないと思うけど?」

提督「ふむ……ローマ、そこの書類の山を二つほど貰おうか」

ローマ「あら、悪いわね」ニヤ

提督「……お安い御用だとも」ニヤリ

提督「……はい、終わりっと」バサッ

ローマ「え、もう終わったの?」

提督「うん」

ローマ「……確認させてもらうわよ」

提督「どーぞ」

ローマ(…………)

ローマ「……ちゃんとできてる」

提督「ふふん」ドヤッ

ローマ(……これで、性格さえマトモならね)

ローマ(…………)

ローマ(マトモなら……何?)

提督「あれあれ、ローマさんの作業は進んでませんね~? 解った風なこと言った割りに、素敵な女性には程遠いようですね~?」ニヤニヤ

ローマ(……ムカツク)ピキピキ

ローマ「……見てなさいよ、十分で終わらせてやるわ」

提督「言ったな? よーし、できなかったら罰ゲームだかんな」

ローマ「はぁ?」

提督「はいスタート。いーち、にーい……」

ローマ「……ちっくしょう!」

提督「……さーん、にーい」

ローマ「っく……!」

提督「いーち、ぜろー、終~了~」

提督「……あー、あと一枚か~。惜しいね~。あとちょっとだったね~?」ニヤニヤ

ローマ「……」ギリギリ

提督「じゃあ約束通り、罰を受けてもらおうかな」

ローマ「約束なんてした覚えはないわよ」

提督「はぁ……そういうこと言う? ローマは潔い奴だと思ってたのにさ……ガッカリだよ」

ローマ「いいわよやってやろうじゃないの!」

提督(ちょろいぜ)

提督「じゃあ……残り半日、俺のことを『兄様』って呼んでもらおうか」

ローマ「……またそれ。しかも、昨日より悪趣味になってない?」

提督「はて何のことか……そんなことよりも、早く罰を実行してくれたまえ」

ローマ「…………イヤ」

提督「おいおい、誇り高いお前が、一度約束したことを翻すのかぁ?」

ローマ「だから、約束してないって……とにかく、それだけは何と言われてもイヤ。挑発には乗らないわよ」

提督「……弱虫。卑怯者。負け犬」

ローマ「…………」ビキッ

提督「やーいやーい、腰抜けやーい」

ローマ「んむぐぐ……!」プルプル

提督「…………ちぃ、強情な奴だ」

ローマ「嫌味な奴よりはマシでしょ……!」

提督「誰を指してるやら解らんが……仕方ない、今回は引いてやろう」

ローマ「何度言ったって同じ、絶対に呼ばないわよ」キッ

提督(……あー、もっと意地悪したい……でも昨日の今日だし、さすがに控えないとな……)

ローマ「ふんっ!」

リットリオ「……あら、提督?」

提督「やあ」モグモグ

リットリオ「お昼、お一人ですか。……ローマは?」

提督「(モグ)霧島と食べるってさ(ゴクン)……また怒らせちゃった☆」

リットリオ「はぁ……提督も懲りませんねぇ」

提督「いやー、ローマをからかうのってちっとも飽きないんだなー、これが」

リットリオ「本当に、あの子のことが好きで仕方ないんですね……」

提督「…………」

リットリオ「提督?」

提督「いや……そうハッキリ言われると……何か恥ずい///」

リットリオ(純! 何て日本的な……)

リットリオ「いつまでも意地悪し続けてたら、本当に嫌われますよ? 少しくらい好かれる努力をしたらどうです?」

提督「んー……うーん……前向きに善処するよ」

リットリオ(大丈夫でしょうか……)

――午後

提督「――さーて、そろそろ休憩しようかー?」

ローマ「…………」モクモク

提督「……おーい、ローマー?」

ローマ「…………」モクモク

提督「……あの、ローマさーん……?」

ローマ「……休みたいなら、勝手に休めば。私は誰かさんと違って作業が遅いから、休むヒマなんてないの」

提督「う……そ、そんなことありませんよ? ローマさんは優秀な秘書艦だと思いますです、はい」

ローマ「…………」(胡散臭そうな目)

提督「ね? 休憩しましょ? ローマさんの世界一うまいカプチーノをご馳走して下さいよぉ」(揉み手)

ローマ「…………はいはい、解りました」

ローマ「お望みのカプチーノよ」コト

提督「ありがと……ところで、ローマ」

ローマ「……何」

提督「これ、よかったら食べて……?」スッ

ローマ「っ、これは……マミーヤの限定アイス!」

ローマ「……食べていいの?」

提督「もちろん」

ローマ「じゃあ、お言葉に甘えて……」スッ

ローマ「…………」ピタッ

提督「……?」

ローマ「……これを食べたら、その引き換えだとか何とかで、また変なことを言い出すんじゃないでしょうね」

提督「い、言わないって。俺だってたまには、素直に労うこともあるよ」

提督(……その手もあったか)

ローマ「……まあいいか。……いただきます」

ローマ「(パク)……ん!」

提督「……どう?」

ローマ「……とっても美味しい」

提督「そりゃよかった」

ローマ「一応、お礼を言っておくわ……Grazie」

提督「喜んでもらえて、何より」ニコ

ローマ「…………ふん」

提督「……はー、疲れた」

ローマ「……お疲れ様。午後は随分働き者だったわね?」

提督「ま、たまにはね……気紛れだよ、気紛れ」

ローマ「ふーん……」

提督「ところで、晩メシどうする?」

ローマ「ああ、鳳翔のところはお休みだっけ。……仕方ない、私が作るか」

提督「じゃあ俺、酒持ってくよ」

ローマ「そう、気が利くわね」

ローマ「…………」

ローマ「……ちょっと待って、一緒に食べるなんて話、した覚えはないんだけど」

提督「え、ダメ?」

ローマ「ダメではないけど、イヤではあるわね」

提督「まあそう言うなって。別にいいじゃん?」

ローマ「それがものを頼む態度?」

提督「……いいお酒があるんだけどな」ボソッ

ローマ(ピクッ)

提督「洋食にも合う高級ニホンシューがあるんだけどなぁ。一人で空けるには多いんだよな~」チラッ

ローマ「…………」

提督「ちらっ、ちらっ」

ローマ「……どうしてもって言うなら、あなたの分も作るけど」

提督「どうしても!」

ローマ「あっそ。……お酒、忘れないでよ」

提督「おいおい、それが頼む態度かぁ?」

ローマ「……作ってほしいの? ほしくないの?」

提督「……すんません、調子乗りました」

提督「お邪魔しまーす」

ローマ「……ホントに来たんだ」

提督「ご挨拶だなぁ」

ローマ「普段が普段だもの。……料理、できてるわよ」

提督「おぉー……随分気合入ってるね?」

ローマ「……別に。いつもこんなものよ」

提督「そか。ローマとケッコンしたら太りそうだなぁ」

ローマ「…………」

提督「あ、別にローマが太ってるって言ってるわけじゃ……」

ローマ「…………」プルプル

提督(……そ、その顔を赤くして奥歯を噛み締めてるのは、怒ってるから? 怒ってるからなの?)

ローマ「……お酒」

提督「へ?」

ローマ「お酒は?」

提督「あ、ああ……これだけど」スッ

バッ

提督「あっ!?」

ローマ「……」ゴボ…ゴボ…

提督「あわわ……」

ローマ「うっぷ……まあまあってとこね」プハッ

提督「ロ、ローマさん……?」

ローマ「……何よ」ジロ

提督「い、いやその……大丈夫?」

ローマ「ふん、このくらい、飲んだうちに入んないわよ」

提督「そ、そう……? まあ本人が言うなら……」

ローマ「いいから、食べましょ。お酒、まだあるわよね?」

提督「も、もちろんですとも、はい」

提督「そういえばリットリオは?」

ローマ「今日はザラやリベと一緒に食べるんですって」

提督「へー……ローマは一緒に行かなかったんだ?」

ローマ「……誰かさんが突拍子も無いことを言い出さなければ、私もそうしたんだけど」

提督「ごめん……じゃないな。美味しい夕食を、ありがとう」

ローマ「……ま、いいけれど、別に」クイッ

ローマ「……ふぅ」

提督「……注ごうか?」

ローマ「……たまには気が利くのね」

提督「料理を作ってもらったしな。……まま、一杯どぞ」トクトク

ローマ「(クイッ)……ふぅ。……悪くは、ないわね」

提督「ささ、どうぞもう一杯」トクトク

ローマ「ん……」クイッ

提督(…………)

――数時間後

ローマ「ぷは……」ヒック

提督「いや~、いい飲みっぷりですな」

ローマ「ふん……らいしたことなひわよ」ヒック

提督(……かなり出来上がってきたな)

提督「ダメ押しでもう一杯、飲んじゃって?」トクトク

ローマ「だめおひ……?」

提督「ああいや、何でも」

ローマ「ん~……」クイッ

ローマ「ほゎ……」

ローマ(ボーッ…)

提督(ふっふっふ……)

提督「なあ、ローマ?」

ローマ「んー……?」

提督「楽しい夜だな」

ローマ「そぉね」

提督「お酒は美味しいし」

ローマ「おいひーし」

提督「料理も美味しいし」

ローマ「とーぜんよ」

提督「こんなに楽しければ、うっかり俺のことを『お兄ちゃん』と呼んでも仕方ないな!」

ローマ「それはない」キリッ

提督(ガクッ)

提督「……まだ飲み足りないかぁ?」トクトク

ローマ(クイッ)

ローマ「……くふっ……くふふふっ」

提督(お? ローマのこんな姿は初めてだ……度を越すと笑い上戸になるのか?)

提督「……もう一度言うぞローマ、俺を『にぃに』と呼ぶんだ!」

ローマ「いやーだっ。あっはははは」ケラケラ

提督「むぅ……完全にいつもの自分を失っているのに、こうも一貫して拒むか……」

ローマ「いやったらいやー。絶対にいやー」アハハ

提督「なぜだ……」

ローマ「らって、私……」クイッ

ローマ「私は……あなたの妹なんてイヤ。……あなたの、最愛の人になりたい……んだもの……」

提督「…………ほへ?」

ローマ(グビッ)

提督「……ロ、ロロローマ? いいい今何て?」

ローマ「んー……? 何……? わたひ、さっきらんて言ったの……?」ウトウト

提督「うぉおぃ、起きろっ!」ユサユサ

ローマ「…………」ガクガク

提督「……ローマぁ?」

ローマ「……すぅ……すぅ」

提督「…………」

提督「……おおおおちけつ俺。素数を数えろ。0、1、1、2、3、5……」

ローマ「むにゃ……それはぁ……素数じゃなぃ……わよぉ……」

ローマ「……ん」パチ

ローマ「……」ムクリ

ローマ「……」キョロキョロ

ローマ(……積み上げられた皿。散乱する酒瓶。向かい合うように配置された椅子……)

ローマ(そして、私の身体にかけてある男物の上着……)

ローマ(どうやら微かに記憶に残るアレを、単なる悪夢と片付けるのは難しいみたい……ね)

ローマ「…………ありえない」

ローマ「うう……ありえないありえない、絶っっっ対に、ありえないっ!!」

ローマ(……なんて言ったところで、誤魔化しようがないのは……解ってる)

ローマ「……何で、いつから? どうしてなの……?」

ローマ(……なんて考えたところで意味がないのも、解ってる)

ローマ「…………」

ローマ「……ちっくしょう……そういうことか」

ローマ(自分でも不思議なくらい頑〈カタク〉なに『兄さん』呼びを拒否したのも、姉さんとの嘘ケッコンに激怒したのも)

ローマ(たまのたまにちょっと優しくされただけで舞い上がって、すべて許せてしまうのも)

ローマ「……好きだから、なのか……」

ローマ「…………」

コン、コン

提督『……居留守です』

ローマ「……」ガチャ

ローマ「……おはようございます」

提督「……おはよう」

ローマ「…………」

提督「…………」

提督「……あ、あの、さ」

ローマ「……はい」

提督「……昨夜のこと、覚えてる?」

ローマ「……最悪なことに、覚えてます」

提督「……そっ、か」

ローマ「正直、自分でもまだ信じられないし、認めたくもないけど」

ローマ「……どうやら、本心みたい」

提督「……!」

ローマ「……好きよ。……あなたが、好き」

提督「…………」

ローマ「……何か言ってよ」

提督「え……あー、ええと……」

提督「んん、ゴホン。……ローマ」

ローマ「……はい」

提督「こっ……このこと、他の誰かに話したか?」

ローマ「? ……いいえ」

提督「そうか。……なら、俺とお前しか知らないってことだな?」

ローマ「そうね」

提督「これを……他の皆に知られるのは困る……よな?」

ローマ「……?」

提督「……つまりだ、この話を広められたくなければ……」

ローマ(……ははあ)

ローマ「……言うことを聞けってこと?」

提督「……話が早い」

ローマ「……それで、私にどうしろって?」

提督「うん、これをここだけの話に留めたいなら……」ゴソゴソ

ローマ「……」

提督「(カパッ)……これを、左手の薬指にはめてもらおうか」

ローマ「……!」

提督「……それが条件だ」

ローマ「…………」

ローマ「……面倒臭いわね、あなた。……でもいいわ」スッ

ローマ「(キュッ)……今回だけは、あなたのバカに乗ってあげる。あなたのものに、なってあげる……」

ギュッ…

ローマ「私はあなたのもの……」チュッ

提督「んむ……!?」

ローマ「ん……ちゅ、れる……はぁ、あむ…………」

ローマ「ぷは……」

提督「……ローマ……」

ローマ「……そして、あなたは私のものよ」

提督「……なあローマ」

ローマ「……何?」

提督「これで最後にしようと思うんだが……もう一回だけ、聞いてみてもいい?」

ローマ「何を?」

提督「俺を『兄さん』って呼んでくれるかどうか」

ローマ「……言ったでしょう。絶対に、イヤよ」

提督「……だろうね。まあ今となっては、そんなことされなくても天に昇る心地だけども」

ローマ「これから先、私からあなたへの呼び名は一つだけよ」ギュッ

ローマ「Amore mio. ……私の、愛しい人」
――艦

終わります。ありがとうございました。

なお>>23でポーラの名前が出てないのは、書いたのが春イベ前だったからです。書き足すの忘れてました。

 

 

元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463231893/

-Roma (ローマ)