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北上 大井

【大井SS】提督「北上さんとケッコンカッコカリしたいけど…」【艦これ】

北上「現在時刻、ヒトナナマルマル。そろそろ今日は看板だね?夕日が落ちるよ?」
提督「うむ…」
北上「ふんふんふーん~」
提督「………」
提督(スーパー北上様こと北上さんはうちの秘書官だ)
提督(初期から鎮守府を支えてくれた、俺にとってなくてはならない大切な艦娘だが………どうも距離感が掴めない)
提督(というのも彼女の性格が非常に掴みにくいのだ。のらりくらりしていると言うか………)
提督(恥ずかしい事に、彼女がこの鎮守府に来てから大分たった今でも距離が測れずにいる)
提督(同期の提督の大多数は既に仲を深める…いわゆるケッコンカッコカリするなど何らかの進展はあるのだが、俺は未だに現状維持という所だ)

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提督(もちろん北上さんの練度は高くケッコンカッコカリも申し込めるが…………ケッコンカッコカリの情報を知った時の北上さんの反応は――)
北上『ん、提督。それなに? ケッコンカッコカリ? ふーん〜、へー…ほーん。面白いねぇー』
提督(面白いってなんだ面白いって! 一応興味はあるのか? だけどそのあと一切触れてこないし……よく分からない)
北上「あ、提督ー。時間だよぅ」
提督(くそぅ……本当によく分からない! 俺は……正直、北上さんが好きだ。共に修羅場をくぐり抜けて行くうちに彼女に惹かれてた。ケッコンカッコカリしたいが…)
北上「提督ってばー」
提督(だが…北上さんがどう思っているか分からないのに申し込むのは……怖い。玉砕したら立ち直れないだろう)
北上「おーい、提督?」
提督「へ? うわっ、顔が近い!?」ビクッ
北上「そりゃまあ、顔を覗き込んでるからねぇ。夕食とってくるね〜」
提督「あ、ああ……」
北上「じゃ、行ってきまーす」ガチャッバタン

提督「…………」
提督(まぁ嫌われてはいないのかなぁ………)
提督(とにかくこのままじゃモヤモヤする。少しずつ距離感を確かめてみよう)
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北上「あ〜酸素魚雷重いなぁ……」
提督(先ずは呼び方を変えてみよう)
提督(知り合いの提督の話だと、ある程度仲が良いと呼び名を変えても許容してくれるらしい……)
提督(よし、ここは北上さんから北上ちゃんで試そう)
提督「おーい」
北上「ん、提督? どうしたの?」
提督「北上ちゃん、魚雷運ぶの手伝うよ」
提督(さぁ…どうだ)
北上「ん? んー……じゃあ少しお願いしようかなぁ」
提督(あれ?)
北上「はい、気を付けて持ってね」
提督「あ、ああ」
北上「いやー、最近肩が凝るんだよねぇ、肩が。魚雷が重くてさぁー」ガチャガチャ

提督「た、確かに重いな…」ガチャガチャ

提督(くそっ。怒るでも照れるでも無く、まさかのスルーか?! やるな…北上さん)
北上「あたしもまだまだ若いと思うんだけどねぇ……あ、ここまででいいよ。後はあたしが運んでおくから」ガチャガチャ
提督「分かった。しかし、本当に重いんだな」
北上「ま、こればかりは仕方ないよ。それに大井っち曰く、この重さも大事らしいよ」
提督「そうなのか…」
北上「あ、そうだ。ねぇ、提督」
提督「ん?」
北上「何でさっきは北上ちゃんなんて呼んだの?」
提督「へ?!」
北上「いや、さっき突然北上ちゃんって呼んだじゃん。何で?」
提督「そ、それはだなぁ…」
提督(くそっ……まさか今聞いてくるとは。完全に不意をつかれた?!)
提督「な、何と無くだ…」
北上「何と無く?」
提督「うん……」
北上「ふーん…」
提督「…………」
北上「んー、まぁそういう時もあるよねぇ。まあいいや。じゃあ、また後でね。手伝ってくれてありがと」ガチャ
提督「うむ…」
提督(畜生! またよく分からないぞ! そういう時もあるって何だ?! 嫌なのか? 良いのか? 分からない。分からないよ北上さん!!)

北上「ふぅ……よっこらせっと。さぁぼちぼち運びますかね」ガチャガチャ
提督「ん? 北上さん。魚雷を保管するところはそっちじゃ無いぞ」
北上「ん? あーごめん……そうだった。いけない、いけない…」ガチャガチャ
提督「気を付けて運べよー」
北上「了解〜」

提督(ふむ……もっと別な方法で試してみるか…)

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北上「あ〜駆逐艦の相手をするのは疲れるなぁ…。どうしてあいつらは体に登りたがるんだろう」
提督(次は軽いスキンシップを試してみよう)
提督(知り合いの提督曰く、ケッコンカッコカリできるレベルならスキンシップぐらい当たり前らしい)
北上「あ……駆逐艦にあげるお菓子切らしてる。んー、たまには北上さま、お手製のを食べさせるか」
提督(目安としては後ろから突然目隠しをして、だーれだって言うアレが仲良くできるレベルだと良いらしいな………本当かよ?)
提督(まぁどちらにしろ俺には出来ない………何たって恥ずかしいからな)
提督(ここは一つ、後ろから肩を揉むにしよう。これなら万が一ダメでも誤魔化せるしな)
提督(よし、行くぞ!)
提督「………」ガシッ
北上「ん?」
提督「………」モミモミ
北上「ん………ああ…」
提督「………」モミモミ
提督(ど、どうだ?)
北上「いいね……気持ちいいよ…」
提督(お?!)
北上「ありがとね……大井っち」
提督「って、そっちかい!」
北上「へ?」クルッ
提督「あ」
北上「……提督じゃん。何してんの?」
提督(あ……これマズイやつかな)
提督「えーと…スキンシップ?」モミモミ

北上「ああ……なるほど」
提督「………」モミモミ
提督(やばいどうしよう)
北上「………提督」
提督「な、なに?」
北上「ちょっと強いかな…」
提督「あ…わ、悪い」モミモミ
北上「………」
提督「………」モミモミ
提督「あの、北上さん?」
北上「ん?」
提督「怒ってない?」
北上「何で怒るの?」
提督「いや……セクハラじゃんとかあるかもしれないし」
北上「あー、そういう人もいるかもねぇ」
提督「北上さんはどう?」
北上「ん〜……よくわかんない」
提督「さいですか…」

この後めちゃくちゃ肩揉んだ。部屋に来た大井さんに睨まれた。結果よく分からなかった。
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北上「はぁ……お腹空いた…」
提督「はぁ……」
提督(結局わかんないままだなぁ)
提督(少なくとも嫌われてはないのは分かったけど……好かれてるのかはわからない…)
提督(このまま申し込んだらもしかして…)
北上『え、もしかして勘違いさせちゃった? んーごめん無理かな』
提督(何て言われたらうわああああああぁぁぁぁ……)
北上「何さっきから顔芸してんの…」
提督「いや……色々難しいなって…」
北上「あー、確かに。色々難しいよねぇ」
提督(お前の事だよおおお!!)
提督(くそっ……こうなったら、あの人に相談してみるか)
提督(多少の危険は伴うが……仕方ない)
北上「?」
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コンコン
提督「どうぞ」
大井「失礼します。どうしたんですか、提督?」
提督「ああ、よく来てくれた。……実は大井さんに相談したい事があってな」
大井「何ですか、そんな深刻そうな顔をして…何かあったんですか?」
提督「うむ……今から言うことは口外無用だからな…」
大井「は、はい…」
提督「北上さんって……」
大井「は、はい…」ゴクリ
提督「俺の事好きかな?」
大井「……は?」
提督「いや…その、北上さんって俺の事どう思ってるのかなって。好きとか嫌いだとか…何か聞いてないか?」
大井「……魚雷撃ちますね」ジャキッ
提督「ちょ、待った待った!」
大井「辞世の句は『ちょ、待った待った』ですね。分かりました」ガチャン
提督「これには訳があるんだって!!」
大井「…………何ですか?」
提督「そのですね……」

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提督「……というわけなんだ」
大井「………」
提督「それで…北上さんと仲の良い大井様に相談をさせてもらったわけでありまして…」
大井「………中学生か!!」ガンッ
提督「ひぃっ!」

大井「何か呼び出されて深刻そうだと思ったら恋愛相談とか……中学生かよ!!」
提督「いやでも……」
大井「そのくらい自分で解決しろや!!」ガンッガンッ
提督「ひぃぃっすいません!」
大井「はぁ……はぁ……」
大井「………」
大井「まぁ…気持ちは分からなくはないです」
提督「え?」
大井「北上さんは、そういうとこありますから」
提督「ああ、やっぱそうなのか…」
大井「それも含めて北上さんですよ。ま、私くらい北上さんLOVE勢になれば以心伝心ですけどね」
提督「くっ……まだ俺にはLOVEが足りないのか…」
大井「ちなみに北上さんが提督の事どう思っているか私知ってますよ?」
提督「何?! お、教えてくれないか?」
大井「そうですね……」
大井「…………」
大井「……嫌です」
提督「ええ?!」
大井「こういう事は自分で解決すべきです。男でしょう?」
提督「ぐっ……確かに」
大井「まあ頑張って下さい。撃沈しても骨は拾いますから」
提督「縁起でもない事言うなよぉぉ……」
大井「ただ……どんな方法にしろ北上さんを泣かせたら………わかりますね」ジャキッ
提督「は、はい」
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ーー
提督「くぅ……大井さんの意地悪め……」
提督(まあ確かに俺自身で確かめなければいけないってのは正しいな……)
提督「こうなったら、もう直接聞いちゃうかな…」
北上「何を?」
提督「うぎゃあああ!?」
北上「何さ、そんなに驚いて…」
提督「い、いや何でもない。大丈夫だ」
北上「そう?ならいいけど…」
提督「と、突然どうしたんだ?」
北上「いや提督が呼んだんじゃん。書庫の整理するって…」
提督「あ、そうだったな…失礼」
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ーー書庫
北上「んよっ、どこいっしょっと」
提督「ふぅ……後は棚上だけだな…」
北上「んん…結構疲れるねぇ」
提督「悪いな…手伝わせて」
北上「んーん、別にいいよ」
提督「よし、じゃあ脚立に上がってくれないか。下から渡していくから」
北上「了解〜」
提督「よし、じゃあ行くぞ」
北上「ほい、どうぞ」
提督「よし、次」
北上「ほいほい」
提督「お……これは少し重いから気をつけろ」
北上「ん、了解………え?」パキッ
提督「え?!」
提督(き、脚立が!)
提督「北上さん危ない!」

ドンガラガッシャーン
提督「いてて………」
提督「だ、大丈夫か北上さん」
北上「う、うん……」
提督「そうか……ん、なんか柔らかい…」モミモミ
提督「え……」
北上「あー……」
提督「あ……こ、これは」
提督(庇った勢いで、丁度北上さんを押し倒す体制になってしまった?! しかも手は乳房を掴んでいるだと?!)
北上「………」
提督(ど、どうする。不可抗力とはいえ既に1、2モミしてしまった。これで誰かを呼ばれたりでもしたら変態提督間違いなしだ)
提督(く、くそ……柔けえなぁ。北上さん以外とあるんだな……じゃなくて早く弁解しなければ! 泣かれでもしたら大井さんに…大井さんに……)
北上「ねぇ……提督」
提督「は、はい」
北上「柔らかい?」
提督「へ?」
北上「いや、他人からの感触ってどうなのかなって。柔らかい?」
提督「そりゃあ、まあ…」
北上「へー、そうなんだ。あたしはあんまり大きくないから揉み応えがなさそうだけどなぁ」
提督「は、はぁ…」
北上「もっと牛乳飲めって事かなぁ…大井っちなんかはマシュマロみたいなんだけどね」
提督「……」
提督(な、何だ? 普段通り? 怒ってないのか?)
提督「あの……北上さん?」
北上「ん?」
提督「その……不可抗力だけど押し倒した体制に加え、間違えて乳房を揉んでしまったわけですが……怒ってない?」
北上「なんで怒んの?」
提督「だっておっぱい揉んじゃって」
北上「うん」
提督「うんって……怒らないの?」
北上「んー、別に?」
提督「???」
提督(んん? どういう事なんだ? 普通なら、はたいたり叫ぶくらいはするんじゃないか? 意味が分からないぞ?)
提督(…………)
提督(………んん?!)
提督「あのー、もしかしたら失礼な事をお聞きしますが」
北上「うん?」
提督「北上さん、俺の事好きとか?」
北上「うん、好きだけど」
提督「えぇ……」
北上「あ、嫌だった?」
提督「いや……実は俺も好きなんだけどさ」
北上「へー、良かったぁ」
提督「ケッコンカッコカリしてくれる?」
北上「もちろん。いいよー」
提督「そ、そうか」
提督「…………」
北上「…………どしたの?」
提督「いやー、実を言うとここ最近ずっとモヤモヤしてたわけですよ」
北上「ふむふむ」
提督「北上さんとケッコンカッコカリしたいけど…北上さんがどう思ってるかわかんなくてさ」
北上「あー、成る程……分かりづらい奴だもんね…ごめん」
提督「ほんとだよ………まあでも良かった…」
提督「あ、言っとくけど本気だからな! ムードもへったくれもない申し込みだけどさ……ごめん」
北上「いやいや、あたしも悪いのさ。それにケッコンカッコカリ申し込まれて冗談だとは思わないよ」
北上「んー……でも、提督だけ本気の意を示してなんか不公平かな」
提督「いやいや別にそんな事…」

北上「あー、そうだ。………提督。あたしもさりげなく好意を示してたんだよ」
提督「え?」
北上「例えば…ほら」ピラッ
提督「ぶっ…ちょっ」
北上「あたしには派手だと思うんだけど……提督と2人になる時は着ていけって大井っちがさ。気づかなかった?」
提督「気づかなかった……って、気づかないだろ! 俺はスカート覗く趣味はないぞ!!」
北上「あははー、そうだよねぇ」
提督「というか早く隠せ…!」
北上「…………」
北上「提督、この後って何かあったけ?」
提督「いや、特にはないが……」
北上「そっか………じゃあ………する?」
提督「へ……お、お前…」
北上「いいよ……提督」
提督「……本気なんだな」
北上「ここで冗談は言わないってー」
提督「……それもそうだな」
北上「あははー、もうちょと恥じらいを見せれたら分かり易いんだけどねぇ」
提督「……! いや、十分わかったよ」
北上「へ?」
提督「耳が真っ赤だよ。北上さん」
北上「………そっか……へへ///」
北上「……あのさ」
提督「ん?」
北上「…………好きでいてくれて、ありがとね。提督///」
提督「……!?」
提督「そ、それは卑怯だよ…//」
北上「えへへ……好き///」チュッ
ー完ー
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-北上, 大井