艦これSSまとめ-キャラ別これくしょん-

艦隊これくしょんSSのキャラ別まとめブログ


青葉 衣笠 北上 大井

【衣笠・電SS】異動で女だらけの職場に行くことになった【艦これ】

「本日付けで貴殿を特務少佐に昇格、また海軍提督に就任させる」

「…は?」

前略、おふくろ様
いかがお過ごしでしょうか

お変わりありませんか?

僕は今日、20代前半の若造でありながら海軍提督になりました。

昨日までは少尉候補生でした。

わけがわかりません
軍令部に呼びつけられたのはほんの一時間前

出頭&即座に艦娘部隊担当提督というありがたーい地位を拝命する。

青天の霹靂とはこのこと。

ドッキリ大成功の看板を探したが最後まで出てこなかった。

普段であれば口もきけないようなお偉い方に 「マジっすか?」と言っちゃった。

出世何階級?

自分は士官学校を卒業後、少尉候補生として数か月の修行期間を過ごした
これから少尉として小隊を率いるはず……だった。

そういえば上司から
『未婚で若く、妖精が見える健康な士官 という担当提督条件を通過している』

『提督候補の名簿上位である』旨は言われたような。

新米の自分が提督?
意味が解らなかったので冗談だと聞き流していた。
なぜこんな急に?

戦死した提督が出たという話は聞いていないが?

そもそも就任条件おかしくない?

大体、艦娘部隊って噂には聞くけど実態はよくわかんない。

南方に居る女の子だらけの特殊部隊…とかいう話

男だらけに疲れた奴の妄想かと思ってた

湧き出してきた疑問の質問を行おうとすると……

辞令を押し付けられ、輸送機に詰め込まれたのでその機会はなかった。
偉い人「まぁ行ってみればわかるさ」

偉い人2「なんて言えばいいものか 形容しがたい感覚だ」

偉い人3「かーちゃん1人でも大変なのに……ファイト!」

と、見送るお偉方の目に同情と嫉妬が混じっていたのが不安である。
あと引っ越し荷物もなにもない身一つで送り込まれるのも不安。

いくら軍だからって無茶苦茶だ。
拉致だろこれ。

戦地で生活用品を買い求めることができるのか?

まさか荷物もなんも必要ない特攻部隊?

そしたら嫉妬はしないか

いったい自分はどこに送り込まれるのか
輸送機の中でウンウン考え込んでいると着陸のアナウンスが聞こえ
どこかの南方の島に到着。

そして輸送機を降りると出迎えてくれたのは……
電「はじめまして電です」

……子供?

なんで女の子が軍の部隊に

提督「えーとお譲ちゃん。自分はこのあたりに駐留している部隊に着任…」

電「はい、司令官さん。ご指導ご鞭撻お願いするのです」

え? この子部下?

その場で話を聞くと全ての隊員は女性。
かなり広い地域を担当する部隊なのに総員でも150名程度とのこと

嘘を言っているようには見えないんだけど内容はどう考えても嘘で

?マークを頭に浮かべつつ執務室に案内されると前任者からの引き継ぎ書があった。

読むと驚くべきことに電ちゃんの話は全て本当らしい
引き継ぎ書の1ページ目にはこう記されている。

『彼女たちはただの人間ではなく、過去に実在した艦船の精霊的なんちゃらである』

……なんか先読み進める気がしなくなってきた。

『正直何者かよくわからない。でも可愛い。戦場に出せば勝手に戦ってくれるし
遠征に出せばどっからか資材持ってくるし、24時間戦えるし、スゲー便利 あと美人で肌奇麗』

全般的に漂う軽さと戦いながら完読。

要するに『どこ攻めるか』『誰に行かせるか』『誰を補給・修理するか』くらい指定すれば
後の部隊配置とか兵站とか全部オートでやってくれるらしい。

これなら指揮官初心者でも大丈夫ですね。

ってこれ自分が居る意味あんの?

我が国の軍備はこんな不思議なものに守られていたのか……

頭を抱えていると先ほどの電ちゃんがお茶を持って来る。

実にちんまい。
提督「……君も戦うのか?」

華奢でミニマム
どう考えても深海棲艦に立ち向かえるとは思えない。
あっちもわけわからない変な敵なんだけど

電「はい」

提督「他の子たちも…女性なんだよな?」

電「ええ そのうち顔合わせをしていただきます」

電「今日は時間も遅いのでもうお部屋にご案内しますね」

はぁ

とりあえず着いていく
そして大きな建物に入る。

途中ですれ違う子すれ違う子がこちらに視線を向けてくる。

色々と言いたいことはあるが……アイドル集団かなんか?

ヤバイ。平均レベルがおかしい。

っていうかここ女子寮だろう。なんで自分の部屋に行くのに女子寮通るの

なんて思っていると電ちゃんの足は止まり

電「ここが司令官さんの部屋になります」

と、一室のドアを指差した。

聞き返すも住む部屋は女子と同じ建物とのこと

提督「御冗談を 羊の群れに飢えた狼…」
電「別に危険なことはないのですよ それぞれの部屋には鍵が付いていますし」

電「だいたい……」

提督「だいたい?」

電「電は艦娘の中でも非力なほうなのですが」

そう言って懐からリンゴを取り出すと片手で…握りつぶした。

電「人の力で艦娘に無理やりどうこうできるわけがないのです」

oh
電「あと 気を付けてください。前の方のせいで司令官さんはあまり快く思われていないので…」

そういえばさっきの視線も美人だったけど怖かった。

提督「今さらなんだけど……前の提督なんでここ去ったの? 転勤?」

電「前の方が着任された当時。 皆 あまり男の人と関わった経験はなかったのです」

電「だから無条件に憧れて 司令官さんと仲がいいことがステータスになって」

電「そしてその状況に調子に乗ったあの方は…」

電「15股かけたあげく『切り落とすか辞めてふたりっきりになれる場所に引っ越すか』」

電「選んでほしいネー! と言われてぅーぅーうめき声と共に引きずられてそのままどこかに」

それも拉致と言いませんか?

電「ちなみに15股の1つは電の大切な姉でした」

ようやく気がついた。
そういえばこの子出会ってから一回も笑っていない。
電「皆、理屈では分かっているのです。司令官さんは前の方と別人であること」

電「同じ男性だからって同じような行動をするとは限らないこと」

電「でも女性の多くは感情で動く生き物……なのです」

と、言ってその手に持っていた魚雷をこちらに向ける。

ぎょ、魚雷って片手で持てるものだっけ

電「出来ればある程度はお助けします」

電「でもイケナイことをしたり、戦艦空母さん相手だと電では庇えきれないのです」

電「気をつけてくださいね」

首を上下に振った。

ここでやっていけるのか。
部屋に入り、ドアを閉めると不安に襲われてたまらなくなった。

女だらけの職場…

そこは夢のような地獄なのか…

おふくろ様

僕には自信がありません。

僕には自信がありません(溜息)
なんてことを考えながらへたり込んでいると

コンコンコン

とノック音がした。ドアの前には人の気配。

「緊張しますねー」

「手に人って書いて飲み込めば」

会話しているので複数人?
慌ててドアを開けると女の子と言うべきか女性と言うべきか。中間くらいの子が2名。

??「男の人だー」

??「近づきすぎると食べられちゃうかもね?」

??「ガサー そんな狼じゃあるまいし 優しそうな人だよぉ」

提督「えーと 君たちは」

青葉「ども、恐縮ですここの報道管理をしている 青葉だよ」

衣笠「衣笠さんでーす 青葉共々よろしくね!」

提督「あ ああよろしく」
青葉「では早速突撃取材をば」

衣笠「突撃となりの晩御飯~」

提督「お、おいっ」

挨拶を済ますと2人はいきなり部屋の中に入り込んできた。

青葉「うーん広い おおっ! これがあの数多くの女性を食い散らかしたというベッド」

衣笠「ゴミ箱にティッシュが入ってないなぁ 衣笠さんの知識だと男の人は一晩に1箱」

青葉「まだ入室数分だよー きっとはじめる前だったんだよ」

衣笠「そうなの? じゃ10分くらい目をつぶってるから」

提督「猿か!?」

衣笠「足りない?」

提督「そういう問題じゃない」

提督「えーとその」

言いたいことは山ほどあるがとりあえず

提督「女の子がいきなり男の部屋に入ってくるんじゃありません!」



青葉「キャー 『女の子』だってー 子扱いだー まだまだ若いかな~」

衣笠「マンモスうれぴー」

だめだこりゃ 女性特有の勢いに勝てない。
でもこの子たちは敵対心なさげ? ちょっと話を聞いてみよう

提督「君たちは提督が嫌いではないの?」
衣笠「あーもう聞いたんだ 衣笠さんたちは新提督に対して好感派だから」

提督「好感派?」

青葉「女同志は派閥を作るものです 青葉の取材によると今回は3派閥に分かれました」

衣笠「好感派 様子見派 嫌悪派」

青葉「人数的には全部同数くらいですねー 普通は好感派ばかりになるんだけど前任が」

青葉「嫌悪派の中では比叡さんには気をつけたほうがいいですよー」

提督「比叡?」

衣笠「前提督と駆け落ちした人の妹だよ 愛してた姉を取られた!って男を見れば殴りかかる勢い」

青葉「ちなみに戦艦だから…… パンチ力は花山薫級?」

うそぉ
青葉「司令官のことは大切に思うように好感度調整はされてるけど~」

衣笠「大切な気持ちより上回る殺意もあるよね」

青葉「殴られたら青葉ちゃ~んと事故現場撮影してあげますから」

衣笠「レフ版はおまかせ!」

提督「助けてよ」

衣笠「もっちのろんだよ~ できる限りは助けちゃう!」

青葉「できる限りは…」

衣笠「私たち重巡でも低ランクだから戦艦相手だと…」

提督「……」

提督「まぁ 女の子に助けられないよう、揉めたら自力で頑張る」

と、虚勢を張りながら力こぶをつくって

軍人だからそれなりにはある

みかんなら握り潰せるさ
衣笠「おー 聞いた~青葉。凄い前向き発言」

青葉「聞きました聞きました 明日の一面は『新司令官! 戦艦スデゴロ上等だ!!』で決まり」

衣笠「衣笠さん的に男らしいのはポイント高いよ」

青葉「出会い5分でガサの好感度上昇! これはハーレム作るタイプの方ですかー?」

このこの と言って脇腹をつつくのだがそのひとつつきが成人男性のグーパンくらいあって
痛い

やだ こんなゴリラのハーレムなんて
まぁとりあえず好感を持ってくれている子もいるということでよかった。

そうだよな うん

いきなり女の園に男の上司がくるんだもの よっぽどの爽やかイケメンじゃなきゃ陰口は確定

下手をすれば虐められ

こうお茶にはぞうきんの絞り汁が
靴箱には画鋲が

前任はやらかしたようだが好感持ってくれる子もいる。電ちゃんが言うよりは状況はマシ。

これなら明日から頑張れるかなー

服装は常に清潔に
女性同士の争いには関与しない
生理時期には敏感に
愚痴には反論しない
甘い物は切らさない

なんてアドバイスを貰いながらワイワイ会話していると
「騒がしい」

「時間を考えてください」

と巨大な艤装の砲身をこちらに向けた女性が二人。ドアを開けたが入れなかった

「着任日から女の子を部屋に連れ込んで」

「姉さま こいつも女の敵のようですね」

提督「……この方たちは?」

青葉「……隣の部屋に住む15分の1とその妹」

衣笠「ちなみに戦艦だから衣笠さんたちじゃかなわないかなー」

「今日から隣人 よ・ろ・し・く お願いします ふっふっふっふっふ」

妹のほうが念を押すと二人は帰っていった。

初めて体感した戦艦の迫力におしっこチビりそうになった。
青葉「ちなみに今の二人ですら戦艦としては錬度低く実力は低めです」

衣笠「なんていうか 短い付き合いかもだけどよろしくね!」

青葉「もう帰るからとりあえず新聞の契約 あと洗剤だよ」

好感組二人も帰っていった。

前任者を恨みつつ、とりあえず寝て初日を終える。
翌朝、投げ込まれた新聞の一面は

『新司令! 不幸姉妹に失禁仰天』

これ好感派減ったんじゃなかろうか?

ちなみにそのその後一面を抽出してみる

『無迫力の新司令官、姉妹崩し任せろ』 『腕力も不合格点!新司令、魚雷持ち上げられん』
『┣¨┣¨┣¨┣¨ドッ司令官、驚異の逃げ足』 『司令官豪語。自分の利点探して』

なんだこれ
二日目

執務室に出勤すると電が待機していた。

秘書艦 という役割らしい。

「別に他の子を選んでもいいのですよ」
「むしろ司令官さん派閥の子と思われるのでそうしてほしいのですが」
「仕事なので嫌とはいいません」

と言われたが青葉衣笠の二人はどうにも頼りない
あと知っているのは怖い二人と名前だけ知ってる嫌悪派比叡くらい

悪いがそのまま続けてもらうことにする。

さて右も左もわからないけど仕事を始めよう。
まずはマニュアルにあった装備の指示からやってみるか。

提督「電ちゃん 魚雷を下して12.7cm連装砲を積んでください」

ジャキン  「ちょっと体が軽くなったみたい」

魚雷ってやっぱ重いのかな? と外したのを持ち上げようとしたらビクともしなかった。

ちょっと?
じゃ次は他艦娘装備中のと交換。

提督「この魚雷 五連装のほうを借りてきて装備してみて?」

電「では今装備している北上さんを放送で呼び出すのです」

なるほど そういうシステムなのね

提督「…ちなみにその人嫌悪派じゃないよね?」

と聞くと様子見派だとのこと。

電ちゃんも様子見派だとのこと。

安心して呼んでもらった。

北上「へーい 北上だよー まーはじめましてよろしくー」

??「こんにちはー」

提督「…二人?」

電「98%くらい北上さんと行動を共にしている 『嫌悪派』の大井さんです」

おい

電「嫌悪派の中では穏健部類なので多分大丈夫なのです」

多分?

電「ちなみに前の提督は大井さんに魚雷ブチ込まれて2週間入院しました」

大井「チッ 着任2日目で北上さんを呼び出すなんて下心が透けて見えてるわこの男」

大井「ちょっかいかけてきたらまた肛門を拡張」

大井「あっいえ、なんでもありませーん。うふふっ」

おもいっきし聞こえるように言っている気がする。
提督「まぁいいや とりあえず北上 五連装魚雷を電に貸してくれ」

北上「えー やだ」

提督「……拒否とかあんの?」

北上「だってさー 付けるのも外すのも妖精さんが金具で留めてるんだよー」

北上「溶接とかあるし装備変えるのもひと仕事でさぁ」

大井「計画性ってものがないのよ 一回の出撃で何回装備変更させんの」ブツブツ

北上「外すの必要?」

提督「じゃあその… 大丈夫です」

北上「へーい そしたら呼んだ必要は?」

提督「…なかった」

大井「わざわざ呼びつけてなによそれ 大体理由もなくいつも秘書艦をコロコロ変えて」ブツブツ
北上「ま~そういうこともあるよねー」

提督「申し訳ない」

北上「んー せっかく来たんだし お昼でも一緒する?」

提督「え? あ。うん」

北上「にししー やったー 1食分浮いたねー大井っちー」

誰も奢るとは言ってないのだけれどまぁいいか

嫌悪派は一緒に来るの?

大井「北上さんがそう言うなら」

北上>>>嫌悪心の様子

電は「一緒に食事なんかして司令官派だと思われると後引くのです」などという理由で辞退

世間体>>>司令官の様子

女同士のランチ誘い合い派閥理論怖い
食事は間宮というお店を紹介してもらった

店主さん美人たまらん

「最近まで水着だったよー」 と聞いて着任日に恨み嘆き
なんで戦場で水着っていうか浴衣っ子多いな たまらん

さて、なにから頼むか
うんうん どれも喰ってみたいがむしろ店主さんを喰いたいがとりあえず腹を満たすものを

ん、なんだこの煮込み雑炊というのは

「煮込み雑炊というのをください」

「はーい それ今月からなんですよ」

よかった今月着任で。あと甘いものも大好きなので豆かんとか頼んでいると
横の二人はパフェとケーキと煮込み雑煮を頼んでいた喰い合わせどうなのよ

北上:ムシャムシャパクパク

大井:モグモグハムハム

提督:バクバクゴクゴク
さて3人分の会計は…うひゃっ

思ったより高い 足りるか…と思っていると大井さんがお札を握らせてくる

大井「借りを作るのは好きではないので」ボソボソ

ちょっと助かった

提督という立場なんだからこういう臨時出費あるよね。お金は多めに持っておこう。

……給与引き出すATMはあるのかな
3日目

そろそろ軍としての活動をさせないと

女の子を戦わせるとか…気がひけるがしゃーない

えーと この組み合わせで出撃 この組み合わせで遠征

行かせる子を執務室に呼びつけて命令

露骨に嫌そうな顔する奴 普通に返事する奴 呼ばれたのが嬉しそうな奴反応は様々



さて、数時間後そろそろ結果が
『ボスマス到着せず』 『遠征失敗』

ありゃ

怪我人はいないが両方失敗

失敗報告を受けた後
数人がヒソヒソと陰口を言っていたのがショックだった

女の子同士の陰口は天気の話と同列なのはわかっているんだけど
じゃ次はこういう組み合わせで~

衣笠「はい提督 お茶持ってきたよー」

衣笠「っていうか何で衣笠さんが秘書?」

提督「出撃指揮を青葉 遠征指揮を電に頼んだので」

知らない子にいきなり秘書役なんて頼めないじゃない

っていうか旗艦=秘書艦が出撃しちゃうとその間の秘書は誰がやってんだろうね?

今回は旗艦の姉妹艦、衣笠さんに頼んだけど

衣笠「まあーいいけ……? って電ちゃん遠征指揮?」

衣笠「旗艦軽巡必須のとこあるけど大丈夫?」

なんですと?

引き継ぎ書にはそんなこと書いてないけど…

衣笠「見せて見せて? うーん なるほろ えーと ふーん」

衣笠「これ内容あんまし信じないほうがいいと思うよ?」

えっ

衣笠「前の提督大雑把だったからねー」

衣笠「この通りにやると失敗する作戦がちらほら」

提督「おかしかったら出撃命令受けた艦娘が言ってくれ」

衣笠「くれないね 1か所だけ見ると変でも大局的に云々とかあるし」

衣笠「それに元々船だし 駒側だし 自分から行動する習慣がないの」

衣笠「だから失敗が分かってる任務でも無言で出撃しちゃう」

衣笠「基本的に受け身な生き物なんだよ」

そっか大枠を決めれば細部の調整はしてくれても失敗のフィードバックまではしてくれないのか
提督「衣笠さんはしてくれるの?」

衣笠「触られたら触り返す主義ですから」

……関係なくね?

その後、レアな反撃型艦娘衣笠先生に聞きつつ駆逐艦何隻ルート固定など
この世界の常識を覚えていく。

丁寧に優しく教えてくれる。

実に助かった。

なんだよ特定の艦種居るとボスのとこ行かないとか気がつかないよ

衣笠「勉強になった? ふふーん 衣笠さん最高でしょ!」

と言ってくすくす笑う衣笠さん。

うん。よく見ると美人だし、優しいし、出るとこ出てるし…

最高じゃ…ね?
あ、いかんいかん

一昨日初対面の相手だぞ
ちょっと優しくされただけでもう意識してんのか自分チョロすぎ
男だからって単純すぎるだろう

ヤバイ、顔が赤らんできそうだなにか顔を歪め辛いことを考えて抑えろ抑えろ抑えろ

衣笠「…? 大丈夫? 疲れたぁ?」

っておでこ触ってこないで美人にボディタッチとかされたら勘違いしちゃうでしょ

衣笠「具合悪いなら今日は半ドンで休む?」

半ドン?

衣笠「ドロンするなら後は任されてもいいよ?」

ドロン…?

そういや艦娘って何歳なんだ?

実在の艦の年数に合わせると……

と思ったら途端にボディタッチや優しさがオバハンのそれに思えてきて
気持ちが落ち付いてきたのでその後は普通に業務して帰ってきた電と秘書艦を交代しました。

今後、部下を好きになりそうになってしまったら
「実際はババア」と心の中で唱えて乗り切ることにしよう。

ビバ自己暗示

あと実年齢は聞かないでおこう。

80代って言われてもショックだし外見通りだと気持ちが抑えられなくなる

知らぬが花だ
4日目 『鎮守府内でも艤装はつけてます』

北上「まぁなんて言うの? こんなこともあるよね~ 早く修理した~い」

大井「完っ全に作戦が悪いのよ  本当に」

ハイパー×2を出撃させたら潜水艦マップ。

健闘するも能力発揮はできず中破させてしまった。

他4人も重巡と戦艦だったので結果は大敗

まぁ完全に作戦が悪いのだ 本当に

服の脱げ具合が激しい目の毒他の4人を入渠させ、2人には待機してもらうことに。
中破以上させたの初めてなにこの罪悪感

うわぁ いつかやるとは思ってたけどやっちゃったよ ついに怪我させた。
提督「本当に申し訳ない」

とりあえず土下座。女性を自分のミスで傷つけてしまうなんて

自分の命令で他人が傷つく。うう、指揮官って辛いなぁ

土下座程度で詫びになるかどうか

なんなら踏んでくれても

北上「何やってんの?」

提督「何って……その」

『謝罪を受け入れてもらいたい』なんてこと口に出すのは…

大井「まさか『謝罪したい』とか思ってますか?」

北上「大井っち~ それウケる~」

大井「思ってます?」

提督「…はい」

北上「マジで?」

と、驚愕の表情を浮かべる北上

???
「うーんと」「あのー」「えーと」

頭をボリボリ掻きながら気まずそうにもごもご呟くと

北上「まぁ、なんてーの?  そりゃ口では色々言うけどさ」

北上「出撃して怪我すんのってあたりまえのことだから」

北上「その~ 謝られると 反応に困るな~ なんて」

そう言うと北上は僕の手を掴み、そのまま土下座姿勢から引き起こされる。

うわっ やっあ 力 すごい

北上「そういう遠慮はやめよーよあたしら入渠すれば傷も残らないし」

北上「まー 悪いと思ってるならまたご飯でもゴチしてくれればいいからさー」

北上「って破損のたびにゴチしてたら提督の財布が大破しちゃうか」

提督「……そうだな じゃお詫びじゃなくて普通にご飯行く感じでどうかな? 今回は」

北上「おっけーだよ♪」☆キラッ

ウィンクが微妙にできていないのは普段やらないのだろう
確かに女性に怪我をさせるなどあってはならないこと

だがその常識を彼女達に
戦場に適応させることが果たして正しいのか?

常識とはその場その場のルールにすぎない。
今回、怪我させた時点で常識に捕らわれた僕は謝罪しか頭に浮かばなかった

だけれども本当にすべきことはそれではない
今回のことを次回に生かすこと
北上の反応はそんな当たり前のことに気がつかせてくれた気がする

ありがとう北上 そして…

提督「大井さんも」

大井「…なに北上さんの手を握ってるんだこのクソがすぐ離せ今すぐ放せ20発ケツにいいですか?」

提督「あっ 2人ともドック空いたから入渠しててそれでは私はこれで~」

全力疾走で逃げた。
あー、怖かった。目が座ってて。そういえば嫌悪派だったっけ。

下手すりゃピーされる相手だったな忘れてた。

彼女たちが本気になれば自分など瞬殺なんだから気をつけねばいかん

具体的には止めてくれる子が居ないときに嫌悪派と一緒にならないように……

とか思いながら自室のドアを開ける
と、半裸で髪の毛ボサボサで歯ブラシを咥えた油断しきった表情の女性が

「ひえ~!?」と大声を上げた。

……あ、自分の部屋この横だ。

隣の部屋のドア開けちゃった。
選択肢

1.土下座

2.お礼を言って立ち去る

3.自分の部屋に逃げ込む

4.間違えちゃったと笑ってごまかす

5.そんなこと考えている間に相手のほうが行動してきた

具体的には徹甲弾が顔をかすめて飛んできた。

??「ひえ~っ! 徹甲弾と三式弾、間違えて装填しちゃった」

3番を選んで部屋に逃げ込んで鍵をかける

ヤバイ ヤバイ ヤバイ

ひえ~っって言ってるからあれが比叡だろう隣室だったのか
いきなり実弾とは大井さんとはレベルが違うホンマモンだドアの鍵なんか壊せるんじゃない?

どうすれば? 戦うか説得するか3階だけど窓から逃げるか…

バリケードを作成。ドアが破られたら窓からジャンプしよう

大丈夫3階なら飛び降りても死にはしな『ドガーン!!』

壁がブチ破られて手が出てきた

なにこれホラー映画?
提督:1番選択 死を決意した土下座

比叡「……」

比叡「まぁそこまで謝るのなら今回は許しますけど」

比叡「次から気をつけてくださいねー」

あれっ?

そのまま彼女は引き下がって

後で電に確認したところ激怒はしているし、なにかやらかせば[ピーーー]覚悟はある。
でもキッチリ謝れば根に持つタイプではないとのこと

サッパリ系体育会理論恐るべし

誠意を込めた謝罪が効いた様子

土下座万歳!

5~9日目

壁の穴を塞ごうと思ったら覗いてるのかと誤解されて殴られたので5日休み

前日やらかしてるから多くは語らないけどしこりは残るよね
10日目 『気合い入れました』

「10日もやってるのにまだ任務一つ達成できてない」

「ちょっと殴られただけで5日も寝込んだ」

「ダメだねぇ 使えないモヤシ来ちゃった」
と、嫌悪派の子たちの挨拶のような悪口大会が聞こえる。

それにしたってモヤシは酷い。女性は手加減を知らないから困る。

グループを作ってその中で競争するからどうしても過激になるのはわかる。

『女性だらけの職場ポイント 八方美人になって全員に好かれろ』

と前任者の引き継ぎ書には書いてあるがそれで女性問題起こしたら元も子もなく
触らぬ神に祟りなしと、嫌悪派を10日も放置していたらすっかり嫌われてしまった。

こちらからすり寄っていれば態度も違ったのだろうけど

……今からでも遅くないかな?

というわけで
比叡「お詫びの品……ですか?」

提督「そうそう」

良く言えばサッパリとした性格
悪く言えばアホの子から懐柔に取り掛かる。

比叡「べ、別にそんなマカロンなんて欲しくは…」

険しい表情ながら視線はこちらの顔とお菓子をうろちょろ。

食べたくはある様子。

比叡「ああ、しゅーくりーむも… ワッフルも…」

好みは青葉から聞き出し済。
比叡は迷った末「じゃあ一つだけ」と手を伸ばした

くくくく それがお前の命取りよ!
小さくても一度穴が開くと壁は脆いものであり、じき崩れるだろう。

この甘味餌付け作戦を繰り返すことでそのうち嫌悪感も減るに違いない

一か月も繰り返せば貴様は嫌悪派筆頭から転がり落ちているのだ!

比叡:モフモフモフモフ

比叡「ごちそうさまでした! おいしかったです!」

比叡:満面の笑み

比叡「司令はいい人ですね! この間は殴っちゃってごめんなさい!」

……あれっ? 繰り返してないのに勝手に転がり落ちたぞ?

比叡「あー そうだ司令 ご飯まだだったらお礼にお返しします!」

女のランチ誘い理論的にはもう仲間と認識されたらしい

なにこのアホの子
と、油断をしつつカレーを食べたらまた入院。

やはりたかがお菓子一つで態度を変える子なんているはずがなかった…ぬかった。
着任30日経過……  『好きの反対は無関心』

提督「退院したぞー…」

……と、食中毒からの復帰が昨日。
出迎えてくれたのはまばらな歓声。

理由があったとはいえ約一か月も放置していた子たちはすっかり提督への興味を失ってしまい……

昨日1日色々活動してみたが
嫌悪派の子は命令すらシカトされがち

女の子に
『うざいこっち見んな』って言われたら固まる反論できん女でよかったな男だったら教育だぞ。

様子見派の子も命令は聞くけど一切話しかけてこないし、会話も続かない。
コンビニの店員相手くらいそっけない。

人間関係って最初が肝心だよね

いない人の文句言うのも興味があるからであって陰口もすっかり治まった。やったぜ

数少ない会話をしてくれる子は大切にしよう…

特に顔広い子は…

というわけでこわごわ青葉さんをランチに誘ってみるとOK貰えた。
青葉「お誘い受けるなんて光栄ですね~」

提督「…人目につかないところのほうがいい?」

青葉「ややっ 人目につかないところ!? まさか!?」

※ ※ ※

「どうしたんですか こんなところに連れ込んで」

「青葉 君が欲しい」

「ええっ!? そんな急に」

「二人っきりになった時点で合意さ」

というと青い蕾はその暴風にもぎ取られ…ぽとり

青葉「みたいな展開が!?」

提督「君たちのほうが腕力あるよね」

青葉「司令官はムリヤリ押さえつけられてやられるM展開が好み…と」メモメモ

提督「おいコラ」

このような雑談ができる相手は本当に貴重。
午前中出撃してもらった中で一番優しそうな子をランチに誘ってみたところ
真顔で「バカめ」と呟かれたのは昨日の話。

優しそうな人だって放置は怒る。
女性の方が自分に関心持って欲しがる人多い気がするなぁ。

提督「だから目立つとこで自分とランチ=青葉に迷惑がかかるんじゃないかと」

青葉「バカめ! 青葉の派閥は好感派なので司令官と一緒に居ても大丈夫なのです!」

青葉「様子見派や嫌悪派の子はそんなことしたら裏切りものになっちゃいますが」

提督「……派閥違う子とは仲悪いの?」

青葉「そうでもないですねー」

なんでも提督の扱いに関する派閥なのでその他の話題だと普通に仲良く話すらしい。

また派閥内でも北上のように逸脱が認められる子もあり
逸脱すると認められない子もおり
それは力関係やキャラで決まるとのこと。
青葉「例えば気弱な戦力にならない子が自分の派閥の流儀に背いた行動をすると~ 浮きます」

青葉「でも強くて、ガンガン言える子が派閥の流儀に背いてもそれは正しい行為になります」

青葉「いやー 難しいですねー」

…だそうです

青葉「ま、そういう小難しいことはいいのでご飯行きましょ~」

といいつつ弁当買ってピクニックスタイル選択するあたりどこかには気を使っている様子。

二人っきりで話題が持つか心配していたが…

インタビュー形式怒涛の会話で途切れることもなく
家族構成友人知人過去経歴携帯のパスワードまであらかた聞き出されてしまった。
青葉「ほうほう 参考になりました」

提督「はぁ(疲労)」

青葉「色々な話が聞けましたねー♪」

青葉「前任の司令官さんは常に誰かを侍らせていたので独占インタビューの機会がなかったので」

青葉「今回は状況的に誰かに手出したら…皆の男性不審が悪化してしまいますから」

青葉「草食系の方でよかったです♪」

別にそういうわけではないんだけど…

なんか馬鹿にされてる気がするね。

だから軽い冗談として「草食系なら青葉なんて大好物」と言って手を握ってみる
すると期待していた「えー 気持ち悪い~」なんて軽口は帰ってこず、頬を染めて俯かれた。

そのまま30秒ほど会話の糸口が見つからなくて手は握ったままで
…あ、やらかした?

そんな顔されるとまたチョロい男の病気が出ちゃうじゃないの

おちつけ青葉は改めてみると結構…いやかなりかわいいけど

美人路線衣笠 かわいい路線青葉なのかなじゃなくてこいつはババア こいつはババア

1926年進水の後期高翌齢者畜生手が柔らかいなぁ

中曽根元総理が乗船してたレベルの過去の生き物なんかいい匂いがする

ええい、と叫んで名残惜しくも手を離すとあっちも肩で息しながらなにやら照れ笑い

青葉「じゃ、じゃ帰りましょうか」

青葉「それでそのあまり触ったりするのは…その…」

提督「あ、はい」

衣笠とは逆でタッチはNG…と

好感派のガードの甘さと魅力がヤバイ
着任時。8割がコレの状況だったのか

前の提督が15股かけた理由が分かった気がする。
31日目 『壊れた設定』

基本的に出撃させる前はミーティングがあります。

女の子6人を前に自分が訓示や注意をするわけなのですが着任間もなく経験もなく

しかるに大したことは言えず威厳もなく会話にも混じりにくく出撃する子の雑談場となるケースが多く

今日も戦術1:雑談9くらいのペースでいるととんでもない話が聞こえました。
浜風「そういえば潮さんは今日誕生日ではないでしょうか」

潮「はい えへへ 十○歳(違法)になりました」

な、なにぃ?

村雨「えーっ 私より2歳も年下だったんだー」

浦風「あれっ? 村雨はんうちとタメだったん?」

夕雲「やはり私より若いのね…」

待って

夕雲型なんて一番若いはずなのに

提督「君たちの年齢って着工年とか関係…」

阿武隈「アリマセンヨ!!」

あかーーーーーん これまで女性問題起こしかけるたびに自己暗示してた『艦娘はババア』理論が崩れたー

阿武隈「ソレジャシュツゲキシマス!! アタシノシジニシタガッテ!!」
これから自分の衝動をどう抑えればいいのか

水雷戦隊が出撃する姿を茫然と見送っていると無表情な電が声をかけてきた。

電「我慢する理屈がなくなったのですね?」

電「これからどうされますか?」

電「前の司令官さんのように振舞っても電は助けないだけで怒りはしないのです」

提督「自分は…自分は決して部下に手を出すようなことはしない」

電「初めてお会いした時もそう頷いていましたが」

電「いいのですよ 良識を守ったお付き合いなら」

提督「いいや 決してそんなことはしない」

提督「なぜなら…」

電「なぜなら?」
提督「女だけの中で男が1人~の男と付き合った子は多分ハブられるから……」

電「ああ……」

そして多分ギスギスして色々うまくいかなくなる。
1人がブランドバック買っただけで妬みでいろいろあるのに。


入院中暇にあかせて考えていた理屈を告げてみた。

お互い顔を見合せて「そうだよね」って無言のアイコンタクト

着任して最初に会ってから 初めて電と共感できた気がする。

提督「だから艦娘たちは全員平等に扱うように頑張るよ」

提督「例え10代20代の美少女であろうとも部下としてしか見ない」

提督「特定の子を女性として見るなんてそんなことは…」

電「それはいい心掛けなのです」
阿武隈「カンタイガボコウニキコウシマシター」(中破)

浜風(中破)
潮 (中破)
浦風(中破)
村雨(中破)
夕雲(大破)
エロッ!

はだける衣服 突き出るお胸 違法な年齢

…舌の根どころか先も乾かぬうちから欲情してしまう。それも駆逐艦に

おそるおそる電の顔を見ると

電「今、欲情…したのですね 駆逐艦相手に」

……

……しまし……た

僕は地面に両膝を付くと、両眼から滝のような涙を流しながら自らの愚昧さを告白した
電「よしよし」

あれ? 怒ってない?

電「仕方ないのですよ…アレを目にしたら」

電「駆逐艦ビック7… 奴らは男を魅惑する悪魔であり、司令官さんではなく奴らが悪いのです」

そういって己の平い胸部を撫でる電もまた心の中で泣いていた

そんな彼女の頭を撫でると彼女は出会ってから初めての笑顔を見せた

お互いの距離が縮まった気がした

そのまま二人で相手の頭を撫で合った。

阿武隈には欲情しなかった。
35日目  『初めての開発』

妖精さん「サクセイスル カンムスヲエランデクダサイ」

提督「うーん。欲しいのはドラム缶。次に甲標的かな?」

衣笠「それじゃ衣笠さんは適さないねー」←今日の秘書艦

衣笠「おーい おーい電ちゃーん おーい」

大井:ギロリ

大井「何よ」

衣笠「あ、大井さんじゃなくて…でもまぁいいか」
大井ってドラム缶作れたっけ…

そう思いつつ開発のため秘書艦になってもらった

いいや先に甲標的狙おう

大井「まったく面倒な」ブツブツ

ところで作るのは妖精さんなのに秘書艦がなんで関係あるのだろう

(少女開発中)

→ペンギン×10 と不要武器×20くらい

衣笠「そんなに妖精さん睨んでも成功しないよー」

大井「ぐぬぬ」
提督「…別の人呼ぼうか?」

大井「まぁ 仕方無い わね」

提督「北上用の甲標的開発だったんだけどな」

大井「やります!!」

衣笠さんが入れ知恵してくれた煽りを言うと目の色が変わる。

そして2時間後

妖精さんつ甲標的  デキマシタ
提督&衣笠&大井「「いやったあああああ!」」」

3人。いや妖精さん達も心を一つにして喜びました。

そのまま宴に突入。

衣笠さん秘蔵の酒が出てきて

大井さんは昨日から寝かしてたというカレーを出してきて

自分もビーフジャーキーとか放出 3人で飲んで歌ってよくわからないテンションになった。

翌朝、いつのまにか撮影された3人で川の字で寝ている写真が公開

大井は嫌悪派を追われた。

さぞや落ち込んでいるだろうと思って慰めに行くと彼女は北上派を立ち上げていた。

よくわからない。

面白がった駆逐艦3人と阿武隈も入党しており5名を超えたので政党交付金の需給資格を満たした。

なんのこっちゃい。

北上は結構素で嫌がっている。

わかる。
40日目  『派閥からはぐれたら』

大井←元嫌悪派 現北上派

比叡←元嫌悪派 現無所属

北上←元様子見派 現無所属?
北上「最近さー なんか皆が冷たいんだよねー」

比叡「派閥問題って、何ですか?」

大井「元々派閥なんて興味なかったのよ 一応属してただけで」ブツブツ

なんかハグレたらしい3人が執務室で飯食ってる。

食堂には居場所がないらしい。

提督「北上は派閥論理から逸脱しても許されるタイプじゃなかったの?」

北上「さすがにねー『自分の名前の派閥ができる』ってのは許容範囲外だったみたいでさー」ギロリ

大井は吹けない口笛を吹いている。
北上「っていうか比叡さんは提督嫌いじゃなかったん?」

比叡「一度拳を交わせば親友ですよ!」

交わしてないけどね

比叡「…前の司令は見つけ次第塵に還しますお姉さま今どこにいるのかなー」

目が怖いよ

大井「私も北上さんが男と逃げたら……提督に魚雷を打ち込むしか」

自分前提?

大井「いいえ? 別の男性でも提督には管理者責任が」

比叡「わかりますわかります…次の司令にも責任は?」

北上「道義上責任はあるかもね~?」

前任の所業の責任は後任にありませ… ん?

大井「それは管理者側の勝手な理屈ですわ」

北上「そうだそうだー だから責任としてお茶ー」

比叡「紅茶で」

大井「コーヒーを」

提督「へいへい」
ガラガラガラ

ドアが開き 好感党の2人が顔を出す

青葉「おや? 先客ですねー」

衣笠「むー 3人も やっぱり前の提督さん方向なの?」

いいえ、3人中2人は同姓のほうが好きそうです。

青葉「今や野党第1党の座からも落ちた好感党に入る?」

大井「ないです」

比叡「だから党ってなんですか?」

北上「うーん、考えとくよー」

提督「っていうか好感党人数減ってるの?」

衣笠「もし新任の上司に延々と放置されてたら好感持つ?」

そうですね

でも40日も経過して話してない子と今さら話すきっかけがないのです。
北上「放置してんだ。でも提督LOVE勢の人らって話かけてくるんじゃない?」

北上「前の提督着任時だって凄かったしさー」

青葉「……えー。司令官に好感を抱かなくなった人たちの意見を纏めてみました」

青葉「1位 『前の提督を見て男という生き物に幻滅しました』」

北上「あー それで放置されたらねー」

大井「ピンチをチャンスに変えられない無能ということね」
青葉「2位 『単純に顔が好みじゃない』

北上「…そんな凹まないでよあたしゃ悪くないと思うようん」

比叡「そういえば○○も○○も反応がなんか」
青葉「3位 『着任後の行動を見てなんか違うと思った』

大井「担当が変わりなんとなく足が遠のき、相手も接触してこない顧客離れの典型的なものね」

比叡「そもそもどこに行っていたのですか?」
青葉「4位 『転属・死去』」

衣笠「前の提督が好きでショックで他の鎮守府に転属しちゃったパターン」

比叡「あと前司令退任~現司令着任の間に指揮者不在戦法なく轟沈パターンが…ひえ~」
青葉「5位 『性的対象に見るのは同姓になったから』

青葉「……最後のは1位の亜種と言えるかもしれませんね」

衣笠「男に幻滅しちゃったのかな?」

北上「うひー 怖っ そんな奴いたらお風呂とか入れないじゃーん。ねぇ?」

大井「え、ええ」
まぁどれも納得いく理由のような。

4位と5位はどうしようもなかったがそれは所詮4・5位
メインの1~3位に関しては何らかの対策が行えた内容だった。

2位に関しては身だしなみや清潔感でいくらか緩和されたろうし
そのことは青葉衣笠に注意を受けていたのにも関わらず手を抜いていた気がする。

3位に関しては完全に自己責任

1位は……仕方無い面もあるが話す機会を作るなど最初の1か月でやるべきだったことは大量にあった。

あー やっぱ管理職経験ないのが裏目に出てるなー
人心掌握できてない。
っていうかここにいる5人とあと電とくらいしか会話してない。

リアルな話提督として最低レベルじゃん…

取りあえず『部下を上手に管理する方法』という本を注文した。

42日目 『部下を上手に管理する方法』

という本を注文したことがどこからともなく広まっていた。
女の口に戸は立てられない発注担当明石さんだぞ口軽そう。

い、威厳が…
50日目 『提督の役割』

部下の管理方法:日常から積極的に雑談をする

提督「おっ 髪切ったか?」

??「うわぁー 部下を上手に管理する方法受け売り?」
部下の管理方法:ミスの責任を上司がとる

提督「今回の失敗は自分の責任だ」

??「そうよ作戦が悪いのよ 部下を上手に管理する方法受け売りですか?」
部下の管理方法:成功したら褒める

提督「いよっ 1日50回連続出撃大勝利 さすがぁ!」

??「……ハハッ 部下を上手に管理する方法でちか?」
部下の管理方法:部下の話を親身に聞き、共感する。

??「わたし、前線とか苦手かもー。後方支援とかならばっちりかも」

提督「ふむふむ 理解した。では後方で待機していてくれ」

??「わーん いらない子扱いされたかも~」

「女の子を泣かせるなんて」「サイテー」「女の敵だわ」ヒソヒソ

提督「部下を上手に管理する方法受け売りが…」

提督「シクシク もう何言っても本の受け売りとしか聞いてもらえない」

自信喪失、数少ない雑談仲間の青葉衣笠に愚痴愚痴

代償は間宮さんおごり
青葉「そんなこと…あるけど気を落とさないでください」

衣笠「ひぇー 否定しないんだ きびしぃねー」

青葉「気合い入れていこう!」

どこかで比叡がムッとしてる気配がする

青葉「まぁ男が女百人単位の園に来て完全孤立してないだけ評価」

衣笠「ナオンに目がメロメロになるところだよ」

励ましてくれてるのかただの感想なのか
提督「はぁ… 経験不足で戦術も兵站も未熟」

提督「実際の戦場に出るわけでもない」

提督「部下の管理も士気高翌揚もできない」

提督「妖精が見えるだけで兵器に詳しいわけでもない」

提督「自分っている意味あんのかなぁ」

経験豊富なベテランを提督にすりゃよかったのに…

あるいは協調の意味で誰か女性を提督とするか

衣笠「意味あるよ!」

提督「ATMとして?」

青葉「それもあるけど…」

提督「おい」
青葉「冗談冗談 本当はですね」

提督「本当は?」

青葉「女だけだとボスができちゃうんですよ」

男の自分が上司の今と一緒では?

と返すと青葉はふるふると首を振って答えた。

青葉「女性がボスだとあんましいい例がなくって」

なんでも女性が上に立つと自分の意見に逆らうものを潰そうとする傾向が強いのだと。
違いを許せないとかなんとか。

また、逆らうものが居なくなると求められる同調水準が高まる。
結局反逆とみなされる基準が前よりも些細なものになるだけ。結局誰かが潰される行動は止まないとのこと。

男にだってそういう陰湿な奴はいる。と言うと「女性ってものをわかってない」的な顔
なんか腹立つ。
衣笠「それに異性の目がないとこう…遠慮とかがなくなるからね~」

それは男子校海軍兵学校で体験した。
性のモンスターと目立ちたがり狂人が発生する。
あと身なりに気を使わない異臭マン。

それに腕力アピールマンと精神的に小学生の下ネタ男に……etc

やっぱ同姓だけ集まるとダメだな。

恥という概念が薄れる。

青葉「こんなおふざけ派閥で済んでるうちはいいんです」

青葉「リアル派閥になると武器装備してるので 戦いに集中できなくて~」

衣笠「憎まれ役でも好かれるアイドル役でもいいけど皆の意識の中に居てほしいんだよ」

衣笠「男性の目があるとなんか違うから」

………なるほど
提督「そう考えると今の無関心状態はいいとは言えないね」

二人は力強く首を縦に振る。

そうか 自分が任命された意味がようやく理解できた気がする。

異性の目がない集団に成長はない。
加齢臭のするオッサンじゃ異性としては見られない。
経験が浅くても艦娘と同年代の自分だからこそできることがある!

よし… 良かれ悪かれ注目はされるように…

気合い! 入れて! 行きます!!
翌日。髪の毛を真っ赤にして燕尾服宝塚男役風ファッションで出勤
その溢れんばかりのインパクトがめっちゃ『ざわ…ざわ…』した。

即日、好感派の半数が離脱を表明した。

お前らだって似たような常識外れ髪色服装……

外見から歩み寄ってみたのに…

青葉「ちょおっと…擁護できないなぁ」

衣笠「わはははは」(爆笑)
51日目 『提督の役目を果たそう』(駆逐艦編)

提督「と、言うわけで艦娘たちに意識してもらうように頑張ることにしました」

電:冷たい目

電「意識…」

電「駆逐艦ビッグ7に意識してもらいたいのですか?」

提督「ち、違うからね?」

(提督説明中)
電「……全力で応援するのです!!」

『異性である自分の存在を認識・意識してもらうことで集団心理の過激化を防ぎたい』

真意が伝わると喜んでくれた。いい子や。

というわけで駆逐艦に存在を強く認識してもらう方法をご教授願う。

電「箸が転んでもおかしいお子様が多いので難しくはありません」

ほうほう

電「まず本当のお子様 吹雪型睦月型朝潮型等には相手の目線で話しかけてあげてください」

電「そして相手が何か言ったら大袈裟なくらい反応するのです」

自分に興味を持ってくれる人=興味を持つということか

電「あと一発ギャグとか面白い派手なことするといいのです」

電「だから…その…しょうゆ日本人顔なのに赤髪燕尾服は…フヒッ…いいのでフュww」

半笑いやめろ明日には染め直す。
電「白露型陽炎型夕雲型とかある程度育っている子は褒めるといいと思います」

電「お子様ではなく一人の女性として扱っている感を出すと評価○」

電「難しい年ごろなので敬意を持って接して下さい」

確かに駆逐艦ビッグ7を子どもとして扱うのは無理があるなぁ

電「お子様のように気軽にボディタッチはNGなのです」

電「そこの境目に気をつけてくださいね」

納得

ありがとうな。と頭を撫でようとすると睨まれた。

前撫でさせてくれなかったっけというか暁型の分際で育っている分類気取り?
と思いつつ対レディ対応をすると満足顔。
やはりアレの妹だな。このプラズマ風味め。
というわけで実践。

吹雪型睦月型朝潮型には

・相手の目線になって話しかける

睦月「なんですかなんですかぁ? そんな跪いて」
提督「君が小さすぎるんだよ」

・相手の言葉に大袈裟なくらい反応する

初雪「雨だから…ひきこもる」
提督「うわぁああああああ すげえええええ ひきこもるんだぁあああああああああ! 感動した!!!」
初雪「……」

・気軽にボディタッチ

提督:唐突なナデナデ
満潮「」
白露型陽炎型夕雲型には

・女性として扱っている感を出す

提督「おはよう 今日も変わらず美しいね」
涼風「な、ななななな何を言ってやがんでぃ ば、馬鹿野郎めぇ!」

・敬意を持って接する

提督「お元気ですか? あ、どうぞ上座に」
時津風「今日のしれーなんか変」

・ボディタッチはNG

清霜が無邪気にすり寄ってきたが提督くんこれを回避
提督「なんか余計に嫌われた気がする」

電「まぁ駆逐艦の子は派閥の長になることはないので別にいいと思うのです」

電「皆に関心を持ってもらいたいだけなら年長者から攻めるべきかと」

電「お姉さんが関心を持ったら子供は追随するので」

電「というかしょうゆ顔赤髪時点でバリバリ存在はww 認識済ww なのww ですwwwwww」

提督「先に言ってよね」
52日目 『提督の役目を果たそう』(戦艦編)

比叡「だから派閥って何ですか?」

戦艦の子たちに自分の存在をアピールするにはどうしたらいいか聞こうとしたところ
なんとこのアホの子は派閥の存在自体理解していなかった。

確かに中性的だし、派閥って誰が入った入ってないは暗黙的なものだし鈍そうだし。

わからんでもないが女の子としてその鈍感はどうかと思う。

比叡「…そういうぐちゃぐちゃしたのより皆で大貧民とかしたいです」

お子様か!!
(提督説明中)

比叡「ふんふん なるほど 私の知らないところでそんなことが」

あんたお断り勢で嫌悪派扱いされてましたけどね

比叡「お断り?」

比叡「今はお姉さま居ないしそれなら親友からはじめれば…」

お友達からってやっぱり断っとるじゃん

それで戦艦っ子たちと仲良くなるためにはどうしたらいいでしょうか

比叡「うーん 戦艦と括ると難しいんですよねー」

比叡「日本艦は8隻で海外艦が5隻もいるので」

航空戦艦を除いて金剛海外扱いにしたらほぼ同数か
比叡「共通点… 共通点… 皆胸がおっきい!」

「思いついた!」って顔をして手をポンと叩くと比叡はそう言った。

比叡「私以外…」

気にしていたのか

大和上げ底疑惑が払拭されたからね。

比叡「あとは… 全員背が高め!」

比叡「私以外…」

比叡「私って本当に戦艦なんでしょうか…?」

自分で言っていて自分で凹むな
まぁ確かにチビっこいし、胸はそれなりだとは思うが戦艦級じゃないなぁ

とりあえず落ち込んでいるので膝を曲げて目線を合わせて
「大丈夫!! まだまだ成長期!!」と大げさに励ましながら頭を撫でる

小柄な体から固さが解けていき、口元には微笑みが浮かぶ。

「そうですね!」と元気になった。

なにか尻尾を振っているような気さえする。

こんな子ばっかりだったら仲良くなるのは簡単なのになーと思った。

いや、相手を選んではいけない。

積極的に話しかけて人間関係を作るんだ!!
提督「おはよう! いい天気だね!!」

「Did you call me? ohayo」

「I'm much obliged dousimasita?」

「Buon Anno! iitennkidesune-」

提督「…言語から勉強してきます」

「「「???」」」
53日目 『提督の役目を果たそう』(重巡編)

青葉「重巡は比較的司令官に好感を持ちやすいのでどんどん話しかけてみましょう」

ふむふむ

衣笠「酒好きが多い~ ノミニケーションしちゃう?」

手配してくれるの?

赤の他人とは仲良くするのは難しいけど友達の友達は仲良くなりやすい

衣笠さんが開いてくれた酒宴では那智さんやポーラさんと仲良くなりました

社交辞令かもしれませんがこれからは飲みの時に誘ってくれるそうです

提督「やったぜ」

せいぜい月1くらいだろうからその時は基本おごっちゃう約束をしました。

衣笠「……知らないってことは恐ろしいねー」
その言葉の真意はすぐにわかりました財布が薄くなりました。
呑んべぇ共初回は流石に遠慮してやがった二回目からは心開いてくれたやっちゃったぜ

青葉「という感じにですね ちゃんと会話しないとどんな人かなんてわからないんです!」

青葉「お互いまだ本当のお互いに気づいてないよ!」

提督「せやね」

那智さんとかクソ真面目そうだと思ったのになー

コミュニケーションとらないと人となりはわからないものだ

これまで一度も話したことはなかったけれど話しかけてみると反応を返してくれる子は多くて

自分からは積極的にこないけれど古鷹さんや羽黒さんは外見通りの優しい人

逆に厳しそうな妙高さんや摩耶さんも案外親しみやすかった。

放置を謝ると高雄さんや鳥海さんなど真面目組も許してくれた。

提督「結局世の中の人の大半はいい人なんだね」

青葉「気がついてくれてよかったです♪」
衣笠「重巡とは一通り仲良くなれたかな!?」

青葉「いやはは 強制したみたいになっちゃって恐縮です」

こんな感じで努めていれば多くの子が自分の存在を認めてくれて存在意義が果たせるだろう。
戦術や兵站なんかはそこ果たしてから勉強すればいい

提督「仲良くするきっかけを作ってくれたことに感謝します」フカブカー

青葉「え? あっ!? 土下座? いやいや」フカブカー

衣笠「はわわ そこまでしなくても」フカブカー

提督「いえいえ」フカブカー

青葉「……」

衣笠「……」

提督「……」

三人で顔を見合せて笑い合って本日はおしまい。
54日目 『提督の役目を果たそう』(軽巡編)

提督「誰かに仲介してもらって会話すれば女性相手でも大抵仲良くなれることがわかった」

提督「部下と信頼関係を築くのが提督にとって一番大切な仕事」

提督「だから軽巡の子たちを紹介してよ!」

北上「あー」

大井「んー」

提督「……なにか不都合でも?」

北上「重巡はねー 常識人が多いからねー」

大井「軽巡は曲者が多い…かな?」

なにやら歯切れが悪い

その理由はすぐにわかった。
「フフフ、怖いか?」

「急に話しかけると危ないですよ~?」

「クマー」

「ニャー」

「キソー」

「ヤセーン」

「ピャー」

「コロンビア」

「アタシノナマエカンジデカケマス?」
提督「……その…独特な…子が…多いな」

北上「そだね…」

軽巡は嫌悪派が誰もいないというからすぐ仲良くなれるものだと思っていた

提督「なんだよアレ 女性相手とかそういう以前に人間なのかクマーニャーって」

大井「そのアレが私たちの姉です」

提督「……」
提督「積極的に争い起こすような子はいなそうだからいいか」

おいおいコツコツ話しかけよう

とりあえず派閥軋轢起こしそうなタイプと人間関係築いておけば目的は果たしてるんだし

北上「そだねー 軽巡だとキャリア志向の五十鈴と仲良くなっとけばOKかなー」

提督「五十鈴… 誰だっけ?」

北上「いや、だから一月以上もいて全員の名前覚えてないところがあかんと思うよ」

もっともです

北上「あのボイーンよ ボイーン」

提督「ああ…」

北上は胸を抱え込むポーズをしてクネクネしている

「女の子がそういうことをしてはいけません!」
と叱るとへらへら笑いつつ

北上「あんなのぶら下げてると肩こるだろうねー こないだ風呂で見たらドーンでドーン!」
話を続けるな。

北上「いいじゃん細かいことはー」

まぁいいんだけど
提督「…北上は女女してないからある意味落ち着くよ」

北上「なに? 皮肉?」

提督「半分皮肉 半分本音」

女だらけの世界だとあんまり女性っぽくない会話ができる相手は貴重。

北上と比叡くらいかな? 今のところ

北上「まー あたしゃ色気もないし、胸もないしねー」

提督「そうだな」

北上「って同意すんなよー」

提督「あ痛ぃ 痛っ お前ら力強いんだって」

と、お互い突っつきあっていると北上が「思いついた!」って顔をして手をポンと叩いた。
どっかで見たなこのポーズ
北上「あ、五十鈴だけじゃないや。要注意」

提督「なに?」

北上「いやほら元は嫌悪派の手が早い武闘派が一人……」

指さす方を見ると大井さんが怒りを堪えてこちらをじっと見ていた。

これまでそこそこ会話していて多少仲良くなっていなければ魚雷に手が伸びていただろう。

知人にやられても我慢できるけど他人にやられたらイラっとすることあるよ

やっぱ人間関係は大切!

胸を撫で下ろしながら土下座したら後頭部を踏まれた。

土下座で許しきれないけど殴りはしないというギリギリのラインだったのかな?
57日目 『提督の役目を果たそう』(空母編)
……弱った。空母・軽空母組とはこれまでとくに話したことある子が誰もいない。

青葉たちに聞いてみるも空母組とは紹介出来るほど仲良くないとのこと

さてどうしたもんかとりあえず那智さんに誘われた飲み会行くか
隼鷹「ヒャッハー 酒だー」

千歳「お支払いをしていただけるチャレンジャーと聞いています」

あ、空母組いたわ。

うーん。これで毎回10万円超える投資が実るあとごめんなさい多めに払う位で勘弁して下さい。

泣いて謝るとヨシヨシして許してくれた。

弱みを見せると攻撃しにくくなるのかな。

そのまま空母組を呼んでくれて、嫌悪派の千代田等も込みでなんかそれなりの人間関係は作れた。
「下手に出るなら悪いよーにはせんでー」とちんまい子が言ってたからそれがよかったのだろう。

下手に出ていたのは約束を反古にしたい弱みがあったからなのだけど。
酒代を払いきれない

女性って下手に出ると優しい傾向あるような?

「前任がああで大変でしたね」「不幸は辛いですよねわかります」「ふん、お姉にさえ手ださなければ」

そして1度好意的になると同情してくれてもっと優しくなる。

1度嫌うと、悪い方に解釈し始めてもっと嫌われるけど。
つまり嫌われない方向に持っていくために今回だけは泣く泣くおごったほうが

果たして会計はいくらくらいか…

正規空母~s[モグモグバクバク」
提督「あっ」(察し)
その後。空母ばっかりおごられてズルイというので戦艦や重巡達にもせがまれて
提督になって10倍になった給与の90%は娘たちの食事代と消えた。
80日目 『人間関係は我慢でできている』
「提督ー 早くー ちゃんと夜戦してよね?」

「ああ、ごめんごめん。次はそうなるようにしておく」

「チーッス 最近ずいぶん出撃なくて暇なんだけどー」

「考慮するよ ところでいい服着てるねー」

「クソ提督そこどいて!掃除の邪魔、邪魔っ!」

「いまどきます 終わったらお菓子でも用意しておくから」
…1か月も頑張り多くの子と会話できるようになったところで生まれてきた問題。

女の子と会話する時のルールを守るのがめんどい。

ルールとは
・決して反論をしない
・ちゃんと相手を褒める
・甘い物を用意する

めんどーーーーーい

提督「んだよー」グチグチ

青葉「はいはい」

衣笠「お疲れー」
30分経過

提督「いいじゃんか多少服が汚れてようが」グチグチ

青葉「へー そー」

提督「裏でコソコソ話すならはっきりもの言ってよ」グチグチ

衣笠「ふーん」

提督「自分の前でだけ声のトーン上げてるのわかるんだよねー」

提督「褒め合うのとかめんどいし、そんな褒めるとこ毎回ないし」

提督「食事のマナーとかもーかったるい」

提督「……ん? どうしたの2人とも黙っちゃって」
青葉「司令官 青葉たちの目を見てくれますかー?」

衣笠「衣笠さん比較的そういうのないほうなんだけどねー」

何だいきなり…

ふと見ると2人とも笑顔だけど目がちっとも笑っていない

あ、これはいかん。

提督「…管理職としてこれからはしっかり我慢します」

青葉「言質取りましたからねー」

謝ったら今回だけだぞー オーラを出しながらも許してくれた。

いやー 女のほうがこういうところ怖いよなぁ 察しろ的な
…はて あの二人だとどうなのだろうか

興味本位で比叡と北上を呼んで愚痴を言ってみると

比叡「そうなんですよ! なんでトイレに一緒に行かないといけないんですかー」

北上「あー めんどいよねー 髪型変えようがどうでもいいしー」

めっちゃ盛り上がった。

女性であのノリ受け入れられないと大変そうだね。

北上「ホントだよ」(真顔)
90日目 『お勉強』

電「近代化改修は改造すると無効になるのです」

提督「はぁ」

人間関係がうまくいき出したので次はお勉強。

電「ドラム缶でボスマス到達! そんなことも知らないなんて本当に兵学校卒ですか!?」

こんなものが日本を守ってるとは思わなかったもん。

衣笠「まぁ仕方無いよ ドラム缶は」
先生は電ちゃんと衣笠さん

電「12.7cm連装砲maxと10cm連装高角砲の比較について」

衣笠「20.3cm連装砲の改修と2号砲について」

電「支援艦隊の支援率とキラ付けについて」

衣笠「開発時の秘書艦別可能装備について」

……こんなんどうやって検証したんだろう

皆の命を預かる大切な知識。遠慮せずにやってくれと言ったところ

女教師電ちゃんと衣笠さんに5時間超えビシビシしごかれた。

なにか目覚めそうな気がしてきた
電「このダメ男 お前なんて人ですらない。豚さんなのです」

衣笠「頭がピーマンだねー ちょめちょめばかりしてるからだよ」

ボンテージ姿の二人が踏む蹴る叩く罵る。

電「駆逐艦ルート固定について」

提督「ここは…3隻」

電「この海域は2隻! また忘れてしまったのですか!」ビシビシ

衣笠「運と主砲カットインの関連について」

提督「カットイン発動率=運の値?」

衣笠「ブッブー おぉ 鞭でも連撃できちゃうんだー」バチバチ
ああ、踏んで もっと叩いて!

無知を鞭ビシビシ女教師はムチムチがいいけど電のほうが物足りない香取さん呼んできて

ああ、この厚顔無恥の豚をもっと叩いて下さい……
電「……頭がオーバーヒートしてしまったのです」

衣笠「提督よ 死んでしまうとはなさけない」

提督「プシュー」

ええ、ボンテージあたりからは妄想です。

今日のお勉強終了のお知らせ

提督先生の次回作にご期待下さい。
91日目  『クイズ大会』

青葉「那珂ちゃんのアホ毛の本数は?」

比叡「さ、3本!」

青葉「ブッブー 比叡さん一回休み」

比叡「ひぇー」

青葉「第二問 金剛型で一番運が高いのは!」

比叡「はい! えーと」

大井「あんたは一回休みでしょ」

比叡「えー せっかく分かる問題なのにー」

北上「うーん 顔的に金剛さん」

青葉「ブッゥブー」

提督「……なにやってるの?」
電と衣笠先生の授業を受けたという話を聞いて自分も教えてあげよう
と、親切な子が4人ほど集まってきたのですが
艦これ知識戦術を教えてくれていた途中脱線してクイズ大会になっちゃってる

ビシバシ女教師タイプは居なかった様子。

女教師大井とかアリだと思うのだけれど。
青葉「第一回クイズ王大会~」

青葉「司会は青葉がやらせていただきますぅ」

青葉「ビリは罰ゲーム 『ブスに○○ちゃんってかわいいー』って勘違いするまで褒め[ピーーー]」

なにそれこわい
青葉「さぁ4人の出場者のうち誰が褒め殺し王の栄冠を得るのか?」

出場者4人? 比叡 北上 大井 …衣笠さんはいないし青葉は司会者

提督「さすが電 ちっちゃくて見えないぜ」

青葉「司令官ですって」

知ってた

青葉「正解者から勝ち抜け ビケが罰ゲーム」

青葉「第一問 入渠で消耗する資材は鋼材と…なに?」
比叡「石鹸!」

ブー

提督「弾薬…だっけ?」

ブー

比叡「分かった! シャンプー!!」

ブー

大井「ほら北上さん あれですよ あれ」

北上「えーと 燃料?」

ピンポーン

大井「やったー 北上さん勝ち抜けー おめでとうございまーす」

どうでもいいけど風呂入ってるだけなのにその2個何に使うの喰ってんの?
青葉「第二問 エラー猫が出てきた時 最も望ましい対処法は?」

比叡「レベルを上げて物理で殴る」

提督「F5連打」

ブー

大井「イライラしつつ適当な提督をこづきながら時間を潰す」

青葉「……ギリで正解 ですかねぇ?」

ちょっと待ってほしい 人間として間違っている

大井「ところでなぜこの間北上さんを誘って私を誘わないで愚痴などという名目で盛り上がって」

なんでもないです
残り二人。先に正解した方が勝者
戦いは実に苛烈を極めた

青葉「第三問 翔鶴と瑞鶴 ステータス上の二人の違いを述べよ」

比叡「名前が違います!!」

提督「同じじゃないの? えーと胸のサイズ?」

青葉「第四問『現役』野球選手と同名な艦娘は 明石 加賀 大和あと誰?」

比叡「金剛お姉さま!!」

青葉「元中日2012年に引退通産0勝1敗1ホールド」

提督「巨人の利根!」

青葉「それ戸根です」

提督「じゃあ武蔵」

青葉「横浜育成は武白志」

青葉「第五問 川内 神通 那珂 長女は誰?」

比叡&提督「「神通!!」」
いやほんと両者間違い連発で苛烈を極めた。

青葉「……えーと第二一問目 駆逐艦以外で一人称が『自分の名前』である艦娘を五名答えよ」

提督「那珂・瑞鶴・鈴谷・榛名……あと…えーと……不知火!!」

青葉「ブー 最後!」

ああっ
そうかあれでも駆逐艦だった

比叡「ふふふふふ 那珂・瑞鶴・鈴谷・榛名にーーーー青葉さーん!!」

青葉「正解~!!」

比叡「ひいえーい♪」

21問目にして決着

なん…だと

アホの子に負けた?

青葉「では『ブスに○○ちゃんってかわいいー』って褒め殺してきてください」

提督「まぁ艦娘は可愛い子しかいないからその罰ゲームは成立しないんだけどな」
青葉「ですから一番不細工だと思う子を褒めてください」

えっ

なにそれえぐい

つまり次に誰かを褒める=その子が一番顔面レベル低いと思っているということに

これで女の子を褒められなくなるからまた人間関係が冷えるじゃないか勘弁して

青葉「司令官の主観でいいんですよー」

ここはおべんちゃらでごまか…あ。ダメだ今褒められない
でも青葉なら…青葉なら謝れば許してくれ
青葉「青葉怒ってなんかないですよ? 最初から決まってた罰ゲームじゃないですかぁ」

あ。ダメだ。なんか知らないけど怒ってる

ええい、畜生最終手段だ(土下座)

青葉「土下座だけで何でも許してくれると思ってますかぁ?」

溜息を吐きながら青葉は靴を脱いだ。

足の裏を舐めればいいの?と顔を近づけたら頭踏まれて「フギャ」って声が出た。
それを見ていたらしいのが通りがかりの文月ちゃん。

フミィ!フミィ!と言いふらし、異常性癖だという噂が広まりまた好感度はだだ下がり。

とほほ
92日目  『部屋の掃除』

「足を舐めるんだってー! イヤャー」

「えー 私は踏まれるのが好きって聞いたけど」

「どっちにしろキモーイ」

またしても挨拶のような陰口が聞こえる二か月ほど前の状態に戻ってしまった。

電「いいえ、もう存在は強く意識されてますし、前ほどではないのです」

今日の秘書艦電ちゃんが慰めてくれる。

電「陰口は陰口でも親しみのある影口だと思いませんか?」

いや、そもそも言うなよ

電「女性から陰口を引いたら会話の9割が自慢になってしまいます」

電「愛情表現だと思ってください」

そうだといいな
でないと毎月相当の額になっている女の子への食事おごりが報われない
電「それに電は司令官さんが変態さんでないことを知っているのです」

……さすが初期艦
一番先に会った君は僕のことを理解してくれているのだね。

電「お部屋の掃除をした時にあった本はどれも普通…の…エッチな」

くぁwせdrftgyふじこlp

電「エッチなのは駄目なのです」

人の部屋を勝手にお掃除しちゃ駄目なのです

他の人にそんなものの存在を言っていないでしょうね?

電「電は言っていないのですが…」

電「青葉さんは衣笠さんとガサ入れに 大井さんもお掃除をしてあげた時見たそうです」

何で君たち人の部屋勝手に掃除すんの?
おかんなの?

電「おかんは雷ちゃんなのですー」
掃除してる時点でおかんだよ。大体雷って子に部屋の掃除されたことないぞ
「良く知らない上司の私室を掃除する人はいないのです」ってそれはそうか会話した覚えない
まぁいいや

提督「20代男性がエッチな本を持っているのは当然なのです!」

電「ふぁあ 開き直ったのです」

電「はわわ!? この人恥ずかしいよお」

なんとでも言え
こういうのは照れるから恥ずかしいんだお子様相手だ構うもんか

提督「男はエッチなのが当然なんですーぅ エッチな本だって持ってますぅー」

提督「戦争には勝ちたいけど、エッチな本は読みたいって…おかしいですかぁ?」

提督「むしろ貯めこむと発情して君たち襲ってミンチにされるからエッチな本読むほうが英断」

提督「君たちの為を思って読んでるんですぅー 君たちのことを思って読んでますぅー」

提督:ドヤッ
電「……」

電「ところで今お昼前なのですけど」

それがどうした?

電「司令官さんと二人で食べてると誤解されそうなので他に人を呼んでいます」

おお、出会った直後は拒否られてたのに
女同士のランチ誘い合い派閥理論的にそこまで信頼を得ていたか

電「それで呼んだ人達が……ドアの前で待っていて」

青葉・衣笠・北上・大井・比叡「……」

聞かれてたか
まぁなんだ。うん。もう3人にはもう見られてるんだからええわ しゃーないわ

残りの2人は…

北上「……そのー まあ…そうねぇ… 男の子だもん 仕方無いよねー」

照れている北上というのは珍しいなたまらん

大井は北上とこっちを交互に見つつ怒りと興奮が同居した珍妙な表情をしている。

比叡「壁一枚向こうでそんなことを…ひぇー…」

隣室の比叡は具体的な想像をしているらしく茹でタコのよう

とりあえずどっちも照れるだけか。あと3人はいいんだしOKOKなんとか致命傷で済んだ。
青葉「青葉…聞いちゃいました」

うんうん もう見られてるんだろ? 聞かれても傷は深い大丈夫。

青葉「『君たちのことを思って読んでますぅー』って」

衣笠「本と妄想を混ぜ合わせてるんだー 若いなぁ…」

大井「妄想だって北上さんを汚すことは許せません20発、撃っていいですか?」

あ、違うそういう意味じゃない違わないけど違う。




6人掛けのテーブルに6人が 横の6人掛けテーブルに1人が座るお食事風景

電「避けてるわけではないのです 机の定員なのです」

本当に?

電「本当…かもです」
93日目 『足フェチと呼ばれて』
この鎮守府に着任してから3か月
嫌われたり憎まれたり避けられたり色々あったけどその中でも仲良くできた6人にドン引きされた…
という心の痛みを癒すため財布を痛めて飲み会に参加
「てーとくぅ足フェチだったんですかぁ~ 踏みますぅ? 蹴りますぅ?」

「貴様は…ブーツというのはどうだ?」

「右足にしますか?左足にしますか?それとも・・・ふふっ、冗談ですよ」

したらなんか凄い足フェチ疑惑が広まっていた。
あのフミィめどんだけ言いふらしたんだ。

ええいもう飲むしかないですー
ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびびびびびび

「い~いねえ~ 呑みっぷり イケてんじゃーん」

美人が景気よくお酌してくれるので呑む飲むのむ飲まれる呑む

わはははは のんべ艦娘たちは細かいこと気にしないから楽でええなぁ足フェチ開花したからって引かないし

「フフ…フフフフッ… 足フェチなんて可愛い性癖」

そうだそうだーっていうか足フェチじゃないぞー
と、言いたいけれどもういいやそういうキャラでいじられよう

提督「網タイツとか興奮しますー」

提督「女性の脚線美は魅力的だと」

提督「足の奇麗な女性は心も奇麗」

キャラ作りキャラ作り
初対面なのに甘え口調とか一人称ウチとか異様に声のトーン高いとか君らもキャラ作ってるでしょ?

お互いキャラ作りしててもいいじゃない

「ウケる-wwwwww」

ってほらややウケ程度にしか目笑ってないのに大爆笑されちゃった。

安心するなぁこの程度の距離感。

「今日から好感組に入りまーす」 「おー」 とのんべ組はどこまで本当かわからない大歓迎してくれて楽しい。

スポンサーになった甲斐がある。

そんでもって飲んで呑んでベロベロで足ペロペロしたら流石に蹴られて興奮する。
うひひ もう酔いどれですよ財布は空ですよ
のんべ達の会計をかたずけると我が家にかエロうとか思いながら自室のドアを開け

と、自室なのになぜか水着ってよく見ると下着ですかなんで君たち服装変わると幼くなるの
な二人が立っていたいかんまた間違えた。

隣の不幸姉妹の部屋のドア開けちゃった。

即時土下座をすると頭をサッカーボールのように蹴飛ばされる。

衝撃で壁に打ち付けられ全治2か月レベルの怪我だろうが誠意を見せるまた土下座姿勢に戻ると
上から床がひび割れるほどの勢いで踏まれた。

そして意識は遠のいた。
94日目~  『提督傷病休暇』

自業自得

素で自分のこと嫌っている女性の部屋に無断で進入。
アメリカなら銃殺レベル?

腕力筋力規格外の人に蹴られ踏まれて入院1月 全治3月なら幸運。

加減はしてくれたのでしょう。

痛いけど
さすがにご褒美とは認識できなんだ

入院中は姉は何度か、実行した妹も1度お見舞いにも来てくれましたし
こちらも笑って許しました。

皆さんにも今回のことは全て自分の責任であると謝罪会見。

またしても怪我させられ許したという話が広まった

そしたら嫌悪派は縮小

提督=器の大きい男説?効果あり?

よっしゃ
これからも女性受け○ 謙虚キャラでいこう。
なお

電「やった行為よりもそのあとの謝罪が重要なのです」

青葉「言い訳はしない! 心から謝る! 謝罪会見開きましょう!」

衣笠「山一証券の社長を見習お?」

大井「そして後で実は的ないい噂を流しておけば」

対応は機に敏感な子たちが考えてくれました。

困ったとき助けてくれるのは今までの人間関係か
比叡「えーと お見舞いです」

提督「おうどもども」

北上「いやー よかったよー 謝罪会見」

「みんな私が悪いんであって、扶桑山城は悪くありませんから!
どうか二人を責めないでください。優秀な仲間です、よろしくお願い申し上げます
私が悪いんです。二人は悪くございません…!」

比叡「包帯グルグルで… 松葉杖で… ううう私泣いちゃいました」

大井「……足は骨折していないようですが」

青葉「演出☆」

北上「よくあんな古い謝罪会見知ってたね」

電「衣笠さんは本当は何歳なのですか?」

衣笠「ピチピチギャルだよー 失礼な」プンプン

脚本衣笠 演出青葉
入院最初の週はお見舞いにいろいろな子が来てくれて

お酒持ってきたり。

時間が経つにつれて頻度は減るけれど思った以上に人数が来た。

さすがに退院間際となると来てくれる数は減り
頻繁に来てくれるのは6人だけかな?

電「司令官さんの命令を皆に伝える係なのです」

青葉「病状を皆に伝える係でーす」

衣笠「衣笠さんは純粋にお見舞いだよっ」

大井「北上さんの付添よ」

比叡「尿瓶使います?」

北上「めんどいからお見舞いは電話でいい?」

…5人か。

北上「気持ちは見舞ってるからー」

さよか
『もうすぐ退院のある日』
提督が休んでて運用できちゃう軍ってどうなんだろう?

まぁどうせ戦術も兵站も未熟で実際の戦場に出るわけでもないし
普段も入院してるようなもんか

……そういや効かないかな?

と高速修復剤を自分に使ってみたが怪我は治らなかった。

提督「やっぱ君たちは別の生き物なんだな」

青葉「それはまぁ~」

青葉「体的にお互いを受け入れることができる種族なだけで同じではないですよねー」

衣笠「月1ブルーにならない生き物いいなぁ」

いや、男女の違いの話ではなく
と、まぁ話す内容はくだらないが
女性はマメにお見舞い来てくれて

兵学校時代親友が入院したって……まぁ男友達はそうだよねー
どんな相手でも週1超えるペースはないわ。

と、言っても毎日来るような子はいないけれど
結果的には誰かがほぼ毎日来てくれている状況

放置されていない感が嬉しい。
自分はさんざんしたくせに

大井「はい リンゴ皮剥きましたよ」

提督「サンキュ」

本日は大井

昨日比叡が剥いてひと手間かけてくれたリンゴと違い実に美味しい。
二日連続嫌悪派だった子が来てくれる

派閥問題なんかがもう遠い昔のよう

すっかり距離が縮まった感は…

大井「北上さんは北上派の会合で忙しいだけですから」

提督「は?」

大井「私もこのあと幹事長としての仕事があるので失礼します」
電「えっとですね」

翌日来てくれた電に説明要求

着任当時 好感・様子見・嫌悪の3つで構成されていた派閥は

主流と見込まれていた比叡・不幸姉妹の離脱により嫌悪派解体

提督入院による争点の消滅

と、いう現象を経た現在
新興の北上派が提督派と均衡しているとのこと

争点がなくなったのになんで派閥で揉めるの?

電「派閥があるから争点ができるのです」

提督「おかしいよね なんで目的がないのに結果が生まれる」

電「女性と派閥 鶏が先か、卵が先かなんて理屈に興味はありません」

提督「君は…提督派と見ていいんだよね?」

電「違うのです」

提督「えっ」
『無事退院』

「提督~ あんた派の幹部だよ~ 迎えに来たぜ~」

「ついでに入院中の会合費を払ってくださ~い」

提督「……青葉や衣笠さんは?」

「? 奴らは北上派じゃん」

そうなのか

お見舞いには来てくれてたのに

とりあえず本人捕まえて聞いてみると

青葉「ほら 青葉たち最近北上さんや大井さんと仲良しだったじゃないですかー」

衣笠「提督派になったら友達より男取ったと見られちゃうの」

青葉「建前建前」

女同士は大変だなぁ

青葉「ただ~ これはちょと前回とは状況が違いますので早く解決しないと…」

うん?
3日もすれば理解した。

提督派 と 北上派の二つの争いの焦点は

「やっぱいざという時に頼りになるのは男性」 の男尊女卑派と

「男っていざとなると頼りなくて駄目ね」     の女尊男卑派の争いっぽくなっていて

これは… ちょっと…

将来的に流血まであるテーマか
どうにかしよう
提督「毎度のことどうすりゃいいのかね あの女集団の派閥理論は」

北上「一応その派閥の長なんだけど…」(諦め顔)

比叡「だから派閥って」(以下略)

作戦会議

青葉「北上さんに踏まれてる写真バラまいて力関係を明確に」 却下

衣笠「全員やっちまって亭主関白面だよ!」 無理

電「多少衝突したほうが血の気が抜けてよいのです」 否定

比叡「戦って最後に立っていた人がボス」 辞退

大井「もげ」 拒絶

前回のように提督個人の行動により改善できるものではないだけに議論は紛糾を重ね
堂々巡りが深刻、混沌と打算が混じり合った結果

極度の疲労がそうさせたのか
北上が提出したコロンブスの卵案が通過した。
電「では第一条 今回の行為は『カッコカリ』であり 本契約とはしないものとする」

北上「へーい」

青葉「第二条 本契約前の肉体的交渉は禁止とし 発覚した場合私的制裁を許可しまーす」

大井「……ええ」

衣笠「第三条 仮に本契約に移行する場合は事前に他5名に通知をするものとする」

比叡「結局どういうことなんですか?」

派閥の長に祭り上げられた者同士が指輪を交換して和解を進めるということです。
北上「なーに提督落ち込んでんのよ 大丈夫だって」

そうなのかなぁ

派閥トップに祭り上げた責任を感じて黙っている大井さんはいつ噴火することか
うわ なんか顔怖い

北上「べっつにほら (仮)だからねー 意味なんかないし」

北上「なんなら課金して大井っちたちの分の指輪を買っとけば?」

大井「………既製品の指輪なんて要らないわ」

首を横に振られた

ま、そのガチ的な意味のものでないのであれば一人だけに渡すのはアレだな

比叡はお断り勢だから あと3つ用意しとけばいいか

比叡「お断り勢ってなんですか?」
翌日 初カッコカリを報告すると祝福モードになって両派閥はあっさり解体

本当に女性は理解しきれない。

あと指輪は用意しといたのに

青葉「わ、渡しているところを撮らせてもらうだけで…満足なので」

電「遠征主体だったのでレベルが」

とお断りが他に二人いたので指輪は余った。

おかしい。好感は得ていると思ったのにまったく今時の女性心理は……

衣笠「わーい キラキラー♪」

それから数ヶ月後『キノコ派』『タケノコ派』の血で血を洗う闘争が起きるまで…
派閥問題は沈静化

勉強効果も出てきて海域攻略も順調に進むように。
『着任 半年後あたり』
提督「では今回の出撃メンバーを発表する」

提督「旗艦 電」

電「はいなのです」

提督「その次 比叡」

比叡「はい!」

提督「青葉 衣笠」

青葉「はーい」

衣笠「お任せ!」

提督「そして北上と大井 この6隻で出撃してもらう」

北上「へーい」

大井「なにこれ航空戦力0じゃないのどういうことなのよ」ブツブツ
提督「まぁそのなんだ 確かに普通なら航空勢力入れるけど」

提督「一度思い入れのある君たち6人で出撃させたいと思ってね」

それに錬度3ケタ揃えれば開幕爆撃なんて当たらんし

これまで苦節半年間。提督としての試用期間も無事満了
目をつぶれば蘇る思い出

踏まれたり殴られたり毒盛られたり蹴られたり

…苦労したなぁよく我慢した

正規採用になった今ではもう少し強気に出られるぜ!!
電「では行ってきます ところで」

提督「ところで?」

発進直前 電が呟いた

電「この海域、駆逐艦2隻居ないとルート固定が」

あっ

提督「ちょっと待って今再編成」

引きとめた時にはもう6人は地上を離れ出撃済み遠征と違い出撃に中止ボタンはない

数時間後 別ルートに迷い込んだ6人は怒りを湛えて帰還した。

僕は土下座しながら待っていた

提督「もっと勉強します」

6人は無言で僕の頭を踏んだ。

おしまい
この話に登場する艦娘は原作の人物や団体などとは関係ありません。
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473497937/

-青葉, 衣笠, 北上, 大井,