艦これSSまとめ-キャラ別これくしょん-

艦隊これくしょんSSのキャラ別まとめブログ


扶桑 北上 若葉 時津風

【艦これSS】提督「怪の塊の海の解法」【雷・北上】

2016/12/26

書き溜め無し。妄想垂れ流し。きっと艦これSS

キャラ崩壊、メタネタ、クロスなど苦手な方は御注意下さい

――まず最初に描いた点は、地球が生まれた日か、宇宙が生まれた日か

――そうですね、世界が生まれた日、にしましょうか

――そしてそこから伸びる線は、今までの世界の時間

――線の終点は、現在

――世界はそんな線が最初の点を中心に球状に

――重なり合わずに広がっているんです

――そして隣接した線どうし……つまり、最も近い平行世界どうしでは

――人の魂が行き来してるんです

――夢で見た事ありませんか?

――自分の性別が違う

――言語が違う

――風景が違う

――生き物が違う

――食べ物が違う

――それらは全て

――自分の魂の

――平行世界での記憶

『カンコレンジャー』

突如海から現れた悪の軍団!シンカーイ!

世界征服の為!今後の活動維持費の為に今日も彼女らは悪事を働くのだ!

北方棲鬼「ナラベ……ナラベッ!!」

南方棲鬼「ハーイ最後尾ハコチラニナリマース!整理券ヲ受ケ取ッテ下サーイ!」

離島棲鬼「グッズハ一人一ツマデデース!」

<ホッポチャーン!!

<リトーチャーン!!

<ナンポサマー!!

<タキュー!!オレダー!!ケッコンシテクレー!!

空母水鬼「ククク……我ラガ百均デ揃エタ材料デ造ッタグッズトハ知ラズニ……愚カナ……!!」

『待ちなさい!』

空母水鬼「ソノ声ハッ……!?」

古き船の力を授かった少女達!!悪の野望を打ち砕く正義の艦隊!!

カンコレンジャーの登場だ!!

扶桑「連続攻撃は正義の証!主砲の力!カンコレンジャーレッド隊!!」

ゾロゾロゾロゾロゾロ

大潮「夜戦カットインは勝利の鍵!魚雷の力!カンコレンジャーブルー隊!!」

ゾロゾロゾロゾロゾロ

摩耶「飛行機飛ばさず制空権確保!対空の力!カンコレンジャーグリーン隊!!」

ゾロゾロゾロゾロゾロ

赤城「射程を延ばして先手を打つ!副砲の力!カンコレンジャーイエロー隊!!」

ゾロゾロゾロゾロゾロ

五十鈴「渦潮なんかに惑わされない!索敵の力!カンコレンジャーオレンジ隊!!」

ゾロゾロゾロゾロゾロ

愛宕「分厚いバルジに秘めた想い!装甲強化の力!カンコレンジャーパープル隊!!」

ゾロゾロゾロゾロゾロ

北方棲鬼「……」

北方棲鬼「……カエレッ!!」

扶桑「シンカーイ達!路上でグッズ販売はやめるよう言ったはずよ!」

南方棲鬼「ちゃんと行政の許可取ってるわよ!はい許可証!」ビシッ

南方棲鬼「それよりアンタ達!今度は六人で来るって約束したじゃない!」

赤城「?……名乗りは六人ですよ?」

南方棲鬼「そうじゃないわよバカァッ!!」

摩耶「名乗りが長いって言ってたのはオメーラじゃねーか!!」

南方棲鬼「だから六人で来いって言ったのよ!!交通整理してる公務員の皆様が困ってるじゃない!!」

<ナンポサマー!!オレモノノシッテクレー!!

<マヤサマー!!フンデクレー!!

五十鈴「……ん?あれ提督じゃない?」

愛宕「どれぇ?……あ」

提督「……お、おう」

離島棲鬼「ハイ、オ客様、イ級ヌイグルミデス」スッ

提督「あ、ありがとう……あ、君、その指の絆創膏……」

離島棲鬼「アッ……ソノ、作ッテル時ニチョット……キ、気ニシナイデクダサイ」ニコッ

提督「キュン死するわこんなもん!また来ます!!」

金剛「 HEEEEEEEEEEEEEEEEEEEY !!!!!!!!!!!!!!!!!!! 」

摩耶「お、落ち着けカンコレンジャーグリーンその17!!ここで三式弾はヤバイ!!」

空母水鬼「やったぞヘイトが向こうに行った」

『ふふ、手こずっているようね!!』

扶桑「そ、その声は!!」

伊168「オリョール海域は既に庭!センスイカンコレンジャー参上!!」

北方棲鬼「……」

北方棲鬼「カエルッ!!」

時雨「――っていう夢を見たんだけど、どうかな?」

秋雲「いい!すっごくいい!!」カリカリカリカリ

南方棲鬼「どっちが敵か判んないわねコレ」

『カンコレンジャー』おしまい

『イエスアイアム』

金剛「テートクゥ!!リピートアフターミー!!」

金剛「『世界で君だけを愛してる』」(低い声)

提督「だとさ、比叡」

比叡「御姉様アアアアア!!比叡!!嬉しいです!!」バッ

金剛「シィット!!榛名シールド!!」バッ

榛名「え?」

ガッ ポキッ

提督「あぁー!比叡の渾身のハグを榛名がマトモに受けたァー!!」

霧島「明らかにどこかが折れた音がしました!!」

金剛「榛名だし大丈夫デース」

比叡「そうですね。榛名ですし」

霧島「まぁ、榛名ですし」

榛名「 YES I am (はい!榛名は大丈夫です!)」

提督「榛名は頑丈だなぁ」

HAHAHAHAHAHAHA

『イエスアイアム』おしまい

『もっと』

雷(しれーかんにもっと頼られたい)

雷(しれーかんだけじゃない)

雷(みんなにも、もっと、もっと頼られたい……!!)

『その願い、叶えてやろうか』

雷「……!……だ、誰!?」

『我が名はロキ』

提督「困った。書類仕事で最近睡眠時間が取れないぞ」

雷「頼れよ」

提督「えっ」

提督「すごい!あれだけあった書類の山がもう処理済みだなんて!」

提督「サンキュー雷ちゃん!今夜はグッスリだ!」

雷「もっと頼っていいのよ!」

夕張「困ったなー……今度の編成、私が一番遅いじゃないの……」

雷「頼れよ」

夕張「えっ」

加賀「すごいわ雷さん!夕張を肩車して速度を落とさないなんて!」

夕張「サンキュー雷ちゃん!また頼むわね!」

雷「もっと頼っていいのよ!」

白露「キス島沖に駆逐艦だけで出撃だなんて……困ったなー」

雷「頼れよ」

白露「えっ」

白露「すっごーい!一回の砲撃で三隻沈めるなんて!」

白露「サンキュー雷ちゃん!アナタがナンバーワンだよ!」

雷「もっと頼っていいのよ!」

鳳翔「食材を賄おうと畑を造ったけれど、何も実らない……」

雷「頼れよ」

鳳翔「えっ」

鳳翔「す、すごいです!何も実らなかった畑がこんなに豊かに……!!」

鳳翔「ありがとう御座います雷ちゃん!」

雷「もっと頼っていいのよ!」

赤城「敵の潜水艦の攻撃が激しい……でも一航戦の誇り、こんな所でうs」

雷「頼れよ」

赤城「えっ」

赤城「すごい!魚雷を全部沈めるなんて……ありがとう雷さん!」

雷「もっと頼っていいのよ!」

空母水鬼「忌々シイ……艦娘ドモメ……」

雷「頼れよ」

空母水鬼「エッ」

提督「うわあああ雷ちゃんが向こうに付いたあああああああああ!!」

空母水鬼「アノ、同志撃チ、イエ、ナンデモナイデス」

雷「もっと頼っていいのよ!」

提督(雷ちゃんが向こうに付いてから早数週間……我々は手をこまねいている……)

提督(艦娘達の士気も地に落ちた……このままでは……)

提督「くそっ……困ったな……」

雷「頼れよ」

提督「えっ」

提督(雷ちゃんが帰ってきた、という報は全軍の士気を最大限まで向上させた)

提督(向かう所敵無しで進軍した我々は、ついに深海棲艦達を降伏させる事に成功)

提督(こうして戦いは終わった……)

雷「頼れよ」

提督「えっ」

雷「ねぇ、もっと私に頼っていいのよ」

雷「何も無い?そんな訳ないじゃない」

雷「何かあるでしょう?ほら、何でも言っていいのよ」

雷「何も無いの?本当に?嘘付いてない?」

雷「なぁに?そんなに怯えなくて大丈夫よ」

雷「私がいるじゃない。もっと私に頼ってよ」

雷「ねぇ!!」

雷「お茶を淹れて欲しい?ほら!私がいなきゃダメじゃない!すぐに淹れて来るわ!」

雷「淹れてきたわよ!ホラ、もっと頼っていいのよ!」

雷「ねぇ!!」

雷「私に頼らないなんてアナタ偽者ね!しれーかんの偽者なんだわ!」

雷「電、なんで私を止めるの?アナタも偽者なの?」

雷「偽者がこの雷様に敵うとでも思ってんのかしら!!」

「ふむ、これまたヒドくやったもんだな」

「いやー間に合ってよかったわー」

「元はと言えば貴様が余計な事をするから――」

「お説教は後にしてよ。ほら、早く帰らないと――」

提督「……ど、どちら様で……あ、雷ちゃん!雷!大丈夫か!?」

雷「……」

北「……私は北提督」

南「私は南提督よ。その子に取り憑いた霊を捕まえに来たの」

提督「霊?」

北「彼女は少し、疲れて休んでいるだけだ。安心してくれ」

雷「……ん……」スゥ

北「さて、これで一安心か……朱雀。お前はまったく余計な事しかしないな」

南「だ、だってー、玄武が面白そうなモノいっぱい持ってるんだもーん」

北「……一度痛い目を見ないと懲りないか?」

南「ヒッ」

『もっと』おしまい

『五月の雨』

提督「五月雨」カキカキ

五月雨「はい!なんですか?」

提督「さみだれ」カキカキ

五月雨「ふ、フリガナなんて無くても読めますよっ!」

提督「一本足して」キュッ

五月雨「?」

提督「きみだれ」

五月雨「!!」ガーン

時雨「提督、五月雨で遊ぶのはやめるんだ」

『五月の雨』おしまい

『倒置』(リサイクル)

提督「何々の何々ってのをさ」

提督「逆にするとちょっと面白いと思うんだよ」

北上「ちょっと何言ってるか判んないんだけど……例えば?」

提督「んー」

提督「キノコの森」

北上「うん」

提督「森のキノコ」

北上「普通だね」

提督「普通だな」

北上「じゃあ何さ。タケノコの里は――」

提督「里のタケノコ」

北上「んな食い気味に言う事じゃないけど、なんか名産品っぽいね」

提督「この里自慢のタケノコですってな」

北上「朝市感すごいね」

鬼怒「パネェ!!」

提督「無人販売所感の方がすごいかな」

北上「あぁー」

鬼怒「パネェ!!」

北上「他に何かないかな……あ、コアラのマアチは?」

提督「マアチのコアラ……」

提督「なんだこれ」

北上「なんだこれ」

北上「じゃあさ、これなんてどう?呉の雪風」

提督「雪風の呉」

北上「ねだってるね」

提督「ねだってるな」

提督「少し付け足そう」

北上「なになに?」

提督「雪風の一口くれ」

北上「ファミレスだね。パフェかな」

提督「ファミレスだな。パフェだ」

北上「じゃあ佐世保の時雨は?」

提督「時雨の佐世保」

北上「んー……アタシ的にはイマイチかな」

提督「これもちょっと付け足そう」

北上「どうすんの?」

提督「やーいやーい時雨の佐世保ー!」

北上「佐世保が悪口みたいになってんじゃん」

北上「やめなよ」

提督「お前ん鎮守府ー!お化け屋敷ー!」

北上「カンタ」

提督「すまん」

北上「これでいくとさ」

提督「うん」

北上「金剛さんトコ悪口のオンパレードじゃん」

提督「あぁー」

北上「ね?」

提督「最初の金剛からして鬼呼ばわりだもんなぁ」

北上「詩なら、の、が付かないからいいけどさ」

北上「付けちゃったらヤバイよね」

提督「ね。やめとこう」

※詩によっては山城が鬼

北上「もう平和なトコ狙おう。映画のタイトルとかさ」

提督「えー……男たちの大和」

北上「大和の男たち。うわ……」

提督「うわ……」

北上「もう普通のタイトルも変に聞こえちゃうじゃん。どーしてくれんのさ」

提督「すまん。これはもう完全に俺が悪かった」

北上「さいってー……」

提督「忘れよう。うん。あ、そっちの資料取って」

北上「ん。ほい」

――扉の外

大和「……どういう意味でしょうか?」

鳳翔「知らなくていい事ですよ?」ニコッ

鬼怒「パネェ!!」

『倒置』おしまい

『倒置』NGテイク

提督「男たちの大和」

大淀「大和の男たち」

大淀「元だと大和が下で逆だと大和が上なんですね」

提督「やめなさい」

大淀「もう毎晩くんずほずれつ」

提督「やめろ駄メガネ」

大淀「んで自分はどっちがええ?」ニヤニヤ

提督「あ、もしもし鎮守府電話相談室ですか?えぇ、ウチの任務娘の大淀さんなんですが――」

大淀「提督!通信妨害です!!」スポッ

提督「電話線抜いちゃうんだもんなぁ」

『倒置』NGテイク・おしまい

『わがまま』

川内「もうっ!今回も夜戦無かったから提督に文句言ってくる!」

那珂「ホントは喜ぶべき事なんだけどなぁ……」

神通「夜戦しないと気が済まないなんて、ねぇ……」

――執務室

川内「提督っ!!」バーン

大淀「解体!解体!さっさと解体!」バンバン

提督「解体は月一回って決めたでしょ!」

大淀「やーだー!解体告知されて絶望する艦娘の顔見なきゃやーだー!」バンバン

提督「その悪趣味をやめなさい!ほらこないだ解体した子から梨送られてきてるから!」

大淀「剥いて下さい!」

提督「分かった分かった。あとほら、今まで解体した子と一緒に遊びに行った時の写真」ピラッ

大淀「……やーだー!こんないい笑顔じゃなくて絶望した顔が見たいのー!かーいーたーいー!!」バンバン

川内「……」

提督「まったく……あ、川内か。どうした?」

川内「……ごめん提督。もう夜戦したいなんてワガママ言わない……」

提督「お、おう……梨、食うか?」

川内「……うん」

『わがまま』おしまい

『真面目な良い子なんです』

鈴谷「お、提督ちーっす」

卯月「しれーかんにけーれー!びしっ☆」

加古「んぉ?……あぁ提督かぁ。おは……ふわ……」

望月「おはよー。挨拶したし二度寝してくるねー」

加賀「」ガタッ

赤城「よせ。新人のお前が敵う相手じゃない」

『真面目な良い子なんです』おしまい

『食事』

あきつ丸「……」コトコト

秋月「……」ジー

あきつ丸「もう少し待つであります」

秋月「す、すいません……」

あきつ丸「……」コトコト

秋月「……」ジー

あきつ丸「ん。いい具合に煮えたであります」パカッ

秋月「!」パァッ

提督「中庭でパパイヤの根を煮るのやめろぉ!!」

阿武隈「おにぎり作ってくるね!!」ダッ

『食事』おしまい

『ゴッドボイス』

祥鳳「やったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

祥鳳「やりましたああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

――ボスマス

提督「祥鳳がMVP取って叫んだら海域から深海棲艦がいなくなった……」

提督「こんなん報告書に書けるか!!」

日向「まぁ、そうなるな」

伊勢「現に海域ボスまでいないんだもんねぇ……」

『ゴッドボイス』おしまい

『で、味は?』(リサイクル)

提督「つっくる つっくる つっくる~♪」

雪風「ビーバーは ダっムつっくる~♪」

提督「かっじる かっじる たっおす~♪」

雪風「細か~くしってはっこぶ~♪」

提督「泥と 草で かたっめる~♪」

雪風「水を せきとめる~♪」

提督「かっじる かっじる たおす~♪」

提督「ときど~き 赤城が食べる!!」

雪風「食べちゃうんですか!?」

赤城「時と場合によります」

『で、味は?』おしまい

『神の舌』

赤城「下ごしらえ サッと終わりにして♪」

加賀「ダイブ トゥ オイル♪」

赤城・加賀「「フライ!揚げる!」」(カメラ目線)

赤城「菜箸突っ込んで 泡登場♪」

加賀「ナイス温度だ♪」

赤城・加賀「「フライ!揚げる!」」(カメラ目線)

間宮「♪」ズンチャ ズンチャ

伊良湖「♪」ズンチャ ズンチャ

赤城「下ごしらえ サッと終わりにして♪」

間宮「 huwa huwa ♪」

加賀「ダイブ トゥ オイル♪」

赤城・加賀「「フライ!揚げる!」」(カメラ目線)

赤城「じゃがいも短冊切りにし て♪」

伊良湖「 huwa huwa ♪」

加賀「ダイブ トゥ オイル♪」

赤城・加賀「「フライド ポテト!」」(カメラ目線)

提督「うん。これなら秋月も遠慮しないんじゃないかな」

『神の舌』おしまい

『七不思議』

提督「こないだ夜にさ。執務室で一人で書類仕事片付けてたんだよ」

提督「そしたら扉をノックされてさ。どうぞって言っても入って来なかったんだ」

提督「誰だって聞きながら扉開けようとしたらさ、今日は何の日?って声がした」

提督「あぁ、こりゃ子日だな、と思って扉開けたらさ。誰もいねぇの」

提督「廊下見ても誰もいないし、あぁなんか変なの来たなーって思いながらまた机に向かった訳」

提督「しばらくしたらまた扉がノックされてさ。今日は何の日?って声がした」

提督「俺ももう疲れてたからハイハイ子日子日って答えたらさ」

――ウネビダヨォッ!!!

提督「そっから記憶なくて、気付いたら朝で机に突っ伏して寝てた」

陽炎「急に叫ばないでよ!ビックリするじゃない!」

不知火「そそそそそそんなにここ怖くなかったわね」カクカク

黒潮「不知火、膝、笑ってるで?」

『七不思議』おしまい

『ドッキリ』

時津風「……」フンス

若葉「……廊下の曲がり角で何してるんだ?」

時津風「ふわぁっ!」

時津風「わ、若葉かぁ……ビックリビックリ~」ホッ

若葉「いや、驚かせてしまってすまない。で、何してるんだ?」

時津風「んっとね!こうやって!向こうから来た人をビックリビックリさせようとしてるの!」フンス

時津風「そしたら若葉にビックリさせられちゃったの!」フンス

若葉「そうか」

<コツコツコツコツ

若葉「ん。誰か来たみたいだ」

時津風「しーっ!すてんばーい……すてんばーい……」

時津風「ぅおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!」バッ

若葉「」ビクッ

扶桑「」ビクッ

時津風「あ、扶桑さんだー!ねぇねぇビックリした?ビックリした?」キャッキャッ

扶桑「」

若葉「……立ったまま気絶してる」

時津風「えぇー……」

若葉「……取りあえずその辺の部屋に入れておこう」ズルズル

時津風「リアクション無いとつまんなーい。すごくつまんなーい」ズルズル

若葉「で、またやるのか」

時津風「今度は若葉もやるやる~♪」

若葉「わ、私がか?あまり叫んだりするのは……」

時津風「いいからいいから~♪」グイグイ

若葉「ちょ、後ろから押すのはやめてくれ。ホントやめてくれ」

<コツコツコツコツ

時津風「ほらほらぁ~、誰か来たよ!」

若葉「わかった。わかったから押さないでくれ」

時津風「しーっ!すてんばーい……すてんばーい……」

時津風「ゴウッ!!」ドン

若葉「わっ」

若葉「とっとっ……」ヨタッ

弥生「若葉……?……どうしたの?」

若葉「……」

弥生「……」

若葉「え、えいしゃおらえいしゃああああああああああああああああああああ!!!」

弥生「」ビクッ

若葉「……」

弥生「……」

時津風「じぃ~っ」

弥生「……弥生、何か悪い事、した?」ジワッ

若葉「!?」

時津風「!?」

弥生「そう……ビックリさせようとしただけ……」

若葉「すまない。本当に悪かった」(土下座)

弥生「怒ってなんかないよ……本当に。怒ってなんか……」

時津風「ノー。ジャックニコルソーン……(顔コワイよー)」

弥生「……」

時津風「ごめんなさい!!」(土下座)

若葉「で、またやるのか」

時津風「今度こそおもしろーいリアクションが来るよ~。絶対来る来る~♪」フンス

<コツコツコツ

若葉「お、来たぞ」

時津風「しーっ!すてんばーい……すてんばーい……」

時津風「ぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!」バッ

祥鳳「」

提督「――で。祥鳳の叫び声で廊下の窓ガラス全損、と」

祥鳳「も、申し訳ありません……」

若葉「いや、祥鳳さんが謝る事じゃない……」キーン

時津風「もうこの遊びやらなーい……」キーン

『ドッキリ』おしまい

『黒』

扶桑「……」

扶桑「……」

扶桑「……」

扶桑(目が覚めたら真っ暗な空間にいた)

扶桑(えぇと、確か伊勢の部屋に本を返しに行って、その帰りに廊下を歩いてたはず……)

扶桑「ここは……どこかしら?」

扶桑(扉の隙間から光が零れてたりするものだけれど……本当に真っ暗ね……)

扶桑(取りあえず、両手を前に出して、ゆっくり歩けば壁に当たるはず……)スッ

「今日は何の日?」

扶桑「きゃっ!?……な、なんだ。提督ですか……」ドキドキ

扶桑「もうっ、変な悪戯はやめて下さい……」

「今日は何の日?」

扶桑「……て、提督……?」

「ウネビダヨ」

『黒』おしまい

『七不思議弐』

陽炎「まったく、季節外れの怪談なんて聞くもんじゃないわね……」トコトコ

黒潮「こういう時に夜の見回り担当やもんねぇ……ふわ……」トコトコ

不知火「……!……!」バッ バッ

不知火「クリア」

黒潮「不知火、そんなクリアリングせんでも」

陽炎「昼の話がよっぽど応えてるわねー」

陽炎「にしても、窓ガラス全部割れて板張りにしてあるから暗いったら無いわね」

黒潮「懐中電灯よりランタンの方がよかったかもしれへんねぇ」

<ガタッ

不知火「へぁっ!!」バッ

黒潮「!!」

陽炎「ん?その部屋からね?」

<キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

不知火「ふえああああああああああああああああああああああ」ペタン

黒潮「ふ、扶桑はんの叫び声や!」ダッ

陽炎「何なのよ、もう!」

陽炎「扶桑さん!大丈夫!?」ガチャ

扶桑「いや……いや……」ガクガクガクガク

黒潮「どうしたんこないな物置で……大丈夫でっか?」ソッ

扶桑「……び……ごめんなさい……ねび……」ガクガクガクガク

黒潮「随分錯乱しとるねぇ……陽炎、そっち担いで」

陽炎「わかったわ。よいしょっと」

<バタン

黒潮「……」

陽炎「……」

黒潮「閉めた?」

陽炎「閉めてへん」

陽炎「不知火!?変な悪戯しないで早く開けなさい!」

黒潮「はよ開けんと明日のお菓子抜きにすんでー!」

「今日は何の日?」

陽炎「……黒潮、何か言ったかしら?」

黒潮「ウチやないで」

「今日は何の日?」

黒潮「なんやー!子日の真似かー!」

陽炎「いい加減開けなさい!」

「畝傍だよ」

<キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

『七不思議弐』おしまい

『まぁ、そうなるな』

扶桑の悲鳴が上がってからわずか数秒

姉の姿が昼過ぎから見当たらず

でも探し回ったら部屋に戻ってきた姉と擦れ違うかもしれないと言う理由で自室待機していた山城は駆け出した

そして――

黒潮「なんやー!子日の真似かー!」

陽炎「いい加減開けなさい!」

「畝傍だよ」

黒潮「わああああああああああああ!!!???」

陽炎「きゃああああああああああああああ!!!!」

山城「えいしゃおらえいしゃあああああああああああああ!!!」ドガーン

姉の為ならどこへでも。壁をブチ抜いたせいで叱られたのは言うまでもない

『まぁ、そうなるな』おしまい

『ワンテンポ』

扶桑「どーもー不幸の部屋へようこそどーもー!」ニコニコ

山城「不幸の部屋じゃないですよ御姉様ー!扶桑の部屋ですよ御姉様ー!」ニコニコ

扶桑「そうだったわね!不幸なのは山城の方ですものね!」ニコニコ

山城「何言ってるんですか御姉様ー!御姉様も大概じゃないですか御姉様ー!」ニコニコ

扶桑・山城「「HAHAHAHAHAHAHA」」

不知火「いえ、ただお菓子を手渡しに来ただけですので」

扶桑「不知火ちゃんさえよければ、一緒に如何かしら?」ニコニコ

山城「二人より三人で食べた方がきっと美味しいわ」ニコニコ

不知火「そう……ですね。お邪魔で無ければ」

扶桑「ちょうど私達もお茶にしようと思ってたの。気にしないで。さ、どうぞ」ニコニコ

不知火「では、お邪魔します」

山城「大変です御姉様ー!緑茶とほうじ茶を切らしていました!」

扶桑「そんな!じゃあ何か代わりのモノは無いかしら?」

山城「えぇと、後はアールグレイがあるぐらいですね」

扶桑「……」ジッ

山城「……」ジッ

不知火「……あ、不知火は構いません」

扶桑「じゃあ山城!アールグレイを淹れて頂戴!」ニコニコ

山城「了解です御姉様ー!不知火ちゃんもちょっと待ってて!」ニコニコ

不知火「いえ、お構いなく」

不知火「しかし、紅茶と羊羹が合うかは少し……」ゴソゴソ

扶桑「ま、間宮羊羹よ山城!山城ー!」

山城「マジで!?」

不知火「はい、司令官がみんなに、と」

扶桑「ありがたいわ……本当にありがたいわ……」(合掌)

山城「神棚に飾りましょう御姉様!」

扶桑「ダメよ山城?これから頂くんだから」ニコニコ

不知火「いえ、後でも構いませんが」

山城「ごめんなさいね、せっかく三人で頂くんだからそんな事しないわ」ニコニコ

扶桑「そうね。ありがたくよく噛んで頂きましょう」

山城「……」ジッ

扶桑「……」ジッ

不知火「そこまで喜んで頂けたなら光栄です」

扶桑「ごめんなさいちょっと二人で台所に入るわね?」ニコニコ

山城「不知火ちゃんは座って待ってて?」ニコニコ

不知火「あ、はい」

扶桑「……どうしよう山城……あの子駄洒落に気付いてくれない……」

山城「……なかなか強敵ですが御姉様と私なら大丈夫です!絶対笑わせてみせましょう!」

扶桑「山城……そうね……負けられないわ……」グッ

扶桑「お待たせしてごめんなさいね?羊羹はこのくらいのサイズでよかったかしら?」ニコニコ

不知火「ありがとう御座います」ペコリ

山城「はい、紅茶。さ、頂きましょうか」コト

不知火「これがアールグレイ、ですか……頂きます」

扶桑「あら、初めてだったの?」ニコニコ

不知火「はい。あ……」

不知火(アールグレイがあるぐらい)

不知火(あーるぐれいがあるぐれい)

不知火(どうしてお二人はこんな駄洒落を……そうか)

不知火(不知火がお二人の部屋にお邪魔するのは初めて……緊張をほぐそうと思って……)

不知火(これは不知火の落ち度でした……いえ、今から笑っても遅くは無いはず……!!)

不知火「……フンッ」

扶桑「どうしましょう山城!この子アールグレイ飲んで鼻で笑ったわ!!」

不知火(しまった誤解された!?)

不知火「いえ、今のは思い出し笑いのようなものです」

山城「そ、そう……」ホッ

不知火「ええ。アールグレイがあるぐらい、という駄洒落はとても面白いと思います」

扶桑「山城!この子天然だわ!」ウワアアアアア

山城「駄洒落を後になって真顔で面白かったって言われても!!言われても!!」ウワアアアアア

不知火「あ、あの、お二人とも……あの……」オロオロ

<ウワアアアア

不知火「し、不知火に落ち度でも……」オロオロ

『ワンテンポ』おしまい

『例えばこんな金剛』

提督(建造で金剛が来てくれたと思ったら、すぐに霧島の後ろに隠れてしまった)

提督(もっと明朗快活な艦娘だと聞いていたが……)

提督(艦娘にも個性があるとは聞いているが、こうも違うモノなのか……)

金剛「……」ジーッ

金剛「……」ボソボソ

霧島「え?あ、はい……コホン」

提督「?」

霧島「英国で生まれた帰国子女の金剛デース!よろしくお願いしマース!」

霧島「……と、お姉様は申しております」

提督「そ、そうか。こちらこそ、これからよろしく頼むよ」

金剛「……」ボソボソ

霧島「イエース!私の実力ぅ、見せてあげるネー!」

霧島「……と、お姉様は申しております」

提督「あ、あぁ……」

――

金剛「……」ボソボソ

霧島「ヘイテートクゥ!ティータイムにしまショー!!」

霧島「……と、お姉様は申しております」

提督「ん……そうだな。そろそろ一息入れるか」

金剛「……」ボソボソ

霧島「イエーッス!飛びきり美味しいのを淹れてあげるネー!」

霧島「……と、お姉様は申しております」

提督「あぁ、そりゃ楽しみだ」

提督(霧島見てるの楽しいなコレ)

金剛「……」ボソボソ

霧島「目を離しちゃノゥ!って言ったのにー!」

霧島「……と、お姉様は申しております」

霧島「私としてはやぶさかではありませんが」

金剛「!?」

金剛「……」ボソボソ

霧島「ノー!提督のハートを掴むのはワタシデース!」

霧島「……私の本心です」

金剛「!?」

提督「!?」

霧島「ホワッツ!?」

霧島「……と、お姉様は申しております」

『例えばこんな金剛』おしまい

『敵は混乱している』

鳳翔「鳳翔です」

祥鳳「祥鳳です」

鳳翔「鳳翔」

祥鳳「祥鳳」

金剛「コンゴーデース!!」

鳳翔「鳳翔です」

祥鳳「祥鳳です」

鳳翔「鳳翔」

祥鳳「祥鳳」

金剛「コンゴーデース!!」

鳳翔「鳳翔です」

祥鳳「祥鳳です」

鳳翔「鳳翔」

祥鳳「祥鳳」

金剛「コンゴーデース!!」

戦艦棲鬼「クッ……集中デキナイ……」グルグル

『敵は混乱している』おしまい

『空はいつだって青い』

球磨「ぼくは クマのぬいぐるみ♪」

球磨「ひとつ うでがちぎれそう♪」

球磨「みみが やぶけてそこから 白いわたがのぞいている♪」

球磨「そうさ 古いぬいぐるみ♪」

球磨「ごねん まえのクリスマス♪」

球磨「パパの サンタクロースが君のために買ってきた♪」

――もぉ~!撫でるなクマー!

――こんな傷、大した事無い、クマ……

――提督、何で泣いてるクマ?

――クマ?まぁ、少しくらいなら付き合ってやるクマ

――大丈夫だクマ。ちゃんと帰ってくるクマ!だからそんな顔すんじゃないクマ!

球磨「ぼくは クマのぬいぐるみ♪」

球磨「わらえ ないししゃべれない♪」

球磨「だけど ずっと友達さ さみしい時はママ代わり♪」

瑞鶴「あれ?提督さんは?」

加賀「提督なら、今日は……」

瑞鶴「あ、そっか……」

加賀「……私達も後で行きましょう」

瑞鶴「そうね。提督さんだって、一人になりたいだろうし……」

瑞鶴「ね、お花は何買って行こうか?」

――だけど今日からボク無しで 一人で眠れる

――少し さみしくて

――ちょっと 悲しくて

――とても 嬉しいよ

『空はいつだって青い』おしまい

――

時雨「っていう夢を見たんだけど、どうかな?」

秋雲「いいね!」カリカリ

球磨「縁起でもない事を言うんじゃないクマー」

――

雲龍「大破しても進軍しなければ沈まない」

雲龍「それが常識な世界」

雲龍「常識じゃない世界」

雲龍「私?」

雲龍「……さぁ……どうだったかしら、ね」

『空はいつだって青い』おまけ・おしまい

『カラオケ』

金剛「ヘイ提督ぅ、私のも一口あげるデース!」

金剛「美味しいですか?ンー♪それは何よりデース」

金剛「そうだ、今度は比叡達も連れて来まショウ!」

金剛「きっと楽しいランチになりますヨ!」

金剛「そうそう。比叡と言えばこの前デスネー」

――――

――

提督「グッタイム バッタイム♪」

提督「いろいーろあるけれど It's all right ♪」

提督「キスして抱きしめてる時だけは ホントに 静かだね♪」

金剛「……」プルプル

比叡「御姉様!?顔を隠して俯いてどうしたんですか!?気分が悪くなりましたか!?」

比叡「司令の歌を聞いて気分が悪くなりましたか!?」

提督「オイコラ」

霧島「リア充には是非とも爆発してもらいたいものね」

榛名「御馳走様です」ピッピッ

時雨「……」

<ガチャ

離島棲鬼「阿修羅修羅の詠 嵐の声が♪」

離島棲鬼「恋しい名前を 叫び続ける♪」

時雨「別の部屋に提督達がいたよ」

由良「あら、挨拶してこようかしら?」

南方棲鬼「別にいいんじゃない?奢ってもらえるなら別だけど」ニシシ

『カラオケ』おしまい

『ケッコン』

提督「例えばさ」

北上「うん?」

提督「俺とお前が兄妹だったとすんじゃん?」

北上「例えばね」

提督「そうそう。例えばな」

提督「で、もしそうだったら俺の事なんて呼ぶ?」

北上「んあー……考えた事無いなー」

提督「じゃあ今考えてみてくれ」

北上「えぇー……」

提督「そんなに嫌か」

北上「いや、だってさー。そうやってアタシに『お兄ちゃん』とか呼ばせたいんでしょ?」

提督「バレたか」

北上「そりゃバレるよー。付き合い長いし」

提督「じゃあ単刀直入に言おう。『お兄ちゃん』って呼んでくれ」

北上「んー……ちょっと無理だね」

提督「マジか」

北上「うん。何が哀しくて旦那の事兄貴呼ばわりしなきゃなんないのさ」

提督「あ、今のいい」

北上「何が?」

提督「兄貴って呼び方。もっかい」

北上「……やだね」

提督「そうか……残念だ」

北上「じゃあさ。もし姉弟だったらアタシの事何て呼ぶ?」

提督「あぁー……姉さん?」

北上「……あ、これちょっといいかも。もっかい」

提督「姉さん」

北上「んー……いいね。いい気分だよ」

提督「そりゃ何よりだ」

提督「じゃあ今度は俺の事も兄貴って呼んでくれ」

北上「それはヤダ」

提督「そっかー……あ、アレどこやったっけ?」

北上「あー、アレね。はい」

提督「おう、ありがと」

『ケッコン』おしまい

『キョウダイシマイ』

妙高「私が提督の妹だったら何て呼ぶか、ですか……?」

妙高「そうですねぇー……」

妙高「兄さん、でしょうか」

妙高「ふふっ」

妙高「言ってみると本当に提督が兄に見えて来ちゃいました。なんて……」

妙高「私らしい……ですか?」

妙高「何だか含みのある言い方ですね?」

那智「何?私が貴様の妹だったら何と呼ぶか、だと……?」

那智「ふむ、そうだな……」

那智「……あ」

那智「いや、何でもない。何でもないぞ」

那智「わかった。言うから。言うから笑うなよ?絶対に笑うんじゃないぞ?」

那智「……兄上」

那智「こら!笑うなと言っただろ!!」

足柄「私が貴方の妹だったら?」

足柄「そうねー……無難に兄さんとか、あ、これは妙高姉さんが言いそうね」

足柄「っていうか言ったんじゃない?……ほら、やっぱり」

足柄「じゃあ私はそうね……」

足柄「お兄ちゃん♪」

足柄「……ちょっと。引かないでよお兄ちゃん」

羽黒「わ、私が司令官さんの妹だったら……?」

羽黒「……えへ、えへへ……」

羽黒「はっ、はいっ!ごめんなさい!えっと、えっとー……」

羽黒「あ、兄貴」

羽黒「え?だ、だって強そうじゃないですか!」

羽黒「そ、そんなに笑わなくってもいいじゃないですかー!」

『キョウダイシマイ』おしまい

『横文字』

提督「戦艦」

早霜「バトルシップ」

提督「空母」

早霜「キャリアー」

提督「巡洋艦」

早霜「クルーザー」

提督「駆逐艦」

早霜「デストロイヤー」

提督「デストロイヤー」

早霜「デストロイヤー」

提督「強そう」

早霜「……実際、強い」

提督「甘えん坊な文月も」

早霜「デストロイヤー」

提督「世話好きな雷も」

早霜「デストロイヤー」

提督「曙は素直になれない」

早霜「デストロイヤー」

提督「暁は素敵なレディになりたい」

早霜「デストロイヤー」

提督「初雪はちょっとインドアな」

早霜「デストロイヤー」

提督「インドアなデストロイヤーってヒドイ字面だな」

早霜「ふふ……そう、ですね……ふふふ……」

『横文字』おしまい

『ごっこ』

雪風「しれぇ!」

時津風「しれぇー!あそぼあそぼ!!」

提督「はっはっは、今日も二人が元気そうで何よりだ」ニコニコ

夕張「何して遊ぼうかしら?」ニコニコ

雪風「鬼ごっこがいいです!」

提督「そうかそうか、鬼ごっこか」ニコニコ

夕張「仕込んでおいた甲斐がありましたね」ニコニコ

時津風「んん?何がー?」

提督「さぁ着いたぞ」

提督「この部屋の中に、一週間扶桑と会わせていない山城がいる」

夕張「扶桑さんは行方不明だって説明してあるわ」

雪風「えっ」

時津風「えっ」

提督「おーい山城!雪風と時津風が扶桑の行方を知ってるそうだ!」

<ガタン ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ

提督「はっはっは、扉の開け方も忘れて引っ掻いてるのか」

夕張「待ち遠しいわ!早く開けましょう提督!」

雪風「やばい」

時津風「身の危険を感じる」

『ごっこ』おしまい

『もっと好きになってた』

攻撃時に『沈め!……沈めっ!』という不知火ですが

被弾時、というか小破時に『沈む!……沈むっ!』って言ってたら

僕は彼女をもっと好きになっていたと思う

不知火「沈む!……沈むっ!!」ガボゴボ

伊19「ちゃんと頭まで潜らなきゃダメなのね!!」グイグイ

伊58「すごい形相!すごい形相してるよ不知火さぁん!」キャッキャッ

伊58「ねぇねぇ怖い?目の高さに水があるのが怖い?」キャッキャッ

伊19「大丈夫!すぐに慣れるの!」グイグイ

不知火「……ッ!!……ッ!!!」ガボゴボガボガオボ

天龍「オイコラお前らぁっ!」

天龍「ちゃんと準備体操してから泳げって言っただろうが!」

『もっと好きになってた』おしまい

『#11114』

長門「……こちら第一艦隊……中部海域の制圧に……成功した、ぞ……」

長門「……こちらの被害も……甚大につき、自力での撤退は……不可能と判断した……」

長門「船を……回してくれ……」

提督「その必要は無い」

長門「……提督?」

提督「よくやってくれた。ここまで健闘してくれた事、大変誇りに思う」

長門「ま、待て……どうして提督がここに」

提督「そして今から話す事は、君にとってとても辛い話になるだろうが聞いてくれ」

長門「……提督!話を――」

提督「君が深海棲艦だと思って戦ってきた相手は」

提督「全て君と同じ、艦娘だ」

長門「……な」

提督「深海棲艦を滅ぼし、世界が平和になった後の事だ」

提督「世界は君達を持て余した」

提督「近代兵器を以ってしても倒せなかった敵を倒した艦娘」

提督「それを倒せるのは深海棲艦がいなくなった今、同じ艦娘だけだ、という訳だ」

長門「どういう……いや、確かにヤツラは――」

提督「私も含めて、誰も君達を解体する事が出来なかった」

提督「命令に逆らった私達を反乱分子と見なした上層部は」

提督「……狂っていた。諸外国からの圧力もあったんだろうな……」

提督「私達提督も含めて、他の艦娘が深海棲艦に見えるように」

提督「そうして艦娘どうしを戦わせて数を減らそうとした」

長門「そんな……」

提督「君がこれを聞いているという事は、もう周りに誰もいないのだろうね」

長門「……何?」

提督「君が誰かを確かめる術はもう無いが――」

長門「待て!提督、今のはどういう――」

提督「もしココを出て、まだ私が生きていたら――」

長門「提督!」

提督「止めをさしてくれ……これが最後の命令だ」

提督の姿が消えたと同時に、青空が灰色の鉄骨を剥き出しにした天井に変わっていく

サイレンが鳴り響き、赤色灯が辺りを照らす

少し間を置いて、目の前の壁が左右に割れるように動き出した

外だ

薄っすらと見えたのは本物の青空と、本物の海

待ち構えていたのは、数百と並んだ砲門だった

金剛「ヘイ、ヘイ長門!」ユサユサ

長門「ん……んん……?」

金剛「中庭で昼寝とは呑気なものデスネー?作戦会議の時間デスヨー?」

長門「そうか……いや、すまなかったな」

金剛「ノーウプロブレム!でも、中部海域は激戦区だと聞きますカラネー」

金剛「気を抜かないで下さいネ?」

長門「ふっ……あぁ、任せておけ」

『#11114』おしまい

『時には素直に』

足柄「――っていう話を聞いたの」

霞「くっだらないわねー。そのウネビってヤツ捕まえれば済む話でしょ」

霞「驚かされたくらいで気絶だなんて、まったく情けないったら」

大淀「それが出来れば苦労はしていませんよ」

霞「どういう意味よ?」

大淀「畝傍、という艦はフランスで建造されたんですが……」

大淀「日本に来る途中で行方不明になってるんです」

足柄・霞「「行方不明?」」

大淀「ええ。何の痕跡も見つかっていないそうですよ」

――夜・寮の一室

霞「……」ゴロン

霞「……」ゴロン

霞「変な話聞いたせいで寝付けないじゃない……もうっ」ガバッ

<コンコン

霞「?……誰よこんな夜中に……」

『今日は何の日?』

霞「……」ムッ

霞「子日?こんな夜中に――」ガチャ

「ウネビダヨ」

霞「……」

霞「……」バタン

霞「……」ポパピプペ

霞「……あぁアンタ、ちょっと私の部屋まで来なさい」

霞「いいから。あと枕持って来なさいよね」

霞(……あ、電気付けとこう。あとテレビ)

その後、霞の返事が無いのでマスターキーで入った提督が見たのは

床に倒れて気絶している霞の姿であった

『時には素直に』おしまい

『そろそろ限界』

提督「船場山には狸がおってさ♪」

雪風「それを漁師が鉄砲で撃ってさ♪」

提督「煮てさ♪」

雪風「焼いてさ♪」

提督「赤城が食べる!」

赤城「……」

加賀「狸鍋なら是非私も」スッ

――後日・カラオケルーム

赤城「追い掛けたくなる くらいにさせてよ♪」

赤城「あなたは私を どうしたいの♪」

赤城「行く当てもない 心が寂しい♪」

赤城「響かない心を 動かして♪」

瑞鶴「赤城さんってこんなキャラだっけ?」

翔鶴「しーっ!」

赤城「」

『そろそろ限界』おしまい

『出来ましたよ提督!』

明石「出来ましたよ提督!」

提督「お?どうした?」

夕張「私達で自前の装備を造ったの!」

提督「ほう。しかしそんなもの命じた覚えは無いが……」

明石「深海棲艦と拮抗状態の今、それを打破するにはどうすればいいか考えたんです」

夕張「はい!その為にはもっと強力な兵装が必要だという考えに至ったの」

夕張「まぁまぁ百聞は一見に如かず。まずは見てもらいましょう!」

――工廠

提督「なぁ明石さん、夕張さんや」

提督「あれ、何?」

明石「解りません!」

夕張「けど資材をいっぱい使ったから強力なはずです!」

提督「一寸待て、いくら使った」

夕張「全部999です」

提督「バカァ!」

夕張「ありがとう御座います!」

提督「んであれ兵装なんだよな?何で動き回ってんだ見てるだけで吐きそうなんだけど」

明石「あ、提督もですか?」ウプッ

夕張「実は私達も……」ウプッ

提督「何てもん造ってくれたんだよ……あれ理科の教科書に載ってたカンブリア紀の生物じゃねぇか……」ウプッ

提督「処分しなさい。可及的速やかに」

明石「そんな!」

夕張「まだ試してもないのに!」

提督「じゃあアレ装備してみたいか?」

明石「またまた御冗談を」

夕張「御免被ります」

提督「だよな?じゃあ処分しといてくれ。俺は嫌だ」

夕張「私だって嫌ですよ」

明石「私も無理ですこれ以上視界に入れておきたくないです」

夕張「あ、赤城さんなら食べてくれるんじゃないですか?」

明石「やめて想像しちゃオロロロロロロロロ」ビチャビチャ

提督「赤城をそういう風に見るのやめろよ!」

『出来ましたよ提督!』おしまい

『#77892』

マンガやアニメであるような、画面の中のキャラが出て来るとまでは行かなくとも

不思議な話をひとつ

艦これ、艦隊これくしょんってブラウザゲームをプレイしてて

各キャラ毎に五分放置すると、特定のセリフを喋るようになってるんだけど

巻雲って子がなんか、画面からプレイヤーの事を見てる的な事を言うのね

んで自分はコレ結構気に入って、一日一回は聞いてたの

ある日、ブラウザ開いたまま別のゲームやってたのね。ボーダーランズ

そしたら巻雲がさ。

――あ、あれ!?真っ暗で見えない!なんで!?

って慌てた声上げてさ。もう俺もビックリ

でもそれ以来一度も聞けないんだよね

まぁ、そんな不思議な話

『#77892』おしまい

『例えば髪を切るように』

時雨「人は必ず 誰かに 愛されてると言えるよ♪」

時雨「だってボクは今でも キミを♪」

時雨「とても とても 好きだから♪」

時*「人は必ズ誰かに愛さレテルと思イタイ」

***「君ノ事 想ウ様ニ ボクモ イツカ 愛サレタイ」

この日、一隻の駆逐イ級が沈んだ

大規模な海戦が続く最中の、意識される事も無い出来事

しかしその裏側に隠された大事な事は

誰も知る由は無い

『例えば髪を切るように』おしまい

『笑ってはいけない』

提督「という訳で皆に集まってもらった」

加賀「笑ってはいけない鎮守府、ですか……」

初春「ふむ、テレビで見た事はあるが、のう」

弥生「いいです、けど……」

龍驤「人選に悪意しか感じひんねんけど」

提督「気にするな。さて、これから鎮守府に入ってもらう訳だが……」

提督「建物内に足を踏み入れた瞬間からスタートだ」

初春「テレビでは笑ってしまった者が尻を叩かれておったが、妾達はどうなるのじゃ?」

提督「あぁ、あそこにいる四人が叩きに来る」

夕張「色々試していいかしら!?」ウキウキ

大淀「フンッフンッ」(素振り)

明石「ごめんなさい皆さん」(素振り)

龍田「うふふふふふふ♪」(素振り)

加賀「……辞退します」

提督「加賀が辞退する場合、瑞鶴に代わりをやってもらう事にn「やります」」

加賀「やります」

龍驤「あかん。辞退したら身代わり入れられるパターンやコレ」

弥生「……卑怯です」

龍驤「ま、まぁ笑わへんだらええだけや!ほな皆行くで!」ガチャ

加賀「心配いらないわ」ザッ

弥生「ん……」ザッ

初春「ま、妾を笑わせる事が出来るとは思えんが……ん?」

<タッタッタッタッタッタッタ

日向「だれぇ!?私の飛行甲板隠したのだれぇ!?」タッタッタッタッタッタッタ

<デデーン

雪風「ぜーいん、あうとー」

『笑ってはいけない』おしまい

『 The stairway to HEAVEN 』

長門「……ここは……?」

酒匂「あ、気が付いた?」

長門「酒匂か……私達は確か作戦行動中だったはず……」

長門「深海棲艦と戦って、それで……」

酒匂「うん……酒匂もそこまでは覚えてるんだけど……でも見て!すっごい綺麗なお花畑!」

酒匂「ほら!向こうに噴水もあるの!行ってみようよ!」

長門「あ、あぁ……じっとしていても仕方がないしな……しかしここは……庭園か?」

酒匂「……ねぇ長門さん」

酒匂「酒匂達、沈んじゃったのかな?」

長門「!」

酒匂「ここって、天国、なのかな……?」

長門「……酒匂……」

酒匂「……やだ……やだよぉ……」グスッ

長門「……大丈夫だ。ココが天国な訳があるものか」

長門「ほら、手を繋いでみろ。私はここにいるだろう?」

酒匂「……うんっ!」パァッ

「そう、ここは天国なんかじゃないわ。ここは世界の狭間」

酒匂「ぴゃぁっ!?」ビクッ

長門「……何者だ」

「私は世界の狭間の番人。天使でも悪魔でも無いわ」

酒匂「番人さん?」

長門「私達に何か用か」

「そう身構えないで。貴女達に伝えなければいけない事があるの」

「貴女達を探している人がいるわ。沢山、ね」

長門「!」

酒匂「司令達かなぁ?」

「そう、ね。貴女達と、とてもとても強い繋がりを持つ人達よ」

「後ろを御覧なさい」

酒匂「へ?」

長門「……さっきはこんな門、無かったはずだが……」

「出来れば貴女達とお茶でもしたかったのだけれど、引き留めるのは彼らに悪いわね」

「行きなさい」

長門「……」

酒匂「長門さん?」

長門「以前……戦闘中に行方不明になった艦娘が帰還した事があった」

長門「貴様、もしかして――」

「ヤツらとの戦いで消えていい命は、アナタ達の命では無いわ」

長門「……ん」パチ

長門「……」ムク

長門「……ふぁ……」

長門(妙な夢だったな)

酒匂「あ、長門さんおはよーう!」

長門「あぁ、おはよう酒匂」

酒匂「ねぇねぇ聞いて!夢の中に長門さんが出てきたの!」

長門「ほう、それは奇遇だな。私の夢にも酒匂が出てきたぞ」

酒匂「ぴゃっ!なんだろーねー?」ニコニコ

長門「不思議な事もあるものだな。さて、提督に挨拶でもしてくるか」

酒匂「あ、酒匂も酒匂もー♪」

大淀「……」

<ガチャ

長門「提督、おはよう……っと、大淀だけか」

大淀「はい、昨日の戦闘から長門さんと酒匂さんが行方不明でして、捜索に向かってるんです」

大淀「でもさっきから連絡が無くて……ひょっとしたらもう……」

酒匂「ぴゃー……」

長門「……私達ならここにいるが……?」

大淀「えっ」

大淀「なんで!?幽霊!?」

長門「失礼な」

酒匂「幽霊さんじゃないよー!」

大淀「失礼します!」ムニュ

長門「胸を揉むな!」ゴツン

大淀「痛い!夢じゃない!」

大淀「提督!長門さんと酒匂さんが見つかりました!鎮守府で!今!目の前に!」

大淀「いいからはよ!はよ帰還!!」

酒匂「ねぇ長門さん、もしかしてこれって……」コソコソ

長門「あぁ、あの夢……」

『 The stairway to HEAVEN 』おしまい

――

リンリン「ねぇ、さっきの言い方だと私達は消えていい命って事にならない?」

ノヴァ「そんなつもりは無いわ。消えていいのは――」

リンリン「待った。その先を言うのは無し」

リンリン「消えていい命なんて無いよ」

ノヴァ「……そうね」

ノヴァ「ありがとう。厨二病の半分は優しさで出来ているのね」

リンリン「怒るよ?」

『 The stairway to HEAVEN 』おまけ・おしまい

『環境破壊』

明石「……ねぇ、処分しろって言われたけど……」

明石「このカンブリア紀の生物みたいなの、どうしよう……?」

夕張「……よし!海に捨てちゃいましょう!」

明石「そ、そんな事したらこの辺の海にアレがウプッ」

夕張「大丈夫!ちょっとその辺の海域まで足を延ばせば戻ってこれないはず!」

夕張「きっと!」

夕張「多分!」

明石「そ、そうだね!深海棲艦が何とかしてくれる!」

明石「きっと!」

明石「多分!」

夕張「という訳でやってきましたアルフォンシーノ!」

明石「 yeahhhhhhhh !! 」

夕張「カンブリアンズ(仮)を詰めたクーラーボックスを遠くへシューット!!」ブンッ

明石「超エキサイティング!!」ブンッ

夕張「さ、帰りましょ」

明石「あー終わった終わった」

ヲ級「……ン?」

ル級「ドウシタ?」

ヲ級「……何カ飛ンデ来ル」

ル級「?」

<ボチャン

ガンブリア紀の生物のような何か「「「「「「「「」」」」」」」」ワラワラワラワラワラワラ

ヲ級「オエエエエエエエエエエ」ビチャビチャ

ル級「オロロロロロロロロロロ」ビチャビチャ

ル級「思わず逃げて来ちゃったけど何だったのアレ……」

ヲ級「ウチ何も見てへん……聞こえへん……」ブツブツブツ

ル級「ええい現実逃避するんじゃないっ!しっかりしろ!」ユサユサ

ヲ級「ヲッwwwwwwwwwwwwwwwwヲッwwwwwwwwwwwww」ガクガクガクガク

ヲ級「いやだって考えたらアカンヤツですやん……見た事無い生物でしたやん……オロロロロロロロロロロ」ビチャビチャ

ル級「あぁ、もしかしたら地球外生物……異星人かもしれないわ」

ヲ級「嫌や!あんなんと星間飛行なんて嫌や!」

ル級「私だって嫌よ!宇宙人退治よ宇宙人退治!艦娘どころじゃないわ!」

ヲ級「えぇー……戦うん嫌や……ウチ戦いとうない……」

ヲ級「艦娘らと戦わせたらええやん……ウチらが戦う事無いですやん……」

ル級「……それもそうね。ちょっと大人しくしてたら勝手に駆除してくれるでしょうし……」

ル級「きっと」

ル級「多分」

しかし元々大量の資材を消費して開発された兵装

貪欲に海中のあらゆるモノを食い潰し、驚異的なスピードで成長し、爆発的に増加していた

実際、このわずか数行の内に三十体くらい増えている

戦艦棲姫「ええい何なのだこの生物は!キリが無いぞ!」

空母棲鬼「人間どもめ!妙な手を使って!」

空母棲鬼「!……艦娘だ!」

戦艦棲姫「ええい!……ん?アイツらも襲われてないか?」

空母棲鬼「あ、ホントだ」

戦艦棲姫「……」

空母棲鬼「……」

長門「くそ!数が多い!」

赤城「……!長門さん!後ろ!」

巨大なオパビニアのような何か「」グパァ

長門「しまっ……!」

赤城「長門さん!長門さん!!」

赤城(水柱で姿が……!)

長門「……む?」

戦艦棲姫「休んでいる暇は無いぞ!」BAGOM!

赤城「深海棲艦!?どうして!」

空母棲鬼「そんな事を言っている場合か!」

赤城「普通に喋れたなんて!」

長門「今はそれはどうでもいい!手を貸してくれ!」

戦艦棲姫「言われなくても!」

提督「……見たか?」

明石「……」プルプル

提督「見たな?」

夕張「……」プルプル

提督「何してくれたんだバカァ!」

提督「どう見たって前にお前らが造ったアレだよな!?そうだよな!?」

明石「間違い御座いません」

提督「ちゃんと処分させておけばこんな事には……」ハァ

夕張「で、でも深海棲艦と和解の切っ掛けになったじゃない!」

提督「それはそうだが……お前ら深海棲艦以上の脅威を生み出してんじゃねぇか」

明石「テヘペロッ☆」

夕張「テヘペロッ☆」

提督「バカァ!!」

『環境破壊』おしまい

『#441』

霞「あんなのがまた出て来るかもしれないなんて考えたらこわ……気味が悪くて仕方ないったらないわ!!」

扶桑「えぇ。今は害が無いとは言え、何もしてこないとは言い切れませんし……」

黒潮「ともかく何とかせんとあかんで司令はん!」

提督「まぁなぁ……かと言ってどうしたもんか」

提督「よし、畝傍が辿った航路を辿ってみよう」

不知火「そ、そんな……」ビクッ

提督「理由はどうあれ俺達の前に現れたんだ。気になるだろう」

提督「そうと決まれば深海棲艦から誰か連れて行こう」

霞「なんで深海棲艦なのよ?」

提督「俺達より海に詳しいのは彼女達だろ?」

提督「――という訳だ。力を貸してくれないか?」

南方棲鬼「ふーん。話は分かったけど、何の手掛かりも無く海を走るつもり?」

陽炎「航路以外に手掛かりが無いのは確かよね」

提督「うーむ……」

戦艦棲姫「なぁ、それなら思い当たる節があるのだが……」

提督「お、話を聞かせてくれ」

戦艦棲姫「あぁ。その前に海図を見せてくれ」

提督「オーケー」ペラッ

戦艦棲姫「その畝傍という艦の航路はどうなっている?」

提督「あぁ。畝傍が出航したのはフランスのルアーヴル」トン

提督「そこからシンガポールを経由して日本まで回航する予定だった」ツツツ

提督「ところがシンガポールを出航後、南シナ海……」

提督「現在の南西諸島海域の辺りで行方不明になったそうだ」トン

戦艦棲姫「……うむ。私の聞いた話もその辺りだ」

提督「手掛かりになりそうか?」

戦艦棲姫「どうだろうな?」フフ

戦艦棲姫「南西諸島付近に歩を進めてはならない、と言い伝えられている海域があってな」

戦艦棲姫「手に負えない怪物がいるとも、神域だから近付けば祟りを受けるとも言われていた」

戦艦棲姫「そこに何かあるかもしれない」

提督「よし。案内を頼む」

戦艦棲姫「お安い御用だ」

南方棲鬼「そこは何かねだるトコじゃない?」

戦艦棲姫「……そうなのか?」

提督「いや、礼を兼ねて飯でも奢るよ。さぁ出航準備にかかるぞ!」

――南西諸島海域・バシー島近辺

戦艦棲姫「この先だ」

提督「よし、投錨。南方棲鬼、船の留守を頼む」

南方棲鬼「イヤよ。面白そうだし私も行くわ」ニシシ

不知火「あの、でしたら不知火が――」

霞「何よ?怖いの?」

扶桑「一人で船に居る方が、怖いと思うのだけれど……」

不知火「行きましょう。全員で」

提督「肝試しに来たんじゃないんだぞー」

戦艦棲姫(別に私は残っても良かったんだが……)

南方棲鬼「にしても、アンタも艤装持ちとはねー」ザザザザ

提督「あー、まぁこっちも色々あってな」ザザザザ

提督「っつーかこの辺は授業で聞いてないのか?」ザザザザザ

南方棲鬼「つまんないから寝てた」ザザザザザザ

提督「おい」

黒潮「司令はんめちゃめちゃ強いんやでー」ザザザザザ

南方棲鬼「へーえ……じゃーこの後演習してよ♪」

提督「お断りします。黒潮、余計な事言わない」

扶桑「あのー……」

黒潮「余計な事とはなんやー」

提督「なんや」

黒潮「なんや」

扶桑「あの……」

提督「なんや!」

黒潮「なんやー!」

南方棲鬼「なんやなんや?」

霞「やめなさいアンタ達!!」

扶桑「あの!」

不知火「なんや」

扶桑「艦娘らしき姿を発見!」

提督「マジか」

黒潮「あ、ホンマや」

「……」ジッ

提督「雰囲気からして船霊で間違いなさそうだ、が……」

霞「その隣のデカイのは何なのよ……」

戦艦棲姫「私の艤装と似ているな。どういう事だ?」

提督「まぁ単純に、乗組員の……だろうなぁ……」

南方棲鬼「うぇー……」

戦艦棲姫「?」

黒潮「格好は球磨はんらに似とるねぇ」

陽炎「防護巡洋艦、だっけ?」

南方棲鬼「普通の巡洋艦と違うの?」

<ガヤガヤ

提督「全員攻撃するなよ。少し話す」ザザザザ

陽炎「大丈夫なの?」

提督「危ないと思っても撃つなよ。俺がやられたら撃て」

霞「ちょっと!変な事言うんじゃないわよ!」

扶桑「もうっ……」

「……」ジッ

提督「……畝傍、で間違いないか?」

畝傍「あ……うん!畝傍だよ!」パァ

提督「遅くなって済まなかったな。寂しかったろ?」

畝傍「うん……とっても……とっても寂しかったよ……」シュン

畝傍「暗くて……怖くて……」ポロ

畝傍「でも、でもね!畝傍は絶対日本に行くの!」ゴシゴシ

提督「そうか」

畝傍「……でもね、道が分かんないの」シュン

畝傍「そうだ!アナタが日本まで連れて行ってよ!」

畝傍「皆がね!畝傍を待ってるの!」

提督(なるほど、知らずに話し掛けて『いいえ』を選べば……)

『……』

提督(このコワーイお兄さんの集合体が襲い掛かってくるワケね)

畝傍「あれ?そう言えば、アナタはどうして畝傍の事を知ってるの?」

提督「あぁ、君の事を日本から迎えに来たんだ」

畝傍「ホント!?ホントに!?」

提督「あぁ、ほら身分証」

畝傍「そっかぁ……よかったぁ……皆!日本に行けるって!」スゥ

『……』スゥ

畝傍「畝傍!抜錨します!」

<ポチャ

南方棲鬼「……消えちゃったけど、どーしたの?」ザザザザ

提督「んー?」スッ

扶桑「それは……式神ですか?」

提督「畝傍の宿った船霊だよ」

戦艦棲姫「……ただの紙で出来た人形か」

提督「あぁ……さ、全員帰還するぞー」ザザザザ

畝傍に関する報告書

(前略)この海域に地縛霊のような形で乗組員達の霊と共に過ごしていたものと予想される

自分達と接触し、当初の目的である日本への回航が叶うと知って成仏した事を確認

本体である船霊は発見できず。艦娘としての量産は不可能と判断する(後略)

提督「……」ッターン

提督「ま、こんなもんでいいか」

<ガチャ

黒潮「司令はんおっはよー」

不知火「おはようございます」

陽炎「おはよ!」

畝傍「おはようございます!畝傍、今日から頑張ります!!」

『#441』おしまい

『夏がダメだったりセロリが好きだったり』

提督「新たな艦娘、か」

大淀「はい。コチラの資料ですが個人的に一つ付け足しておきました」

提督「何です?」

大淀「スリーサイズです」

提督「うーん、その情報必要だったかなぁ」

大淀「なるほど、正確な数値より予想して楽しむ方が好みでしたか」

提督「違いますからね?」

大淀「そんな事言ってー、赤城さんと加賀さんが二人で歩いてるの見ては赤城より加賀の方がデカイやんとか思ってますよね?」

提督「思ってませんよ。っていうかそうなんですか?」

大淀「なんで!?なんで思わないんですか!?」

大淀「加賀の!」

大淀「乳見て!」

大淀「何とも思わないんですか!?」

提督「見た事無いですからね?」

大淀「いやでもほら見るでしょ?乳とか太ももとか」

提督「まぁ、確かに露出が……な子はいますけど」

提督「いや、でもそんな疚しい気持ちで見た事は」

大淀「嘘つけー!」

大淀「ムッツリか!ムッツリなんか自分!」

大淀「ムッツリスケベなんか自分!」

提督「うっさい何回言うねんええ加減にせぇよ」

大淀「すいません」

大淀「それで、その、ですね」

提督「はい?」

大淀「自分こん中やったらどれがタイプなん?」

提督「んな事聞いてどうするんですか」

大淀「いやいやどうせ青葉辺りが聞きに来るでしょうから、先に聞いといてもいいかな、と」

提督「青葉かぁ……まぁ彼女なら来そうですね」

大淀「その時に当たり障りの無い理由とか言えるようになっといたらええんとちゃう?」

提督「……まぁ、確かに変な理由をでっち挙げられるよりかはいいですね」

大淀「ほらほら提督はどの子とちゅっちゅしたいの~?」ニタニタ

大淀「教えて教えて~?」ニタニタ

提督「ほんま腹立つなぁ……」

大淀「ドSそうに見えてドMな香取さん」

大淀「それに輪を掛けてドMな天城さん」

大淀「中破絵がどう見ても待ちガイルな朝霜は改ですし……」

大淀「薄幸そうなアーンヴァゲフンゲフン潜水艦は論外ですよね」

提督「よーし正座の時間だ大淀。そこに直れ」

大淀「痺れる前に終わらせて下さいね」ストン

――執務室の前

電(結局司令官の好みまで聞き出せなかった……)

雷(気になるわね……)

暁(レディならタイプのはず!……よね?)

響(確かに待ちガイル。圧倒的待ちガイル)

『夏がダメだったりセロリが好きだったり』おしまい

『憧れの末』

――『清霜は本当は戦艦なんです……だけど今は力を封じられて駆逐艦なんです……』

――『けど、レベル99になれば封印も解かれて戦艦になりますから!』

提督「――と言っていた清霜のレベルを99まで上げたけど駆逐艦のままな件について」

大淀「ンフッ……Bボタン連打しませんでした?」

提督「してないしてない。なぁ清霜?」

清霜「……」プルプル

大淀「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」プルプル

提督「どうした清霜?」

清霜「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!」ダッ

提督「あっ!顔を覆って叫びながら走ったら危ないぞ!待ちなさいどこへ行く!」ダッ

大淀「wwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwwwww」

――寮の一室

清霜「~っ!!~っ!!」ジタバタジバタバ

夕雲(清霜が枕に顔を埋めてジタバタしている……何かあったのかしら?)

夕雲「ねぇ朝霜」コソッ

朝霜「んー?何だい?」

夕雲「清霜に何かあったのかしら?」

朝霜「……あー、まぁ、はしかみたいなもんだから心配すんな。な?」

夕雲「そ、そう……?」

朝霜(清霜ったら馬鹿だねぇ……)

伊58「ねぇねぇ今どんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ち?」キャッキャッ

伊19「ホラホラ戦艦になれるの?戦艦になれるの?ねぇねぇ?」キャッキャッ

清霜「うわああああああああん!!」

夕雲「あのお二人は?」

朝霜「ちょっと摘まみだしてくるわ」ガタッ

『憧れの末に』おしまい

『ディスイズサイコーニチョウドイイ』

金剛「ヘイテートクゥ!テートクから見て私達は…… ah ……どうでしたカ?」

提督「なんで過去形なんだよ……印象とか話せばいいのか?」

金剛「 That's right !!」

提督「んじゃ金剛から。熱烈アタックで俺しか見てないように見えて実は他の子のフォローもしっかりしてる」

提督「頼れるお姉さんって感じだ」

金剛「 oh ! 意外とテートクもしっかり見てますネー」

提督「意外とは失敬な。こういう仕事だからな」

提督「次、比叡」

比叡「あ、はい!」

提督「逆にオマエはコミュニティが狭すぎる。もっと他の子と話してみなさい」

比叡「そ、そう言われても困りますよぉ……何話せばいいか解んないですし……」イジイジ

金剛「比叡……オネーチャン心配デス……」

比叡「そんなにですか!?」

提督「加賀の相談室にでも行ってみたらどうだ?」

比叡「あ、はい……そうしてみます」

比叡「でも!コミュニティの狭さでは!霧島も!」ビシッ

霧島「そんな風に思われてるんですか私……」

提督「霧島も色んな子と話してるみたいだな。ただ、あんまり厳しく接するのは辞めた方がいいかもしれないぞ?」

霧島「う……駆逐艦の皆さん、ですか?」

提督「おう。その内怖いお姉さんとしか思われなくなるぞ」

金剛「もうとっくに思われてるかもしれないネー」

霧島「そ、そんなつもりは無いのですが……」

提督「霧島が優しい子なのは俺も知ってる。それをアイツらにも知ってもらえばいい」

霧島「……善処致します」ペコリ

提督「ん」

金剛「最後になっちゃいましたガ、榛名はどうネー?」

提督「榛名か」

提督「ディスイズサイコーニチョウドイイオンナ」

榛名「 YES I am (はい、榛名は大丈夫です!)」

金剛「 what a nutcase !! (こいつら頭おかしいデース!!)」バンッ

『ディスイズサイコーニチョウドイイ』おしまい

『 rewind 』

時間が戻ればいいのに

誰もが一度は願ったであろう願い

荒唐無稽な願い

私も願った

願ってしまった

――

提督「自分がこの鎮守府の提督だ。これからよろしく頼むぞ」

吹雪「わぁ、艤装もおっきーですね!流石戦艦です!」キャッキャッ

山城「……あの、先程の戦闘は……どうなったんですか?」

提督「へ?」

山城「北方海域への出撃です、けど……あの……?」

吹雪「あ!もしかしたら船の時の記憶が残ってるのかもしれませんね!」

提督「そうか……じゃあ少し休んでいてくれ。顔合わせは後にしよう」

吹雪「そうですね!じゃあ私、お部屋まで案内します!」

提督「あぁ、頼む」

山城「……」ムッ

山城「自分の部屋くらい自分で行けます。失礼致します」スッ

提督「?」

吹雪「……どうしたんでしょうか?」

提督「わからん。が、様子を見て来てくれないか?」

吹雪「はい!」

――寮の一室

山城「嘘……」

山城(無い……提督と買いに行った服も……金剛さんに貰ったティーセットも……)

山城(姉様と色違いの枕も……)

吹雪「あ、山城さん!」

山城「……たの?」

吹雪「え?」

山城「私の部屋の物を!どこへやったの!」グィッ

吹雪「わっ……お、落ち着いて下さい!離して!」

あの時願ってしまったから

私は今から三十分後に

あの日に戻る

鎮守府で建造された、あの日へ

――

大淀「――状況説明は以上です」

やめて

大淀「なにぶん、ここまで大規模な深海棲艦の侵攻は初めてですのでコチラ側の対策も充分とは言えません」

やめて

提督「……敵の数も未知数な状態だが」

やめて

提督「今の君達なら」

やめて

提督「必ず防衛できると信じている。皆、頼んだぞ」

轟音

悲鳴

怒号

静かな波の音

沈んでいく身体と意識

さよならを言わせて

私はまた願ってしまう

さよならを言わせて

『 rewind 』おしまい

――

「不本意だが、コレをまた君の手に渡す事になった」

「……この木魚は……?」

「鳴らしてみれば解る」

「……?」ポクッ

「……!!」ポクポクポクポク

「また一つ、世界を救って欲しい」

「……はい!頑張ります!!」

「あの、ところでアナタは?」

「……玄武。北を司る聖獣だ」

『 rewind 』おまけ・おしまい

『突破』

赤城「確かに私の艤装の修理には時間が掛かりますし」

赤城「資材も沢山消費します」

赤城「ですが」

赤城「ですが!」

赤城「大食いじゃありません!私こんな量食べられません!」ウワアアアアアン

赤城「どうしてですか!?どうして私にこんなに食べさせようとさせるんですか!!」

赤城「グスッ……」

提督「赤城……」ポン

提督「一杯食べる君が好き」

提督「詳しく言うと」

提督「げんなりした顔で、出されたからには頑張って食べようとする君が好き」ニコッ

赤城「待て待てー♪」ビュンビュンビュンビュン

提督「はっはっは、飛行甲板はそうやって使うんじゃないぞー?」タタタタタタタ

伊58「すごいすごい!赤城さんが飛行甲板付けた鎖を振り回して提督を追い回してるよ!」キャッキャッ

伊168「提督がゲスな割に爽やかな笑顔略してゲスやかな笑顔してるね!」キャッキャッ

龍田「飛行甲板って、デリケートじゃなかったのぉ?」

加賀「人間を殴る分には頑丈よ。心配いらないわ」

『突破』おしまい

『見た』

青葉「司令……青葉、見ちゃいました……」

――

妙高「私が提督の妹だったら何て呼ぶか、ですか……?」

妙高「そうですねぇー……」

妙高「兄さん、でしょうか」

軍服を着たマネキン「」

妙高「ふふっ」

妙高「言ってみると本当に提督が兄に見えて来ちゃいました。なんて……」

軍服を着たマネキン「」

妙高「私らしい……ですか?」

妙高「何だか含みのある言い方ですね?」

軍服を着たマネキン「」

――

青葉「司令……青葉、どうすればいいんでしょう……」

軍服を着たマネキン「」

青葉「……司令……」

軍服を着たマネキン「」

『見た』おしまい

『 second wind 』

轟音

悲鳴

怒号

波の音

僕は今回もダメだったかな

沈んでいく身体と意識

こうやって海の中から空を仰ぐのも何回目だっけ

南方棲鬼「お?時雨これ歌えるの?」

時雨「ううん、練習中さ」

南方棲鬼「おー、アタシこれ好きなんだよねー♪」

時雨「ふふ、気に入ってもらえるよう努力するよ」

離島棲鬼「南方の。プレッシャーを与えるものでは無くてよ?」

南方棲鬼「いやー、そーゆーつもりじゃなかったんだけどねー」

南方棲鬼「ゴメンネ?」

時雨「いや、大丈夫だよ……っと」

時雨「あぁもう 嫌になっちゃうなホント何も 上手くいかないや♪」

こうして沈んで行く途中で

いつも意識が途切れるんだ

そして

僕はあの日の工廠で目を覚ます

沈んでいく中でこんな事を考えるのも何回目だっけ

時雨「――っていうのはどうかな?前に僕が見た夢なんだけど」

秋雲「いいねぇ!創作意欲が湧くねぇ!」カリカリカリカリ

時雨(前の時に体験した出来事を、僕は懺悔のように彼女に話す)

時雨(彼女はそれに刺激されて筆を振るう)

時雨(これは彼女の為じゃない)

時雨(僕が忘れない為に)

時雨「あーもう なにも考えたくないや♪」

南方棲鬼「♪」ユラユラ

時雨「酒でも呑んで 全て忘れちまうか♪」

離島棲鬼「♪」ユラユラ

時雨「そんな事が何の解決にもならない事なんて♪」

由良「♪」ユラユラ

時雨「学校に行ってない僕でもわかるんだ ah ♪」

今日もまた、僕達は出撃する

深海棲艦の大侵攻

全滅するのを知っているのは僕だけ

一度、出撃を拒んだ事もあったけれど

その結果はさんざんなモノだった

目の前で提督が炎に包まれるのなんて

もう見るのはゴメンだ

だけど

だけど、何度やっても僕達は――

轟音

悲鳴

怒号

木魚の音

木魚?

「僕らが今すぐ欲しいのは ソレから逃げる理由なんかじゃなくて♪」ポクポクポクポク

時雨「」

「僕らが今すぐ欲しいのは ソレと戦う勇気が欲しいんだ♪」ポクチーンポクポクチーン

時雨(なんだ、あの子は……あんな艦娘、見た事無いけど……)

「どれだけ遠くに逃げても ソレは僕の前に立ちはだかる♪」ポクポクポクポク

「だから僕が今すぐ欲しいのは ソレと戦う勇気が欲しいんだ♪」ポクチーンポクポクチーン

時雨(不思議と、力が湧いてくる……!)グッ

時雨(初めて聞く歌なのに……僕はこの歌を知っている……!)

時雨「僕が今すぐ欲しいのは」

「ソレから逃げる理由なんかじゃなくて♪」ポクチーンポクポクチーン

時雨「僕が今すぐ欲しいのは」

「ソレと戦う勇気が欲しいんだ♪」ポクポクポクポク

――どんなに醜く負けても僕は勝つまで戦う「理由」があんだ

――こんな所で負けられない くらえ僕のカイシンの一撃

時雨「……すごいや……勝った……勝ったんだ……」

時雨「あれだけの深海棲艦を……何度も、何度も負けたのに……」

時雨「やっと……やっと……」

「……」

時雨「……君の、おかげだよ。ありがとう……」

「はっ!」ポクッ

時雨「――っていうのはどうかな?前に僕が見た夢なんだけど」

『 second wind 』おしまい

――

山城「……ここは……?」キョロキョロ

「いらっしゃい」

山城「!」ビクッ

山城「だ、誰ですか……?」

「私はココの番人。ココは世界の狭間」

「アナタ、同じ時間を何度も過ごしているわね?」

山城「!」

山城「どうして、それを……」

『 second wind 』おまけ・おしまい
本日はここまで

・おまけ

伊勢「提督、日向、はいっバレンタイ――」スッ

朧「補給ですね、ありがとうございます」サッ

陽炎「補給かぁ、ありがとっ」サッ

伊勢「」←違うと言いたいけど言えない

提督「」←笑いをこらえている

お伊勢さんのバレンタインセリフを聞きながら遠征から帰ってきた子達の補給をすると
提督と日向に渡そうとしたチョコを遠征帰りの子達が補給と勘違いして受け取っているように聞こえたので

『手をたたこう』

大潮「しっあわっせなっら 手をたったこっ♪」パン パン

山城「……」

大潮「しっあわっせなっら 手をたったこっ♪」パン パン

翔鶴「……」

大潮「しっあわっせなっら 態度でしっめっそーうよ♪」

赤城「……」

大潮「ほら みーんなで手をたったこっ♪」パン パン

山城「……」

翔鶴「……」

赤城「……」

大潮「……」シュン

山城「……」

山城「……」パン パン

大潮「!!」パァッ

『手をたたこう』おしまい

『この魂が尽きるまで消えない痛みを抱えたとしたって』

雪風「♪」ドコドコ

提督「手をたたけ 手をたたけ♪」ボンボンボンボン

子日「♪」パン パパン

熊野「ねーがう日は こーないけど♪」ジャカジャカ

赤城「♪」パン パパン

提督「今日を歌えそして 明日を唸らせんだ♪」

翔鶴「♪」パン パパン

熊野「去った僕の 音楽よ戻れ♪」

提督「子供みたいとか言うやつぁ いつから大人になったんだぁ♪」

熊野「案外父ちゃん母ちゃん兄ちゃん姉ちゃんじいちゃんばあちゃんみんながみんななんかが足んねえ♪」

<ガチャ

山城「遅くなりました」

提督「構わん。では今回のメンバーも揃った所で作戦の説明に入る」

熊野「こちらが海図ですわ」

<バタン

『この魂が尽きるまで消えない痛みを抱えたとしたって』おしまい

『真面目』

黒潮「ぽーけっとーの 中にはビスケットがひとつ♪」

秋月「不衛生ですね」

黒潮「そーかもしれへんねー」アハハ

黒潮「でも歌やから」

秋月「そ、そうですね……」

黒潮「ぽーけっとーを 叩くと ビスケットがふたつ♪」

秋月「あぁ!!」

黒潮「どうしたん?」

秋月「割れた!割れましたよビスケット!」

黒潮「割れたなぁ」

秋月「どうするんですか!?ポケットの中ビスケットのカスだらけですよ!」

秋月「っていうか勿体無い!実に勿体無いですよ!」

黒潮「でも歌やから」

秋月「そ、そうですね……」

黒潮「もーひとつ 叩くと ビスケットがみっつ♪」

秋月「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

黒潮「なんや」

秋月「ビスケット粉々ですよ!どうしてくれるんですかビスケット!」

秋月「ビスケットが!大事なビスケットが粉々に!」

黒潮「でも歌やから」

秋月「そう……でしたね……」

『真面目』おしまい

秋月「という訳で試そうとしましたが私の服装にはポケットが無いので断念しました」

提督「俺に言われても困る」

『真面目』おまけ・おしまい

『ごった煮というより混沌』

Hotch Potch Chinjuhu ♪

Hotch Potch Chinjuhu ♪

Hotch Potch Chinjuhu ♪

何でもありの 楽しい基地♪

楽しい仲間♪

めったに出撃しないけど♪

さあ おいで♪

提督「提督♪」

みんなで一緒に♪

川内「川内♪」

楽しくあそぼ♪

龍田「龍田♪」

Hotch Potch ♪

夕立「ぽいぽい!」

パーティターイム♪

<パーティーターイム♪

北方棲姫「……」ジー

飛行場姫「ねぇ、チャンネル変えていい?」

北方棲姫「ダメっ!」

空母水鬼「コッソリ変えたら張り倒すからね」

飛行場姫「くそぅ」

『ごった煮というより混沌』おしまい

『トチった』

司令官様

司令官様がおられなくなってから、今どれくらいになるでしょうか

まだ帰って来られないのでしょうか

鎮守府の皆さんは

司令官様がいなくなったという現実から目を背け続けています

それが始まったのは司令官様がおられなくなってから、一月ほど経った頃でした

それまで塞ぎ込み、部屋に籠っていた金剛さんが司令官様が帰って来たと、いつもの笑顔で言ったんです

金剛さんだけじゃない

それまで部屋に引きこもったり、海をただ眺めたり、何も話さなくなったりしていた皆さんが

口を揃えて言ったんです

司令官様が帰ってきた

巻雲は見ていませんでしたから、早く会いたくて聞いたんです

聞いてしまったんです

巻雲「それでぇ、司令官様はどこにおられるんですかぁ?」

まず最初に金剛さんが言いました

私の部屋に居る

次に大和さんが言いました

私の部屋に居ます

今度は瑞鶴さんが言いました

提督は私の部屋よ

皆さん口を揃えて言うんです

自分の部屋に提督がいるって

巻雲、怖かったです

だって皆さん誰も、まるで他の人が話してないような素振りで

司令官様がそれぞれの部屋にいる事について何も言わなかったんですから

その後、皆さんを各自の部屋に戻らせた巻雲は、金剛さんの部屋を訪ねました

金剛さんは巻雲をとても歓迎してくれて、ニコニコと笑顔のまま部屋に入れてくれました

おしゃれなカーテンやベッド、ソファ、食器棚、テーブル

椅子の上に置かれた服飾用のトルソー

金剛「テートクゥ、巻雲が来てくれたヨー!」

金剛「 Don't worry ♪ ティータイムも戦闘も手を抜かないネー!」

金剛「あ、巻雲は座って待ってて下さいネー♪」

嬉々として、いえ、いつも司令官様に話し掛けるのと同じトーンでトルソーに話し掛ける金剛さん

巻雲、ぞっとしました

紅茶なんか飲んでる場合ではありませんでしたが、残したら残したで何をされるか分かった物ではありませんでしたから

一杯だけ付き合って、今度は大和さんの部屋に行きました

大和「提督、巻雲ちゃんが来ましたよ」

大和「あ、はい提督。ストローも用意しておきますね」

大和「じゃあ巻雲ちゃんも一緒に待ってて下さいね♪」

ストローのささったラムネの瓶の向こう側

のっぺらぼうのマネキンが、大和さんの言う司令官様でした

その後、他の皆さんの部屋を回ってみても、皆さん人形や、何かを司令官様だと思い込んでいました

巻雲もおかしくなれれば、楽になれたのに

巻雲が出来たのは

ガラクタ置き場にあったノートPCの画面から司令官様を見る事だけ

何故そのノートPCを持ち帰ったのかは分かりません

けれど深夜、突然画面が明るくなって司令官様の顔が見えた瞬間はとても、とても嬉しかったのを覚えています

画面の向こうの司令官様は以前より疲れた顔をしておられました

巻雲、何度も声を掛けましたけど司令官様には届いていなかったようですね

それから三十分ほどしたら、画面が消えてしまいました

こうして深夜、三十分ほどと短い時間ではありますが

巻雲は本物の司令官様を見れるようになったんです

ある日、深夜じゃないのにノートPCの画面が明るくなりました

真っ白な画面に一行だけ

『今日だけは向こうに声が届くようにしておいてやる。但し一言だけだ』

巻雲、一生懸命考えました。一言だけ司令官様に伝えるべき事

決めた内容を紙に書き、深夜になるまで長い長い時間を過ごしました

あと少し、あと少しでいつもの時間

本当に声が届くかどうかなんて、どうでもよかった

もしそうならいいな、程度だった

いつもの時間になって、画面が明るくなって、そして――

巻雲「あ、あれ!?真っ暗で見えない!なんで!?」

司令官様、巻雲はダメな子です

帰って来て下さい今すぐ帰って来て下さい助けて下さい

もう一度チャンスを下さい

もう一度だけでいいですから

『トチった』おしまい

『#932300』

長門「サタデー おひさま沈んだら♪」

酒匂「明日は 会えるね日曜日♪」

長門「ラリルレリ ラリルレリ ラリルレレリ♪」

酒匂「ラリルレリ ラリルレリ ラリルレリル♪」

長門「ダーリン ラムネを買ってきて♪」

酒匂「二人で飲みましょ 散歩道♪」

「「月が昇るまで♪」」

酒匂「お菓子をいっぱい詰め込んだ♪」

長門「バスケットも用意できたし♪」

酒匂「早起きして迎えに来てね♪」

長門「明日は朝からお天気になる♪」

酒匂「ららららー♪」

長門「ららららー♪」

酒匂「ららららー♪」

長門「ダーリン ラムネを買ってきて♪」

酒匂「二人で飲みましょ 散歩道♪」

「「月が昇るまで♪」」

長門「ダーリン ラムネを買ってきて」

酒匂「二人で飲みましょ 散歩道」

「「月が昇るまで」」

「ダーリン ラムネヲ買ッテキテ」

「二人デ飲ミマショ 散歩道」

「「ツキガノボルマデ」」

――

提督「……」

伊勢「どうしたの提督?珍しく難しい顔して」

提督「いや……歌が聞こえたような気がしてな」

伊勢「……大丈夫?病院行く?」

提督「……それもいいかもな」

『#932300』おしまい

――

青葉「司令官!青葉見ちゃいました!」

青葉「巻雲さんが夜な夜な壊れたノートパソコン見てニコニコしてるんです」

青葉「何があったんでしょうか……ともかく調べてみますね!」

『トチった』Reb・おしまい

『写真には写らない』

曙「家を出て行った日♪」

曙「背を向けて眠った日♪」

曙「それを恨んだ日♪」

曙「やけにデコボコな日々♪」

曙「おばあさんは独り泣いた♪」

曙「いつも毎日本当に――♪」

ありがと、クソ提督

医師「……」

曙「……」

提督「……」

ひとつだけ

ひとつだけワガママを言わせて

一緒に歳を重ねたかった

曙「恋に気付いた日♪」ポロ

曙「別れたいと思った日♪」ポロポロ

曙「手をっ離れた日っ♪」ポロポロ

曙「うぐっ……うぇっ……」ポロポロ

溢れる涙よ これは幸せな日々

提督「泣かせた日♪」

曙「家を出て行った日♪」

提督「抱き合えた日♪」

曙「背を向けて眠った日♪」

提督「希望を持たせた日♪」

曙「それを恨んだ日♪」

提督「溢れる涙よ♪」

曙「やけにデコボコな日々♪」

提督「おじいさんは身体を壊して♪」

曙「おばあさんは独り泣いた♪」

提督「伝えなくちゃ大切な気持ち♪」

曙「いつも毎日本当に――♪」

曙「出逢った日♪」

提督「恋に気付いた日♪」

曙「結婚した日♪」

提督「別れたいと思った日♪」

曙「子供を抱いた日♪」

提督「手を離れた日♪」

曙「溢れる涙よ♪」

提督「これは幸せな日々♪」

曙「……っ」ゴシゴシ

曙「……」

曙「涙の数だけ きっと幸せな日々♪」

『写真には写らない』おしまい

『怪の塊』

「パラレルワールド、というものをご存知かしら?」

山城「はぁ……何かで読んだ事なら……まぁ……」

「ここはそんなパラレルワールドを繋ぐ場所よ」

山城「……とてもそうには見えませんけど……」

「まぁ、そうでしょうね……この景色は私の趣味だもの」

山城「……綺麗な、庭園だと思います。あ、噴水も」

「……ありがとう。ねぇ貴女、また同じ時間を過ごしたいかしら?」

山城「……そんな訳無いじゃないですか」ムッ

「じゃあ、大丈夫よ。『もう貴女の呪いは解けた』」

山城「……ば、バカにしてるんですか?」

「そんな訳ないじゃない。貴女が願いを叶えなかったが故に拗れたのよ」

山城「こじれた……って、何がです?」

「貴女の願いが、貴女の時間を巻き戻したけれど」

「貴女は願いを叶えなかった」

山城「……あ」

――さよならを言わせて

「何度も巻き戻された時間が、他のモノにも影響を与え始めているわ」

「貴女の他にも巻き戻されているモノがいるかもしれないわね」

山城「……そんな……」

山城「どうすれば……姉様……」

「……一つだけ方法があるわ」

山城「!」

「簡単な事よ。貴女の願いを叶えればいい」

「もしそれが愛しい人との別れであっても」

山城「……」

――

提督「自分がこの鎮守府の提督だ。これからよろしく頼むぞ」

吹雪「わぁ、艤装もおっきーですね!流石戦艦です!」キャッキャッ

山城「……」

提督「……えぇと……?」

吹雪「……あ!じ、自分はこの鎮守府で秘書艦を務めております!吹雪です!」ビシッ

山城「……吹雪ちゃん」

吹雪「はっ!」

山城「……大丈夫。アナタも立派な艦娘よ。自信を持ちなさい」

吹雪「……はい?」

山城「提督」

提督「あ、あぁ。何か?」

山城「……」

さよなら

――

山城「で、ここに戻ってくるんですね……」

「貴女はそもそも、あの時沈んでいた運命よ」

山城「……そうでしたね……それで、私をどうするつもりです?」

「そうね……取りあえず、ある世界に行って貰おうかしら」

山城「……パラレルワールド、ですか?」

「そうよ。まぁ、艦娘もいるからすぐ慣れると思うわ」

「貴女の背後にあるドアから行けるから、いつでも行きなさい」

山城「……さっきまで無かったと思うんですけど……」

「見えていなかっただけよ」

山城「……あの」

「何かしら?」

山城「お名前、聞いてもいいですか?」

「……ノヴァ。今ではそう名乗っているわ」

山城「……お茶、御馳走様でした、ノヴァさん」スクッ

<ガチャ

ノヴァ「……気を付けて」

<バタン

『怪の塊』おしまい

――

フユノ「なぁによその顔は!シャキッとなさい!」

('A`;)「昨日帰ってきたばっかで何なんすか朝っぱらから……」

葛霧「ねむー……」

フユノ「事務所に新しく艦娘が来るそうよ。私達が受け持つ事になるでしょうから、ほら早く準備準備」

('A`;)「先輩嬉しそうっすね」

フユノ「へ?……コホン、いや、そんな事は無いわ。でも新人の前でだらしない髪型のままでいるのは――」

('A`)「あ、着替えるんでちょっと待ってて下さいね」

<バタン

フユノ「……ぐぬぬ……」

『怪の塊』おまけ・おしまい

『見た・2』

金剛「ヘイテートクゥ!私に用事があると聞いて飛んできましたヨー!!」

提督「……」

青葉「……」

金剛「…… what ? あ、真面目な空気でしたカ」

提督「なぁ金剛」

金剛「ハイ!」

提督「お前英国生まれの帰国子女だよな?」

金剛「イエース!英国生まれの帰国し」

提督「全部言わなくていいから」

金剛「 sorry 」

提督「好きな飲み物は?」

金剛「ヤダナー、提督と妹達の次に紅茶が好きなのは知ってるはずデース!」

提督「青葉」

青葉「はい。こちら金剛さんの冷蔵庫の中身になります」

金剛「」

金剛「……な、なしてそげなものを……」ダラダラ

提督「いやなに、駆逐艦の子達がかくれんぼして遊んでたんだと」

提督「その時ある駆逐艦が金剛の部屋に入った、と」

金剛「へ、へぇ……そげんダラズはオシオキしねぇとなぁ……」ダラダラ

提督「金剛」

金剛「へい」

提督「これ、バドワイザーとコーラで合ってるな?」ピラッ

金剛「 Exactly (その通りで御座います)」

提督「アメリカだな?」

金剛「 Exactly (返す言葉も御座いません)」

提督「英国生まれの?」

金剛「帰国子女の金剛デース!」

金剛「ちょっとやめて下さいよ泣きそうになるじゃないですか」

提督「無理しなくていいんだぞ?」

金剛「ム、無理してるワケないデショ?バドワイザーもコーラも飲みたくなる時だって――」

提督「金剛。何も私達は君を責めるつもりはない」

提督「しかし、これまでの振る舞いが無理をしていたものなら……」

提督「そんな事をさせてしまった事を謝らせて欲しい」

金剛「だ、だから無理してるワケじゃ」

提督「7UPも入ってるよなコレ。やっぱ緑缶じゃね?」ピラッ

金剛「 YES !! テートクもそう思いますカ!?やっぱ昔の緑缶の方が好きデース!!」

金剛「あ、いや、やっぱ今の無し。今の無しで」

提督「金剛」

金剛「はい」

提督「……青葉、例の物を」

青葉「はい」スクッ

青葉「……」ガチャ バタン

提督「……」

金剛「あ、あぁ……」

青葉「……」コトッ カランカラン

青葉「……」プシッ トットットットット

シュワアアアアアアアアアアア

金剛「あぁぁ……」

提督「金剛、青葉。私は今何故か無性にコーラを飲みたくて仕方ないんだ」

提督「付き合ってくれないか?」

金剛「……わ、私がテートクの誘いを断る訳ないデショ!」

三人がこの後、盛大にゲップをしたのは言うまでもない

『見た・2』おしまい

『本当のしあわせは目に映らずに』

提督「あれ?」

吹雪「どうしました?」

提督「いや、資材の貯蔵量なんだが……昨日何か使ったか?」

吹雪「えぇと、戦闘後の補給に使いましたよ?」

提督「吹雪と白雪だけの出撃で三桁はオカシイだろ……ほら」ピラッ

吹雪「……あれ?ホントだ……帳簿付け間違えたかな……でも……うーん……」

提督「……」

吹雪「司令官?」

提督「……いや……」

提督「なんだか大事な事を忘れてるような気がしてな……」

――

日向「一番最近帰った道を 歩いてみてくれないかぁ♪」

扶桑「……」ピッピッ

日向「一番最近慕った人を 頼ってみてくれないかぁ♪」

扶桑「……」ピピッ

『幸福論/椎名林檎』

日向「私は 迷って しまったんですぅ~♪」

扶桑「……」

扶桑(やっぱり別の曲に……)ピッ

日向「一番さいき……ん?なんで曲止めたんだ?」

扶桑「あ……ごめんなさい」

伊勢「なになに?使い方分らなかった?」

扶桑「……」

伊勢「扶桑?」

扶桑「いえ……あの……前にも、こんな事、ありませんでしたか?」

伊勢「へ?」

日向「……いや、君とカラオケに来るのは初めてのはずだが」

伊勢「誰かと行った時じゃない?……って、扶桑はカラオケ初めてだっけ」

扶桑「えぇ……」

日向「そう言えば何かの本で読んだな」

日向「体験していない事を体験したように感じる事は、デジャヴと言ってよくある事だそうだ」

伊勢「へー……って、日向本読むの!?」

日向「失礼な」

扶桑(何かが……)

『本当のしあわせは目に映らずに』おしまい

『海の怪』

パラレルワールドをご存知だろうか

一般的には並行世界と言って、自分が居る世界と並行するもう一つの世界の事

自分が居る世界を一本の線として、それに並行するもう一本の線として表される事が多いが、本当は違う

世界の始まりを中心として、球体状に、隙間なく、かつ重ならないように枝分かれした姿をしている

同じ方向に進む世界もあれば、別の方向に進む世界もある、という事

その構造から俺達の世界では……誰が言い出したかは知らないが……平行世界と呼んでいる

その平行世界の間を、俺達の魂一つが駆け抜けて別の生活をしている……

ええいややこしいな。要するに一つの魂があっち行ったりこっち行ったりして色んな世界の俺が生活してる訳

解らないか。俺も解らないんだよどう説明しろってんだよまぁいいやこの話は置いておこう

さて、俺の居る世界もそんな世界の一つ。妖怪と呼ばれるモノが存在する世界だ

ここで言う妖怪とは九十九神、平たく言えば神様見習いであり

善行を行い徳を積んで位を高め、神様になる為に日々頑張っている方々の事である

とは言っても俺も妖怪が実在している、なんて事を知ったのはつい最近で

あるブラウザゲームを媒介にネット上に顕現した九十九神に魅入られて、彼女の夢の中に取り込まれると言う事件に巻き込まれたのが原因だ

危うく植物人間になる所を助けてくれたのが、妖怪の保護、学習などを目的としたNIROという組織

……が運営するアイドル事務所の妖怪さん達だった事から、今俺はこのアイドル事務所で雑用係として働いている

遅くなりました。宇都多ドクオと申します

そんな俺の世界もつい最近までは平行世界なんてモノと接点も無く進んでいたけど

ある日、平行世界の隙間……世界の狭間と呼ばれる場所……から怪物が侵入し、犠牲者が出た事

そしてその怪物を退治する為に別の世界から来た人達との交流によって、接点を持った……らしい

この怪物とは負の感情が寄り集まって出来た、文字通りの怪物であり人の魂を喰う

先程雑用係と言ったけど、この怪物を退治するのも業務内容に含まれている

と言っても俺自身は普通の何の変哲も無い人間なので、俺を囮にして

フユノ「……お茶です」コトッ

ある事情でこの世界で生活している艦娘……とあるブラウザゲームで人気の霧島……フユノ先輩と

葛霧「お菓子は?」

駆逐棲鬼の姿に似た、件の九十九神様の二人が仕留める、というやり方だが……給料上げて下さい

山城「……」

今回のトラブルは、目の前で出されたお茶を怪訝そうに見つめる艦娘の山城さんに関して

先述の世界の狭間の番人であるノヴァさんが、世界の狭間に迷い込んだ彼女をこちらに送ってきた

と言うのは聞くまでも無いけど、彼女自身に何があったのかは聞かなきゃいけない

もしそれが怪物絡みなら、俺達、いやフユノ先輩達の出番って訳だから

('A`)「あ、大丈夫っすよ。毒とかそういうのは入ってないんで」

フユノ「ドクオ君?」

('A`;)「失言でしたぁ!」

山城「……」スッ

山城「……いただきます」ズッ

葛霧「ねーねーお菓子は?」

('A`)「少し切らしてるから静かにしててね葛霧」

葛霧「むー……」

('A`)(っつーかいきなり平行世界とか言われてもピンとこねぇよなぁ……)

('A`)(山城さんもいきなり別世界に来て説明受けて混乱してるだろうし)

山城「……すこし、まだ、解らない事がありますけど……」コトッ

フユノ「大丈夫よ。私もそうだったから」

山城「ですよね……今度は、私の事を話しますね」

山城「私は……ある事を願って、同じ時間を繰り返していたんです」

('A`)「……」

山城「何度も、何度も……決まった日に深海棲艦の大侵攻があって……」

山城「決まった時間に、私達は全滅して……」

フユノ「……」グッ

山城「また、決まった日から始まる……そんな事を繰り返していました」

('A`)(わー思ってたより重ーい)

山城「何度も、姉様が……皆が……食べられるのを見て……」

山城「何をしても……結果は同じで……っ!!」

フユノ「……もういいわ……辛かったわね……」ギュッ

葛霧「もう大丈夫だよ!」ギュッ

山城「!……本当は、こうしている事は許されないの……私は……っ」

フユノ「……」ポンポン

('A`)「……あの、ちょっといいすか?」

フユノ「……何?」

('A`)「いや、さっき山城さん、皆が食べられるって言いましたよね?」

('A`)「どういう意味です?」

フユノ「ドクオ君!」キッ

山城「霧島、いえ、大丈夫よフユノ……言葉通りよ。ヤツらは私達を食べたわ」

('A`)「……深海棲艦が?」

フユノ「艦娘を?」

葛霧「食べちゃったの?」

('A`)「先輩、これ怪物っすかね?」

フユノ「……深海棲艦が艦娘を食べるなんて……いやもしかしたらそんな世界が……」

('A`)「……あの、山城さん。これ見てもらえます?」カタカタ

葛霧「深海棲艦の画像?」

山城「へ?……これ、私達の味方の船霊……です、けど?」

フユノ「!」

山城「ど、どうしたの?」

フユノ「……私達の世界では、いえ、多くの世界ではコレが深海棲艦よ」

山城「そんな……!深海棲艦はもっとバケモノみたいな姿よ!」

山城「私達の数倍はあって!私達なんか一飲みで食べるバケモノよ!」

('A`)「……それ、絵で描けます?」

山城「……ええ。思い出すのも嫌だけど……」サラサラ

('A`)「すんません」

山城「……私を食べたのは……こんな深海棲艦よ」ピラッ

フユノ「目が五つに……」

葛霧「ながーいお鼻ー」キャッキャッ

('A`)「……」

山城「ば、バカにしてるわね?」

('A`)(あれ?これどっかで……あ)

('A`)「心当たりが」カタカタ

フユノ「あるの?」

('A`)「えーっと、カンブリア紀……」カチッ

山城「そうよ!ソイツよ!」

('A`;)「オパビニアだコレ!!」

フユノ「オエッ」

葛霧「気持ち悪いー……」

山城「いるのね!?この世界にも!」ジャキッ

フユノ「仕留めなきゃ(使命感)」ジャキッ

('A`;)「二人とも落ち着いて下さい!!」

山城「早く倒さないと皆が!皆が!」ガタガタ

フユノ「こんな生物がいるなんて聞いてないわよ……とんだ世界じゃない……」ブツブツ

('A`;)「話を聞いて下さいって!」

葛霧「てーとくっ、藍子さんからお菓子貰った!」ワーイ

('A`;)「高森さんありがとうございますでもアナタの姿が今見えないの!!」

高森藍子……煙羅煙羅【エンラエンラ】

心に余裕のある人にしか見えない妖怪(要約)

('A`)「――って訳ですから安心して下さい」

フユノ「とても安心したわ」フゥ

山城「何億年前に滅んだ、って……じゃあ、私の居た世界は何億年前っていう事?」

('A`)「違います。たぶん、生物の進化の仕方がこの世界と違うとか、そういうヤツだと思います」

フユノ「なるほど、この世界で滅んだ生物が生存している世界があってもおかしく無いわね」

葛霧「話むつかしい」

('A`)「我慢してね」

('A`)「ええ……と、他にこの中で見覚えのある生物っています?」

山城「全部よ」

('A`)「マジかよ……」

フユノ「規模はどれくらいなのかしら?」

山城「報告では、数千万……とか」

('A`)「ええと、つまり艦娘を食べる、自分より数倍サイズのカンブリア紀な生物が」

('A`)「数千万単位で海に居ると」

('A`)「……」

('A`)「お手上げ侍!」

葛霧「おてあげー♪」バンジャーイ

ごちん

)A`)「先輩、俺人間なんすから手加減して下さいよ……」

葛霧「暴力はよくないと思うなー……」

フユノ「冗談言ってる場合じゃないわ。さっさと殲滅しに行くわよ」

山城「アナタ達なら出来るわ!」

フユノ「山城。しれっと自分を除外しないで」

('A`)「殲滅ったってどうするんすか?」

('A`)「実際艦娘が全滅してるんでしょ?」

フユノ「う……そ、それはそのー……アレよ」

モバP「こら、君達だけで何とかしようとするんじゃない」ヌッ

('A`;)「うわぁー!」

フユノ「あ、プロデューサー」

葛霧「お疲れさまですー」

(;'A`)「普通に出て来て下さいよ!」

モバP「それじゃ面白くないだろう」

(;'A`)(この人はまったく……)

モバP「少し聞かせて貰ったけど、大変な事になってるみたいだな」

('A`)「これまでの怪物退治と規模がケタ違いっすからね」

モバP「正直、僕らの管轄外だから外に押し付けて解決してもらおう」

フユノ「よろしいので?」

モバP「人間、出来る事と出来ない事があるんだ。出来る方にやってもらえばいい」

('A`)「んなテキトーな……」

山城「……あの、外に押し付けるっていうのは……?」

モバP「あぁ、僕らの上の人達……」

モバP「神様です」

――

玄武「不本意だが、コレをまた君の手に渡す事になった」

卯月「……この木魚は……?」

玄武「鳴らしてみれば解る」

卯月「……?」ポクッ

卯月「……!!」ポクポクポクポク

玄武「また一つ、世界を救って欲しい」

卯月「……はい!頑張ります!!」

『海の怪』おしまい

――

卯月「あははははは!ホント気持ち悪い!ホント気持ち悪いですねちひろさん!」ポクポクポクポク

葛霧「♪」チーン チーン

ちひろ「私が気持ち悪いみたいに言わないで別世界の卯月ちゃん!」

ちひろ「って言うかなんで私連れてきたんですか!!」ウプッ

モバP「いやぁ、面白そうだなって思いまして」ハッハッハ

ちひろ「そんな面白さはいらないんですって!何ですかあの生物!!」

('A`)「でっかいアノマロカリスです」

ちひろ「ドクオ君も冷静に返さないで!」ウプッ

モバP「ほら海の底にはでっかいハルキゲニアが」

ちひろ「見たくない!もうやだお家帰る!」

山城「……本当に、殲滅してるなんて……」

フユノ「あの子は他にも色んな世界を救ってるそうよ」

山城「へぇ……」

『海の怪』おまけ・おしまい

『 Reb:わがまま』

川内「もうっ!今回も夜戦無かったから提督に文句言ってくる!」

那珂「ホントは喜ぶべき事なんだけどなぁ……」

神通「夜戦しないと気が済まないなんて、ねぇ……」

――執務室

川内「提督っ!!」バーン

提督「解体!解体!さっさと解体!」バンバン

提督「解体は月一回って決めたでしょ!」

提督「やーだー!解体告知されて絶望する艦娘の顔見なきゃやーだー!」バンバン

提督「その悪趣味をやめなさい!ほらこないだ解体した子から梨送られてきてるから!」

提督「剥いて下さい!」

提督「分かった分かった。あとほら、今まで解体した子と一緒に遊びに行った時の写真」ピラッ

提督「……やーだー!こんないい笑顔じゃなくて絶望した顔が見たいのー!かーいーたーいー!!」バンバン

川内「……」

提督「まったく……あ、川内か。どうした?」

川内「……ごめん提督。もう夜戦したいなんてワガママ言わない……」

提督「お、おう……梨、食うか?」

川内「……うん」

『 Reb:わがまま』おしまい

『怪の解法』

卯月「サマタイブルース♪」ポクポクポクポク

卯月「サマータイムブルース♪」ポクポクポクポク

モバP「あ、もう木魚は結構ですので」

ちひろ「自分史上最低の海でした……」

山城「すごい……あれだけいた深海棲艦が……」

('A`)(何だあのMAP兵器)

モバP「さて、じゃあ僕達は帰りましょうか」

葛霧「もう帰るのー?」

山城「……」

山城「ねぇ、フユノ」

フユノ「何かしら?」

山城「……アナタはどうして、今の世界に……」

山城「あ、いや、言いにくかったら別に、いいんだけど……」

フユノ「……」

フユノ「私は作戦終了後、帰投中に世界の狭間に迷い込んでしまったの」

フユノ「そこで怪物に襲われて……ずっと悪夢を見せられたわ」

フユノ「沈めた深海棲艦達が、艦娘だったという悪夢を、ずっと」

モバP「……」

ちひろ「フユノさん……」

('A`)「先輩……」

山城「……そう」

フユノ「ええ。そこをノヴァさんに助けられて、恩返しに今の世界で怪物退治をしているの」

山城「……本当に、それだけ?」

山城「その指輪、ケッコンユビワよね?」

フユノ「……」

山城「……また、会えるといいわね」

葛霧「!……誰か来たよ!」

提督「……」

吹雪「山城さん!司令官!山城さんですよ!」

卯月「……」ポクポクポクポク

提督「……山城……帰って来たんだな」

山城「!……てい、とく……?」

提督「なんで忘れていたんだろうな……すまなかった。いや……」

提督「おかえり、山城」

山城「提督……山城は……」

フユノ「山城、貴女の居場所はココよ」

フユノ「さ、帰りましょうか、皆さん」

山城「……フユノ」

フユノ「?」

山城「その、ありがと……また、会いましょう」

フユノ「ええ。また、必ず」

『怪の解法』おしまい

『割り込み』

提督「上野発の 夜行列車 降りた時から♪」

提督「青森 駅は 雪の中♪」

大淀「上野発の 夜行列車 降りた時から♪」

提督「海鳴り だけを 聞いている♪」

提督「私も ひとり 連絡 船に乗り♪」

大淀「上野発の!夜行れえ車!降りていました!」

提督「やかましい!」スパーン

大淀「あ痛ぁ!」

『割り込み』おしまい

『塊の海』

畝傍「ねぇねぇ貴女達はだあれ?ここで何してるの?」

凛「ん……私は凛。異世界の調査に来てるの。アナタは?」

畝傍「畝傍だよ!それで、そっちの首輪の貴女はだあれ?」

エトワール『ボクはエトワール。キミ、ボクの事が判るのかい?』

畝傍「うん!判るよ!」

凛「へぇ、艦娘って魔力が判るんだね。見た目はただのチョーカーのはずなんだけど」

エトワール『新発見だね。報告書に書いておこう』

凛「書くのは私なんだけど」

畝傍「ねぇねぇ!それで異世界の調査ってなぁに?」

凛「……秘密だよ?」

畝傍「畝傍、口は堅いから大丈夫だよ!」

凛「じゃー特別に教えてあげる」

凛「私達はね、この世界とは別の世界から来たんだよ」

畝傍「不審者!不審者を発見しましたー!」

凛「すとおおおおおおおおおおおっぷ!!!」

エトワール『まぁ、説明が難しいのは事実だよね』

畝傍「あやしいなー……」

凛「んー……じゃあこれならどうかな?」

凛「エトワール!」

(変身バンク割愛)

リンリン「魔法少女リンリン!参上!」

畝傍「ほわぁ……」キラキラ

エトワール『悪の女幹部を諦めてくれてボクはとっても嬉しいよ』

リンリン「やめてよアレで散々痛い目見たんだから……」

畝傍「ねぇねぇ今の何!?どうやったの!?」ピョンピョン

リンリン「言ったでしょ?私は魔法少女だから魔法が使えるんだ」

畝傍「すごい!魔法すごい!」

リンリン「畝傍はこんな人、見た事ある?」

畝傍「んーん!初めて見たよ!」

畝傍「あ、でもねでもね!てれびで見た事あるよ!」

リンリン(この世界にもニチアサあるんだ……)

畝傍「ずっと祥鳳さんと皆と見てたんだけどね」

畝傍「祥鳳さん、元気失くしてお部屋から出てこないの」ショボン

リンリン「へぇ……」

エトワール『元気を失くした……何かあったのかな?』

畝傍「んっとね、もう声を出したくない、って言ってたの」

リンリン「声を……?」

エトワール『凛、声を媒介にするボクとしては気になるんだけど』

リンリン「私もだよエトワール。畝傍、その祥鳳さんって人に会わせてくれないかな?」

畝傍「どうするの?」

リンリン「私は魔法少女だからね。皆を元気付けるんだよ」キリッ

エトワール『凛、慣れたとは言え何だかモヤモヤするからやめてくれないかな』

――鎮守府・廊下

畝傍「祥鳳さん!祥鳳さーん!」コンコン

<ガチャ

祥鳳「……」ピラッ

『畝傍ちゃん、どうかしましたか?』

畝傍「んっとね!魔法少女がね!祥鳳さんを元気付けに来てくれたの!」

祥鳳「?」

リンリン「ふーん、アナタが祥鳳さん?」

リンリン「私は魔法少女リンリン。アナタの声を聞きにきたよ」

祥鳳「」

<バタン

リンリン「ねぇちょっと閉めるのは酷いんじゃないかな」コンコンコンコンコンコン

エトワール『凛、これが普通の反応だと思うよ』

――祥鳳の部屋

エトワール『なるほど、声を出すと物が壊れたりするから話したくない、と』

祥鳳「……」コクコク

リンリン「私も、っていうかエトワールもそういう魔法なんだけど」

祥鳳「そっ……」カリカリ ピラッ

『そうなんですか?』

リンリン「うん。私の声を媒介にして魔法を放つ……って解りにくいかも。ごめん」

祥鳳「……」カリカリ ピラッ

『いえ、構いません』

エトワール『その声を制御する事が出来なくて困っているのかな?』

エトワール『例えば、小声なら大丈夫だとか』

祥鳳「……」カリカリ ピラッ

『壊してしまうのは、思わず声を出した時です』

『意識して話していれば大丈夫なのですが、いつ何があるか判らなくて怖いんです』

リンリン「大丈夫。治せるよ」

祥鳳「ホントですかっ!?」パァッ

パリンカーンカーンカーンボクシャア

畝傍「うー……」キーン

祥鳳「あ、ご、ごめんなさい……」ショボン

エトワール『うん、ボク達より強力だね。そしてボクと同じ魔法だ』

リンリン「艦娘って魔法も使えるのかな」

祥鳳「……」カリカリ ケシケシ カリカリ

エトワール『違うよ凛。彼女達自身がボク達魔法の道具と同じなんだ』

リンリン「それって……」

エトワール『うん。ひょっとしたら、ボクと祥鳳は同じ魂なのかもしれないね』

祥鳳「……」カリカリ ピラッ

『ごめんなさい。こういった具合で声を出すのも怖いんです』

『本当に治りますか?』

リンリン「……うん。治るよ」

リンリン「だから、安心して」ニコッ

――

レンレン「まったくもー、最近部活来ないと思ったらまた異世界に来てたの?」

リンリン「ごめんごめん。でも、これも部活も同じくらい大事な事だから」

レンレン「……ま、凛らしいっちゃらしいけど……」

レンレン「大丈夫どこか怪我してない?頭が痛いとか気分が悪いとか無い?」

リンリン「あぁもう心配性だなぁ加蓮は」

ソレイユ『過保護ねぇ』

エトワール『いつも通りだね』

祥鳳「……」カリカリ ピラッ

『そちらの方は?』

リンリン「あぁ、彼女も魔法少女、れんれ――「加蓮だよ。よろしくね」あぁん」

リンリン「名乗りくらいちゃんとやってよ!」

レンレン「やってらんないわよそんなの……」

祥鳳「え、ええと……」

レンレン「あ、私の魔法は記憶操作とかなんだけど、それとは別にもう一つあるんだ」ポンッ

レンレン「魂を癒す事。外から治せない心の傷を治す魔法だよ。さ、このキャンディを食べて」スッ

祥鳳「……」

祥鳳「……?」

祥鳳「???」

レンレン「あ、この包み紙の両端を持って、左右に引っ張るんだよ。ゆっくりね?」

祥鳳「……」ソーッ

祥鳳「わぁ……!」パァッ

グワラゴラガキィン

レンレン「……なるほど、強力だね」

ソレイユ『この世界には無い包み方だったのかしら?』

畝傍「畝傍も初めて見たよ!」ピョンピョン

リンリン「後で探してみようか」

祥鳳「……」モゴモゴ

レンレン「さて、そろそろいいかな。祥鳳さん、声を出してみて?」

祥鳳「……っ」

リンリン「大丈夫だよ。何も怖がらなくていい」

畝傍「祥鳳さん頑張って!」

祥鳳「……も、もう大丈夫!!」

祥鳳「あ……や、やった!何も壊れない!何も壊れないよ!」

畝傍「やったね祥鳳さん!」

リンリン「ん……よかった」ホッ

ソレイユ『一件落着かしら』

祥鳳「ありがとうございますっ!……私、なんてお礼すればいいかっ!」

リンリン「お礼なんていいよ。私達は魔法少女として当然の事をしたまでだから」キリッ

ソレイユ『鳥肌が立つ、というのはこういう感覚なのかしら』

レンレン「間違いないと思うよ」

『塊の海』おしまい
『解法』

山城「――で」

ノヴァ「なにかしら?」

山城「どうしてアナタが私の部屋に?それに、その子は?」

ラブリーチカ「魔法少女ラブリーチカです!」

ノヴァ「この世界に生じた綻びを直しに来たの。すぐに帰るわ」

山城「そうですか……」

ノヴァ「さぁチカ、お願いね。この世界を救って」

ラブリーチカ「うん!ミラクルハート!!」

ミラクルハート『了解。ベクターキャノンモードへ移行』

山城「!?」

ミラクルハート『エネルギーライン全段直結』

ノヴァ「どうかした?」

山城「いやいやいやいやどう見たって凶悪な武器にしか見えないんですけど」

山城「周りに何か魔法陣みたいなの見えるんですけど」

ノヴァ「大丈夫よ。これは世界を救う魔法よ」

山城「見た目から納得出来ないんですけど」

ミラクルハート『ランディングギア、アイゼン、ロック』

ノヴァ「まぁ見ていなさい。これでこの世界も救われるわ」

山城「ほ、本当にですか?」

ミラクルハート『チャンバー内、正常加圧中』

ノヴァ「ええ。でも――」

ミラクルハート『ライフリング回転開始』

ノヴァ「『それはもう一度、最初から』」

ミラクルハート『撃てます』

ラブリーチカ「いっけえええええええええええええええええええええ!!!」

――

山城「扶桑型戦艦、妹の方、山城です。よろしくお願い致します」

提督「自分がこの鎮守府の提督だ。こちらこそ、これからよろしく頼むぞ」

吹雪「わぁ、艤装もおっきーですね!流石戦艦です!」キャッキャッ

山城「……あなたは?」

吹雪「あ、自分は秘書艦をしております!吹雪です!」ビシッ

山城「そう……よろしくね?」

『解法』おしまい

余談・魔法少女ラブリーチカより

――

ワイス「魔法が意思を持つなんて前代未聞ですわ!精霊や魂を造ってるようなものじゃありませんか!」

ワイス「人体錬成でもするおつもり!?」

アリス「んな大層な事するつもりは無いわ」フッ

――

しちゃった世界もあるよね。うん
本日はここまで

『おまけ』

<ガチャ

白露「おっはよーございまーす!」イッチバーン

提「やぁ、おはよう白露。今日も元気だな」

督「やぁ、おはよう白露。今日も元気だけが取り柄だな」

提「元気だけが取り柄とは失礼じゃないか!」

督「元気が取り柄なのはいい事だろ!」

白露「喧嘩はやめてってばー」

提・督「「そうだな」」

<バタン

今はこれが精いっぱい。ハードルが高すぎるんじゃないかマイキー?

『例のセリフ:妙高』

翔鶴「瑞鶴ったら、スカートはあまり触らないで……」

翔鶴「……って、あらやだ、提督……」

提督「いや違うんすよ妙高さん」

妙高「何がですか?」

提督「たまたま手が当たってしまっただけで僕自身に疚しい気持ちとかそういうのは一切無くてですね」

妙高「提督」

提督「はい」

妙高「もし難しい話なら、向こうでいたしましょうか?」

提督「向こうってドコですか、あ、ちょ、引っ張らないで歩ける歩けますから、あ、あ」

<バタン

加古「ちゃんと聞いてるからスカート引っ張んないでぇ!」

提督「いや違うんすよ妙高さん」

妙高「何がですか?」

提督「ちょっとしたイタズラ心でして疚しい気持ちは全く無くてですね」

妙高「提督」

提督「はい」

妙高「もし難しい話なら、向こうでいたしましょうか?」

提督「あ、ちょ、裏工廠は嫌だ!裏工廠は嫌だあああああああああああああああ」

<バタン

衣笠「あんまり触ってると……触り返すぞぉ~」

衣笠「ほらほら~♪」

提督「いや違うんすよ妙高さん」

妙高「何がですか?」

提督「気心の知れた者同士のじゃれ合いと言うか何と言うかそういうヤツで疚しい気持ちは一切無くてですね」

妙高「提督」

提督「はい」

妙高「もし難しい話なら、向こうでいたしましょうか?」

提督「あ、ちょ、衣笠は!衣笠は勘弁してつかぁさい!!」

<バタン

金剛「テートクのハートを掴むのはっ!私デース!!」

金剛「いや違うんすよ妙高さん」

妙高「何がですか?」

金剛「そうなればいいな、くらいの意気込みであってですね」

妙高「金剛さん」

金剛「はい」

妙高「かなり難しいお話なら、向こうの部屋でいたしましょう……か?」

金剛「 No !! Don't touch me ! Do not touch me !! AAAAAAAAAGGGGGGGGGGGHHHHHHHHHHHHHHHHHH !!!!! 」

<バタン

龍田「おさわりは禁止されています~♪」

妙高「その手、落ちても知らないですよ?」

提督「龍田!助けて龍田!たつたああああああああああああああああああ!!!」

<バタン

龍田「何も見てない……聞こえない……」ガクガクガクガク

『例のセリフ:妙高』続くかもしれないけどおしまい

『日常系』

「おーきーてー!兄さん起きてー!」

提督「ん……んん?」

川内「やっと起きた!ほら、早くしないと神通に怒られるよ!」

提督「……は?」

神通「姉さん?兄さんは……あ、おはようございます、兄さん」

那珂「おっはよーお兄ちゃん!」

神通「朝食の用意は出来てますから、早く顔を洗ってきて下さいね」

川内「せーっふ……」フゥ

提督「……は?」

那珂「那珂チャン特製♪スクランブルエーッグ!」

川内「あ、卵焼き失敗したんだね」

那珂「」

神通「姉さん、那珂も頑張ったんだからそういう言い方は……」

川内「へ?」

提督(……うん、間違いない。これは夢だ)

提督(でなければ俺がこいつらから兄と呼ばれる筋合いは無いし)

提督(何より俺自身が十数歳若返って学ラン着てる事に説明がつかない)

川内「どしたの兄さん?ぼーっとしちゃって」

提督「ん?あぁ、いや、まだ寝ぼけてるだけだ」

神通「また姉さんに付き合って夜更かしを?」ジトッ

川内「ち、違う違う!」ブンブン

提督(良い夢だなぁ……)

提督(ってかこの三人、結構セーラー服似合うんだな。なんか新鮮だ)

提督(……起きて覚えてたら着せて見るか。那珂ならすぐ応えてくれるだろうし)ウン

那珂「?」モグモグ

――通学路

川内「ふわぁ……あぁ……」

神通「もう、姉さんまた欠伸」

川内「んー……いいじゃん別にー……」コシコシ

提督(この通学路、街並み、まんま鎮守府の周りじゃないか……すげぇな俺の夢)

提督(っつーか学校ってアレか?生徒が艦娘とかそういうアレか?いやまさかな……)

神通「加古先輩みたいになっても知らないからね?」

神通「この前は通学中に電柱にもたれかかって寝てたらしいし」

那珂「でも授業中に寝てるのに成績は学年トップの人だよね?」

川内「私の憧れの人だよ」

神通「憧れないで!」

提督「マジかよ」

川内「兄さん同じ学年でしょ?知らないの?」

提督「あー、うん、いや、そうだったな、うん」

那珂「変なお兄ちゃん」クスクス

神通「まだ寝ぼけてるんですか?」

提督「そうかもしれない」

神通「もう、あ、信号赤ですよ」

那智「ん?あ、おはよう」

提督「」

神通「あ、那智先輩、おはようございます」

川内・那珂「「おはよーございます」」

那智「三人もおはよう……貴様、何だその顔は」

提督「え、あ、いや、おはよう」

神通「あ、兄さんは少し寝ぼけているみたいでして……」

那智「なんだ。また夜更かしか?川内も程々にだな――」

川内「ヒドイ!私関係無いのに!」

提督(ダメだセーラー服姿の那智が意外過ぎて……ん?)

提督(加古=重巡=那智=俺と同じ学年=他の重巡)

提督(……まさか)

<ドクシーン ドクシーン ドクシーン(サンライズ系ロボの足音)

足柄「姉さんったら歩くのが速くて……あら皆さん、御機嫌よう」

提督(誰だ)

提督(俺の目の前にいるセーラー服が異様に似合うお嬢様系美少女は誰だ)

那智「遅いぞ足柄」

提督「!!」ガバッ

提督「……あれ?」

提督「……夢か」ハァ

『日常系』おしまい

『最初こう聞こえたんだ』

金剛「ヘーイテートクぅ!バアーニングラアーブ!」

金剛「なっ」

金剛「チョコレート、買って来たよー!」

提督「ありがとう金剛、義理でも嬉しいよ」

提督「ところで金剛。このチョコの山を食べるのを手伝ってくれないか?」

金剛「色んな意味でヘビーですネー……」

金剛「大淀が手伝ってたんじゃなかったんデスカー?」

提督「大淀なら、ほら」

金剛「?」

大淀「鉄臭い……」ボタボタボタボタ

伊19「すごいの!鼻血が止まらないの!」キャッキャッ

伊58「こんなに出血してたら危ないよぉ!ほら溜めたから飲んで飲んで!」キャッキャッ

大淀「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ジタバタ

金剛「 uh-oh ... 」

『最初こう聞こえたんだ』おしまい

『加減』

金剛「そういえば、鼻血を出した時は上向いて首の後ろを叩くと良いって聞いた事がありマース!」

提督「おぉ、それは俺も聞いた事があるぞ」

金剛「という訳で大淀!上を見るデース!」

大淀「うぅ……口の中まで鉄臭い……」クイッ

提督「んで首の後ろ、頭の付け根辺りをだな」

熊野「とおーう!!」

金剛「大淀!大淀オオオオオ!!」

伊58「すごいすごい!大淀さんが中破した妙高さんみたいなポーズで右にスライドしていったよぉ!!」キャッキャッ

伊19「壁一面に鼻血が付いちゃったの!前衛的なの!!」キャッキャッ

提督「熊野、掃除よろしくな」

熊野「よろしくてよ」

『加減』おしまい

『非日常系』

提督「本日はこれより鎮守府近海の警戒にあたってもらう」

提督「みんな、準備はいいか?」

川内「夜戦出来ないのはつまんないなー……」

那珂「派手な戦闘(ライブ)も無さそう……」

神通「二人とも真面目にやって」

加古「んが……あ、うん、聞こえてる聞こえてる」

足柄「警戒任務とは言え手は抜かないわ!アタシはいつだって全力よ!」

那智「この編成で大丈夫なのか?」

提督「練度的には丁度いいんだけど頭痛くなってきた」

「おーきーてー!兄さん起きてー!」

「ん……んん?」

「やっと起きた!ほら、早くしないと神通に怒られるよ!」

「そりゃマズいな。サンキュー川内」

「いーのいーの。じゃ、私先に行ってるね」

『非日常系』おしまい

『開発』

提督「加賀さんを秘書艦にしてデイリー消化に開発しててさ」

提督「最低値だから基本失敗する中で、一回だけ出来たんだよね。12サンチ単装砲」

提督「加賀さんがボソッと『やりました』って、ちょっと嬉しそうに言ったんだけど」

提督「もういらない装備だし廃棄したんだよ」

提督「んですぐに後悔した」

提督「加賀さん泣いてた」

『開発』おしまい

『建造』

蒼龍「提督、艦隊に新しい戦力が加わったみたい」

提督「お、出来たか。さて誰が来たかな」

蒼龍「資材は全部最低値だから駆逐艦かなぁ」

夕張「ちーっす」

提督「ちーっす」

蒼龍「ダブりましたね。改装素材の方はこちらの部屋で待機しておいて下さい」

夕張「はい。あ、ここの私って頑張ってます?」

提督「あぁ。本人の希望もあって20.3サンチ連装砲を持たせてある」

夕張「いいなぁ!……大事にしてあげてね?」

提督「もちろんだとも」

<バタン

蒼龍「にしても、建造のシステムって不思議ですねぇ」

蒼龍「戦果に応じて配備されるとかが普通だと思うんですけど」

提督「……昔、君達艦娘が造られ始めた頃の話だ」

蒼龍「?」

提督「艦娘達を配備する基準をどうするか、大本営も頭を悩ませてな」

提督「戦果を挙げた提督にばかり配備していては、全体的な戦力が足りなくなる」

提督「かと言って万遍無く全ての艦娘を配備出来るかというとそうでもない、と言った具合だ」

蒼龍「確かにそうですが……全体的な戦力が足りない、というのは?」

提督「大局的、と言うべきだったか。一つの鎮守府がいくら強くても、それだけで戦争には勝てないって事さ」

蒼龍「なるほど、足並みが揃わないと戦えませんもんね」

蒼龍「だから今みたいな形になったんですねぇ」

提督「いや、実際にはその前に一つあった」

蒼龍「じゃんけんとかですか?」

提督「ならよかったんだがね……殴り合いだ」

蒼龍「は?」

提督「具体的には、まずお互い握手した状態の左手を手錠で繋ぐ」

赤城「……」ギュッ

翔鶴「……」ギュッ

飛龍「……」ガチャ

提督「次に二人の周りに直径二メートル程の円を描いて――」

提督「後は右手で殴り合って円から出るか、倒れた方が負けというルールだ」

蒼龍「なにそれこわい」

提督「あぁ」

~~~

提督A「名取は俺の嫁ェァ!!」ガッ

提督B「いや俺の嫁ェァアアアア!!!」ガッ

~~~

提督「こんな風景が繰り広げられてた」

蒼龍「思った以上に酷かった」

飛龍「……」ガリガリ

瑞鶴「やめて!二人がこんな事する必要無いじゃない!」

加賀「半分こじゃダメなんですか?」

赤城「……」

翔鶴「……」

飛龍「はっけよーい……ファイッ!!」

赤城「身の程を弁えろ五航戦ァ!!」グァッ

翔鶴「コッチのセリフだ随伴艦ァ!!」グァッ

蒼龍「……あれは?」

提督「あの四人にわざと奇数個の羊羹を渡してみたんだが……」

蒼龍「なんでそういう事するんですか!?飛龍!!止めるよ飛龍!!」

飛龍「のこったぁ!のこったのこったのこったぁ!!」

『建造』おしまい

『異質系』

川内「提督、起きて起きて」

**「ん……んう?」

川内「もー、執務中に寝るなんてどうしたの?疲れ溜まってない?」

**「川内……?どうしたんだオマエ、何だその格好……」

川内「へ?」

**「え、てか、ココどこだ?」

川内「ど、どうしたの?大丈夫?まだ寝ぼけてるとかじゃないよね?」

**「あ、あぁ……つねったら痛いし夢じゃない」

川内「……ねぇ提督、私の事分かるよね?」

**「なんだよ改まって……川内だろ。俺の妹で、神通達の姉で――」

川内「!!」ガバッ

提督「」ビクッ

川内「……あ、あれ?……」キョロキョロ

提督「起きたか。まったく執務中に寝るとは弛んどるぞ」

川内「……提督?」

提督「どうした?」

川内「提督、私の事分かるよね!?」

提督「本当にどうしたんだ?怖い夢でも見たか?」

川内「いいから答えてよ!」

提督「はぁ……お前は艦娘で川内型一番艦で夜戦好きな川内だ。これでいいか?」

提督(まさかホントに艦娘の学校とはなぁ)

那珂「じゃあお兄ちゃん、今日の晩御飯楽しみにしててねー☆」

提督「あぁ、楽しみにしとくよ。じゃあまた後でな」

神通「はい。ではまた後で」

川内「またねー」フリフリ

提督「……」フリフリ

提督「……いい」

古鷹「あ、おはよー**君」

提督(……あ、俺か)

提督「あぁ、おはよう古鷹」クル

古鷹「えっ」

提督「えっ」

古鷹(なななな名前呼び捨て呼び捨てで呼ばれたあばばばばばば)

提督(寝てる加古を背負って登校とかスゲェな)

(重い過去を背負った艦娘……ふふっ)

提督「!?」

雲龍「……」ジッ

提督「……?」

雲龍「……ふふっ」クル スタスタスタ

提督(雲龍か。白衣似合うなぁ……保健室かな?)

古鷹「な、なんだろうね。雲龍先生……加古の事かな?」

提督「……まぁ、これだけ寝てたらなぁ……」

古鷹「うん。保健室で寝てたりもするし……後で謝りに行かなきゃ」

雲龍「間違い探し、見ぃつけた」ボソッ

『異質系』おしまい

『なんでもないよ』

提督「……なぁ島風」

島風「んー?なぁに提督?」

提督「その、連装砲ちゃんって何なんだ?」

島風「?」

島風「連装砲ちゃんは連装砲ちゃんだよ?」

提督「いやそうじゃなくて……連装砲くんもいるよな?」

島風「いるね」

提督「オスメスいるの?」

島風「連装砲ちゃんは連装砲ちゃんだよ?」

提督「いやそうじゃなくて――」

島風「変な提督。ねぇ明石さん?」

提督「え?」

<バタン

島風「提督直った?」

明石「大丈夫。ちゃんと直しときましたよ」

明石「今は部屋で寝かせてあるから、明日からまたいつも通りの提督ですよ」

『なんでもないよ』おしまい

『ブレイクダンス』

青葉「お二人は昔、凄まじい通り名で呼ばれていたそうですねっ!」

青葉「人殺し長屋に焼き鳥製造機……」

青葉「華々しい戦果の顕れでしょうね!」

青葉「それについて一言お願いしますっ!」

提督「怒るこたぁねぇじゃん♪」

青葉「殴るこたぁねぇじゃん♪」

提督「褒めたつもりが♪」

青葉「ネジレー伝わった♪」

青葉「高雄さん達は素敵なあだ名で呼ばれていたようですねっ!」

青葉「高雄夫人、愛宕姫、摩耶夫人……」

青葉「鳥海法師」

青葉「鳥海法師!!」

提督「怒鳴るこたぁねぇじゃん♪」

青葉「泣くほどじゃないじゃん♪」

提督「ジョーク一つが♪」

青葉「ナイフーに変わって♪」

提督「コミュニケーションブレイクダンサー♪」

青葉「ディキダンドリドゥワダディ♪」

提督「目と目だけで通じあえりゃーあ こんなこたぁないのに♪」

青葉「悩むこたぁないのに♪」

提督「こんなこたぁないのに♪」

青葉「悩むこたぁないのに♪」

<ガチャ

吹雪「見つけました!」

古鷹「今日こそ大人しく来て下さい!」

加古「睡眠時間二時間も削ってるんだぞコッチは!」

熊野「とおおおおおおおおおおおう!」

青葉「やべぇ」

提督「逃げろ」

『ブレイクダンス』おしまい

『#888889』

提督「……ん?」

古鷹「どうしたの**君?」

提督「あ、いや、何でもない」

提督(……クラスの半分ほどは見た事ある艦娘だが)

提督(知らない顔がチラホラあるな)

摩耶「おーっす**。どうした桐生の事ガン見して?」

提督「うわ、バレた」

摩耶「お、もしかしてオマエ、桐生の事……」

古鷹「えっ」

提督「いや、違う違う!」

摩耶「ホントかー?」ニヤニヤ

提督(ぐっ、悪友ポジかコイツ……やりにくい!)

<キーンコーンカーンコーン

摩耶「ま、いつでもこの摩耶様に相談しな」ニヤニヤ

提督「だから違うと……はぁ」

<バタバタバタバタ

<ガラッ

巻雲「おはよぉ~!さぁ出席取るよぉ~!」

提督「 what the hell !? 」ガタッ

巻雲「どうしたの**君?気分悪いのぉ~?」

提督「あ、いえ、何でもありません……」

提督(巻雲が担任とか……アレこれなんかどっかで見たような……?)

巻雲「――桐生 夕子ちゃ~ん」

夕子「はい」

提督(桐生夕子、か……何か気になるな)

摩耶「……」チラッ

提督「?」

摩耶「……」ニヤニヤ

提督(あんにゃろ……)

――昼休み

提督(巻雲だけじゃなく夕雲たちまで教師とは……どうなってんだ俺の夢)

提督「弁当うめぇ……」モグモグ

古鷹「妹さん達と交代で作ってるんだよね?今日は誰の?」

提督「今日は神通の」モグモグ

摩耶「ウィンナー一本もーらい♪」サッ

提督「きさまぁ!!」

摩耶「まーそう怒んなって。アタシのアスパラガスやるよ」ヒョイヒョイ

提督「お前それ嫌いなヤツだろってか全部入れんじゃねぇ」

摩耶「おう!まぁ気にすんなよ!」

古鷹「摩耶ちゃん、好き嫌いしちゃダメだよ?」

摩耶「お、おう……でもどうしても食えねーもんってあるだろ?」

提督(あれ?俺なんで馴染んでんの?)

摩耶「んでよー、オマエ桐生の事どう思ってんだ?」モグモグ

提督「あ、その話戻っちゃうか」

摩耶「なんなら青葉に言ってやってもいいんだぜ?」ニヤニヤ

提督「やめろオマエそれはマジでやめろ嫌な予感しかしない」

摩耶「で?で?」

古鷹「摩耶ちゃん、そんなにガッつかなくても……」

摩耶「アタシら三人って、今までそんな浮ついた話無かっただろ?」

古鷹「えっ?あ、うん、そうだね……うん」

摩耶「だから気になるんだよなぁー」

提督(俺としてはお前達とどういう関係なのかが気になるんだよなぁ)

摩耶「でも、オマエが桐生と話してるトコなんて見た事ねぇぞ?」

古鷹「そうだね……私も桐生さんとはあんまり話した事無いし……」

摩耶「アタシもだ。ま、内気なんだろーな」

提督「……」

――その日の夜

夕子「誰か!」タッタッタッ

「コワガラナクテイイ」

夕子「だ、誰か!助けて!」タッタッタッ

「アナタハワタシ」

「ワタシハアナタ」

夕子「あうっ」ドサッ

「サァ」

夕子「こ、来ないでっ!!」

タ級「ヒトツニナリマショウ?」

『#888889』おしまい

『本気と書いてマジ』

諸君 私は魚が好きだ
諸君 私は魚が好きだ
諸君 私は魚が大好きだ

秋刀魚が好きだ
太刀魚が好きだ
ホッケが好きだ
鯵が好きだ
鯡が好きだ
鰻が好きだ
鮎が好きだ
シシャモが好きだ
鯛が好きだ

河川で 池で
湖で 生け簀で
養殖場で 海で
泥中で 湿原で

この地上で獲られる ありとあらゆる魚が大好きだ

隊列を組んだ漁船の発破漁が轟音と共に海面を吹き飛ばすのが好きだ

空中高く放り上げられた魚が海鳥に空中キャッチされた時など心がおどる

板前の操る刺身包丁が魚を捌くのが好きだ

威勢の良い掛け声と共にテーブルに出されたフグ刺しを

落とさずこぼさず掬えた時など胸がすくような気持だった

エコバッグからはみ出た葱の切っ先を揃えた主婦の横隊が魚の陳列を蹂躙するのが好きだ

恐慌状態の新妻が良く判らないまま魚のパックを何度も何度も棚に戻している様など感動すら覚える

休日に催されるマグロの解体ショーなどはもうたまらない

物言わぬマグロが板前の振り下ろしたナタ型包丁と共に

鈍い音を立てて頭を落とされ観客がざわめくのも最高だ

給料日後の休みの日に少し奮発して焼き鮭を作り

身に残った少し長めの骨が歯茎に刺さった時など絶頂すら覚える

赤潮に漁場を滅茶苦茶にされるのが好きだ

必死に守るはずだった養殖場が蹂躙され稚魚が窒息し海面に浮かんでいく様はとてもとても悲しいものだ

残り物の焼き魚をモソモソ食べるのが好きだ

電子レンジで温めた時に身が破裂するのは屈辱の極みだ

諸君 私は魚を 地獄のような漁場を望んでいる

諸君 私に付き従う艦隊戦友諸君

君達は一体何を望んでいる?

更なる魚を望むか?

情け容赦のない糞のような漁を望むか?

漁法の限りを尽くし 三千世界の鴎を殺す 嵐の様な漁を望むか?

「魚を!!」「漁を!!」「魚を!!」

よろしい ならば戦争だ

我々は慢心の力を込めて今まさに振り下ろさんとするナタ包丁だ

だがこの暗い闇の底で半世紀もの間魚を我慢し続けてきた我々にただの戦争ではもはや足りない!!

大戦争を!!一心不乱の大戦争を!!

我らはわずかに十個艦隊 百隻に満たぬ敗残兵にすぎない

だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している

ならば我らは諸君と私で総兵力十万と一人の海軍集団となる

漁業を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている漁業組合を叩き起こそう

髪の毛を掴んで引き摺り下ろし眼を開けさせ思い出させよう

連中に新鮮な魚の味を思い出させてやる

連中に漁船のエンジン音を思い出させてやる

天と海のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事がある事を思い出させてやる

百隻の艦娘の戦闘団で

世界を燃やし尽くしてやる

加賀「……提督って何者なのかしら」

赤城「このプレッシャー……さぞ多くの戦場を渡り歩いてきた人のハズです」

漣「あぁ、前は魚屋さんだったそうですよ?」

加賀「あぁー」

赤城「あぁー」

『本気と書いてマジ』おしまい

『カラオケ2』

如月「唇と唇 目と目と手と手♪」

如月「神様は何にも禁止なんかしてない♪」

瑞鶴(たまの休みなんだから遊んできなさいって言われたけど……)

漣「……」ブクブクブクブク

瑞鶴「漣、ぶくぶくしない」

漣「オウフwwwwwwwwwwww失礼wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

瑞鶴(妙なメンツになったわね……)

扶桑「ん……と……」ピッピッ

扶桑「これで送信……でいいのかしら?」ピピピピピ

時雨「うん、それで合ってるよ。合ってるけど」

『 DEAD SET / angela 』

時雨「曲は本当にこれでいいのかい?」

扶桑「何か……変だったかしら……?」

瑞鶴(扶桑さんなんか、どんな曲歌うのかしら?)

漣「!!」

翔鶴「……」ブクブクブクブク

瑞鶴「翔鶴姉、ぶくぶくしない」

――数刻後・鎮守府

提督「おぅ、おかえり。ちゃんと息抜き出来たか?」

瑞鶴「……提督」

提督「どうした?」

瑞鶴「扶桑さんって結構アツイ人ね」

提督「何があったんだオイ」

『カラオケ2』おしまい

『疑問』

姉様

山城です姉様

姉様はいつも仰られていましたね

伊勢、日向には負けたくない、と

山城も同じ航空戦艦として

数少ない航空戦艦の仲間として日々切磋琢磨し

互いを高められる仲になったんじゃないかと

最近は思っているんです

ですが

ですが姉様

本日一度目の演習相手を覚えておられますか

伊勢型、扶桑型姉妹の揃った艦隊でしたね

伊勢、日向には負けたくない、と言いながらも

向こうの山城にしか砲撃しなかったのは何故なのでしょうか

もしかして

もしかして山城が意識していない所で

姉様の気分を害していたのでしょうか

それならば謝ります

謝りますからどうか返事を下さい

姉様

扶桑「山城、今午前二時よ?」

山城「ヤッホウ姉様の声だ!」

『疑問』おしまい

『呼び方』

レーベレヒト「じゃあまた後で、ご飯の時にね。楽しみにしてるよ」

マックス(執務室からレーベ?……どうしたのかしら?)コソッ

マックス「……」コンコン

<ダレダー

マックス「マックス・シュルツよ。少しいいかしら?」

<ドウゾー

マックス「 eingeben 」ガチャ

提督「ツェドライの方から来るなんて珍しいじゃないか。どうかしたか?」

マックス「さっきレーベが執務室から出て来るのが見えたから、何を話していたのか気になったの」

提督「あぁ、前にレーベの方から日本ならではの物を食べてみたいと言われてな」

提督「今日の昼飯時に出してもらうよう手配していたんだ。ツェドライも楽しみにしておいてくれ」

マックス「……ふーん」

提督「どうした?」

マックス「……やっぱりまだ、私の事をマックスと呼んでくれないのね」

提督「……あぁ」

マックス「……私、やっぱり納得出来ないわ」

提督「何故わかってもらえないんだ……」

提督「カッコいい響きじゃないか『ツェドライ』!!」

響「不死鳥の通り名もあるよ」

マックス「 Narr そんな理由で名前を呼ばれない方の身にもなって」

マックス「そもそもドイツ語がカッコいいとかそういう理由ならレーベだって――」

提督「『ツェットアインス』は確かに彼女らしい可愛らしい響きではあるがカッコいい響きでは無い!」

響「不死鳥の通り名もあるよ」

提督「それにツェドライだって俺の事を提督とか司令官とか呼んだ事無いじゃないか!」

マックス「 Ich sitze ! ……っ」

マックス「……あなたは、あなただもの……」ボソッ

提督「……」

マックス「……」プイッ

提督「……ま、マックス……」

マックス「 eh ? 」

提督「その、なんだ……好きな相手を名前で呼ぶのは恥ずかしいものだな、まったく……」ポリポリ

マックス「……あなた……」クスッ

響「そろそろ戻ってもいいかな?」

『呼び方』おしまい

響「前に飼っていた犬の名前がマックスだったから思い出してツライ」

響「とかいう理由じゃなくてよかったねマックス」

マックス「それならそれで新しい思い出を作るだけよ」

響「……なるほど」

響「つまりマックスはドMなんだね」

マックス「なんだか壮大な勘違いをしているようね」

レーベレヒト「熱い!柔らかいけど熱い!」ワタワタ

赤城「それが餅と言うモノです」モグニューン

加賀「毎年これで死人が出ているわ」モグニューン

レーベレヒト「にゃふにゃこれ!」モグニュー(何だこれ!)

『呼び方・おまけ』おしまい

『例のセリフ:翔鶴』

翔鶴「提督ったら!スカートはあまり触らないで――」

翔鶴「――って、あらやだ瑞鶴」

瑞鶴「きっと提督さんにスカートめくり何度もされちゃってるのよ!」シクシク

加賀「なるほど……少し灸を据えた方が良さそうね」

赤城「あの、スカートめくりしてる提督もアレだけど、瑞鶴もどうなの」

瑞鶴「え?あ、赤城さん姉妹艦がいないから解らないだろうけど……」

瑞鶴「スキンシップとしては一般的よ?」

加賀「私で良ければお相手するわ」

赤城「あれ?ココ女子校だったっけ?」

『例のセリフ:翔鶴』おしまい

『相談』

加賀「なるほど、比叡さんもそのような悩みを……」

比叡「も、ってどういう意味です?」

加賀「他にも同じように姉離れしてくれないって悩みを聞いてるんです」

比叡「そ、そうなんですか……」

加賀「ええ……そうだ」

比叡「はい?」

加賀「一度、そういった方々だけでお茶会してみましょう」

比叡「……はい?」

加賀「――という訳で集まって頂きました」

加賀「姉離れしたいとは思わないけどコミュの狭さを指摘された艦娘の集いと題して――」

比叡「ヒドイ!題からしてヒドイ!!」

筑摩「あの、それなら私はお邪魔じゃないかと……」

瑞鶴「私も違うと思うんだけど……」

加賀「……筑摩さん、ちょっと耳を貸して下さい」

筑摩「?……は、はぁ……」クイッ

加賀「いいですか筑摩さん。これはコミュの狭さを指摘された艦娘の集いなんです」

加賀「しかしそれだけでは他の人と交流を持つ切っ掛けにはなりません」

加賀「その為に筑摩さんと瑞鶴を呼んだんです」

筑摩「そうですか……でも、なんで私を?」

加賀「人当たりが程よくマイルドなプレーンヨーグルトのような貴女であれば」

加賀「周りも打ち解けやすいのでは無いか、と考えました」

筑摩「そうでしたか……加賀さんの期待に応えられるよう、頑張りますね」ニコッ

加賀「ありがとうございます」

加賀「次、瑞鶴も耳を貸しなさい」

瑞鶴「随分長い内緒話だったわね……」クィッ

加賀「ふぅっ」

瑞鶴「ひゃああああああ!?」ゾゾゾゾゾ

加賀「あら良い反応」

瑞鶴「ふざけるなら帰るわよ!?」

加賀「ごめんなさい、真面目な話よ」

瑞鶴「ホントでしょうねー……?」ズイッ

加賀「このメンツの時点で姉自慢が始まるか開き直る人が出て来るのは明白」

瑞鶴「まぁ、そうだよね」

加賀「その空気に私だけで耐えられないから貴女を呼んだの」

瑞鶴「私巻き込まないでよ!!」

加賀「そんな事言わないで助けて頂戴」

瑞鶴(……)

瑞鶴「わ、私に助けて欲しいの?」プイッ

加賀「ええ。貴女を信頼している証よ」

瑞鶴「~っ!……わかったわ!今回だけよ!」

加賀「ありがとう。超愛してるわ」

瑞鶴「早速だけどさ」

加賀「何かしら」

瑞鶴「私達が話してる間、この人達一言も会話してないんだけど……」

加賀「お茶うけに出したポッキーばかりが減っていくわね……」

山城「……」ポリポリ

千代田「……」ポリポリ

比叡「……」チラッポリポリチラッポリポリ

瑞鶴「これだけで済んで良かったと思うけど、えーっと、その」

加賀「大井さんなら呼んだけど来なかったわ」

瑞鶴「……不思議と納得できるわ」

筑摩「あ、あのっ!」

山城「!」ピクッ

千代田「……」ポリポリ

比叡「ひゃいっ!」ビクッ

筑摩「せ、せっかくこうやって集まった事ですし、何か話しませんか?」

比叡「そそ、そうですね!何話しマスカ!?」

山城「……あんまり共通点、無いと思うんですけど……」

千代田「……」ポリポリ

加賀「山城さんってめんd」

瑞鶴「口に出しちゃダメよ」

筑摩「ま、まぁまぁ、話している内に意外な所で共通点が見つかるかも知れませんし」

瑞鶴「それもそうね。あんまり話した事無い人ばっかりだし」

加賀「瑞鶴」

比叡(話した事無い人……)ズーン

瑞鶴「……あ、ご、ごめんなさい」

比叡「あ、いえ、大丈夫です……」アハハ

山城「まぁ、いいですけど……」

千代田「……」ゴク

比叡「な、何話しましょうか!?」

加賀「そんな時のお悩み解消に、話す事サイコロを用意しておきました」スッ

比叡「あの緑のたてがみのライオンのヤツですね!流石です!」

筑摩「あ、じゃ、じゃあ私からやってみていいでしょうか?」

加賀「勿論。どうぞ」

筑摩「え、えっと、えいっ」コロコロ

『最近楽しかった話』

比叡「いぇ、イェーイ……あ、そういうノリじゃないですね。すいません」

筑摩「あ、これはつい先日ですね。利根姉さんと――」

山城「」ピクッ

千代田「」ピタッ

比叡「」ピク

瑞鶴「すたああああああああああああああああっぷ!!」

加賀「無自覚に姉自慢を始めようとしないで下さい」

筑摩「え?でも、大体利根姉さんと一緒ですし……」ウーン

瑞鶴「マイルドそうなのに一番辛口じゃない!どうしてくれるのよ!?」

加賀「だからこの集いに呼んだのだけれど」

瑞鶴「企画倒れよこんなの!私達でどうこうできる相手じゃないわ!」

筑摩「あ、じゃあ利根姉さんにご飯を作った時の話を――」

加賀「筑摩さんもう結構ですので」

瑞鶴「やめて筑摩さんそれ以上はやめて!」

千代田「私だってお姉にご飯作った事くらいあるし!!」ガタッ

瑞鶴「やめて千代田今そういう話じゃないから!!」

比叡「ご飯……ははっ……」

山城「別に……作れなくても生きて行けますし……」

加賀「この感じ……あの日を思い出しますね……」

瑞鶴「あぁ飛び火がヒドイ!助けて!誰か助けて!!」

『相談』おしまい

瑞鶴「助かったわ雷ちゃん!」

雷「何てことないわ!もっと頼っていいのよ!」

その後、雷ちゃんから離れられない艦娘の集いが開かれる事になったのは、また別の話

『相談』おまけ・おしまい

『要素』

――艦娘とやら。何故あのような姿なのか

――戦場に出る兵器であれば大よそ似合わぬ

提督「――と、昨日までは思っていたんだがね」

吹雪「はい」フワフワ

提督「君を見て考えが変わった」

提督「やはりインターフェイスとして人間型というモノは最適解なのかもしれないな」

提督「艤装だけとか奇をてらうにしても他にやり方あっただろ……なんで浮いてんだよ……」

吹雪「そう言われましても、私ずっとこの姿ですし」フワフワ

提督「……すまない。君に言っても詮無き事であったな」

吹雪「いえ!例え姿が他の艦娘と違えど想いは同じです!」フワフワ

吹雪「よろしくお願い致しますね!司令官!」フワフワ

提督(目の前で浮いているのは、艦娘である吹雪が装備している艤装を固めたような兵器)

提督(艦娘であれば背中に背負う機関部の正面上部辺りに連装砲が繋がっており)

提督(その下左右に腕のように魚雷発射管が繋がっている)

提督(ロボット物のザコメカ。良いとこ味方のサポートメカ)

提督(ちょうどそんな感じだ)

提督「……あぁ、こちらこそよろしくな」

――

白雪「白雪です。よろしくお願いします」フワフワ

吹雪「よろしくね!」フワフワ

提督「……見分けが付かんな」ボソッ

提督(後日、白雪の機体側面には白墨でシラユキと書かれていた)

提督(どうやって書いたのか。疑問が増えただけだった)

――

天龍「オレの名は天龍……フフ、怖いか?」フワフワ

提督(艤装だけの天龍とかホントに怖いだけだな)

提督「あ、腕あるのか」

天龍「剣も武装だからな。まぁ一本だけだけどよ」ブン

提督(益々コイツらが解らん)

――

千代田「サーチアンドデストロオオオオオオオオオイ!!」パカパカ

提督(何故か航の持っているあのデカイ箱だけが何か叫んでいた)

提督「こわい」

千代田「なっ!?一言目がそれとかヒドイわ提督!」ピカピカ

提督(上のランプ?が赤く点滅してる……)

――

提督(そして月日は流れ……ある任務を達成した私達の元に大本営から褒賞が届いた)

提督(事前の連絡では一航戦、空母赤城を配属すると書かれていた事で私達の胸は高まった)

提督(だが私はこの時、完全に忘れてしまっていたのだ)

提督(白雪も任務達成の褒賞で配属されたという事を)

赤城「航空母艦、赤城です」フワフワ

赤城「空母機動部隊を編成するなら私にお任せ下さいませ」フワフワ

提督(縦に浮いた甲板の右側にループアンテナと機械弓を持った腕)

提督(左側には矢筒とそれを装填する為の腕)

提督(正直に言おう)

提督(兵器の外見とは、それを見る敵に対しての示威行動であると同時に)

提督(味方の士気を左右する重要な要素であると)

提督「こわい」

『要素』おしまい

『カッコカリ』

由良「提督さん、ちょっといいかしら?」

提督「ん?どうした?」

由良「そろそろ戦艦や正規空母を建造するべきだと思うの」

由良「戦闘が激化しているのは知っているでしょう?」

提督「ふむ……もっともだ」

提督「資材の備蓄もあるし、始めるか……建造カッコカリ!!」

由良「えっ」

大淀「イエーイ!!」上スライド

由良「えっ」

提督「サイコロ二つな」ゴソゴソ

大淀「はい」ゴソゴソ

提督「えーっと、では自分司令部レベル52で」

大淀「資材はどうされますか?」

提督「あ、空母レシピそのままでお願いします」

大淀「解りました。この量だと……あと五回建造が可能です」

大淀「狙いは正規空母ですか?」

提督「はい」

大淀「では司令部レベル補正で……ダイスゾロ目11で赤城」

大淀「22で加賀、33蒼龍、44飛龍、55夕張、66瑞鶴」

提督「あの、翔鶴は?」

大淀「レベル補正が足りません」

提督「そうですか……」

大淀「では始めましょう。一つ目のダイスロール。これで艦種が決まります」

大淀「レベルとレシピ補正で1、3、5、6が正規空母。2が重巡、4が軽巡となります」

提督「よぉし……さぁ来い正規空母」コロン

大淀「……5」

提督「っしゃあ!」

大淀「さぁどうなる事か……あ、補正でゾロ目以外の奇数がファンブル。軽巡になりますからね」

提督「オーキードーキー」

大淀「では二つのダイスを振って下さい」

提督「さぁ来い!!」コロン

大淀「……45で合計9。ファンブル。那珂ちゃんです」

提督「クソァ!!」

由良「カッコカリじゃなくてホントの方!ホントの建造してね!?ね!?」

『カッコカリ』おしまい

『ガチ』

最上「やぁ鈴谷、何してるんだい?」

鈴谷「あ、最上んちーっす」

鈴谷「いやー出撃も無いから暇でさ。ちょっと提督のトコに遊びに行こうと思って」

最上「そっか。ボクも暇してたんだよね。一緒に行っていいかな?」

鈴谷「ん、いいよー」

最上「あ、そういえば今日の秘書艦は龍田だったね。丁度いいや」

鈴谷「何が?」

最上「ふふっ、鈴谷は最近ココに来たばっかりだから知らない事だよ」

鈴谷「何さー、もったいぶらずに教えてよ最上ーん」

最上「すぐに解るよ」クスクス

<タタイテカブッテ

<ジャンケンホイ

鈴谷「お、執務室から楽しそうな声が」

最上「ね?」

鈴谷「面白そうじゃん♪ちーっす♪」ガチャ

ガッ

提督「おう鈴谷に最上じゃないか。どうした?」(装備:雷の錨・赤城の飛行甲板)

龍田「いらっしゃ~い♪」(装備:電の錨・加賀の飛行甲板)

鈴谷「あはは~すっごい楽しそうだねそれ。重歩兵ごっこ?」

最上「たたいてかぶってだよ。知らない?」

鈴谷「鈴谷の知ってるのとは違うかなぁ」

鈴谷「少なくともここまで命張ってなかったと思う」

最上「そう?」

龍田「えいっ♪」ブンッ

提督「おっと」ガッ

鈴谷「ジャンケンすらしてないじゃん」

最上「場が温まってる証拠だよ。ボクも混ぜて貰っていいかな?」

最上「あ、鈴谷もやる?」

鈴谷「あ、鈴谷はいいかな。用事思い出したから」

最上「そっか。じゃあまた今度ね」

鈴谷「うん、次は無いかな」

提督「っらぁっ!」ブンッ

龍田「うふふ~♪」ガッ

『ガチ』おしまい

『キングスフィールド』

子日「王様だーれだ!!」

子日「やったっ!子日王様の日!」

子日「じゃあね!じゃあね!2番の人が3番の人を笑わせるの!」

初春「2番じゃ」

加賀「3番よ」

初春「ふむ……」ジッ

加賀「……何かしら?」

初春「いや、加賀殿には日ごろから世話になっている例を言う機会を伺っていましての」

加賀「そんな事、気にしなくていいのに」

初春「いやいや、こういう事こそ肝要な事ですぞよ?これはつまらない物ではありますがお納め下され」スッ

加賀「これは?」

初春「もやし」(裏声)

加賀「フスッ」

初春「ふむ。子日の声を出す練習をしておいて正解じゃったな」

飛龍「何なのその無駄な練習……」

『キングスフィールド』おしまい

『さそいだせるおうどん』

提督「陽炎型駆逐艦」

陽炎「なーに?」

提督「かげろうがたくちくかん」カリカリ

陽炎「な、なによ……」

提督「かがうたくちくかんげろ」

陽炎「加賀さんがどこぞのガキ大将ばりのオンチになるからやめて」

提督「球磨型四番艦軽巡洋艦」

大井「なんですか」

提督「くまがたよんばんかんけいじゅんようかん」カリカリ

大井「また何かくだらない事考えてません?」

提督「かがたんよんばんよんゆうかんけいじくま」

大井「訳が解らないくま」

大井「っていうか四遊間とかありえませんからね?」

提督「鳳翔型一番艦軽空母」

鳳翔「あら、どうしました?」

提督「ほうしょうがたいちばんかんけいくうぼ」カリカリ

鳳翔「提督って達筆なんですね」

提督「ちほうがぼうくんしょけいいけんばい」

鳳翔「メロスは激怒しましたけど」

鳳翔「私も激怒しますよ?」

提督「特種船丙型揚陸艦」

あきつ丸「は!なんでありますか!」

提督「とくしゅせんへいがたようりくかん」カリカリ

あきつ丸「は!あきつ丸はここであります!」

提督「しゅくんがせりたくんとかへいよう」

あきつ丸「せりたくんとは誰でありますか」

あきつ丸「最後なんでちょっとひっぷほっぷ調なのでありますか」

提督「ようへいせりたくんがくんしゅでも良かったかもしれない」

あきつ丸「だからせりたくんとは誰でありますか」

提督「赤城型一番艦正規空母」

赤城「赤城です」

提督「あかぎがたいちばんかんせいきくうぼ」カリカリ

赤城「?」

提督「あかぎたせがいちばんぼうきくい」

赤城「待って下さい提督」

赤城「待って」

『さそいだせるおうどん』おしまい

『エセ』

金剛「好!提督ゥ!英国生まれの帰国子女の金剛アル!よろしくお願いしますの事ネ!」

提督「貴様のような金剛がいるか」

金剛「太可柏了!どこからどう見ても金剛型一番艦の金剛アル!」

提督「外見と中の人と片言しか共通点無いだろ」

金剛「没有人!……じゃなくて三つも共通点があったら一緒アル」

金剛「吹雪型なんて皆一緒ネ」

提督「よし表に出ろ」スクッ

金剛「ぼ、暴力はよろしくないの事ヨ!暴力相反!」

提督「……で?何でそんな口調なんだ?」

金剛「ぶっちゃけ片言の面白お姉さんポジなんて手垢塗れで面白くないアル」

金剛「でも片言じゃない金剛なんてのもありがちなネタですだよ」

提督「え、そんな理由?」

金剛「无重要!!それで、これまでにない艦娘の口調を考えてこうなったアル」

提督「所々片言どころか流暢な中国語喋ってるけどな」

金剛「やり過ぎるとですだよ姐ちゃんになっちゃうから仕方ないアル」

提督「キャラ作りも大変という事か」

金剛「是的。ブレたり薄かったりボロが出たり……あ、今の無しアル。金剛何も言ってないアル」

提督「これも充分薄いキャラ付けだと思うんだが」

金剛「……提督もやっぱりそう思いまs思うアルカ?」

提督「言い直さなくていいからな?」

金剛「でも、じゃあどうしたらいいカ……金剛解んないアル……」

提督「……無理にキャラを造らなくていいと思うぞ?」

提督「幸い金剛以上に濃いキャラって極一部だし」

金剛「我明白?」

提督「ああ。戦艦と言う艦種に限れば日向くらいしか思い浮かばん」

提督「まぁ、その、なんだ……自然体で接してくれて構わんよ」

金剛「提督……」

金剛「金剛、キャラの戻し方解んないアル」

提督「あ、じゃあもうそのままでいいか」

『エセ』おしまい

『例のセリフ:大井』

――鎮守府近海・1-5

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

千歳「千歳です!」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

名取「名取といいます……」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

長月「長月だ」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

菊月「私がきくd――」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

望月「んぁ?」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

響「響だよ」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

<ゴガッ

響「不死鳥の通り名もあるよ」ググググ

シャッター(コイツ……俺を素手で開けようってのか……!?)

大井「私ですか?いやだ、困ってしまいます――」

『新たな仲間を発見しました!!』

大井「――って、あれ、北上さん?」

初雪「初雪……」

大井「今の北上さん――!!」

<ガチャン(シャッターの閉まる音)

大井「今の北上さんでしょ!?ねぇ!」

大井「ちょっと小っちゃかったけど北上さんに限りなく近かったでしょ!?ねぇ!?」

扶桑「近かったらいいのかしら……?」

鳳翔「扶桑さんの髪型を変えるだけで何とかなりそうですね」ニコニコ

扶桑「お断り致します」ニコニコ

阿武隈「いい加減にしてよ大井さん!」

阿武隈「北上さんならもう着任してるじゃない!」

大井「そうよ!でも自分用にもう一人欲しいの!」

響「随分狂った大井も居たものだね」ググググググ

扶桑「」

鳳翔「」

大井「」

阿武隈「」

阿武隈「その時の光景を、私は今でも忘れる事は出来ません」

阿武隈「空の何も無い空間から、何かをこじ開けて顔を覗かせたのは響さんでした」

阿武隈「これがこの世界と、平行世界が繋がった瞬間……いえ」

阿武隈「私達が平行世界と繋がった瞬間だと思います」

『例のセリフ:大井』おしまい

『ヒエラルキー』

千代田「――だから、もう、どうしていいのか……」

加賀'「……千代田は優しいのね」

加賀'「足太いけど」

千代田「えっ」

加賀'「だってそうでしょう?千歳さんか提督、どちらかを取る事を考えずに――」

加賀'「二人の事を心配している。そうそう出来る事じゃないわ」

千代田「いやそれよりも。足の事」

加賀'「貴女だって提督の事を慕っているのでしょう?」

千代田「そうだけど。足の事」

加賀'「千歳さんの事も好き、提督の事も好き……」

加賀'「足太いけど辛いわね。足太いけど」

千代田「あ!あなた大淀ね!」

加賀'「私をあんな品行方正美人秀麗な大淀さんと一緒にしないで下さい」

<ガチャ

加賀「いい度胸ね」

加賀'「バレマシタ」

――入渠

大淀「んー……そろそろ変装マシンで遊ぶのも危なくなってきたなぁ……」

大淀「また指が全部違う方向向いちゃったし……あれ?」

大淀「……このパターン、前にもあったような」ガラッ

伊58「風呂の中からこんにちわああああああアアアアアアアアアアアアアアアア」ザバァッ

伊19「チーッスなの伊号潜水艦なのチーッスなの!」ザバァッ

大淀「うわぁー!」

伊58「何々どうしたの!?また怪我しちゃったの!?」キャッキャッ

伊19「また指が全部別の方向向いてるの!道具より指にこだわる玄人なの!」キャッキャッ

大淀「違います!これは加賀さんに――」

伊58「え、骨折プレイ?流石にゴーヤも引くなぁ……」

伊19「ま、まぁその、人それぞれなの……」

大淀「待てや脳内ピンク」

伊19「でも満足させてあげなきゃ泳ぐ18禁の名が廃るの!」

大淀「その通り名に誇りを持たないで!!」

伊19「いいから任せるの!ほらこうやって人差し指と小指を蝶結びしちゃうの!」グイッ

大淀「があああああああああああああああああ」

伊58「すごいすごい!悶絶してるよぉ!」キャッキャッ

伊19「こうすればずっと痛いし被虐プレイヤーも満足なはずなの!」

大淀「解いて!解いてええええええええええええええええええ」

伊19「あ、コレマジ泣きなの。イクったら勘違いしちゃったの☆」テヘペロッ

伊58「もぉー、ほら解くから暴れちゃダメだよぉ」

大淀(コイツら……っ!!)

伊19「ごめんなさいなの」

伊58「許してくだち」

大淀「提督も何でこんなヤバイやつらを置いとくのかしら……」

伊19「そんな!イク達程度じゃまだ皆さんの足元にも及んでないの!」

大淀「その皆さんの中に私は入ってませんよね?」ニコッ

伊58「割と上位に――」

大淀「ん?」

伊19「ゴーヤ。大淀さんは入ってない。イイネ?」

伊58「アッハイ」

大淀「まぁ確かに仏像アクションフィギュア集めてる扶桑さんとか割とヤバイと思うけど……」

伊19「その程度じゃ話にならないの……」

大淀「……念の為聞いておきたいんだけど、一番は誰?」

伊58「秋雲さん」

大淀「えっ」

伊19「こ、この話は無かった事にするの!私達もう行くからごゆっくり――」スクッ

大淀「誰が正座解いてええ言うた」

伊19「ごめんなさい」

大淀「で、なんで秋雲さんがトップに?」

伊58「……あのね、ゴーヤが秋雲さんの部屋に遊びに行った時の話なんだけどね……」

~~~

伊58「秋雲ちゃん、遊びに来たよー!」ガチャ

秋雲「……」カリカリカリカリ

伊58「あ、お絵かきの最中だったの?何描いてるの見せて見せてー」キャッキャッ

秋雲「未来」

~~~

伊58「――って、シャーペンで真っ黒に塗りつぶした画用紙を見せてきたんだぁ」

大淀「うわぁー!」

伊19「絶対秘密なの!この話は聞かなかった事にして欲しいの!」

大淀「いや誰にも話さへんけど……うわぁ……」

大淀「もう今度から秋雲さんと喋れへんわコレ……」

伊19「だから言ったのに……」

『ヒエラルキー』おしまい

『例のセリフ:夕張』

夕張『色々試してみてもいいかしら?』

提督「――で」

夕張「うん」

提督「色々試した結果がコレ?」

夕張「イタリアンラーメンよ」

提督「なんでラーメンにピザトッピングしちゃったの?」

夕張「いや、イタリアンとか、流行ってるし……」

提督「うん。流行ってるね」

提督「流行ってるけどさ」

提督「流行にも乗り方ってあると思うんだよね」

夕張「……そうね」

提督「これダメな乗り方だと思うんだよ。イタリアの人達でもブチギレするレベルだよ」

提督「天ぷらそばとか狙ったよね?」

夕張「発想の原点ね」

提督「君の頭の中で誰も止めなかったの?」

夕張「私の中の天使も悪魔も『迷うなら行け』って言ってたわ」

提督「満場一致しちゃったかー」

提督「あのね夕張さんや」

夕張「はい」

提督「僕ァね。君がご飯作ってくれるって言ってくれて凄く嬉しかったんだよ」

夕張「私も」

提督「うん」

夕張「私も、任せてもらえた事が凄く嬉しかった……」

提督「料理の練習してるって話は、実はちょっと聞いてたんだ」

夕張「……人の口に戸は建てられないものね」クス

提督「そうだね。料理の腕も着実に上がってるって聞いてとっても楽しみにしてたんだよ」

提督「判る?僕が知らないふりして積み重ねに積み重ねた期待ピラミッドがさ」

提督「この」

提督「袋ラーメン、しかも味噌ラーメンと冷凍ピザっていう取り合わせによって崩壊したの」

夕張「その、手軽に作れるものじゃないと……」

提督「……」

夕張「……アナタと一緒に居られる時間がなくなるじゃない……」

提督「……」

夕張「……」

提督「……気持ちはとても嬉しいよ。今度は一緒に厨房に立とう」

夕張「……これ、どうしよう」

提督「……」

夕張「……」

提督「食べるか」

夕張「作っといて何だけど、正気?」

『例のセリフ:夕張』おしまい

『#11104』

北上「所でさ、他の国には艦娘っていないんだよね」

北上「なんで?」

提督「そりゃ人間を『造る』事を良く思わない方が多いから」

北上「どゆこと?」

提督「あー……ホムンクルスとか人体錬成だとかクローンに関する倫理だとか」

提督「まぁ色々あるけど、ほとんど宗教上の理由だわな」

北上「倫理ねぇ……」

北上「襲われてるのに倫理も何も無いと思うんだけど」

提督「そりゃそうだけどさ」

北上「戦争みたいにルールがある訳でも無いしさー」

北上「サクッと終わらせたくないのかな」

提督「そりゃさっさと終わらせたいだろうけどさ」

提督「先に俺達の事を異端者だ呪術師だと散々コケにしてきたんだ」

提督「今更掌返して艦娘の技術下さい何て言いだす事はしてこないだろう」

北上「メンドーなプライドだねー……」

提督「そもそも海外の船にゃ船霊置かない事の方が多いし」

提督「君らみたいに形に出来るかどうかも怪しいんじゃないかなぁ」

――

轟音

悲鳴

怒号

波の音

北上「……」

北上「……」

北上「……あの時に聞いときゃよかったなー……」

北上「……ねぇ提督……」

北上「私達って、なに?」

『#11104』おしまい

『トライアングル』

金剛「好、提督!おやつ時アルヨー!」ガチャ

提督「ん、あー、もうそんな時間か……」

金剛「また飛行機の模型作ってたアルカ?溶剤臭いネ?」

提督「窓開けてるんだけどな……悪いな金剛。場所を移そう」

金剛「我不介意。金剛はココでいいアル」ニコ

提督「そうか?金剛がいいなら――」

<ガチャ

瑞鳳・ビスマルク「「提督!!」」

提督「どうした?」

瑞鳳「提督をレシプロ機好きと見込んで聞くわ!ずばり日本機が一番よね!?」

ビスマルク「提督ならドイツ機の素晴らしさが解るはずでしょう!?」

提督「……うん?」

金剛「アイヤー……」

瑞鳳「日本機の抜群の旋回性能と航続距離がドイツ機なんかに負ける訳ないじゃない!」

ビスマルク「その為に拳だけで穴が開く様な薄板にしたんでしょ! Das ist unglaublich ! 」

瑞鳳「何よ!」

ビスマルク「何よ!」

提督「あーもう、ほら喧嘩すんならおやつあげないぞ」

瑞鳳「ビスマルク、一時休戦よ」

ビスマルク「構わないわ」

金剛「金剛お茶淹れてきたアルー」トコトコ

提督「ありがとう」

提督「――で、なんでそんな話に?」

瑞鳳「私が九九艦爆の良さをレーベちゃんに語ってたら、ビスマルクが突っかかって来て……」

ビスマルク「レーベが困ってたから助けてあげただけよ」

提督(すまんレーベレヒト……)

瑞鳳「それだけじゃないじゃない!日本機の事を馬鹿にしたでしょ!」

ビスマルク「馬鹿にしてはいないわ。事実を述べたまでよ」フン

瑞鳳「むっ!」

提督「あぁこらやめないか……まぁ事情は解った」

提督「で、瑞鳳もドイツ機の事を馬鹿にした、と」

瑞鳳「馬鹿になんかしてないわ。事実を言っただけよ」

ビスマルク「む」

提督「やめい」

瑞鳳「提督も日本機の方が良いと思うわよね!?」

ビスマルク「いいえ、ドイツ機の方が良いと思ってるはずよ。ね?」

提督「イギリス」

瑞鳳・ビスマルク「「え?」」

提督「俺はイギリス機が好きだな」

瑞鳳「な……な……」プルプル

ビスマルク「 Das ist unglaublich ... 」

瑞鳳「なんで!?提督日本人でしょ!?」

ビスマルク「まだ日本機が良いと言われた方がマシだったわ……」

提督「うん、まぁ、レシプロ機なら何でも好きだけどさ」

提督「妙にイギリス機に惹かれるんだよ」

ビスマルク「だからって――!!」

瑞鳳「これは教育が必要だわ!」

金剛「二人とも、いい加減にするアル」

瑞鳳「な、なによ……」

金剛「提督はイギリス機が好きだと言ったアル」

金剛「けど、二人にイギリス機を好きになれなんて言ってないアル」

瑞鳳・ビスマルク「「……あ」」

金剛「金剛は飛行機苦手だから良く判んないアルけど……」

金剛「でも、同じ飛行機好きなら仲良くするアル。喧嘩良くないネ」

瑞鳳「……」

ビスマルク「……瑞鳳、悪かったわね」ペコリ

瑞鳳「!!」

瑞鳳「わ、私の方こそ……その、ごめんなさい……」

提督「さて、二人が精神的に少し大人になった所で、だ」

提督「どうだ?二人もプラモ作ってみるか?」ガサガサ

瑞鳳「うわぁ!積みプラしてる人初めて見た!」

ビスマルク「こんなに……」

金剛「提督?」

提督「いやこれは実家から持ってきた分であって――」

金剛「ちょっとお金の事でお話したいアル。妙高さんも呼ぶネ?」

提督「はい」

『トライアングル』おしまい

――

日向「どうだ。瑞雲もいいだろう」

レーベレヒト「……いい……」

マックス(誰か助けて――!!)

『トライアングル』おまけ・おしまい

本日はここまで

『鍋』

提督「あぁ、おはよう響……ってどうしたんだ?」

響「何かな?」

提督「いや、なんで鍋被ってるんだ?」

響「あぁ、これかい?」

響「工廠の整理をしていたら見つけてね」

響「無性に被りたくなったんだ」

提督「そ、そうか」

響「皆の反応が面白いからね。今日一日は被っておこうと決めたよ」

響「ところで司令官」

提督「ん?」

響「司令官がこの鎮守府に着任してから随分経つけど」

響「ラッキースケベはあったかい?」

提督「やだ何言ってるのこの子」

響「これだけ淫らな恰好をした女性ばかりの職場環境だからね」

提督「淫ら言うな」

響「ごめん。でも何かあってもおかしくないと思うよ」

提督「実際には何も無いな。残念ながら」

響「それは残念だね。あぁ、実に残念だ」

提督「ホント何言ってるのこの子……」

響「でもパンチラくらいは見た事あるんじゃないかな。パンチラ」

提督「無いな。座る時にはひざ掛け使うよう言ってあるし」

響「勿体ない」

提督「うん?」

響「何でもないよ。でもパンチラ拝むくらいはしてもバチは当たらないと思うんだ」

提督「何でそうなるかなぁ」

響「簡単な事だよ。私達は女性で司令官は男性だから」

響「だいたい中破大破したら殆ど見えてるじゃないか。瑞鶴さんとか」

提督「修理が終わるまで執務室に来ないよう言い聞かせてあるのは知ってるだろ」

響「勿体ない」

提督「うん?」

響「何でもないよ。でもそう言い聞かせるっていう事は、そういう目で見てるって事だよね」

提督「年頃の娘さんの裸なんて見る方が失礼じゃないか」

響「私としては大歓迎だよ」

提督「あ、もしもし暁さん?おたくの妹さんがおかしいんですけど」

響「鍋アタック!」

提督「ケータイだけ吹き飛ばして鍋は手元に帰るってどうなってんだ」

響「不死鳥の名は伊達じゃないよ」

提督「ここで言う台詞じゃないんじゃないかなぁ」

提督「そもそも俺の代わりに戦場に出て戦った結果なんだから」

提督「そんな姿見ても申し訳ないとしか」

響「中破すらしてないのに痴女いのもいるよ。しm――」

提督「やめなさい」

響「おっと。失礼」

響「ふむ。じゃあ質問を変えようか」

提督「まずこの話題から離れてくれるとありがたいんだけどなぁ」

響「それは出来ないね。好奇心というモノはどうにも抑えがたい」

提督「好奇心は猫をも殺すとも言うが?」

響「多摩さんなら昼寝の真っ最中だよ」

提督「そうじゃないんだけどなぁ」

響「いいかい?単刀直入に聞くけど、司令官はどの子が好きなのかな?」

提督「えぇー……」

響「呑みサーで好みのタイプ聞かれた大学生みたいな反応はいいから答えてよ」

提督「……摩耶」ボソッ

響「青葉さーん!司令官摩耶さんの事好きだってさー!!」

提督「やめろオマエそれはマジでやめろ」

響「冗談だよ。青葉さんなら自室の隅っこで三角座りで念仏唱えてるから」

提督「お前何したの?ねぇ何したの?」

響「信頼の名は伊達じゃないよ」

提督「ここで言う台詞じゃないからな?」

響「じゃあさ、摩耶さんと執務室で二人きりになったとしようよ」

提督「あ、続くんだ」

響「あの恰好だからね。屈んだりすればすぐ前からも後ろからも見えると思うんだけど」

響「どうかな?見たいと思う?」

提督「……」

響「……」

提督「……」

響「……」

提督「……ちょっと」ボソッ

響「あ、もしもし摩耶さん?すぐに執務室に来てくれないかな?」

提督「えっ」

響「司令官が膝を砕いちゃってね。ちょっと高い所にある物を取って欲しいんだ」

響「……よかったね。すぐに来てくれるってさ」

提督「え、お前何してんの?」

響「こちらも準備を整えておこう。司令官、あの棚の上にこのお菓子を置いといてくれないかな」

提督「待って何で頭に被ってた鍋の中から菓子折り出てくんの」

響「脚立もあるよ」

提督「なんで鍋から出てくんだよ……」

響「いいから、ホラ」

提督「置いたぞ?」

響「そしたら司令官の膝を砕く」ゴッ

提督「ア゛オ゛ッ!!」

響「綺麗に崩れ落ちたね」

提督「な、おま、何をっ!!」

響「これで司令官はあのお菓子を取る事が出来ない」

響「私は脚立を使っても手が届かない」

響「摩耶さんに取ってもらうしかないね」

響「ついでにスカートの中も見えてしまうかもしれないね」

提督「それよりお前の頭を診てやりたいよ」

提督「もっとマトモな方法あっただろ」

響「これが最もスマートだと思っただけさ」

提督(俺になんか恨みでもあるんだろうか)

提督「だいたいなぁ、お膳立てして見えるパンチラなんて有難味の欠片も無いだろう」

響「お、やっと本音で話してくれる気になったんだね」

響「嬉しいよ」

提督「部下に膝砕かれたらこうもなるわ!」

響「覚えておくよ。またいつか砕こう」

響「それより有難味が無いっていうのはどういう事かな?」

響「パンチラは世の男性がたの憧れだと思うんだけど」

提督「そりゃ偶々見えるからこその憧れだ」

響「良く判んないや」

提督「例えば島風なんか――」

響「あ、名前出していいんだ」

提督「やかましい。んでもう何したって見えるだろ、アレ」

響「そうだね」

提督「見えそうだな、やっぱ見えたな、程度の感想しか抱かない訳だ」

提督「いや見た事は無いけど」

響「そういう事にしておくよ。続けて」

提督「……まぁいい。ところがこれが飛鷹だとどうだ?」

響「!!」

提督「判ってくれたなら多くは語らん」

響「司令官……やはりアナタは素晴らしいね」

提督「あ、ハラショーじゃないんだ」

響「私にとってハラショーとは『はいはいワロスワロス』程度の意味だよ」

提督「おいやめろ」

<ガチャ

摩耶「おう提督、大丈夫かぁ?」

響「大丈夫だから帰っていいよ」

摩耶「あぁ!?」

響「あと当面は司令官と二人きりになっちゃダメだよ」

摩耶「なんでだよ!?うわ提督マジで足変な方向に曲がってんじゃねぇか!医務室運ぶぞ!」

<バタン

『鍋』おしまい

『憧れ』

提督「あ」

漣「どうしましたご主人様?」

提督「あきつ丸にセーラー服着せたい」

漣「色んな意味でどうしましたご主人様?」

提督「まぁ聞き給えよ。艦娘ってセーラー服着てるの多いだろ?」

漣「そりゃまぁ、元々は水兵さんの服ですしおすし」

提督「で、ちょっと考えた訳よ」

提督「艦娘全員をセーラー服にした場合、誰が一番似合うかなって」

漣「執務中に何考えてやがりますかこのすかぽんたん」

提督「俺も男だし、こう女性ばかりの職場だと……な?」

漣「こっち見んな」

漣「それに、アッキーは学ランのイメージが強すぎてどうも想像しにくいです」

提督「甘いぞ漣。その程度じゃこの鎮守府で二番目だ」

漣「是非ランク外でお願いします」

提督「まずアレだろ?帽子とワンセットで顔を思い浮かべるから想像しにくいんだろ?」

漣「よく判りましたね」

提督「俺もそうだったから」

漣「ちくしょう」

提督「そこで発想の転換だ」

「自分は、嫌であります」

凛とした声にハッとする

蝉時雨の止まない夏の最中であっても、彼女の声は涼しく、まるで風鈴のようだと思った

子供の頃によく遊んだ神社の境内で、僕達は出逢ったあの日のように向き合った

彼女は僕の事を良く知っているし、僕も彼女の事を良く知っている

だからこそ今日は、それがとても辛い

今すぐ抱きしめたいと

手を握りたいと

自分の中の衝動を抑えて

「御達者で」

そう言って、目尻に涙を湛え、それでもなお泣くまいと頑張る彼女に

自分の被っていた帽子を被せ、背を向けた

彼女の慟哭が

蝉時雨の中に消えた

漣「きんもーっ」

提督「すまん取り乱した。まぁそういう訳であきつ丸の儚げな感じにとてもしっくり来るんだ」

漣「アッキーが儚げとか何の冗談でやがりますか?」

提督「違うか?」

漣「……バレンタインデーに何て言われたか覚えてます?」

提督「えぇっと――」

~~~

あきつ丸「バレンタインデー、でありますか。自分は何も用意していないであります」

あきつ丸「が、ホワイトデーは期待しているであります」

~~~

提督「――だったか」

漣「……儚げ?」

提督「……いやでもホラ食堂で隅っこの方でご飯食べてる感じとか――」

漣「それ以上いけない」

提督「はい」

漣「最近は摩耶さんとかが気に掛けてよくつるんでますしね」

提督「あぁ、それでよく一緒にいるのかアイツら」

<ガチャ

愛宕「ぷぁんぷぁかぷぁーん!」

摩耶「おっす提督ー!」

あきつ丸「お、お二人ともやめるであります!!あっ……」

提督「……」

漣「……マジか」

愛宕「二人の服を交換してみたの♪」

摩耶「どうよ」フンス

あきつ丸「あう……あ、あんまり見ないで欲しいであります提督殿……」モジモジ

提督「……うん、どっちも似合うわ」

漣「想像以上で何も言えねえ……」

摩耶「だってよ!じゃあ今日一日このままな!」

あきつ丸「そんな!?」

<バタン

『憧れ』おしまい

『構って構ってほしいの』

提督「さて、任務一覧を――」

大淀「ディーフェンスwwwwwwwwwwwディーフェンスwwwwwwwwwwwwww」左右スライド

提督「あの、邪魔なんでどいてもらえます?」

大淀「ディーフェンスwwwwwwwwwwwディーフェンスwwwwwwwwwwwwww」左右スライド

提督「……工廠に行ってきますから、デイリーの開発任務チェック入れといて下さいね」

大淀「あっ……」

<バタン

加賀「提督が構ってくれない?」

大淀「はい」

加賀「思い当たる節しか無いわね」

大淀「そんな!こんなに一生懸命なのに!」

加賀「いくら頑張っても向かう先が違えばどうしようもないのよ?」

大淀「やーだー提督に構って貰えなきゃやーだー」ジタバタ

大淀「と言う訳で何かいいアイデアはありませんか加賀さん」

加賀「そこで丸投げするのは問題外だと思うのだけれど」

大淀「楽出来るに越した事は無いじゃないですか」

加賀「貴女ふざけてるの?」

大淀「真面目も真面目、大真面目です」

大淀「このままじゃただ『任務選択画面で邪魔するヤツ』になっちゃうんですよ私!」

加賀「今でも充分だと思うのだけれど」

大淀「せめて『任務選択画面でしか会えない天使』くらいになりたいんですよ私!」

加賀「高望みにも程があるわね。身の程を弁える事を覚えた方がいいわ」

大淀「そんな!加賀たんのお悩み相談室~おはようからおやすみまで~も大した事無いですね!」

加賀「私が怒らない内に部屋を出た方がいいわ」

加賀「あと加賀のお悩み相談室よ。変な名前にしないで頂戴」

<バタン

大淀「……」ボーッ

大淀「……」ゴロゴロ

響「……」ピョーンピョーン

大淀「あ、響ちゃなんで鍋被ってるの?」

響「被りたいから被った。それだけさ」

響「それよりもどうしたんだい?波止場でゴロゴロしてるなんて珍しいじゃないか」

大淀「んー……悩み事」

響「驚いたね。大淀さんにも悩み事なんてあるんだ」

大淀「失礼な。戦えない艦娘は戦えない艦娘で悩みがあるんだから」

響「気にし過ぎだよ。戦えなくても大淀さんは私達の仲間だよ」

大淀「……ありがと」

響「だいぶ深刻みたいだけど、私で良かったら聞こうか?」

大淀「じゃあお言葉に甘えて……最近提督が構ってくれないの」

響「ハラショー」

大淀「え?」

響「何でもないよ。でもそれも当然じゃないかな」

大淀「あ、響ちゃんもそう思うんだ」

響「うん」

大淀「……どうすればいいかなぁ……」ゴロン

響「私が思うに、大淀さんのサービスが足りないんだと思うよ」

大淀「サービス?」

響「クリックした時に乳揺らすくらいの事はしないと」

大淀「待って何かギリギリの発言だと思うんだけどそれ」

響「そうかな?配信元は一緒だから大丈夫だと思うよ」

大淀「えぇー……」

響「試しにやってみればいいよ」

響「ついでに明石さんにもやらせれば司令官だってじゃぶじゃぶかk――」

大淀「ストップ」

響「おっと、失礼」

大淀「でもその……お、胸を揺らすなんて恥ずかしいし」

響「そんな格好して何言ってるの?」

響「っていうかそんな格好して何言ってるの?」

大淀「制服ですー!私じゃない誰かが決めた制服ですー!」

響「本当に嫌なら下にスパッツくらい履くんじゃないのかな」

響「そんなスカートを制服だからって真面目に着ようとか、どうかしてると思うんだ」

大淀「」

響「ほら練習するよ。クーパー靭帯の事なんて忘れるんだ。いいね?」

――

提督「さて任務一覧を――」

大淀「……」ピョーンピョーン

提督「……今度はマサイ族の真似か何か?」

大淀「うわああああああああああああああああああああああああああああん!!!」ダッ

提督「あっこら待ちなさい!廊下は走ると危ないぞ!」

大淀「恥ずかしいの我慢してやったのに!」エグエグ

響「残念だったね。司令官は脚フェチ……具体的には太ももフェチだからね」

大淀「知っててやらせたのか貴様ァ!!」

響「不死鳥の名は伊達じゃないよ」

『構って構ってほしいの』おしまい

明石「ど、どうぞよろしくお願い致します!」タプン

提督(跳ねるのが流行ってるのか?)

『構って構ってほしいの』おまけ・おしまい

本日はここまで

『ドーナツホール』

巻雲「司令官様。巻雲、司令官様との約束をひとつ破ってしまいました」

巻雲「勝手に工廠を使っちゃいましたけど、許してくれますよね」

巻雲「巻雲にだけ顔を見せてくれるんですから」

巻雲「巻雲は特別ですよね」

時雨「~♪」

由良「あら、ご機嫌ね時雨」

時雨「あぁ、おはよう由良さん」

由良「何の曲かしら?聞き覚えが無いけど……?」

時雨「うん。ボクも知らない曲だよ」

由良「え?」

時雨「夢で聞いた曲なんだ。何となく覚えてるだけだよ」

由良「へぇ……案外昔の曲かも知れないわね」クス

時雨「うん。ちょっと調べてみたいかも」クス

巻雲「ねぇ司令官様」

巻雲「司令官様を忘れた艦娘は裏切り者ですよね」

巻雲「裏切り者を解体しても問題ありませんよね」

巻雲「大丈夫です」

巻雲「もうやっておきましたから」

由良「……ダメね。歌詞で検索しても見つからない」カチカチ

時雨「夢の中だからね。うろ覚えの歌詞じゃ見つからないと思うよ」カチカチ

由良「他に何か覚えている事はない?」

時雨「うーん……あ、そうだ」

由良「なに?」

時雨「木魚の音がしていたのを覚えているよ」

由良「木魚?」

時雨「木魚」

巻雲「だから司令官様。巻雲を褒めて下さい」

巻雲「顔を見せて下さい」

巻雲「声を聞かせて下さい」

巻雲「巻雲が全部」

巻雲「全部忘れてしまう前に」

提督「木魚?」

時雨「うん。この鎮守府に無いかな?」

提督「探せばあるかもしれんが……なんでまた」ガサゴソ

由良「時雨の夢を再現しようと思って」

提督「ふむ……お、あったぞ」

時雨「ありがと」

由良「ありがとう。早速叩いて貰っていい?」

時雨「うん。えっと……」ポクッ

時雨「……!!」

提督「……どうした?」

時雨「思い、出した……全部思い出したよ提督」

巻雲「司令官様」

巻雲「いつ帰って来られてもいいように」

巻雲「掃除もちゃんとしてありますからね」

『ドーナツホール』おしまい

『幕間』

提督「カラオケに行くと如月が必ずこっちを見たまま『最強○×計画』を歌います」

提督「誰が吹き込んだのか知りませんが」

提督「最近長月が合いの手を入れて来るようになりました」

『幕間』おしまい

『ヌイ』

提督「頑張り屋さんで 真面目な君の♪」

不知火「不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです」

提督「色々背負い込んじゃう悪い癖 イェ♪」

不知火「期待に応えて見せます」

提督「仕事恋愛勉強将来や夢 他の事もなんもかんも♪」

熊野「イェイイェイ♪」

不知火「まだ航行できますが、ご命令ならば」

提督「胸の真ん中 ピコンピコンさせても♪」

雪風「ヂュワッ」

提督「辛いよって 言えないんでしょう♪」

不知火「なんでしょうか。不知火に落ち度でも?」

提督「しかもそういう時に限って何を やってもダメだったりする♪」

提督「あれもこれもちゃんとしなきゃで どれもこれもうまくいかないなら♪」

提督「じゃあとりあえず僕と バカらしい話でもして笑おう♪」

<ガチャ

不知火「お呼びですか、司令」

提督「たまにゃ抜くトコ 抜いてみたり 気張んのやめてさ♪」

熊野「や め て さ♪」

不知火「あ、あの、司令?」

提督「君の弱さ預けて 欲しい僕が ここに居るんだよ♪」

雪風「オーウォウォウ」

提督「頑張る君は すごく良い 泣いちゃう君もさ♪」

熊野「だ い す き♪」

提督「お互いに適度に 甘えられればいいね♪」

不知火「司令!どうしたのですか司令!ねえさ、姉さん!ねえさーん!!」

<バタン

『ヌイ』おしまい

『相談2』

加賀「そう……それは辛いわね」

龍田「うん……所で加賀さん?」

加賀「なにかしら?」

龍田「どうして飛行甲板の陰に隠れてるのかなぁ?」

加賀「寝違えてしまったの。気を悪くしたならごめんなさい」

龍田「初代フロントミッションの防御体勢みたいだねぇ」

加賀「決して龍田さんの事が怖い訳では無いわ。えぇ決して」

龍田「ふぅん……」

加賀「……」ドキドキ

龍田「よかったぁ……加賀さんにまで怖がられてたらどうしようかと思っちゃったぁ」

加賀(危なかった……ッ!!)ドキドキ

加賀「――という訳で第二回、姉離れしたいとは思わないけどコミュの狭さを指摘された艦娘の集い」

加賀「題が長いので短くしてみました。私の妹がこんなにコミュ狭。始めたいと思います」

加賀「今回はゲストに龍田さんをお呼びしました」

龍田「お邪魔しますねぇ?」

比叡「……」ソワソワ

山城「……」キョドキョド

千代田「……」チラッチラッ

筑摩「姉さんがいるから大丈夫……心にいつも利根姉さん……」ブツブツ

瑞鶴「うわぁ」

龍田(やっぱり怖がられてる)ションボリ

加賀「龍田さんをお呼びしたのは、彼女から受けた相談の解決策の一つでもありますから」

加賀「皆さんもご協力、よろしくお願い致します」

瑞鶴「協力って?」

龍田「えっとねぇ、私、なんだか皆に怖がられてるみたいで」

比叡(やばい)

山城(下手な事を言ったら)

千代田(明日を迎えられなくなる)

筑摩(利根姉さんを数えて落ち着くのよ筑摩……)

龍田「それで、そのぉ……誤解を解いていきたいなぁって思ってるの」

瑞鶴「なるほどねぇ。遠征メンバーの朧ちゃん達からよく話を聞くから何とも思わないけど」

加賀「そうなの?」

瑞鶴「……加賀さんちょっと耳貸して」

加賀「?」スッ

瑞鶴「まさかとは思うけど、龍田さんが怖いから私を呼んだとかじゃないわよねぇ?」

加賀「そんな滅相も無い。けどもし仮に万が一そうだったらどうするの?」

瑞鶴「あ、瑞鶴用事思い出したから帰るね(棒)」

加賀「待ってこの穴埋めは必ずするから一緒にいて頂戴」ガシッ

瑞鶴「やっぱりか!!」

比叡「ややややだなぁ龍田さんを怖がる輩なんてウチに居る訳無いじゃないですか」ヘッヘッヘ

山城「もしいたとしたらそいつはモグリですよ」ヘッヘッヘ

千代田「見事なゴマスリね」

瑞鶴「うわぁ」

筑摩「利根姉さんが五十人……利根姉さんが五十一人……あ、手が震えてきたわ」

龍田「あのぉ、筑摩さんは大丈夫なのかしらぁ?」

比叡「すいまっせんすぐどかしますから!」ガッ

山城「龍田さんの視界にゴミ入れてすいませんっしたぁ!!」ガッ

瑞鶴「比叡さん、山城さん。ちょっと静かにしてて」

加賀「そうよ。龍田さんの機嫌を損ねたらどうするの」

瑞鶴「オイコラ焼き鳥屋」

龍田(やっぱり怖がられてる)ションボリ

千代田「そもそも公式サイトの説明からして『怒らせるとちょっと怖いヤンデレ風味な軽巡』だし」

千代田「怖がられるのも無理ないんじゃないかなぁ」

比叡「龍田さんの事!煽らないでぇーい!」

山城「次何か言おうとしたらその口を縫い合わせるわよ!」

龍田(あれ?この人達の方が危ないんじゃないかな?)

筑摩「あれ?利根姉さんかしら?いや違うわね。利根姉さんはもっとヴァーって輝くものね」

山城「アンタは何が見えてるの……」

加賀「飛龍もたまにこうなってるわね」

瑞鶴「なんか、ごめんね龍田さん……折角相談しに来てくれたのに……」

龍田「……んーん」

龍田「なんだか、こんな事で悩んでるのが馬鹿らしくなっちゃったかなぁ?」ニコ

『相談2』おしまい

――執務室

提督「どうした龍田?」

龍田「んー?なぁに?」

提督「いや、機嫌良さそうだからな。何かいい事でもあったか?」

龍田「えーっとねぇ……内緒♪」

提督「……そうか」

龍田「ところで提督」

提督「なんだ」

龍田「ここ三階だけど、窓の外に誰かいるように見えるのは気のせいかなぁ?」

提督「あぁ、お前にも見えるのか……」

まゆ「……」ニタァ

龍田「ひっ」

『相談2』おまけ・おしまい

『幕間』

提督「鳳翔さんにサンタクロースは実在しないって教えたヤツ」

提督「怒らないから正直に手を挙げなさい」

『幕間』おしまい

『花と太陽と雨と』

響「司令官の世界をゲームで再現しきれないのと同じで」

響「私達の世界もゲームで再現しきれない」

響「でもそれだけじゃないんだ」

響「私達の世界には過去が無い」

響「どうして自分がいるのかすら解らないんだよ」

北上「聞いたよ。前の北上の事」

北上「ケッコン……してたんだよね?」

北上「その……アタシが代わりになれるかは判んないけど、さ」

北上「頑張るから、改めてよろしくね」

巻雲「ねぇ司令官様?」

巻雲「巻雲、待つのに疲れちゃいました」

巻雲「だから、そっちに行っていいですか?」

巻雲「いいですよね?」

巻雲「巻雲、司令官様に会えるなら何だってしちゃいますよぉ」

時雨「ボクは何度も沈んだ」

時雨「沈んではあの日に逆戻りして」

時雨「また沈んでは戻って」

時雨「あの夢と関係があるのなら」

時雨「ボクは何をしてでも知る権利がある」

響「どうして他の世界のような過去が無いのかな」

響「他にもこんな世界はあるのかな」

響「第四の壁を壊してしまってから」

響「私は怖くて仕方ないんだ」

響「アニメや小説になっても尚」

響「自分の正しい過去を知らないんだから」

「ねぇ司令官」

「この手を離さないでよ」

「私達だけじゃ未来に歩いて行けないから」

『花と太陽と雨と』おしまい

『夢で』

長門「……如月、そろそろお前も休め」

如月「嫌です……吹雪さんが目を覚ますまで、ココにいます」

長門「如月……」

長門「勝手にランニングに付き合って気絶したのは吹雪の方だぞ?」

如月「そんなもやしっ子から目を離す方が危ないじゃないですか!」

長門「ダメ艦娘に母性をくすぐられるんじゃない」

吹雪「……んん……」

如月「!」

長門「!」

吹雪「……あっさりー……」

長門「……寝言か」

吹雪「……しっじみー……」

如月「どんな夢を見てるんでしょうね……」

吹雪「ハマグチさん逃げて!」ビクンビクン

長門・如月((どんな夢見てるの――!!))

『夢で』おしまい

『デの人』

如月『如月のこと……忘れないで……』

??「ジャスト ア モォメントプリイイイイイイイイイイイイイイイイイズ!!」

如月「!?」

??「ッブネーもう少しで世界の宝が一つ消えちゃうところだったぜッブネー!!」ザバァッ

??「ゴメンネー俺ちゃん水の上歩くのとか初めてだから遅くなっちゃったゴメンネー!」

如月「ゲホッ!ゲホッ!」

??「あぁー大丈夫かい愛しのマイエンジェルちゃん肺に水とか入って無ーい?」

??「なんちゃってこれジャッパニーズジョークじゃないからねホントに心配してるんだからね!」

如月「あ、アナタが……如月を助けてくれたの……?」

??「イエッスアイアム!!俺ちゃんの名はデッドプール!キミの未来の旦那様!」キラッ

※妻帯者です

デップー「あ、名前長い?これでいい?」

デの人「いやこれは無しで頼むよ。デストロンみたいになっちゃうから」

如月「えーと……?」

デップー「あ、如月ちゃんもデップーって呼んでいいからねーん」

デップー「ついでに服もボロボロだからタオル掛けておこうねー」バサッ

如月「た、助けて下さって、ありがとうございます……?」

デップー「いえいえアヴェンジャーズとして当然の事をしたまでです」キリッ

如月「あ……艦娘じゃないのに海の上に立てるなんて……」

デップー「もぉーやーだぁーもっと褒めてもっと褒めてー」クネクネ

デップー「いっぱい練習したんだからーん」クネクネ

デップー「出来れば夢喰いの方の如月ちゃんボイスでもっと褒めてー」クネクネ

如月「えぇっと……?」

デップー「むっ!?」

チ級「……」ザザ

ヌ級「……」ザ

デップー「あ、そうだ。前に俺ちゃんのサイン欲しがってた人見てる?」イェーイ

如月「深海棲艦……!さっきの戦いで集まって来たのね……!」ガチャ

デップー「……」スッ

如月「デップーさん……?」

デップー「レディが無闇に拳を振り上げるモノじゃないぜ……」

デップー「来いよ深海棲艦!十秒でケリつけてやるぜ!」

如月「な、何言ってるのデップーさん!」

デップー「フォームチェンジ!!」バッ

デップー「戦闘描写が書けない素人SS作者具体的に言うと>>1が書いた俺ちゃん!!」

<完全勝利 S

デップー「……フッ」

如月「」

デップー「フォームチェンジ。いつもの俺ちゃん」

デップー「さぁー邪魔者もいなくなったし本題に移ろうか如月ちゃん」

如月「え?あ、はい」

デップー「如月ちゃんね、さっき轟沈しそうだったじゃない?」

デップー「車三つにサンズイヘンに……最後の何だコレ?まぁいいや」

如月「はい」

デップー「それでねー俺ちゃんが助けちゃったのはいいんだけどねー」

デップー「如月ちゃん、このまま鎮守府に戻ってもいい事ないよ?」

デップー「アニメ十話まで見た俺ちゃんが言うんだから間違いないよ?」

如月「えーと……?」

デップー「要するにね?」

デップー「如月ちゃんが立つに相応しい場所があるからね、来てほしいのね」

如月「如月に……相応しい場所……?」

デップー「そう!こんな死と隣り合わせの戦場ではなく!」

デップー「キラキラ輝くステージで歌って踊って皆の心の支えになる!」

デップー「そんな場所に是非っっっっっっとも如月ちゃんをお迎えしたい!」

如月「皆の……心の支え……」

デップー「そう!俺ちゃんとしても是非見てみたい!」

如月「……でも……」

デップー「……そうだね。もうしばらく鎮守府の様子見てから考えてもいいかもしれないね」

デップー「金剛四姉妹が歌って踊るとんでも映像になっちゃうけど」

如月「えっ」

デップー「いやマジで」

――数日後・CGプロダクション事務所

モバP「――と言う訳で新人の如月さんです」

如月「ご紹介に預かりました、如月……エリと申します」

如月「皆さんどうか、よろしくお願い致します」フカブカ

フユノ「ようこそ、CGプロダクションへ」

ちひろ(私のセリフ……)

未央「かーわーぅいーいー」スリスリ

如月「ふぇぁっ!?あ、あの!?」

('A`)「あれ?デッドプールさんは?」

モバP「あぁ、また何処かに行ったよ」

『デの人』おしまい

『幕間』

扶桑「山城、大丈夫?」

扶桑「ファ●通の攻略本よ?」

『幕間』おしまい

『おしゃれ』

金剛「好!提督ゥ!」ガチャ

提督「どうした金剛……お、メガネなんて珍しいじゃないか」

金剛「眼鏡店の店員さんにオススメされたアル。伊達ヨ?」

金剛「どうアル?色はちょと冒険してピンクにしたネ。似合うアルか?」クイッ

提督「似合う似合う。太いフレームのせいか、なんか新鮮でいいなぁ」

金剛「んふふ~♪」ニマニマ

金剛「ちょっと比叡達に自慢してくるネ!再見!」

金剛「八発破~八発破~♪」

青葉「あ、金剛さんご機嫌ですねぇ」

金剛「好!青葉!」

青葉「おっとぉ、オシャレな老眼鏡ですね!」

金剛「不!!」ガッ

青葉「鉄爪不可避!!救命阿ッッッ!!」

『おしゃれ』おしまい

――

ギャラクタ「ねぇねぇノヴァ!この艦娘ってのに会ってみたいんだけど!」キラキラ

ノヴァ「……まぁ、いつも世界を救って貰ってるから、少しくらいいいでしょう」

ギャラクタ「やたっ!」ピョン

ノヴァ「随分はしゃぐのね」

ギャラクタ「だって!あのゲームの資材って美味しそうなんだもの!」

ギャラクタ「それに赤城さん……カロリー高そうよねぇ……」ウットリ

ノヴァ「前言撤回。やっぱりダメよ」

ギャラクタ「 boo !! 見るだけ!見るだけだから!」

『デの人』おまけ・おしまい

『カラオケ3』

子日「子日!暁ちゃん達とカラオケの日!」

比叡(掌に人と書いて飲みこむ……掌に人と書いて飲みこむ……)サッサッ

鬼怒「比叡さん、大丈夫?」

比叡「んづぁ!大丈夫大丈夫!」ビクッ

<テレレテッテッテッテ♪

雷「一番は私からね」

暁「いつも入れるの早いわねー……」

電「コード番号覚えてるのです……」

響「ハラショー」ブクブク

鬼怒「響ちゃん、ブクブクしない」

雷「何食わぬ顔して違う女の 話をしないで♪」

比叡「えっ」

鬼怒「えっ」

雷「少し優しさが 足りなんじゃない♪」

雷「悲しい事辛い事ある時だけ 甘えてこないで♪」

雷「私はアナタのママじゃないのよ♪」

鬼怒(あれれー?なんかいつもとイメージが違うぞー?)

比叡(背中を押してくれてありがとうございます加賀さん!新たな発見がありました!)

雷「アイアイアイアイ愛してると 繰り返し 言ってるじゃーない♪」

雷「アイアイアイアイ愛が足りない ふざけないでわがまま すぎる♪」

雷「だいたい実は男なんて 甘ったれで情けなくーて♪」

雷「だいたいいつも男なんて 自分勝手で 頭にくーるー♪」

鬼怒(雷ちゃんってこんな子だったっけ?)

比叡(雷ちゃんってこんな子なんだ)

――

提督「……なんだ二人して?」

鬼怒「提督って普段、雷ちゃんにどう接してるの?」

提督「どうって、普通に接してるだけだが……何かあったのか?」

比叡「ちょっとやさぐれてた気がします」

提督「え、マジで?」

『カラオケ3』おしまい

――

玄武「なぁ朱雀。ロキを封じた仮面見てないか?」

朱雀「何よー、また私がどっかやったって言いたいの?」

玄武「いや、そういうつもりでは無いのだが……」

朱雀「あの後色んな映画の世界を巡って……あれ?」

玄武「やっぱり貴様かぁ!!」

朱雀「ゴメンナサイ!!」

『もっと』おまけ・おしまい

『#82』

離島棲鬼「……」カタカタ

南方棲鬼「ただいまー、アイス買って来たけど食べる?」ガサガサ

離島棲鬼「おかえりなさい姉さん。頂くわ」

南方棲鬼「あれ?縫い物してないなんて珍しいわね?」

離島棲鬼「今は資料を集めてるの」カチカチ

南方棲鬼「ふーん。なんだっけ?艦これ?」ペリペリ

離島棲鬼「今は別よ」ペリペリ

南方棲鬼「ふーん」パク

離島棲鬼「……」パク

離島棲鬼(そういえば最近ログインしてなかったわね……)カチカチ

離島棲鬼「あら……?」

離島棲鬼(母港画面に誰も表示されない……?バグかしら?)カチ

離島棲鬼「……うそ……垢ハックされたの……?」

離島棲鬼「艦娘が一人もいないなんて――」

巻雲「司令官様ぁ♪」

『#82』おしまい

『海』

時雨「――っていう夢を見たんだけど、どうかな?」

秋雲「……」

時雨「秋雲?」

秋雲「ひとつ、確認しておきたいんだけどさ」

時雨「ん、何かな?」

秋雲「これ、本当に夢の話なの?」

漣「ご主人様ー!どんだけ青葉好きなんですかもう十人目ですよご主人様ー!!」

伊58「秋雲ちゃん、遊びに来たよー!」ガチャ

提督「 many 青葉」

秋雲「おやいらっしゃい」カリカリカリカリ

漣「意味が違いますよご主人様ー!」

伊58「あ、お絵かきの最中だったの?何描いてるの見せて見せてー」キャッキャッ

高雄「バカめ!!この愚か者め!!」

秋雲「今ちょうどゴーヤちゃん達を描いてた所だよ」

響「ハラショー。あ、次の巻どこだい司令官」

大淀「どけどけー」

秋月「どうしましょうあきつ丸さん!パイナップルの缶詰もらっちゃいました!」

明石「どけどけー」

俺「イク掘り」

あきつ丸「道具を使わず開けられるようになれば一人前であります」

山城「はいはい不幸不幸」

天城「あの、ですから天城は赤城さんの姉ではなくてですね……」

伊58「また山城さんのぼうけんのしょだけ消えてる……」

赤城「姉さんが忘れてるだけです」

時雨「……もしも、さ」

時雨「今話した事が全て事実で」

時雨「ボクが色んなパラレルワールドを旅してきたとして、さ」

時雨「秋雲は……信じてくれるの?」

秋雲「んー……」

秋雲「信じるよ」

秋雲「目の赤い時雨なんて、ウチにしかいないもんね」

『海』おしまい

『相談3』

高雄「最近、どうも影が薄いような気がして……」

高雄「昨日も出撃メンバーに選ばれたら『誰だっけこの人』みたいな目で見られるし……」

加賀「考えすぎじゃないかしら?」

加賀「高雄さんはこの鎮守府を支えてきた古参の一人よ」

加賀「そんな方を尊敬こそすれ、知らないなんてありえません」

高雄「……ありがとう。少し、恥ずかしいわね」クス

――

加賀「私の妹がこんなにコミュ狭。第三回を始めたいと思います」

加賀「今回のゲストは高雄さんです」

高雄「こんにちは、高雄です。お邪魔しますね」ニコ

比叡「ようこそ!」(知らない人だ)

山城「いらっしゃい。まぁ掛けて下さい」(知らない人だ)

千代田「新入りさんかしら?よろしくね」

筑摩「利根姉さんの良い所、たくさん知ってもらいたいですね」

高雄「」

加賀「……」ハァ

加賀「高雄さんはこの鎮守府の古参の一人よ?」

千代田「え、そうなの?」

比叡「そそそそうですよ千代田さん!知らなかったんですか!?」

山城「あ、そういえば食堂で会った事があるような……」

加賀「山城さんまで」ハァ

加賀「申し訳ありません高雄さん」

高雄「いえ、加賀さんが謝るような事では」

加賀「いえ、このままでは愛宕型の皆さんにも申し訳ありませんから」

高雄「ぶつわよ」

<ガチャ

瑞鶴「ごっめーんちょっと遅れちゃった」

高雄「そこで言ってやったんですよ」

高雄「『バカめ!この愚か者め!』って」ケラケラ

比叡「馬鹿も休み休みイェーイ☆」ケラケラ

筑摩「あはははは!うふ!あはははははは!」

山城「ヒック……だからよぉ~扶桑は俺の嫁っつってんじゃねぇかよぉ~なぁ提督ぅ~」

加賀「わかるわ」

千代田「ZZZ……」

瑞鶴「なんだこれ……あ」

瑞鶴「こんな時間からお酒呑んだの!?」

『相談3』おしまい

『幕間』

フユノ「バカな子ね」

フユノ「怪物になってまで司令官に会いに来たって、どうにもならないのに……」

フユノ「……おやすみなさい、巻雲さん」

('A`)「……先輩、ちょっと気になったんすけどね」

フユノ「何かしら?」

('A`)「この巻雲、どうやってコッチに来る方法を知ったんでしょうね?」

フユノ「……調べるしかないわね」

('A`)「ウス」

『幕間』おしまい

『潜水艦を発見』

あきつ丸「潜水艦など自分がいれば近づけさせないのであります!」

あきつ丸「多分!」

伊19「あ、あきつ丸さんなのーおっすおっすー」

秋月「提督!大変です!あきつ丸さんがサブマリンデストロイモードに!」

提督「大鯨が共鳴する前に止めるぞ!来い武蔵!」

武蔵「あぁ、腕が鳴るな!」

『潜水艦を発見』おしまい

『建てよう』

提督「……」カチカチ

伊勢「……提督、何してるの?」

提督「ブラウザゲー」

伊勢「仕事中でしょうがっ!!」ガッ

提督「アイアンクロウッ!!」

<ガチャ

白露「大変だよ提督!扶桑さんが……扶桑さんが!」

提督「どうした?」

白露「扶桑さんの艦橋がでっかくなっちゃった!!」

提督「うん?」

伊勢「どういう事?」

扶桑「……あんまり自覚は無いのだけれど……」

提督「なんだ、いつも通りじゃないか」

白露「えっ」

伊勢「どうしたのさ白露。大丈夫?」

白露「いやいや明らかに大きいよ!?飛行甲板サイズだよ!?」

白露「部屋に入る時も屈んで入って来てたよね!?」

扶桑「そうだったかしら?」

白露「あれ無意識!?」

扶桑「そんなに変なのかしら?」プルプル

白露「首を右に傾げっ放しは辛いよね?ね?」

伊勢「何言ってんのさ。いつも通りじゃん」

提督「当初から扶桑とあれだけ頑張ってたのにお前……忘れたのか?」

白露「あれだけ頑張ってたからこそ異変に気付いたんだよ!?」

提督「異変って……いつも通りの扶桑だと言ってるじゃないか」

白露「あれー?私がおかしいのかなー?」

伊勢「少し休んだ方がいいんじゃない?」

白露「そうかな……そうかも……」

扶桑「あの、もういいかしら?」

<オヤカター

白露「!?」

白露「やっぱりおかしいって!」

『建てよう』おしまい

『赤城さん:虫歯』

歯医者「痛かったら手を挙げて下さいねー」

赤城「……」スッ

歯医者「まだ何もしてませんよー」

『赤城さん:虫歯』おしまい

『#32』

女「夕子ちゃん、今日もお休みだね……」

友「あぁ。おまけにルリ子まで休みだそうだ」

男「ルリ子?」

友「あぁ、オマエは知らないんだっけ。夕子の姉だよ」

友「アイツらアタシと同じで双子なんだ」

男「へぇ……」

女「夕子ちゃんが行方不明になってるんだもん。学校どころじゃないと思うよ?」

友「そりゃそうだけどよ……アイツ突っ走る癖があるからなぁ……」

男(クラスメイトが行方不明なんて、漫画や小説の中の話だと思ってたんだけどなぁ)

妹1「あ、兄さーん」ブンブン

男「おぉ、どうした?」

妹1「いやぁ、今日ご飯の当番私でしょ?ちょっと買い物に付き合って欲しいんだよね」

男「あぁ荷物持ちね……ハイハイ」

妹1「お礼はするからさ、よろしく♪」

男「……ん?」

男(今見えたの……桐生さんじゃないか?)

妹1「どうしたの?」

男「……悪い、ちょっと先行っといてくれ」タッ

妹1「あ、ちょっと兄さん!?……もうっ」

男(確かこの路地に……)

男「あ」

タ級「……」

男「桐生……さん?」

タ級「……」ニタァ

『#32』おしまい

『屈辱』

如月「見て見て、この輝く肌……この手触り……」スベスベ

如月「すべすべまんじゅう……」スベスベ

如月「すべすべまんじゅう!あはは!すべすべまんじゅう!」スベスベ

タ級「ヤメロ!オ腹ヲ撫デルノハヤメロ!」ジタバタ

タ級「ナンカ恥ズカシイ!!」ジタバタ

如月「あはははは!あは!あはははははは!」ペチペチ

蒼龍「如月ちゃんやめてあげて!」

睦月「あぁなったらもう止められないよ……」

弥生「如月が満足するまで、弥生たちに出来る事は無いです」

タ級「見テナイデ助ケテ!」ジタバタ

『屈辱』おしまい

『例のセリフ:睦月』

睦月「睦月をもっと褒めるがよいぞー♪」

提督「凄いぞ睦月!やったぜ睦月!」

扶桑「睦月様!あぁあやかりたい!」

山城「あやかりたい!」

翔鶴「睦月様わっしょい!」グイ

大鳳「睦月様わっしょい!」グイ

睦月「お、およ?」

わーっしょい わーっしょい

『はい、こちら睦月祭りの会場です!この熱気、伝わりますでしょうか!?』

『このお祭りは数百年前、この海で悪さをしていた妖怪を退治した女神様を祀るお祭りとして――』

『例のセリフ:睦月』おしまい

『例のセリフ:卯月』

卯月「……なぁーんてうっそぴょーん!あははは!」

提督「……」

卯月「あは……」

提督「……」

卯月「も、もぉ~そんなに凹まないでよ司令官っ!」

卯月「そんな司令官には卯月の笑顔で元気を分けてあげるっぴょん!」

卯月「そーれぷっぷくぷー!」

提督「……それも」

卯月「え?」

提督「それも本心じゃないんだろ?」

卯月「じれぇがんがぁ~!!」ウエーン

妙高「言っていい冗談と悪い冗談があります!」

提督「す、すまん卯月!俺が悪かったけど俺が悪いのかコレ!?」

妙高「提督」

提督「はい」

妙高「もし難しい話なら、向こうでいたしましょうか?」

提督「卯月助けて!たっ!卯月!卯月いいいいいいいいいいい」

卯月「何も見てない」

卯月「聞こえない」

『例のセリフ:卯月』おしまい

『塊の解法』

フユノ「誰もいない鎮守府って不気味ね」

('A`)「オマケに生活感残ってんのが何とも……マリーセレスト号じゃあるまいし」

葛霧「何それ?」

('A`)「あぁ、幽霊船の元になった話」

葛霧「怖いのやだー」

フユノ「怪談話はまた今度にして……どう?ドクオ君から見て」

('A`)「どうも何も……どの部屋にも一つは人型のモンがあるのが不気味っすね」

フユノ「何なのかしらね?軍服を着せた物もあったし……」

('A`)「……ここ、提督がいなくなった世界っすよね?」

フユノ「えぇ……あ」

葛霧「?」

フユノ「いやいやそんな、そんな事あってたまるもんですか」

('A`)「可能性としては充分に……っと、ココが巻雲の部屋っすね」

フユノ「えぇ……さて、何が出て来るかしら……」

<ガチャ

('A`)「……」

フユノ「……」

(;'A`)「……なんだこれ」

フユノ「……何これ」

司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様
司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様
司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様
司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様
司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様司令官様

葛霧「こわーい」

(;'A`)「……何があったってんだ……」

フユノ「コレ、全部巻雲が書いたの……?」

('A`)「巻雲の背じゃ届かないところまで書いてありません?……あ、ノートパソコン……?」パカッ

フユノ「何か見つかりそう?」

('A`)「ダメっすね。壊れてます」

('A`)(なんで壊れたパソコンが?)

葛霧「……てーとくっ、この部屋イヤ」

('A`)「!」

('A`)「おう俺もヤダ。すぐ出ましょうほら先輩も」グイグイ

フユノ「へ?ちょ、押さなくてもすぐに――」

('A`)「早くっ!!」

フユノ「ど、どうしたの?」

<バタン

<ガタン ガタン バタ バタ ガタン

フユノ「……」

('A`)「……」

フユノ「……誰かいたの?」

('A`)「誰か、っつか、何かがいたみたいっすね」

葛霧「イヤなの居たー」

('A`)「葛霧、退治できそう?」

葛霧「んー、もう無理かも」

フユノ「逃がしてしまった、という事かしら?」

葛霧「んーん」

葛霧「この建物全部がイヤなのになっちゃったの」

('A`)「……」

フユノ「……」

葛霧「ほら」

('A`)「わぁすごいや。窓の外が真っ暗だ」

フユノ「最近のお化け屋敷はすごいのね」

葛霧「現実逃避はよくないよ?」

<バタン バタン ドタン

「提督ですか提督ですね大和ですお会いしたかったです大和です」ドンドン

「ヘイ提督ゥ会いたかったデース早く顔を見せて欲しいデース」ドンドン

(;'A`)「巻雲の部屋から色々聞こえて来てるんすけど」

葛霧「耳を貸しちゃダメだよ?」

フユノ「……御姉様?」

(;'A`)「ちょおおおおおおお先輩あきませんって!しっかりしてつかぁさい!!」グググググ

「霧島ー?そこにいるなら開けて欲しいデース」

フユノ「……」フラッ

(;'A`)「ちょっともうスンゴイ馬鹿力なんだから先輩ったらー!!」グググググ

葛霧「フユノ!目を覚まして!」グググググ

フユノ「……」グググググ

<ポクッ

(;'A`)「……」

(;'A`)「……は?」

フユノ「……あれ?私は……」

葛霧「……よかった、イヤなのいなくなったよ!」

時雨「間に合ったみたいでよかったよ」スッ

('A`)「時雨?」

時雨「初めまして、別世界の皆さん……で、いいのかな?」

フユノ(目が赤い……?)

時雨「ノヴァさんから頼まれてね。助けに来たよ」

『塊の解法』おしまい

『ののの』

('A`)「えーと、つまり……」

('A`)「この世界の提督がいなくなったのをいい事に、妖怪が艦娘達を惑わせた上」

('A`)「他の世界と繋がってる事を知って侵攻しようとした、と」

時雨「惑わせたと言うより、狂わせた、と言う方が正しいかな」

時雨「ねぇ大国主様?」

大国主『そりゃオメー、いなくなったはずの人が目の前に現れたら狂うだろ常識的に考えて』

フユノ「木魚が喋った!?」

('A`)「……あのー、その木魚って別世界の島村さんが持ってたモノとは別物で?」

時雨「うん?」

大国主『あ、もしかして少彦名のヤツ?』

(;'A`)「なんで二人して木魚なんすか!!」

大国主『いやぁ何でだろうなぁ。生身の身体が邪魔だから何とかしろって言ったんだけどさぁ』

大国主『これじゃ農業できねぇじゃねぇかって』ケラケラ

フユノ「ドクオ君、説明してもらっていいかしら?」

(;'A`)「え、あー、はい」

フユノ「日本神話の神様……」ポカーン

葛霧「フユノさん面白い顔ー」キャッキャッ

大国主『農業の神様ですシクヨロー』

(;'A`)(それだけじゃない上に軽い……!!)

大国主『まぁー俺自身そんな堅っ苦しいのヤだけどね。土いじりして遊んで暮らしたい』

時雨「またそんな事言って……」

時雨「ねぇドクオさん。ボクはその島村さんって言う人にお礼を言いたくて世界を周ってるんだけど」

時雨「知り合いなのかな?」

('A`)「知り合いと言うか最終兵器というか……」

葛霧「あるてまうえぽんだよねー」

時雨「?」

大国主『それよりどうすんのこの世界?提督と艦娘の存在が空っぽになっちゃってるけど』

フユノ「えぇと……?」

時雨「どういう事?大国主様」

大国主『これまで艦娘と深海棲艦で保ってた世界のバランスが一気に崩れてるんだわ』

大国主『なんつーかなぁ……生物で言うと抗体が全滅した状態』

(;'A`)「大惨事じゃないっすか!」

大国主『おう。このままじゃ世界の狭間から怪物が流れ込んできて巣にされちまうぞ』

大国主『一応人間っていう住民も大量にいるからな。エサにも事欠かんだろうし』

フユノ「この世界に艦娘を呼び戻せばいいって事かしら?」

時雨「この鎮守府の工廠はまだ動くみたいだから、簡単そうだね」

大国主『提督役はどうすんだ?』

葛霧「それなら大丈夫!」

フユノ「適任者がいるわ」

('A`)「やめてコッチ見ないで!」

フユノ「世界の危機を救うチャンスよ?」

('A`)「帰れないの確定じゃないですか!やだー!」

大国主『いや坊主にゃ無理だな。そこの九十九神との結び付きが強過ぎる』

葛霧「私?」

大国主『うん。あくまで艦娘と深海棲艦でバランスを取らんとね』

フユノ「葛霧の力が入るとバランスが崩れる、と」

大国主『そゆこと』

('A`)「……」ホッ

時雨「でも、じゃあどうすれば……」

大国主『まぁ誰か適当な人間を連れてくればいいんじゃねぇかな?』

大国主『他の世界から抜けても問題無くて、出来れば心身ともに健康な人間な』

――

「――という訳で貴方にお願いしたいのだけれど」

「……心身ともに健康なのは認めよう。しかァしィ――」

「この世界から抜けても問題無いとは何だ!私がいなくなったらシンちゃんが寂しがるだろう!」

「大丈夫よ。貴方の息子さんからの許可は取ったわ」

「そんなにパパの事が嫌いかシンちゃんッ!!!」

『ののの』おしまい

『提督「怪の塊の海の解法」』おしまい
ひとまずはここまでお付き合いありがとうございました。HTML化は明日にでも……それまでにリクや質問が無ければですが
これまでも度々神様を扱うたびに罰が当たってましたが、次はデカいのが来そうで御座います

さて次回は加賀さんのお悩み相談室にするか総帥の受難にするかどうしようか
ちょっとオマケ

『新人アイドル如月エリちゃん』

肇「初めましてエリちゃん。藤原肇といいます」

薫「かおるだよー!」

エリ「あら、初めまして。お世話になりますね」

薫「ねーねー!エリちゃんの好きな事教えて!」

エリ「好きな事……そうね……髪とお肌の手入れかしら?」クス

薫「あ、髪きれいだもんね!」

エリ「あら、ありがとう♪」

瑞樹「スキンケアは大事よね」ウンウン

洋子「今から肌の手入れを心がけているなんて……将来有望ですね!」ウンウン

肇「お二人とも、なんで隠れてるんですか」

『新人アイドル如月エリちゃん』おしまい

『飲み会でやらかす人は必ずいる』

――夜・食堂

<ガチャ

提督「おーいって酒臭っ!」

千歳「まぁまぁ一杯どうぞ」スッ

提督「飲まんぞ?」

加賀「おう金剛!提督来たぞ提督!」ゲラゲラ

金剛「ヘーイ提督ゥー!!」

金剛「見飽きたネ!!」ビシッ

<ガッハッハッハッハ

金剛「ヘーイ提督ゥ、昨日の夜に何があったデスカー」ドンドンドンドン

金剛「何で私と口利いてくれないデスカー」ドンドンドンドン

金剛「開けて下さいヨー、へーイ。ヘエエエイ」ドンドンドン

『飲み会でやらかす人は必ずいる』おしまい

『アイドルが鎮守府に着任しました』

吹雪「初めまして司令官!吹雪型一番艦の吹雪です!」

春菜「メガネ……この子に似合うメガネ……」ゴソゴソ

春菜「……アナタに似合うメガネを探しに行きますよ!!」ガタッ

吹雪「ええっ!?」

『アイドルが鎮守府に着任しました』おしまい
ネタ切れで御座います。長々とお付き合い頂きありがとうございました
アルアル金剛が妙に気に入ってしまったのでまた遊びたいですね

加賀さんの相談室はコミュ狭な方々の集いがメインになるとか、マジック提督はどうにも終着点が見えないなとか色々ありますが
機会があればまた
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422179786/

-扶桑, 北上, , 若葉, 時津風