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吹雪 叢雲 磯波 明石

【艦隊これくしょんSS】叢雲「体が縮んだわ」

2016/12/26

叢雲「はぁっ……はぁっ……!」

叢雲「……ふぅ、やっと、撒けた、かしら」

叢雲「白雪はもう、諦めて――」

白雪「あは、むらくもちゃん見ーつけた。ふふ、探したよぉ……?」

叢雲「ひぃやあああああああああっ!?」ダッ

白雪「ふふ、また鬼ごっこ? いいよ、動けなくなるまで一緒に遊ぼう……ううん」

白雪「――動けなくなっても、たくさん遊ぼうね」ニッコリ

叢雲(ぴぃいいいいいいいいいいいいいい!!)
叢雲(追いつかれたらっ、ヤバいっ! 今の白雪はっ、とにかくっ、ヤバいっ!)

叢雲「ああ、もう……!」グスッ

叢雲(何故、私が今、白雪に追われているのか)

叢雲(そして何より何故、こんな――)

叢雲(――こんな、体が縮むなんていう怪奇現象が起こっているのか)

叢雲(事態は、一時間くらい前に遡る)
〜一時間前〜

叢雲「――よし、これで今日の仕事は終わりね」

叢雲「駆逐艦叢雲、休憩入らせてもらうわよ、提督」

シーン

叢雲「……はぁ。当の司令官様はいつものようにどっかに遊びに行ってるし」

叢雲「ったく、私は艦娘、事務員じゃないってのに……」

叢雲「――ん?」

叢雲(『何人たりとも絶対に開けるべからず!』……?)

叢雲(コレは……栄養ドリンクかしら)

叢雲「……普段執務を代わりにやっているのだもの。これくらい貰っても、バチは当たらないわよね」

叢雲「ちょうど喉も渇いているし、疲れてるし」

叢雲(それにちょっと、興味もあるし)

叢雲「……いただきますっ」

ゴクッ
ゴクッ
ゴクッ

―――

叢雲(そして今に至る、と)

叢雲(あんな薬を作らせたのは提督で、作れるのは明石さんか夕張さんくらいしかいないはず)

叢雲(とにかく今はその三人を探さないと……)キョロキョロ

叢雲「よし、白雪はいないわね。多分、まだここは安全な……」

「――あれ、叢雲?」
言い忘れてましたがキャラ崩壊注意です
特に艦娘間の呼び方とか口調とか大分適当です
叢雲「ひっ……!?」バッ

吹雪「そんなに距離取らないでも……ってあれ、叢雲ってこんなちっちゃかったっけ……?」

叢雲「ちっちゃい言うんじゃないわよっ!」

吹雪「あ、よかった。やっぱりいつもの叢雲だった。ねね、どうしてそんなことになってるの?」

叢雲「これは……ちょっと、明石さん製(多分)の薬を飲んだらこうなっちゃって……」

吹雪「……なんでそんなヤクいブツ飲んじゃうかなぁ」

叢雲「あの時のわたしはどうかしてたのよ……」
叢雲「それで、提督か明石さんか夕張さん見なかったかしら?」

吹雪「うーん……ゴメン、見てないと思う。何せあの人たち、どこにでも湧くからねぇ」

叢雲「そう……」シュン

吹雪「」ムラッ

吹雪「……む、叢雲。用が終わったんなら、ちょっとこっち来てもらってもいいかな……?」

叢雲「? いいけれど……なに?」

吹雪「……か、かわいいぃ」

叢雲「は?」
吹雪「可愛い過ぎるよ叢雲ぉおおおおおおッ!!」ガバッ

叢雲「は、え、ちょっ!?」

吹雪「わーホントちっちゃい! あったかい! お肌ぷにぷに!」サワサワ

叢雲「やっ、この、どこ触って……!」ジタバタ

吹雪「いつもなかなか甘えてくれないからねぇ、叢雲は。むらくもの時くらいお姉ちゃんに思う存分甘えていいんだゾ☆」

叢雲「ウザいキモい暑苦しい鬱陶しい! このッ……離れなさいって、の!」

吹雪「むっふふ〜、そのちっちゃいあんよじゃ幾ら蹴ってもマッサージにしかならないって――」

白雪「――姉、さん?」
叢雲「ひっ……し、しらっ……!?」

吹雪「あれ、白雪。どうしたの?」

白雪「姉さん、むらくもちゃんが嫌がってます。今すぐ離してあげてください」

吹雪「えー、そうかなぁ? 嫌よ嫌よも好きのうちって言うし……」

吹雪「――それになんだか、白雪を見て怯えたみたいに見えたけど?」

白雪「……」ジャキッ

吹雪「……」ガコッ

「「――はぁああああああああ!!!」」
―――

叢雲「……思わずにげてきてしまったわ……」ズーン

磯波「あの……だ、大丈夫ですか?」

叢雲「あら、磯波じゃない……」

磯波「えと、もしかして……叢雲ちゃん?」

叢雲「ふふ、そうよ……よく分かったわね、こんな幼児みたいなのがあなたのお姉ちゃんなんて……」

磯波「だ、大丈夫だよ。私はその、かわいいと思うもん……!」グッ

叢雲「……うぅ」グスッ
磯波「――な、なるほど。そんなことが……」

叢雲「もう踏んだり蹴ったりよ……」

磯波「あ、あはは……でも、吹雪ちゃんや白雪ちゃんの気持ちも分からないでもないかなー、なんて……」

叢雲「……わたし、そんなに甘え下手かしら」

磯波「少なくとも、私たちの誰かに甘えてるのは見たことないかなぁ……」

叢雲(……考えてみれば、確かにそうかもしれない)

磯波「吹雪ちゃんたち、叢雲ちゃんのこと大好きだし」

叢雲「……だからってああも妹扱いされたらたまんないわよ。体がちっちゃくなったってだけで」

叢雲「磯波までアイツらみたいになんなくて助かったわ……」

磯波「あはは。私にとっては、どんな姿でも叢雲ちゃんはお姉ちゃんだからね」

叢雲(磯波は天使ね……)

磯波「――でも」
磯波「ねぇ叢雲ちゃん、ちょっとお願いがあるんだけど……い、いいかな?」

叢雲「なに? 言ってみなさいな」

磯波「その……い、一回だけ! お姉ちゃんって呼んで呼んでみてくれないかな!?」

叢雲「……」

叢雲「は?」

磯波「私って末っ子だから、ちょっとだけ憧れてて……」

磯波「お願い! 一回だけでいいから!」

叢雲「い、磯波? なにを言ってるのかしら? 落ち着いて」
磯波「『磯波お姉ちゃん』って、本当に一回だけでいいから……!」

叢雲「アンタもなんだかんだ吹雪の妹よね……」

叢雲(磯波は嘘を吐くような娘じゃない。多分、一回言えば満足してくれる)

叢雲(けど……)

磯波「むらくもちゃん……!」

叢雲「……えない」

磯波「え?」

叢雲「言えないって言ってんのよぉおおおお―――!!」ダッ

磯波「あっ、む、むらくもちゃん……!?」

叢雲「わたしにもお姉ちゃんのプライドってのがあるんだからぁあああああ――――――!!!」

磯波「」ポツーン

磯波「……あう」
こうして、駆逐艦むらくもの冒険が始まった――

初雪「ん……叢雲……」

叢雲「またアンタはこんな昼間からおこたでゴロゴロして……」

初雪「今日は非番……どう過ごそうと私の勝手、だよ……ふぁ」

叢雲「風邪引いても知らないわよ。ったくもう……まぁ、アンタはいつも通りでよかったわ」

初雪「……あ、閃いた」

叢雲「?」

初雪「むらくも、子ども体温。いい湯たんぽ……一緒に、寝よう」

叢雲「幼児扱いすんなッ!」

不遇の扱い――
深雪「――あ、あはははははっ! む、叢雲どうしたんだよ、そんな可愛くなっちまって!」

漣「ぷっくくくくくく! リアルロリータキタコレ!」

深雪「ふっ……く、やっべ、腹がよじれる……! プフー! もう無理! 我慢できねぇ!」

漣「な、なんも言えねぇwwwww」

叢雲「……」ジャコッ

深雪「うひゃひゃひゃひゃひゃおごぁっ!?」

漣「プークスクス! プークスウボァッ!?」

嘲笑の数々――
古鷹「わぁわぁ、叢雲ちゃん、すっごくかわいいよ!」ギューッ

加古「お、おい古鷹、そのくらいで……」

叢雲「ふ、ふるたかさん……く、くるし……」

古鷹「ああもうっ、ウチの娘にしちゃいたいくらいだよ……! こんなっ、もうっ、こんなっ!」

加古「……ダメだこりゃ。スイッチ入ってやんの。あー、悪いけど諦めてくれ、叢雲」

叢雲「そん……な……っ!」

古鷹「加古、ちょっと提督に育児休暇申請してくるね! 大丈夫、五年は獲ってくるから!」

加古「お、そりゃいいや。頼んだぜ古鷹〜」

叢雲(……古鷹さんは、信じてたのにぃ……!)

信頼していた者の裏切り――
叢雲「もう無理、死ぬ……」

五月雨「し、しっかりして、叢雲ちゃん……!」

電「ホットミルク持ってきたのです、五月雨ちゃん!」

五月雨「ありがとう、電ちゃん! ほら、叢雲ちゃん、これ飲んでゆっくり、落ち着こう……!」

叢雲「……ありがとう、二人とも」

電「なにか困ってることはありませんか? 精一杯、力になるのです!」

五月雨「うん、何でも言って! 叢雲ちゃんにはいつも助けてもらってるから、こんな時くらいたくさん頼って」

叢雲「……本当、ありがとうね」グスッ

天使による、温かな休息――
>>21夕張30歳シリーズのむらくもをイメージして書いてます
むらくもは駆けた。鎮守府中を駆け巡った。

そんな数多の試練を越えた先に、いつも通りの日常が待っていると信じて……

そして、遂に――!

叢雲「そこォッ!」バァン!

提督「ぬおっ、何奴!? …………えっと、本当に誰?」

叢雲「やっと、やっっっと、見つけたわよ、提督……! まさか執務室に戻ってたなんてね……!」

提督「……もしかして、叢雲か?」

叢雲「悪かったわねぇ、こんなちっさくなって!」

提督「いや、何でお前小さくなっ……」ハッ

提督「ま、まさか、お前……あの薬を飲んだのか!?」
叢雲「その口振りだと、アンタ、あの薬について知ってるみたいね?」

提督「当たり前だ! アレは私が工廠に依頼して作ってもらったものだからな! 作るのに大和レシピ5回分もの資材を使ったんだぞ!」

叢雲「……へェ」ジャキッ

提督「あれ、叢雲? 何で艤装を展開しているんだ?」

叢雲「……! ……っ、………っっ………!」

叢雲「……すーっ、はーっ……そ、それで? なんでそんなものを作らせたのかしら」

提督「何故、だと? ……クックック、いいだろう。特別に教えてやろう、叢雲よ!」

叢雲(ウッザ)
提督「恥ずかしい話だが、私はモテない。それはもうビックリするほどモテない。雑誌の裏の怪しい宝石とか買ってみたけどやっぱりモテない」

叢雲「仕事しないからでしょ」

提督「……知り合いの提督は言った。『陽炎型と結婚してやったぜ。ヒャッホウ!』と」

提督「――陽炎『型』って何だよ!? 陽炎だけでも最高なのにその姉妹ともってどういうことだよ!? 何人いると思ってんだこちとらカッコカリすら出来てねぇんだぞあァン!?」

叢雲「だからアンタが仕事しないからでしょ!」

提督「……。すまない、取り乱した」

叢雲(こ、コイツぅ……!)

提督「私は考えた。以前ちょろまかした間宮券で朝から甘味の海に浸かりながら、私は考え続けた。そしてある時、思い至ったのだ」

提督「その友人は大層イケメンであった――と」
提督「イケメンであればモテる。これは永久不変の真理だ」

提督「逆に言えば私がモテないのは顔面偏差値が足りていないから、ということでもある」

叢雲「今更ね」

提督「ならばどうするか? 整形は怖い。顔にシリコン入れたり骨削ったりとか、怖すぎて絶対に無理だ」

提督「私は再び考えた。三日三晩、規則正しく生活しながら考え続けた。そして、今度こそ妙案を思い付いたのだ」

叢雲「ねぇだから仕事」

提督「そう――」

提督「今流行りのショタ提督とやらになってしまえば、年上のお姉さん勢にモッテモテになりHな悪戯をされまくるはずだ、と!!」
叢雲「――」

提督「ふふ、ふははははははは! 己の頭脳が恐ろしくなる今日この頃! これで私もリア充の仲間入りだァ!」

提督「……と思っていたのに、まさか一番の敵は味方だったとはな」

叢雲「……そうね」

提督「どうしてくれるんだ叢雲! これじゃ私はエンドレスチェリー、一生童貞のままなんだぞ!?」

提督「貴様、どう責任を――」

叢雲「――黙れ」

ドォンッ!!!
提督「なっ……え、はっ……?」

提督(顔、真横、大穴)

叢雲「薬を飲んだのは確かにわたしが悪かったわ。それは謝っておくわね」

叢雲「……でも、遠征班のみんなが必死に集めてきてくれた資材を、そんなくだらない目的のために浪費するなんて」スッ

提督「ちょ、待っ、叢雲、そこは……!?」

叢雲「前に白雪が言っていたの。『男はコレがあるから皆馬鹿なの』って」

叢雲「ふふ……どうせ使う機会もないのだし」

叢雲「――別に、なくなっちゃっめもだいじょうぶよね?」ニッコリ

提督「や、やめっ―――――!!!」
叢雲「酸素魚雷を、食らわせるわよ」

ゴスッ
―――

明石「工作艦明石、入室しますよーっと」

叢雲「ん、明石さん。待ってたわ」

明石「わ、叢雲ちゃん本当にちっちゃくなってる。ならあの研究は進めて……」

叢雲「……別にいいけど、売る相手は選んでちょうだい。ろくなことにならないわ」

明石「はーい、気をつけまーす。……あれ、そういえば提督はどこに?」

叢雲「あそこで寝てるわよ」

提督「」ピクッ ピクッ

明石「……お、おおう。大丈夫なの、あれ?」

叢雲「ちゃんと手加減はしたわ。しばらくはすごく痛むでしょうけど、一週間もおとなしくしてれば完治するはずよ」

明石「あぁ、なら大丈夫ね。この人なら使う機会とかあるわけないし」

叢雲「まぁ、無理して自分で使ったときの責任はとれないわ」
明石「それで、この明石に何の用です?」

叢雲「その……わたしの姿をもとに戻せないかしら」

叢雲「この姿じゃまともに出歩くことも出来ないから……」

明石「あー……吹雪型の皆さん、偉くはしゃいでたもんねぇ」

明石「んー。しかし元の姿に、かぁ……」

叢雲「もちろん薬を飲んだわたしが悪いのは承知してるわ。無理なら無理って言ってくれていいから」

明石「あ、や、別に無理っことはないですよ? 私にかかれば余裕余裕」

明石「けど、どうせあと何時間もすれば効果も切れるし、無理に戻す必要もないかなぁって」

叢雲「……なるほど」
叢雲(確かにそれなら急ぐ必要もないわね)

明石「――だからあと数時間、その体をしっかり堪能してきなさいっ」ドンッ

叢雲「きゃっ!? ちょっと明石さん、何を……」

白雪「むらくもちゃん」

吹雪「むらくもー」

磯波「むらくもちゃん……!」

古鷹「叢雲ちゃんっ」

叢雲「」

明石「じゃ、後片付けは任せてくださいねー」

バタン

叢雲「」
この後元に戻るまでの数時間、むらくもは吹雪たちに徹底的に弄られて。

その後、初雪が心配するレベルで引きこもったりするのだが、それはまた別の話。

叢雲が引きこもったせいで鎮守府が書類で埋まりかけたりもするが、それもまた別の話。

提督が酸素魚雷にジェニファーと名付け、交際を始めたのはどうでもいい話。

兎にも角にも、叢雲が縮んだこと、そしてそれに関する騒動はこうして収まったのだった――
磯波「……明石さん。そのお薬って予備とか、ありませんか……?」

明石「いらっしゃいませ☆」
おしまい。
叢雲改二の記念で書いてみました。駄文失礼しました。

楽しんでくれた人、どうもありがとうございました。
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