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赤城 加賀 瑞鶴 葛城 雪風

【艦これSS】加賀「後でお説教よ」瑞鶴「…うん、待ってる」【葛城】

2016/12/26

ねぇ、この種は何の花が咲くの?
さぁ、何だったかしら
ふーん。じゃあ何が咲くか楽しみね
あ、前作はこれです。
金剛「ココに居たんデスネ…」提督「…金剛か」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447867145/


─執務室
ダダダダダダ
提督「ん?何だ?」
バーン!
提督「な、何奴!?」
曙「ちょっとクソ提督!あんたまた“第一艦隊”の人達使ったでしょ!!」
提督「くっ…!バレたか…!」
曙「当たり前でしょ!ただでさえギリギリの資源で回して、やっと貯まってきたと思った所だったのに…」
提督「すまん!どうしてもあの海域を解放したくて…!」
曙「またそれ!いくら第一が強いからってやりすぎよ!あの人達の補給整備だけでどれだけ資源消費すると思ってんのよ!」
提督「まだ…行けるかなって」

曙「そうやって当時は有り余ってた資源をバンバン使って、ここまで窮屈にしてくれたのはどこの誰かしらね!?」
提督「で、でもでも…功績は大本営にも評価されてるし…」
曙「ウチが評価されるのは確かに嬉しいわよ!でもだからってこんなカツカツでも良いって訳じゃないでしょ!」
提督「言い返す言葉もない!しばらくは大人しくするから許してくれ!」
曙「そのセリフはもう聞き飽きたわ!結果を出して結果を!」
提督「結果なら出してるぞ」ケロッ
曙「殺すわよ」ギロッ
提督「ヒッ!」
曙「とにかく!もう何回言ったかわからないけど!第一艦隊の出撃はしばらく中止!第一の人達には私が伝えるから!わかったわね!?」
提督「わ、わかった」
曙「はぁ……クソ提督のせいでまた資源貯めなきゃいけないじゃない…最悪だわ…」
提督「まぁ大本営からも短期間でここまで解放したせいか、少しは休めって言われてるからな。休暇がてらゆっくりと資源集めるかぁ」
曙「…それでまた同じ事したらぶっ飛ばすわよ」
提督「わかってるとも!」
曙「ここまで信用できないとは…はぁ…」

コンコン
提督「お、どうぞー」
ガチャ
瑞鶴「失礼しまーす。第三艦隊帰投の報告に来たわよ。ついでに提督さんにお土産も」
提督「お土産?」
瑞鶴「そうそう。ほら…おいでおいで」チョイチョイ
雪風「はいっ!」ピョンッ
雪風「陽炎型駆逐艦8番艦、雪風です!どうぞ、宜しくお願い致しますっ!」ペコッ
提督「おおっ!雪風を連れてきたのか!良くやった!」
瑞鶴「ふふーん…偶々だけどね偶々。じゃあ私は艦隊の皆と入渠してくるわね」スタスタ
提督「おう!ありがとう!ゆっくり休めよ~!……そして宜しくな~雪風」ナデナデ

雪風「えへへっ!くすぐったいですよ~っ!」
曙「……へぇ、貴女が奇跡の駆逐艦ね。何だか頭悪そう」
雪風「えぇっ!そんなひどいっ…!」
提督「おいおい…相変わらずの毒舌だな。ごめんな~雪風、口は悪いけどあれでも歓迎してるんだ」ナデナデ
雪風「そう、なんですか?私、嫌われてませんか…?」
提督「そんな事ないよ、曙は素直じゃないだけで歓迎はしてるんだよ」チラッ
曙「なっ…!」
提督「な?」
曙「………ん…」スッ
雪風「……あの…この手は?」
提督「この手はね、宜しくって握手がしたいんだって」
曙「ちょっとクソ提督!余計な事言ってんじゃないわよ!」クワッ
雪風「…なるほど…なるほどっ!宜しくお願いしますね!曙さん!」ギュッ
曙「…!よ、よろしく…雪風…」
提督「よし、挨拶も済んだ事だし!部屋に案内するよ、ついておいで雪風」
雪風「はいっ!しれえ!」
提督「良い返事だ。曙…後は任せて良いか?」
曙「良いわよ、クソ提督は大本営から言われた通りしばらく休んでなさい。それに居たら居たで信用できないし」
提督「ひでぇ…」
曙「自業自得じゃないの。…じゃあね、雪風」フリフリ
雪風「はいっ!曙さん!ばいばいですっ!」フリフリ

いつからだろう
あの人と仲良く出来なくなったのは

─射手場
ググググ…
瑞鶴「……ッ!」シュンッ
スコッ
瑞鶴「よし……中った」
加賀「…ダメね、射るまでが遅いわ。余計な事を考えてるからよ、集中しなさい」
瑞鶴「むぅ……わ、わかってるわよ…そんなの…」
加賀「そう。ならちゃんとやりなさい」

瑞鶴「…フン!」プイッ
加賀「……全く──
葛城「瑞鶴せんぱーい!」ガバァ
瑞鶴「うわぁっ!!…か、葛城か…今日は早いわね」ヨシヨシ
葛城「第四の演習が早めに終わったので、射手場まで急いで来ちゃいました!」
加賀「……」
葛城「あ、加賀さん!こんにちは!」
加賀「…こんにちは」
葛城「あ!瑞鶴先輩!私さっき演習で活躍したんですよ!見てください~!」
瑞鶴「ええ、勿論良いわよ、どのくらい成長したか見てあげる」
加賀「…私は行くわね」
瑞鶴「……え、ちょっと!」
加賀「…今日は疲れたわ。また今度見てあげる」スタスタ

瑞鶴「あぁ……行っちゃった」
葛城「…前々から思ってたんですけど、瑞鶴先輩と加賀さんて仲…あまり良くないんですか…?」
瑞鶴「別に、そんなに悪い訳じゃないけどね。まぁ昔ほど仲良くは…無いかな」
瑞鶴(今は名前すら呼んでもらえなくなってるけど…)
葛城「そうなんですか…。どうしてでしょう…?」
瑞鶴「それが私にもさっぱりで…。そのせいか、私もちょっと悪態ついちゃって…」
葛城「あらら…」
瑞鶴「まぁこういうのは時間が解決してくれるでしょ…多分」
葛城「自信無さそう!」
瑞鶴「う……だってあの人何考えてるかわかんないし…」
瑞鶴「と、とにかく!葛城はそんな事気にしなくて良いから!さっさとやるわよ!」
葛城「あ、はい!宜しくお願いします!」

葛城「や~!やっぱり瑞鶴先輩は凄いですね!簡単に中てちゃうんですもん!」
瑞鶴「ふふん、日々の積み重ねよ。…それでもあの人達には敵わないけどね」
葛城「あの人達って…一航戦の方達ですか?」
瑞鶴「そ。精度も速さも…ね。あの人に怒られてばっかだし」
葛城「…そんな事ないですよ!瑞鶴先輩だって凄いです!そんなに自分を低く見ないで下さい!」
瑞鶴「え、そ、そうかな…?」
葛城「そうです!瑞鶴先輩だって負けてないです!」
瑞鶴「……やっぱり…?実は私も結構実力ついてきたな~…とか思ってたのよ」
葛城「ついてますよ!絶対!自信持ってください!」
瑞鶴「う、うん…うん!そうよね!ありがとね葛城!何か自信出てきたわ!」
葛城「いえいえ!そう思ったから本当の事言っただけです!」

瑞鶴(やっぱりね!成長してるんだわ!私!……もしかしてあの人が冷たいのって…私の実力が迫ってきてるから…とか?)


─執務室
提督「ほーら雪風、たかいたかーい」
雪風「きゃー!高いです!しれえ!」
曙「……」カキカキ
提督「よーしもう一回…たかいたかーい!!」
雪風「きゃー!!!」
曙「…(ベキッ)あのさ……遊ぶのは構わないけど、わざわざ此処でやる必要あるのかしら?」
提督「んー?何だ曙、お前もやってほしいのか?」
曙「どこをどう聞いたらそうなるのかしら?耳引き千切るわよ」
提督「ひぃ…」
雪風「しれえは曙さんに弱いんですか?」
提督「そう…怖いこわーーい嫁なのよ…」オヨヨ
曙「ぶっ飛ばすわよ」
提督「ほらね」
雪風「たしかに!曙さん怖いです!」
提督「おい曙!雪風が怖がってるだろ!もっと俺に優しくしろ!」
曙「呆れて何も言えないわ…」

コンコン
提督「はい、どうぞー」
ガチャ
瑞鶴「失礼しまーす!第三艦隊帰投しましたー!」
提督「お疲れお疲れ…何かやけに上機嫌だな。何かあったのか?」
瑞鶴「へへーん、最近調子良いのよね!MVPも全部私が取ってるし!」
曙「…あら、凄いじゃない。第三は結構練度の高い艦も居たはずだけど」
瑞鶴「そうでしょ?でも私が一番なの!」
提督「今の瑞鶴は絶好調って訳か~頼りになるなぁ」
雪風「瑞鶴さん凄いです!かっこいいです!」
瑞鶴「でしょ~!ありがとね~雪風~!」ワシャワシャ
雪風「わぁ~!」キャッキャッ
曙「しばらくは同じ出撃が多いけど、頑張ってね瑞鶴さん」
瑞鶴「ええ!私に任せて!」


─射手場
グググ…
瑞鶴「……ッ!」シュンッ
スコッ
瑞鶴「良し!」
加賀「…まだ無駄な力を使ってるわ、もっと姿勢を正しなさい。力で引くものではないのよ」
瑞鶴「…なによ、少しは褒めてくれても良いんじゃない?」
加賀「最近少し調子がいいからって図に乗らない事ね」
瑞鶴「とか言って、追いつかれるのが怖いんでしょ?」
加賀「は……?」
瑞鶴「やっぱりそうなのね!私は大丈夫だし!もうアンタの指導もいらないわ!」
加賀「そう…」

加賀「なら最後に一つだけ」
瑞鶴「…何?」
加賀「…慢心しては駄目よ」
瑞鶴「何それ…慢心なんてしないわよ!」
加賀「なら良いわ。じゃあ私は行くわね」スタスタ
瑞鶴「見てなさい!すぐにアンタなんか追い越すから!」
加賀「そう…」スタスタ
葛城「……せんぱーい!」ダダダ
瑞鶴「葛城!来たわね!」
葛城「はい!今日も来ました!」
葛城「あ、加賀さん!お戻りですか?」
加賀「ええ、そうよ。貴女も頑張ってね」
葛城「はい!ありがとうございます!」

─甘味処・間宮
赤城「ん~♪やっぱりここのパフェは美味しいですね♪」
加賀「赤城さん、付き合ってくれて有り難う御座います」
赤城「そんな…良いんですよ。私は時間を持て余してますから」
加賀「…そうですか」
赤城「でも急にどうしたんですか?何かありました?」
加賀「…何となくです。深い意味は…」
赤城「瑞鶴絡みですか?」
加賀「…!」ギクッ
赤城「図星ですか…加賀さんわかりやすいです」
加賀「有り得ないわ、気のせいよ」パクパク
赤城「何年一緒に居ると思ってるんですか、バレバレですよ」ツンツン
加賀「……! もう…」パシッ

赤城「あらあら…。それで…何があったんですか?」
加賀「どうもこうもないわ。あの子が調子に乗っているだけ」
赤城「…確かに最近調子良さそうでしたね。もしかして、瑞鶴に何か言われたのかしら?」
加賀「…私の指導はもういらない、と」
赤城「あら…それは残念ですね」
加賀「冗談は止して……面倒事が減ってむしろ助かったわ」
赤城「ふふ…提督の指示でも無いのに、今までずっと指導してた人の言葉には思えないですね」クスクス
加賀「…怒りますよ」
赤城「あらやだ、怖いです」
赤城「…兎にも角にも、要は寂しい訳ですね」
加賀「笑えないわね」
赤城「ふふ…違ったかしらね。…そういえば、どうしてそんなに距離を置くようになったんですか?」
加賀「それは…恥ずかしくて言えないです」
赤城「それは是非聞きたいです」
加賀「いや、だから…」
赤城「奢りますよ」
加賀「やりました。では───」

~回想~
加賀『あら、瑞鶴じゃない。戻ってきたのね、何年ぶりかしら』
瑞鶴『あ、加賀さん久しぶりね!そうなの、向こうの提督が退役しちゃったから、変わったついでにこっちに戻れるよう申請したって訳!』
加賀『そうなのね。また会えて嬉しいわ』
瑞鶴『私も。それに此処の噂もちょくちょく入ってきてたわよ、凄い戦果を上げてるそうじゃない』
加賀『そう。大した事はないわ』
瑞鶴『私もいつかは────
葛城『あ!もしかして瑞鶴先輩ですか!?』
瑞鶴『ん?貴女は?』
葛城『雲龍型航空母艦、三番艦、葛城です!』
瑞鶴『葛城…ね。宜しく!』
葛城『瑞鶴先輩!早速ですけど指導してくれませんか?是非見てもらいたいです!』
瑞鶴『あら、私でいいの?』チラッ
加賀『…良いんじゃないかしら、葛城もそう言っている事だし』
瑞鶴『そっか、わかった。じゃあ葛城!早速射手場に行くわよ!』
葛城『はい!』
加賀『あ……そういえば瑞鶴』
瑞鶴『ん?何?』
加賀『花は咲いた?』
瑞鶴『え?花?』
加賀『ええ』
瑞鶴『ん~…?ちょっと何の事かわからないんだけど…』
加賀『……そう』
葛城『せんぱーい!早くー!』
瑞鶴『あ、今いくわ!…それじゃあね!加賀さん!』
加賀『…ええ』
~回想終了~

加賀「多分、これがきっかけかしら」
赤城「ふむ、つまりは…」
赤城「瑞鶴が異動する前にあげた花の種の事を、瑞鶴は忘れていたと…」
加賀「そうですね」
赤城「それに加え、瑞鶴が葛城と仲を深めていって寂しいと…」
加賀「ええ……ん?」
赤城「素直じゃない加賀さんは、私にも構ってと言えず、次第に言葉は冷たくなっていき…」
加賀「ちょっと待って……赤城さん?」
赤城「今では気まずい関係になってしまうも、やはり気になってしまうから指導と言う名目で傍に居た……泣かせる話ですね」オヨヨ
加賀「意味がわからないし、違います。怒りますよ」
赤城「あらやだ、怖いです」
加賀「…全く」

赤城「ふふ…素直じゃないですね、加賀さんは」
加賀「何を…」
グ~…
加賀「な…」グー
赤城「…加賀さんのお腹は素直なんですけどね」
加賀「か、からかわないで…」
赤城「すいません間宮さん。パフェもう2つ良いですか?」 <ハーイ
加賀「恥ずかしいわ…」
赤城「…瑞鶴にもそれくらい素直だと良いんですけどね」ツンツン
加賀「もう…!」パシッ


─執務室前
曙「ふぁぁ~…眠いわね~…」
イイダロ…? ダメデスヨ!
曙「あら?クソ提督もう来てるのかしら」
オネガイ! シカタナイデスネ…
曙「あん?何してるのかしら…」
アーッ ソコッ キモチイッ ココデスカー?
曙「え?何?」
…ツギハオレガキモチヨクシテアゲルヨ イインデスカー!
曙「なななななっ!!」
オラッ!  アッ キモチイデス!
バーン!!
曙「ちょっと!あんた達朝っぱらから何してんのよ!」

提督「…お?おはよう曙」グイッグイッ
雪風「あ~気持ちいです~しれえ…」
曙「…マッサージ…」
提督「そうだ、さっき雪風に揉んでもらったから俺がお返しにな」
曙「はぁ……」
提督「どうした曙よ、何か眠そうだな。眠気覚ましにお前もするか?」
曙「結構よ!…それより昨日の報告書見た?」
提督「ああ、見たぞ。最近の深海棲艦の動きが怪しいってやつだろ?」
曙「そう、それよ。クソ提督はこの事どう思うのよ?」
提督「どうも何もな…元々あいつら怪しいっつか良くわからないし…」

提督「でも多少喋れる奴も居たしな、まさか知能がついて策を練り始めたとか?」
曙「あるいはあちら側に指揮する何かが出来た…とか?」
「「……」」
提督「まぁ、有り得ないよな。そしたら今頃何か被害を被ってるし」
曙「そうね、考え過ぎだわ」
雪風「しれえ…zzZ」
提督「ありゃ、寝ちゃったよ」
曙「まだ朝よ…」
提督「どうだ曙、お前にも快眠を与えてやるぞ」
曙「」ドスッ
提督「おぅふっ…!中々良い…パンチだな…」ドサッ


─執務室
葛城「え!私を第三艦隊にですか!?」
提督「そうだ。お前も練度上がってきたし、そろそろ艦隊に入れても良いかなと思ってな」
葛城「やったー!嬉しい!」
曙「それに第三の旗艦は瑞鶴さんよ。貴女の憧れの」
葛城「嬉しいです!瑞鶴先輩の艦隊に配属出来るなんて!」
提督「ほんと瑞鶴の事好きだね~葛城は」
葛城「それはもう!尊敬してますから!」
提督「そうか。ならカッコ悪い所見せちゃ駄目だな、頑張れよ」
葛城「はい!ありがとうございます!」


─居酒屋/小料理屋・鳳翔
瑞鶴「第三へようこそ!葛城!宜しくね!」
天龍「葛城は空母かぁ~!こりゃ戦闘がまた楽になっちまうなぁ~!」
島風「葛城は早いの?私より速い?」
利根「歓迎するぞ。宜しく頼む」
扶桑「宜しくお願いしますね~」
葛城「はい!皆さん宜しくお願いします!」
瑞鶴「今はうちの艦隊絶好調だし、第二…いえ第一の人達にも負けない勢いだわ!」
葛城「おお!凄いじゃないですか!」

天龍「応よ!伊達に毎日出撃してねぇって訳よ!」
瑞鶴「ふふん…今の私達を止められる奴は居ないわ!」
利根「じゃが、あんまり調子に乗ってると今に痛い目を見るぞ」グビ
扶桑「そうですね、油断はいけません」グビグビ
瑞鶴「何言ってるのよ!そんな事言いながら飲むペース早いじゃない!浮かれてんでしょ!」
島風「え?私より早いの?」
天龍「お前はそれ以外に反応する事ねーのかよ」
葛城「…皆さん楽しそうですね!私も負けませんよ~!」グビグビ
天龍「おお!良い飲みっぷりじゃねーか!俺も負けてらんねーな!」
ギャーギャー  ワイワイ  オエーオエー


─カスガダマ沖
瑞鶴「う~…飲み過ぎたわ…」
葛城「先輩、大丈夫ですか?」
天龍「考え無しに飲んでるからだろうが、ったく…」
利根「そう言う天龍とて、フラついておろうが」
扶桑「まぁまぁ、いざとなったら私が何とかしますから」
瑞鶴「うぅ…」
島風「みんなおそーい!先に行っちゃうよーー?」ビューン
天龍「あいつは相変わらずだな…」

瑞鶴「ちょっと島風!先行し過ぎよ!」
島風「大丈夫だいじょーぶ♪…あ!敵艦発見したよ!」
利根「お出ましじゃな…今日も屠ってやるかの」
天龍「へへ…腕が鳴るぜ」
瑞鶴「よし!皆!全砲門展開!」
葛城「はい!先輩!」
扶桑「葛城さんは、初めてだから気楽にね」
葛城「はい!ありがとうございます!」
瑞鶴「それじゃあ、行くわよ!」


─執務室
雪風「…」ボー
提督「どうよ曙、資源の方は」
曙「それなりね、第二第三は出撃してる訳だからちょっとずつ増えてる感じね」
提督「そうかそうか、増えてるか」ウズウズ
曙「ぶっ飛ばすわよ」
提督「まだ何も言ってませんけど!?」
曙「第一は駄目よ、また無くなるじゃない」
提督「うぅ…そうかぁ…」チラッ
提督「…どうした雪風?窓の外ぼーっと見て」
雪風「あ、しれえ……何だか胸騒ぎがします!」

提督「胸騒ぎ…とな。何かあったのか?」
雪風「何かはわかりませんけど…何か嫌な予感がしますっ!」
曙「嫌な予感ね…。雪風が言うなら何か起こるのかしら」
提督「恋の病とか?」
曙「誰が?誰に?」
提督「雪風が、俺に」
曙「それは確かに嫌な予感だわ。雪風の予感て当たるのね」
提督「酷過ぎませんかね!?」
バーン!
提督「うおっ!だ、誰だ…?」チラッ
島風「ハァ…ハァ…!しれーかん!」
雪風「…島風…さん?」
提督「え、島風…?どうしてお前此処に…」
島風「瑞鶴さんが…瑞鶴さんが!大変なの!!」
提督「えっ…?」


─カスガダマ沖海域
瑞鶴「よっし!皆お疲れ!今回も上々ね!」
天龍「へへ…楽勝だったなぁ~!」
島風「被弾してる癖に~!だっさーい!」
天龍「うるせっ!おめーみてーに速くねーんだよオレは!」
瑞鶴「葛城も良くやってくれたわ!」
葛城「いえ!皆さんのおかげです!私はサポートくらいしか…」
利根「謙遜するな、そのサポートでワシ等は結構助かったのじゃ。自信を持てよ?」
扶桑「ええ。初めての連携とは思えないくらいでした」
葛城「あ、ありがとうございます!」
瑞鶴「それじゃ、帰投しましょうか!」

利根「さっさと帰投して入渠じゃ入渠~」
扶桑「そうですね────
ドゴーン!!
扶桑「きゃぁっ!?」
瑞鶴「え…ふ、扶桑さん!!大丈夫!?」
天龍「チッ…!どこから撃ってきやがった…!」
利根「まさかまだ残っておるとはの…」
葛城「…!い、居ました!敵艦隊です!」
島風「まぁ何度来ても同じだけどね~。扶桑さん大丈夫?」
扶桑「油断していました……不覚です。それに大破だなんて…不幸だわ」
瑞鶴「葛城!相手は!?」
葛城「あ、あの…それが…」ワナワナ
利根「な、何じゃ?」
葛城「戦艦…水鬼…だと思われます…!」

瑞鶴「は…!?何でそんなのが此処に居るのよ!」
葛城「わ、わかりません!」
天龍「だとしたら不味いぜ!扶桑さんもやられちまってるし…今のオレ達じゃどうしようもねぇ!」
利根「じゃな。急ぎ撤退じゃ」
瑞鶴「そうね…。皆!撤退よ!」
全員「了解!」

戦艦水鬼「フフフ…ニゲラレルト…オモッテイルノカ…?」


─茶屋・伊良湖

赤城「聞きました?葛城が第三に入って今日初出撃らしいですよ」ズズ
加賀「ですね。葛城が頑張っているのは知っているから当然の結果です」ズズ
赤城「そうですか。葛城も初めてとはいえ、瑞鶴が旗艦なら大丈夫そうですね」
加賀「何故あの子の名前が出てくるんですか?私はそこまで心配してはいません」ズズズ
赤城「あら、そうなんですか?妙に落ち着きが無い様に見えましたから」
加賀「そんな事は無いわ」ズズズズ
赤城「おかわり…いります?」
加賀「…お願いします」
ザザー ザザー
赤城「あら?」
『緊急事態です。第一艦隊の皆さんは至急出撃の準備をしてください。繰り返します──』
加賀「緊急事態…ですか」
赤城「何かあったのかしら…」


─カスガダマ沖・撤退中
天龍「どうだ?あいつら追ってきてるのか?」
瑞鶴「……反応は、無いわね…ただの奇襲だったのかしら…」
利根「油断は禁物じゃ…何が起こるかわからんからな」
瑞鶴「そうね…… ッ!」
瑞鶴「待って皆!前方に敵よッ!」
葛城「えぇ!?」
天龍「なっ!?マジかよ!先回りされてたのか!?」
扶桑「…ごめんなさい…私が大破していなければ、もっと早く撤退出来たのに…」
利根「扶桑よ、それを気に病んでも仕方無かろう。今は目の前の問題にどう対処するかが問題ぞ」
島風「あれ~?でも相手は一人みたいだよ?見た事無いけど」
葛城「せ、先輩…何かあいつ……怖い…!」
レ級「…ミーツケタ…」


提督「ど、どういう事だ島風…?」
島風「て、敵が…!急に出てきて…!ものすごく強くて…!!」
提督「何だと…?伏兵…なのか?奴らにそんな考えがあるとは思えなかったが…」
曙「この島風の様子を見れば一目瞭然でしょ、やられたわ」
提督「そう…だな。なぁ島風、他の奴はどうした?」
島風「大破した扶桑さんと利根さんを…天龍と葛城が護衛してて…まだ撤退中で…私は此処に援軍を求めに来て…」
提督「それで……瑞鶴は…?」
島風「私達を逃がす為に…殿を…」
提督「なんだとっ!?……瑞鶴…!」
島風「しれーかん!瑞鶴さんを助けてあげて!早くしないと瑞鶴さんが…!」
提督「大丈夫、任せておけ」ポンポン
島風「しれーかん…」
提督「……曙。“第一艦隊”を出せ」
曙「…今の資源量だと、出撃後の補給整備は儘ならないけど…良いのね?」
提督「ああ、消費資源なんぞ度外視だ。大淀に伝えてくれ」
曙「わかったわ」スタタタ
提督「…耐えてくれよ…瑞鶴」
雪風「…あの、しれえ。聞いても良いですか?」
提督「…ん?なんだ?」


─カスガダマ沖
ドンッ!! ドンッ!! ドンッ!!
レ級「キシシ…アタラナイヨ」
瑞鶴「チッ!」
瑞鶴(何なのよコイツ…!鬼や姫って言われる連中と同じ感じがする…!!)
瑞鶴(とりあえず退路は確保出来たけど…さすがに全員で逃げることは無理そうね…)
島風「こいつ……速い…!」
天龍「戦艦水鬼から逃げられたと思ったら同じくらいやべーのがきたな…!」
利根「…おい瑞鶴、どうするのじゃ」
瑞鶴「確かにこのままじゃ…」
レ級「コウゲキッテノハサ…コウスルンダヨ」ドンッ!!
扶桑「なっ…!!」
利根「っ!そうくるか!!」サッ
ドゴオオオオオオン!!

天龍「な…!なんつー威力だよ…!!」
葛城「利根さん!!」
瑞鶴「利根!大丈夫!?」
利根「…な、何とか…な」
レ級「オォ…タエルンダ」
天龍「おいおいボロボロじゃねーか!マジでやべーぞ!」
瑞鶴「ッ!…島風!貴女は鎮守府に行って提督さんに援軍を貰ってきて!」
島風「りょ、りょーかい…!」
瑞鶴「天龍と葛城は、扶桑さんと利根を護衛しながら撤退!」
葛城「せ、先輩は…?先輩はどうするんですか!?」
瑞鶴「私は殿よ!!」

島風「…瑞鶴さん!待っててねっ!」ビュンッ
天龍「…やられんじゃねーぞ……瑞鶴」
葛城「な、何言ってるんですか!こんな所に置いて行ったら先輩は…!」
天龍「馬鹿野郎ッ!瑞鶴の意図を汲みやがれ!ここで無駄死にしてーのか!」
葛城「で、でも…でも!」
瑞鶴「行きなさい葛城!私の言う事が聞けないのッ!!」
葛城「せ、先輩…!」
瑞鶴「大丈夫よ…心配要らないわ、私は死のうって訳じゃ無いのよ。島風が援軍を呼ぶまで時間を稼ぐだけなんだから…」
瑞鶴「わかった?わかったならさっさと行きなさい。葛城」ナデナデ
瑞鶴「それに私は強いのよ、やられるわけないじゃない」
葛城「先輩……」グシグシ
葛城「はい!わかりました!しっかりと護衛してみせます!!」
瑞鶴「良い返事よ。…鎮守府で待ってなさい」
葛城「はい…!無事を祈ってます!」
天龍「よし!さっさと行くぞ!葛城は利根を担いでくれ!」
葛城「了解です!」


瑞鶴「さてと……」
瑞鶴「アンタ…どうして待っててくれてたの?情けかしら?」グググ…
レ級「サァネ…ナンデモイイデショ」
瑞鶴「それもそうね、貰った時間はアンタの命乞いとして受け取るわ!」シュンッ
レ級「ゥヲット…!……サッキヨリハヤイジャン」
瑞鶴「そりゃそうよ、今は気兼ねなく戦えるからね」グ…グググ…
レ級「ヘェ…ソウナンダ」
瑞鶴「言っておくけど、私は強いわよ」シュンッ
ドゴォッ!!
瑞鶴(…良し!中る!いける!)
レ級「クッ…!…ア~、イテテ…」

瑞鶴「ほらほら、逃げないとまた中てるわよ。まぁ逃げても中てるけどね」
レ級「キシシ…チョウシニノルナヨ…」
瑞鶴「嫌よ、今の私はすっごい調子が良いの。さっきの砲撃は驚いたけど、アンタになんか負ける気がしないわ」グググ…
レ級「ソッカ…マァイイケド…」ニヤァ
瑞鶴「な、何よ…?」ググ…
戦艦水鬼「……マタセタナ」
瑞鶴「なっ!!」バッ
瑞鶴(何て事…!戦艦水鬼!!追ってきてたのね…!)
レ級「オソイジャン……マチクタビレタヨ」

戦艦水鬼「オマエ…クラッタノカ……アソビスギダ」
瑞鶴(……厄介なのが増えたわね……でも…)
瑞鶴(…逃げるわけにはいかない…!)
レ級「ダッテキュウニツヨクナッタンダモン…ユダンシタ」
戦艦水鬼「オマエノワルイクセダ…マッタク」
瑞鶴「…ちょっと私を無視してんじゃないわよ!」
戦艦水鬼「…」ギロッ
瑞鶴「何匹増えようが関係ないわ!!」
瑞鶴「かかってきなさい!!ここから先は通さないわよ!!」ググ…
戦艦水鬼「……ソウカ」パチン
ザパァァ ザパァ
イロハニホヘトチリヌル級「……ッ!!」
「……前言撤回……どんだけ居るのよ…!!」
戦艦水鬼「シネ…」

大丈夫かしら。貴女枯らしてしまいそう
花くらい私にだって育てられるわよ
そう。じゃあ頑張ってね
咲いたら見せてあげる
…楽しみにしてるわ

「っと…!数だけで大したことないわね!次ッ!!」
今更思い出した
「アレレ~ケッコウヤルジャン…アイツ」
「コノカズヲアイテニデキルノカ…ヨソウガイダ」
あの人に言われた種
「言ったでしょ!今の私は強いの…よッ!!」シュンッ
ドドドドド!!
何の事、だなんて酷いなぁ私
「チッ…ヲイ、イロハ級ヲニゲタヤツラニマワセ」
「アイヨ……ヤイオマエタチ!ニゲタヤツラヲオッテキナ!」

イロハ級「ッ!」ザザー
シュンッ
イロハ級「!?」ドガンッ <撃沈>
瑞鶴「…聞こえてなかったかしら?ここから先は行かせないって…」
…思い出したよ、花も咲いたよ
戦艦水鬼「チッ…シニゾコナイガ…」
レ級「メンドクサイナ~、モウヤッチャッテイイ?」
戦艦水鬼「…アソブナヨ……スキニシロ」
…そっちに戻ったら
レ級「ヤッタ!」
瑞鶴「…フン…何度きても…無駄よ!」
レ級「キシシ…」ギュンッ
…ちゃんと見せるから
瑞鶴「…!?速いッ!!」

レ級「ホラホラ…アテラレルカナ~?」ギュンッギュンッ
瑞鶴「くっ…!」ググググ…
レ級「バイバーイ!」ドドンッ
加賀さん…
瑞鶴「……ごめんね…」メトジ
ドゴオオオオオオオオン!!
瑞鶴(………)
瑞鶴(………あれ………?)
「全く…世話が焼けるわね」
瑞鶴「……加賀さん…なの…?」
加賀「そうね」
レ級「…?ナンダアイツ…」
瑞鶴「ど、どうして…ここに…?」
加賀「…偶々通りがかっただけよ、偶々ね」
瑞鶴「偶々って……あっ!それより大丈夫なの!?食らったんじゃ…!」
加賀「何か当たったかしら?気がつかなかったわ」
瑞鶴「……ははは……やっぱり敵わないなぁ…」
戦艦水鬼「マサカ……!レ級!サガレ!」

レ級「エ?ナンデ───」
シュンッ!
レ級「!!」サッ
加賀「…あら?良い反応ね」
加賀「でも、次は中てるわよ」ジッ
レ級(コイツ……!)
瑞鶴「加賀さん!そいつ今まで見た事ない奴よ!気をつけて!」
『…あの、しれえ。聞いても良いですか?』
加賀「そうみたいね。それより貴女は先に戻ってなさい、邪魔よ」
『…ん?何だ?』

瑞鶴「なっ!邪魔って…!私も戦うわよ!!」
『第一艦隊って何ですか?』
加賀「気持ちだけ貰っておくわ。残念だけど貴女の出る幕は無いのよ」
『あぁ、そうか。雪風は知らないよな』
瑞鶴「え…どういうことよ…」
『この鎮守府にはな』
ドゴゴゴオオオオオオオン!!!
『とても…それはもう、強い人達が居てね』
戦艦水鬼「ナ…!?ニホヘ級ガ…ゼンメツ!?」
『その人達が集まる、第一艦隊』
加賀「こういうことです」

『六番艦、日向』
日向「飛び出したのは君だろう。航空戦艦日向、推参だ」
『五番艦、Верный』
Верный「さて、やりますか。ひび…Верный、来たよ」
『四番艦、長門』
長門「戦艦長門だ!仲間の窮地により馳せ参じたッ!」
『三番艦、大和』
大和「多勢に無勢…感心しませんね。戦艦大和、推して参ります」
『二番艦、赤城』
赤城「加賀さん、心配だからって先行しちゃダメですよ。…艦載機のみなさん、用意はいい?」
『旗艦、加賀』
加賀「ちょっと赤城さん…余計な事は言わないで頂戴…」
『この人達が最大にして』
赤城「ふふふ、ごめんなさいね。では…」
加賀「全く…」
『最強の…第一艦隊』

「「一航戦、出ます」」
瑞鶴「第一の皆…!来てくれたんだ…!」
日向「勿論さ。良く耐えたね瑞鶴……後は私達に任せてくれ」
大和「残りは……艦種は疎らですが、四十といった所ですか」
長門「何匹でも構わんッ!薙ぎ払ってくれるッ!」
Верный「雑魚は私に任せてくれないかな。戦艦の皆は…アレの相手を頼むよ」
赤城「あら?どこかで見た事ありますね…あの深海棲艦…。でも隣のは、知らない子ですね」
加賀「忘れたのですか?戦艦水鬼です。隣のは…わからないですが、雑魚ではないようです」
戦艦水鬼「オマエタチ…!アノトキノ…!」
レ級「シリアイナノカ?」
戦艦水鬼「アア……コノワタシヲ…シリゾケタヤツラダ」
レ級「ヘェ……コイツラガ…」

加賀「……こういう訳だから、貴方は先に戻ってなさい」
瑞鶴「…そう…ね、第一の皆の足を引っ張りかねないし、大人しく帰るわ」
加賀「あら、物分りが良くて助かるわ」
瑞鶴「それと……ごめんなさい、加賀さん…今まで」
加賀「は…?急に何かしら」
瑞鶴「…思い出したよ」
レ級「イツマデハナシテンノカナァ?スキア───
大和「……」ジッ…
レ級「!!!」
レ級(ヤッバ…コイツ……マワリトアキラカニチガウ)ジリ…

加賀「………何の事かしら」
瑞鶴「…わかってるくせに」
加賀「さぁ…わからないわ」
瑞鶴「そっか…じゃあ先に戻ってるね。頑張って」ザー
加賀「…」
加賀「瑞鶴」
瑞鶴「…!今…名前…」

加賀「後でお説教よ」

瑞鶴「…うん、待ってる」


長門「…久しいな、戦艦水鬼。トラック諸島海域以来か?」
戦艦水鬼「……チッ」
日向「またお前と戦うとはな、楽しめそうだ」
大和「はいはい…お喋りはそこまでにしましょうか」
赤城「ですね。あちら側もそろそろ限界みたいですし」
戦艦水鬼「アノトキトハチガウ…コノカズダ…」
加賀「関係ないですね」
戦艦水鬼「…ナンダト?」

加賀「…これからね、私は叱らなきゃいけない子が居るの」
加賀「色々忘れっぽくて、すぐに口答えしてきて、すぐ調子に乗って…」
加賀「危なっかしくて、でも放っておけない……そんな子」
レ級「ナンノハナシダヨ…」
加賀「独り言よ。つまり、余り貴方達に時間を割けないの」
レ級「ナメテルト…ケガジャスマナイヨ…」
赤城「ふふふ…血の気が多いのね」

加賀「すぐに終わらせます」

加賀「全砲門展開」
「応ッ!!」
加賀「蹂躙します」スッ

─鎮守府・堤防
島風「……」ジー
葛城「……あ!」
葛城「先輩だ…!良かった…!!」
島風「瑞鶴さーーーん!!」ブンブン
瑞鶴「──!──!」フリフリ
葛城「せーーーんぱーーーーい!!」ブンブン
島風「瑞鶴さん……無事だったね…!」
葛城「ですね…!ほんとに…良かった…」ガクッ
島風「おぅっ!だ、大丈夫?」
葛城「は、はい…安心したら…何だか力が抜けちゃって…」
島風「…そっか。じゃあ私はしれーかんに報告してくるね」
葛城「はい…」


瑞鶴「…心配かけたわね」
葛城「ぜん゙ばい゙ぃぃぃ……!」ムギュゥゥ
瑞鶴「ちょっとちょっと…痛いわよ」ナデナデ
葛城「すっごい…すっごい心配したんですよぉ…!」
瑞鶴「言ったでしょ、やられるわけない…って」
葛城「そうですけどぉ…!」
瑞鶴「まぁ…ちょっとヤバかったけどね。第一の皆が来てくれなかったら…」
葛城「…第一の皆さんは…交戦中ですか…?」
瑞鶴「そうね…」
葛城「…大丈夫でしょうか」
瑞鶴「…そんなの大丈夫に決まってるじゃない」
瑞鶴「あの人達は…私の何倍も強いのよ」


─カスガダマ沖
レ級「ナンダヨコイツラ…!…バケモンカヨ…!」
日向「ほう、化物とお前達に言われるとな…」
戦艦水鬼「マダダ…マダ……ヤレル!ワタシハマダタタカエルゾ…!」
加賀「あら、しぶといわね。だけど、これで終わりよ…」グググ…
─退け─
戦艦水鬼「…!」
レ級「イマノッテ………チッ!ムカツクケド、シカタナイカ…」
戦艦水鬼「ヒクゾ…!」ザザー
レ級「イツカシカエシシテヤル…!」ザザー
日向「…ん?奴ら、急に撤退を始めたぞ」
長門「馬鹿が、逃がすと思っているのか」
加賀「ですね。仕留めます」シュンッ
「ニガシテクレナイトコマルンダヨネ~」
ドゴオオオンッ!!

加賀「艦載機が……誰かしら…?」
防空棲姫「ハロー」フリフリ
赤城「あら、また見たこと無い深海棲艦ですね…」
大和「…ッ!!皆さん気をつけて!この深海棲艦……強い!」バッ
防空棲姫「ヤダ、ソンナコワイカオシナイデヨ。ヤリアウキハナインダカラサ」
加賀「だからって、はいそうですかと納得するようには出来てないの、残念だったわね」
防空棲姫「モウ……シカタナイナ」
ボフンッ
長門「くっ…!何だ…!?」
日向「…ほう」
Верный「……煙幕弾。深海棲艦が何でそんな物を…」

長門「チィ…!赤城、加賀!索敵は出来るか?」
赤城「……。……ごめんなさい、駄目です」
加賀「…逃げられましたか。不覚です」
長門「クソッ…!」
大和「…今のは何だったのでしょうか…他の深海棲艦とは明らかに違う強さを持ってました」
日向「ふむ…深海棲艦も着々と戦力を整えている、か。これからは一筋縄ではいかなそうだな」
長門「…なに、いくら強かろうが私達がそれより強くなればいいだけだ。何も問題はない」
Верный「…長門らしい答えだね」
大和「ふふ…そうですね」
長門「な、なんだ…!そういう事だろう…!」
加賀「…とりあえず帰投しましょうか。ず…提督が待ってます」
赤城「そうですね、瑞鶴が待ってますからね」ニコニコ
加賀「…怒りますよ」
赤城「あらやだ、怖いです」


─執務室
提督「よくやってくれた、助かったよ」
加賀「いえ、提督の御指示を実行したまでです」
提督「…そうか。…ところで交戦した深海棲艦について何かわかった事は無いか?」
加賀「戦艦水鬼が何故か居ました。後は見たことの無い深海棲艦が2匹、急な撤退、そして煙幕弾…くらいかしら」
曙「…間違いないわね。やっぱり」
提督「ああ、そうだな」
加賀「…?どういうことですか?」

提督「…奴らに指揮する者が現れたって事だ。そこで毎日出撃していた第三が狙われたんだろう」
加賀「…なるほど」
曙「厄介だわ…唯でさえ戦力も未知数なのに知恵をつけてくるなんてね」
提督「それに資源もお前達に充てると雀の涙程しか無いしな…」
提督「これは本格的に資源が貯まるまで遠征組のみで回すしかなさそうだ」
加賀「…しばらくは暇になりそうね」
提督「そうだな、しっかりと休んでくれ。特にお前達は」
加賀「…わかりました」
提督「はい、じゃあこの話は終わり。早く瑞鶴に会いたいだろうしな」
加賀「な、何を馬鹿な…」

曙「お説教するんでしょ?知ってるわよ」
加賀「……///」
提督「おい!加賀が照れてるぞ!!青葉!青葉は何処だ!」
バンッ!
曙「なっ…!」
提督「!?」
青葉「呼びましたか!提督!」
提督「…何で天井から出てくるの?」
青葉「ネタのある所に青葉有り!です!」
提督「んん!?う~ん!」
加賀「もう…!…失礼します!」


─瑞鶴の部屋

コンコン
瑞鶴「! どうぞ!」
ガチャ
加賀「…失礼するわ」
瑞鶴「か、加賀さん…!怪我とかしてない?大丈夫?」
加賀「ええ、してないわ。大丈夫よ」
瑞鶴「そっかぁ…!良かったぁ…!」
加賀「貴女にお説教をするんですもの、怪我何てしてられないわ」
瑞鶴「……」
加賀「…あら?何を黙り込んでるのかしら」
瑞鶴「……瑞鶴」
加賀「…え?」
瑞鶴「貴女、じゃなくて、瑞鶴」
加賀「な、何ですか急に…」
瑞鶴「…」プイ

加賀「ちょ、ちょっと…聞いてるの?」
瑞鶴「…聞かない」ツーン
加賀「え…」
瑞鶴「名前で呼んでくれなきゃ、お説教は受けませーん」
加賀「はぁ…?何なのよ…それは…」
瑞鶴「…」ツーン
加賀「全く…」
加賀「瑞鶴」
瑞鶴「はーい」
加賀「もう…」
瑞鶴「前はいっぱい呼んでくれてたじゃない、今更照れないでよ」
加賀「今更だから……じゃなくて…照れてなんかないわ、怒るわよ」
瑞鶴「怒るって…これからお説教するんでしょ?」
加賀「…」
瑞鶴「ふふ…」
加賀「瑞鶴、目を閉じなさい」
瑞鶴「え、な、何で?」
加賀「お説教です」ジッ

瑞鶴「う…わ、わかった…」メトジ
加賀「………ふぅ…」
ギュッ
瑞鶴「うぇ…!?」
加賀「……」
瑞鶴「え、え!?ちょ、ちょ…加賀さん…!?」
加賀「……馬鹿…」
加賀「…殿を務めてると聞いた時は驚いたわ…」
加賀「…万が一……だって有り得たのよ。もっと命を大切にしなさい」
瑞鶴「で、でもあの時はあれしか……って今はそうじゃないね…」
瑞鶴「心配……かけたよね。ごめんなさい…」ギュッ
加賀「…良いのよ、無事で居てくれたから…」
瑞鶴「あはは…無事とは言い難い状況だったけどね……加賀さんが助けてくれなかったら私…」
加賀「…そうね」

瑞鶴「もし…あのまま沈んでたら、嫌だったな。加賀さんとギクシャクしたままだったし」
加賀「…私も、あのまま瑞鶴に会えなくなるのは怖かった…」
加賀「…この…ぐしゃぐしゃした気持ちは、今日でお終いにします」
瑞鶴「え……加賀さん…?」
加賀「…ごめんなさい、今まで。冷たく当たってしまって」
瑞鶴「な、何言ってんの!悪いのは私よ!……あの事だって…忘れてたし…」
加賀「…何の事って言われた時はショックだったわ」
瑞鶴「うぅっ…!ごめんなさい…」
加賀「…良いわ、思い出してくれたから」
瑞鶴「加賀さん…」
加賀「…咲いた?」
瑞鶴「あ、うん!咲いたよ!あそこ!」
加賀「あら…ちゃんと育てられたのね」
瑞鶴「そりゃ、私だって花くらいはね!」
加賀「ふふ…そうね」
加賀「……」ジー
瑞鶴「…?花に何かあった?」
加賀「……いいえ…」チラッ
加賀「…成長したわね…」ニコ

─エピローグ─

─甘味処・間宮

提督「ほーら雪風、あーん」
雪風「あーん!」 パク
雪風「ん~!美味しいです!しれえ!!」
提督「だろぉ~?ここのパフェは最高なんだ」
曙「……」パクパク
提督「よーしもう一回…あーん!」
雪風「あーん!!!」
曙「…(グニッ)あのさ……雪風を愛でるのは良いけど…場所とか考えない訳?」
提督「どこで雪風を愛でようが俺の自由だろ?んん?まさか…嫉妬かぁ?」
曙「はぁ……クソ提督は一度周りを気にしてみるといいわ…」
提督「ん?どういう事だ?」
曙「…わかるまで一生やってなさい……クソ鈍感クソ提督」
雪風「曙さん怒ってます?」
提督「うん、何だか怒ってるみたい」
曙「別に怒ってないわよ!!」
雪風「しれえ!曙さん怒ってますっ!怖いですっ!」
提督「おい曙!雪風が怖がってるだろ!よくわからんが優しくしろ!!」
曙「ぶっ飛ばすわよ!!」
ギャーギャー ギャーギャー

利根「相変わらずじゃの~あそこは」
扶桑「ですね。あっ!やだ…服に染みが……不幸だわ…」
利根「……おぬしもな」


島風「てんりゅー!おそーい!まだ食べ終わらないのー?」
天龍「……」ズルズル
島風「早く遊ぼうよ~!はやくー!はやくー!」
天龍「だぁーっ!!うっせぇなオメーは!それしかいえねーのかよォォォ!!」クワッ


長門「どうした日向!貴様はその程度では無いだろう!」ガツガツガツ!
日向「誰が大食い対決するなんて言ったんだ…ゆっくり食わせろ」
長門「…フン…さては、怖気づいたな?航空戦艦とやらも大した事は無いな!」
日向「言ってくれたな、長門。航空戦艦の実力…見せてやろう!」


赤城「やっぱりここのパフェは最高ですね~♪」
大和「はい、とても美味しいです♪」パクパク
赤城「あ、ほっぺたにクリームが」スッ
大和「あ…やだ」
赤城「ふふ、子供みたいですね」ペロッ
大和「…なっ///」


葛城「せんぱいぃぃぃ!!」ギュゥゥ
瑞鶴「葛城…!こんな所で抱きつかないでよ…!食べ辛い…!」グィィ…
加賀「あなた達は相変わらずね」
瑞鶴「も~!加賀さんも偶には葛城の相手してよ~!」グィィ・・
加賀「あら、私で良いの?」
葛城「加賀さんの指導も受けたいですが、やっぱり私は瑞鶴先輩が良いです!!」
加賀「だそうよ、モテるわね瑞鶴」
瑞鶴「もーー!!」



───────。

新たな深海棲艦、艦隊の練度向上、資源回収etc。

まだまだ問題は山積みだ。

静かな海を取り戻すのは、まだ先になるかな。

Верный「……ふぅ」
雷「響~!書き終わった~?そろそろ間宮さんの所いくわよ~!」
Верный「ああ」

でも…。

その中でも私達の日常は続いていくんだ。
…少しくらいは楽しんでもいいだろう?

Верный「今行くよ」パタン


あの花はなんていうか、知ってる?
さぁ、結局何の花だったのかな。
…セントポーリアっていうのよ。
へぇ、そうなんだ…っていうか知ってたの?
知っていたかもしれないわね。
なにそれ、なら最初から教えてよ。
良いじゃない、そういう気分だったのよ。
…やっぱり何考えてるかわかんないわ。
…あら、酷い事言うのね。
ほんとの事だし…ところでさ、この花の花言葉って何?
…知りたいの?
…うん、教えてよ。

フフ……何だったかしら。

「…キシシ…」
終わり。
お疲れ様です。
続かない。
読んでくれた方ありがとうございます。

明るい話になって良かった。
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-赤城, 加賀, 瑞鶴, 葛城, , 雪風