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清霜 明石 戦艦レ級

【艦これ・レ級SS】清霜は大戦艦になった

2016/12/25

※グロ注意

ある日、私は姉妹の駆逐艦達と一緒に遠征に行った。

遠征での作業を終え、そろそろ帰投しようとした時、

旗艦の天龍さんが叫んだ。

天龍 「回避運動!!!」

天龍 「雷撃だ!!!」

天龍 「全力で回避しろ!!!」

龍田 「天龍ちゃん!!!」

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私たちは必死に回避運動をした。

なんとか魚雷をかわしたが、地獄はそこからだった。

天龍 「駆逐艦達は速度一杯で逃げろ!!!」

天龍 「振り向くな!!!」

天龍 「悪りぃけど……」

天龍 「龍田は俺と沈んでくれ」

龍田 「うん」 ニッコリ

天龍さんと龍田さんの向こうにレ級がいた。

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天龍さんと龍田さんは必死に戦ったけど、時間は稼げなかった。

私達は必死に逃げた。

夕雲 「頑張りましょう!」

巻雲 「はわわわわぅ……」

高波 「……」

清霜 「あ……」

レ級は、すぐ間近に迫っていた。

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夕雲姉さんが笑った。

夕雲 「私、お姉さんだから?」 ニコッ

夕雲 「またね……」

夕雲姉さんは振り向いて、レ級に立ち向かっていった。

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直ぐにレ級は追いついた。

巻雲姉さんは泣いていた。

巻雲 「私もお姉さんだからぁ……」 ポロポロ

巻雲 「夕雲姉さん……」 グシグシ

巻雲姉さんは振り向いて、レ級に立ち向かっていった。

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直ぐにレ級は追いついた。

高波姉さんが言った。

高波 「私達の分まで生きてほしい、かも……」 ニコッ

高波姉さんは振り向いて、レ級に立ち向かっていった。

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最後にレ級は私に追いつき、私の目の前に立ちはだかった。

レ級 「プッ」

レ級は巻雲姉さんのメガネをスイカの種のように吐き出した。

清霜 「!?」

レ級は私の腹を蹴り上げた。

清霜 「ゴアッ」 

私は血反吐を吐いた。

散々私をなぶった挙句、レ級は言った。

レ級 「モット可愛クシテヤルヨ」 ニヤリ

清霜 「ギャアアア」

レ級は私の右耳を引きちぎった。

私は気を失った。

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私は捜索隊に発見され、鎮守府に帰ることが出来た。

生き残ったのは私だけだった。

ベッドで横になっていた私の頭に、皆の顔が浮かんだ。

清霜 「天龍さん…… 龍田さん……」 ポロポロ

清霜 「夕雲姉さん…… 巻雲姉さん……」 ポロポロ

清霜 「高波姉さん……」 ポロポロ

そしてレ級の顔が浮かんだ。

清霜 「あのレ級……」

清霜 「絶対、沈めてやる…… 私の手で……」

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怪我から回復した私は、死に物狂いでトレーニングをした。

しかし、すぐに絶望した。

私の鎮守府で最高錬度の駆逐艦は夕立さんだった。

私は演習で夕立さんと勝負した。

そして私は泣いた。

負けたからじゃない。

私より遥かに強い夕立さんでも、レ級に遠く及ばないと思ったからだ。

レ級は、天龍さんと龍田さんの主砲や魚雷の直撃を受けても、

全くダメージが無かった。

レ級は、バスケットボールのレイアップシュートをはたき落とすかのように

軽々と天龍さん、龍田さん、私の姉妹の頭を手刀で切り飛ばした。

私は夕立さんの頭が切り飛ばされるイメージしか湧かなかった。

大和さん、武蔵さんと演習しても同じだった。

頭でお手玉したり、リフティングしている、あの時のレ級の記憶が甦った。

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私には絶望と憎悪しかなかった。

絶望と憎悪にかられて、私にトレーニングに打ち込んだ。

ある日、私はオーバートレーニングでぶっ倒れ、工廠に運ばれた。

提督からは無理なトレーニングをしないよう、

既に何度も注意されていた。

私は謹慎処分となった。

謹慎後、問題のある艦娘を矯正する特別な鎮守府に

配属されることになった。

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そこでも私はオーバートレーニングで、ぶっ倒れた。

私は工廠に運ばれた。

工廠長の明石さんは私に聞いた。

明石 「なぜ無理なトレーニングを?」

清霜 「強くなりたいんです」

清霜 「絶対、沈めたいやつがいるんです」

明石 「強くなりたい…… ですか……」 ニタァ

この鎮守府の明石さんは怪我で左目を失明していた。

明石さんは艦娘や艤装の違法改造を行い、

この鎮守府に流れついたそうな。

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明石 「強くなるために明日を捨てる覚悟はありますか?」

清霜 「はい。私には、もう何もありません」

明石 「どんな苦痛でも耐えられますか?」

清霜 「はい」

明石 「では駆逐艦の限界突破の……」

明石 「協力をしましょう……」 ニタァ

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明石さんは私をメンタル異常と診断し、

隔離された工廠での長期修理の手続きをした。

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明石 「まず、あなたの船体を大きくします……」

明石 「全身の骨を切断し、少しだけスキマを空けます」

明石 「時間が経つとスキマが埋まって、骨が伸びます」

明石 「これを繰り返します……」

私は全身を切り開かれ、骨を切断され、スキマを空けられ、

スキマが埋まるまで骨を固定された。

信じられないほどの激痛だった。

明石 「高速修復材は使いません」

明石 「骨の金属の結晶が成長するまで時間が掛かるからです」

明石 「大きな結晶にならないと金属に粘りがでません」

明石 「高速修復材を使うと結晶が大きくなる前にスキマが埋まり」

明石 「脆い骨になります」

私は手の指から足の指まで、ほぼ全身の骨を切断され、伸ばされた。

手術は数百回にも及んだ。

そして私の骨格は戦艦以上になった。

身長でいえば、大和さんより頭一つ大きくなった。

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明石 「次は馬力です」

明石 「ウェイトトレーニングをやりましょう」

明石 「疲れたら高速修復材を使います」

戦艦の艤装を持てるようになるため、私はウエイトトレーニングを始めた。

私がバテると、明石さんが私を蹴り上げる。

起き上がってトレーニングを続け、またバテる。

明石さんが蹴っても起き上がれなくなったら、

バケツで高速修復材がぶっ掛けられる。

それを繰り返し、私が気絶したら、その日のトレーニングは終了する。

明石 「人間の筋肉繊維のように」

明石 「艦娘の油圧シリンダー繊維もトレーニングで破壊され」

明石 「回復した時、繊維が太くなり、数が増えます」

明石 「通常は回復に3日かかりますが、高速修復材を使えば即座に回復します」

明石 「通常のトレーニングの数十倍の速さで油圧シリンダー繊維が増えます」

明石 「まあ、船体の寿命も数十倍の速さで無くなっていきますけどね」 ニヤリ

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ある日、私の廃液がコーラのように真っ黒になった。

あまりにも多くの油圧シリンダー繊維が破壊され、

シリンダーの油が廃液に混じったのだ。

清霜 (私の寿命は長くないかも……)

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ウェイトトレーニング開始から1年近く経過したある日、明石さんが言った。

明石 「この艤装を付けてみてください」

試製51cm連装砲が4機付いた艤装だった。

私は艤装を付けた。

戦艦の艤装を想定してトレーニングしてきた私にとって、特に重くは無かった。

軽いといえる程だった。

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清霜 「特に重くないです。軽いぐらいです」

明石 「これが軽い?」 ニヤリ

明石 「アッハハハハハハ」

明石 「軽い、ですか……」

ウエイトトレーニングのターゲットを、

実は大和型戦艦の艤装の2倍の重量にしていた、

と、明石さんは言った。

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明石 「もうあなたを止められる者はいません……」

明石 「ヤりあう前に、これを飲んでください」

時限カプセルに入った高速修復材だった。

明石 「飲んでから10分後」

明石 「10分間カプセルから高速修復材がにじみ出ます」

明石 「その間、あなたはゾンビのように不死身になります」

私はカプセルを受け取った。

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夜明けと共に、私はレ級の出没する海域に向かった。

すると、出没海域から随分手前で遠征部隊がレ級に襲われていた。

球磨 「なんでこの海域にレ級が……」

球磨 「駆逐艦だけでも逃がすクマ……」

木曾 「ああ……」

球磨さんが魚雷の直撃を受け大破した。

レ級が球磨さんに襲い掛かった。

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私はカプセルを飲んだ。

清霜 「レ級!!!」 カッ!

清霜 「私が相手してやる」 クイクイ

BGM:パシフィックリム-メインテーマ

レ級はコッチを向いて、ニタリと笑った。

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レ級は一瞬で間合いを詰めてきた。

清霜 「!?」

私は主砲を撃った。

レ級は瞬時に横に回りこみ、私の横腹を蹴りつけた。

ボコッ

私のわき腹の肋骨が折れた。

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レ級の真の恐ろしさは、その機動性にあった。

コンパクトな船体に超大出力の主機関。

設計者の夢を具現したような存在だった。

相手にとっては、ただの悪夢だった。

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レ級 「アレデ沈マナインダ」

レ級 「ヤルジャン」 ニタァ

レ級は艦載機を飛ばし、主砲を撃ってきた。

木曾 「加勢するぞ!」

木曾さんが艦載機を打ち落とした。

私は主砲をレ級に撃ち続けた。

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木曾 「危ない!」

レ級は私の目の前にいた。

主砲の次弾の装填の間をつかれた。

レ級は笑いながら主砲を撃った。

私の腹に穴が開いた。

勝利を確信したレ級は油断した。

そのスキに私はレ級を抱きしめた。

そして力一杯締め付けた。

ミシミシミシッ

レ級の背骨が軋んだ。

レ級の顔に恐怖が浮かんだ。

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メチメチメチッ、メキメキメキッ

なおも私は締め上げた。

レ級 「ググッ、ガハッ!」

レ級は私の腕を主砲で吹き飛ばし、脱出した。

私の腕が瞬く間に再生した。

腹の穴は塞がっていた。

レ級 「!?」

レ級 「バケモノメ!!!」

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私は主砲を撃った。

主砲弾はレ級を直撃したが、やっと小破程度だった。

清霜 (バケモノはどっちよ……)

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レ級は作戦を変えて、距離を取って撃ち続けてきた。

私の体が、文字通り削られていった。

木曾 「グッ!」

木曾さんが魚雷を受けて大破した。

私も足に被弾して、体勢を崩した。

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その時、レ級が鬼神の速さで飛び込んできた。

私の頭を切り飛ばしに来たのだ。

私はその時を待っていた。

拳を握り締めた。

主砲全8門を後ろに向けて撃った。

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清霜 「うおおおおおおおおおお!!!」

全主砲の反動を、右の拳に乗せた。

流石のレ級、超反応で体をヒネった。

私のイメージでは顔を殴るはずが、胸に当たった。

胸に当たった拳は、レ級の胸部装甲を圧壊し、胸部機関を破壊した。

拳の骨は全て砕けた。

勢いは止まらず、圧力で手首の骨が開放骨折し、骨が飛び出した。

骨折した骨の先端は、竹やりのように鋭かった。

その骨がレ級の胸に刺さり、押し込まれていった。

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レ級 「グギャアアア!!!」

私の腕の骨が完全にレ級の胸を貫いた。

腕のひじまでがレ級の胸に押し込まれたところで、やっと止まった。

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レ級は口から血を吐いた。

レ級 「ガフッ……」

レ級 「トドメヲ…… ササナイノカ……?」

清霜 「あなたは、もう長くないよ」

私は髪をかき上げ、ちぎれた耳を見せた。

清霜 「私のこと、覚えてる?」

レ級 「……」

レ級 「思イ出シタ……」

レ級 「アノトキノ駆逐艦カ……」

レ級 「ズイブン鍛エ直シタナ……」

レ級 「俺ハ襲撃ノトキ、必ズ1人……」

レ級 「シルシヲ付ケテ、生カシテ返シテイタ……」

レ級 「マサカ駆逐艦ニヤラレルトハ……」

レ級 「ソンナニ俺ノコトヲ、思ッテクレテタノカ……」 ニタリ

レ級 「キシシ……」

レ級は息絶えた。

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清霜 「天龍さん、龍田さん」

清霜 「夕雲姉さん、巻雲姉さん、高波姉さん」

清霜 「敵を討ちました……」 ポロポロ

突然、私は気付いた。

明石さんも、あのレ級にやられたのだと。

シルシを付けられて失明したのだと。

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私は鎮守府に帰投した。

私は無断出撃のため罪に問われた。

レ級撃破と球磨さん達の嘆願によって執行猶予となった。

明石さんも私の実験データで取引し執行猶予となった。

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私は自室に帰った。

私は疲れていた。

ベッドに入ると、高波姉さんの「私達の分まで生きてほしい、かも……」

という言葉を思い出した。

私は強さの代償に寿命を差し出した。

寿命がどれだけ残っているかは分からない。

清霜 (何が出来るかわからないけど)

清霜 (姉さんたちの分まで生きます)

姉さん達に託された命をどのように生きるかを考えながら、私は眠りについた。

- 完 -

これで終りです。

私の妄想に付き合ってくれてありがとう。

雑談有りでhtml化を申請しましたので、

もしコメントが有れば、遠慮なくどうぞ。

ではでは。
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433189820/

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