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鳳翔 叢雲

【鳳翔SS】叢雲「『可愛い』と『好き』」【艦これ】

2016/12/24

予告通り投下します。
今回は改二が来てエr………健康的になった叢雲さんです。
今回も拙い文章になると思いますが、よろしくお願いします。

【過去作】

提督・不知火「「不知火(司令)は俺(不知火)のことを嫌っている」」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426258147/

曙「クソ提督がクソ過ぎる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426599766/

鳳翔「名前を呼んでください」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427034412/

木曾「悪くない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1427814566/

【同時進行】

提督・夕立・時雨「「「いつまでも三人で」」」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428678113/
卯月「司令官!今日は一段とステキぴょん!!」

提督「卯月も今日は一段と可愛いぞ!!」

卯月「本当!?」

提督「もちろん!」
北上「おー、提督は今日もかっこいいねー」

提督「おー、北上は毎日可愛いなー」

北上「そう?ありがとねっ♪」

大井「提督、北上さんに近づいたら容赦しませんよ?」ニコッ

提督「大井の笑顔は可愛いなー」

大井「っ!そ、そんなこと言っても私は惑わされませんからねっ!!」
朝潮「あっ、司令官!おはようございます!」ビシッ

提督「おはよう朝潮」

提督「朝潮は今日も真面目で可愛いな〜」

朝潮「あ、ありがとうございます!」
金剛「テートクゥーーーーー!」

提督「おはよう金剛」

金剛「バーニングラーーーブ!!テートクは今日もステキですネ!!!」

提督「ありがとう!金剛も可愛いぞ!!!」

金剛「もー、そんなストレートに言われると照れちゃいマース///」
―――――ガチャ

提督「おはよう、叢雲。今日も可愛いな!」

叢雲「おはよう。今日は何人にその言葉を送ってきたのかしら?」

提督「5人かな」

叢雲「全く…そんな軽々しく可愛いなんて言って、いつか刺されても知らないわよ?」

提督「ははは、事実だからしょうがないだろ?」

叢雲「…そ。まあ、仕事さえしっかりしてくれるならいいわ」

提督「分かってるよ。叢雲は今日もクールだなー」

叢雲「あら、冷たい私は可愛くないかしら?」

提督「まさか。クールな叢雲も好きだぞ!!」

叢雲「すっ!?///」カァア

提督「ん?大丈夫か?林檎みたいに真っ赤になってるぞ?」

叢雲「なんでもないわよっ!」

叢雲(……なんでこんな奴が司令官なんだろ)

叢雲(……なんでこんな奴が人気なんだろ)

叢雲(……………なんで私はこんな奴が好きなんだろ)
提督「……………」カキカキ

叢雲(黙ってれば真面目でかっこいいのよね……)

提督「叢雲ーそっちの資料取ってくれー」

叢雲(いや、別に喋ってる時がかっこ悪いとかではないんだけど……)

提督「叢雲?」

叢雲(………いや、流石に色んな子に可愛いって言ってる時は気分がいいとは言えないわね……)

提督「おーい、叢雲さーん?」

叢雲(でも、それを除けばー………………)

提督「叢雲?」ズイッ

叢雲「わっひゃい!」ビクッ

提督「うおっ!?」
提督「ど、どうした叢雲?調子でも悪いのか?」

叢雲「な、なななんでもないわ!///」

提督「そうか?無理は禁物だぞ?」

叢雲「分かってるわよ!それで、何の話だったかしら?」

提督「ん?ああ、これ取ってくれって言っだけだ」ピラピラ

叢雲「そう…悪いわね、考え事してたせいで聞いてなかったわ」

提督「別にいいさ」

提督「それより、何かあるなら相談に乗るぞ?」

叢雲(本人にこんな事言えるわけないじゃない…!)

叢雲「そ、そうね…気が向いたらね」

提督「いつでもいいから遠慮するなよ?」

叢雲「了解よ……」

叢雲(相談………)
-居酒屋・鳳翔-

―――――ガラガラ

鳳翔「いらっしゃい……あら、叢雲さんが平日に来るなんて珍しいですね」

叢雲「……ちょっと相談事があるんです」

鳳翔「いいですよ。こちらへどうぞ」

鳳翔「それで、提督がどうなさったんですか?」

叢雲「………私まだ何も言ってないんですけど」

鳳翔「提督の事じゃありませんでしたか?」

叢雲「………いえ、アイツの事です。どうして分かったんですか?」

鳳翔「長い付き合いになりますから」ニコッ

叢雲「………鳳翔さんには敵いませんね」

鳳翔「ありがとうございます♪」
鳳翔「それで、相談事とはなんですか?」

叢雲「………最近司令官の言動が悪化してる気がするんです」

鳳翔「提督のあの言動は昔からですが……悪化ですか?」

叢雲「はい。最近執務室に来る時間が遅くなってますし、可愛いと言っている光景を良く見ます」

鳳翔「ここの艦娘も増えてきたので、その影響ではないでしょうか?」

叢雲「それだけならいいんですけど、最近は好きとも言い出して…」

鳳翔「好き……ですか?」

叢雲「はい。可愛いだけならまだしも、好きは流石に行き過ぎかと…」

鳳翔「………ちなみに、提督が誰に好きって言ったか覚えていますか?」

叢雲「えーっと、私と………」

叢雲「私と……………私と………………」

叢雲「…………あれ、誰だっけ?」

鳳翔「やはりそうですか」

叢雲「え?え?それはどういう…」

鳳翔「みなさんの間で話題になるんですよ」

鳳翔「『提督は可愛いと言ってくれても、好きと言ってくれた事は一度もない』…と」

叢雲「それって……………」

鳳翔「恐らく、そういう事かと思いますよ♪」ニコッ

叢雲「!?!?///」ボッ

叢雲「…どうしよう。昨日鳳翔さんにあんな事言われたから、司令官と顔を合わせづらい………」

叢雲「うー……いや、普段通りにしてれば大丈夫!…なはず」

叢雲「平常心…平常心……」ブツブツ

―――――ガチャ

提督「おはよう、叢雲。今日も可愛いな!」

叢雲「っ!///」

提督「叢雲?」

叢雲「にゃ…なんでもないわ!!それより、さっさと仕事を終わらせましょう!」

提督「?おう」
提督「叢雲」

叢雲「なにかしら」メソラシ

提督「これ確認してほしいんだが……」

叢雲「そこに置いといてちょうだい。後で見るわ」

提督「え?いや、今一緒に見れば――――」

叢雲「あ と で み る わ」

提督「お、おう……」
提督「お、もうこんな時間か。叢雲、お昼食べに行かないか?」

叢雲「…今キリが悪いから後にするわ」

提督「そうか。なら手伝うよ」

叢雲「これは私の仕事だから、あんたは先に行ってていいわよ?」

提督「一人で食べても美味しくないだろ?」

叢雲「他の人を誘えばいいじゃない。あんたが声かければみんな了承するでしょ?」

提督「じゃあ叢雲。一緒に食べよう」

叢雲「………だから、私じゃなくて他の人を―――」

提督「俺が叢雲と食べたいんだ。それじゃダメか?」

叢雲「~~~~~っ!///」

提督「叢雲?」

叢雲「ああもう、分かったわよ!さっさと終わらせるから手伝ってちょうだい!!」

提督「了解」
叢雲(あーもう、気になって全然集中できない!)

叢雲(うー……なんで私がこんな気にしなきゃいけないのよ………)

―――――ガチャ

天龍「提督、今戻ったぜ!」

提督「お、天龍お疲れ様。首尾はどうだ?」

天龍「ふっふっふ………見て驚くなよ?」

天龍「どうだこの資材の量!!」ドサッ

提督「おお!流石天龍!!」

天龍「へへっ、もっと褒めてもいいんだぜ?」

提督「よっ、演習番長!天龍幼稚園!!」

天龍「てめぇ、それバカにしてるだろ!?」
提督「はははっ、天龍は可愛いからな。ついからかいたくなるんだよ」

天龍「かわっ…!?///」

提督「天龍可愛い!ふふかわ!!」

天龍「っ!!///」

天龍「提督のバカ!バーカ!!もう遠征行ってやんねぇからなっ!!!///」ダダダッ

提督「………ふう」

提督「天龍はなんだかんだ言ってちゃんと仕事してくれるところも可愛いんだよな~」

叢雲「そう………」

提督「叢雲?どうした、体調悪いのか?」

叢雲「なんでも―――」

叢雲(…いや、気にして惑わされるならいっそ………)
叢雲「…………そうね。みんなあなたが『可愛い』とは言っても『好き』とは言わないって話をするから、気になったのよ」

提督「そうなのか?」

叢雲「………それで、実際はどうなの?」

提督「うーん……………完全に無意識だなー……」

叢雲「……………そう」

叢雲(はぁ…じゃあ、あれはただの偶然だったのね………)

叢雲(……って何残念がってるのよ私!)

叢雲(悩みの種がなくなって良いことじゃない!これで仕事に集中出来るわ!!)

叢雲(……………はぁ)

提督(好き………?)

叢雲「……これで終わりっと。はぁ……もうすっかり夜ね。」

提督「……………」ボーッ

叢雲「……ちょっとアンタ、聞いてるの?」

提督「え?あ、ああ……ごめん」

叢雲「まあ、今日はこれで終わりだからいいけど。明日もそんなだったら承知しないわよ?」

提督「ああ、分かってるよ」

叢雲「それならいいわ。お疲れ様」

提督「お疲れ様……」
提督「…………叢雲」

叢雲「ん?何よ?」

提督「………………………なんでもない」

叢雲「そう。もう戻るわよ?」

提督「ああ、呼び止めてすまなかった……」

提督(……………?)

吹雪「あ、司令官!おはようございます!」

提督「おはよう、吹雪。今日も可愛いな!!」

吹雪「もうっ!からかうのはやめてください!」
鈴谷「あ、提督じゃん。おはよー」

提督「おはよう、鈴谷。今日もばっちり決まってて可愛いぞ!!」

鈴谷「えへへ……ありがと!」
加賀「おはようございます、提督」

提督「おはよう、加賀。相変わらず可愛いな!!」

加賀「………………………………そうですか」
提督(うんうん、今日もみんな変わりないな)

提督(……俺も大丈夫だよな?やはり気にし過ぎだったか……)

―――――ガチャ

提督「おはよう、叢雲」

叢雲「おはよう」

提督「…………………」

叢雲「……何ぼーっと突っ立ってるのよ」

提督「いや……なんでもない………」

提督(………………)

―居酒屋・鳳翔―

叢雲「—―――――というわけで、この前のは偶然だったようです」

鳳翔「あら……そうだったんですか………」

鳳翔「すみません。私の早とちりだったみたいですね……」

叢雲「いえ、あれだけ聞けば誰でもそう思いますから」

叢雲「まあでも、これで解決ですね。もう提督の言動治ったみたいですし」

鳳翔「え?そうなんですか?」

叢雲「はい。今日は一言も『可愛い』と言ってませんでしたから」

鳳翔「え………?」

鳳翔(おかしいですね……そんなことがあったら、もっと騒ぎになるはずですが………)

鳳翔(……これは一度確認した方がいいですかね)

鳳翔「提督、おはようございます」

提督「おはようございます、鳳翔さん。今日も可愛いですね!!」

鳳翔「……やはり変わられていませんね」

提督「え?」

鳳翔「昨晩、叢雲さんに提督の言動が治ったと言われたんです」

提督「あー…………」

鳳翔「……何か心当たりがあるのですね?」

提督「はい………」
提督「………実は、叢雲にだけ可愛いって言えなくなったんです」

提督「普通に言おうとしても、面と向かい合うと言葉が出なくなって………」

提督「原因が分からなくて、困ってるんですよね……」

鳳翔「……そうなったのはいつからですか?」

提督「えーっと……叢雲に俺が『好き』と言わないと話題になってるって指摘された日からです」

鳳翔「なるほど…………」

提督「!鳳翔さん、何か分かるんですか!?」

鳳翔(これは……私が言うのは野暮ですね)

鳳翔「………いえ、分かりません」

提督「そうですか……」

鳳翔「ただ、叢雲さんが原因なら、一緒に過ごす時間を増やしてみたら何か分かるかもしれませんよ」

提督「なるほど……ありがとうございます!早速行ってきます!」

鳳翔「はい、良い報告をお待ちしてます」

鳳翔(………さて、いつでもお赤飯を炊けるようにしておきましょうかね♪)

―数日後―

叢雲「今日の仕事はこれで終わりね……」

提督(結局何も分からないまま、今日も終わってしまう……)

提督「………ああ、そうだな」

叢雲「……………ねえ」

提督「………なんだ?」

叢雲「…………………………なんでもないわ」

叢雲(………提督が可愛いって言わなくなったのは私にだけ。私相手の時は口数も減ったし…………)

叢雲(……………嫌われたのかしら)

提督「…………なあ、叢雲」

叢雲「…………何よ」

提督「ちょっと外でも歩かないか?」

叢雲「…………いいわよ」

提督「…………………」

叢雲「…………………」

提督(あと少しで何か掴めそうだったから連れ出したものの、どうすればいいか全く分からない………)

叢雲「………ねえ」

提督「ん?」

叢雲「…………わざわざ日を改めなかったってことは、重要な話でしょ?」

提督「(何だ知ってたのか)そうだ」

叢雲「…………分かったわ」

提督「何!?お前、原因が―――――」

叢雲「私の秘書艦の任を解くんでしょ?」

提督「—―――はい?」
叢雲「後任は誰なの?鳳翔さんかしら?それなら―――」

提督「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ。何の話をしてるんだ?」

叢雲「え?私、秘書艦を辞めさせられるんじゃないの?」

提督「何で?」

叢雲「だって………最近その…………って言ってくれなくなったし、話もしなくなったから嫌われたのかと思って…………」

提督「あ、あー………それには色々事情があってだな…………」
提督「ともかく!俺はお前に秘書艦を辞めさせる気はないし、お前を嫌いになったりは…………」

提督「嫌いに………嫌い……………?」

叢雲「ちょっと。どうしたのよ?」ノゾキコミ

提督「っ!!///」

提督「なるほど………そうか、そうだったのか……」

叢雲「?」
提督「あー……そうなると今ここで………?うーん………いやでも………」ブツブツ

叢雲「ちょっと!一人で唸ってないで、私にも教えなさいよ!」

提督「………………………思い立ったが吉日……だな」

提督「よし!叢雲、ちょっとここで待っててくれ!すぐ戻る!!」ダダダッ

叢雲「え?……いったい何なのよ………」

提督「はぁ……はぁ………ま、待たせたな…………」ゼェゼェ

叢雲「……とりあえず、深呼吸したら?」

提督「お、おう…………………よし、落ち着いたかな」

叢雲「で、何の話なの?」

提督「それは………いや待ってくれ。もう少し時間を………」
提督「………………よし」

提督「…………………叢雲」

叢雲「何よ?」

提督「……………俺と、ケッコンしてくれ」

叢雲「………………………え?」

叢雲「え……え………?アンタ、その指輪って………」

提督「ああ」

叢雲「…………………本当に……?」

提督「もちろん……だ」
叢雲「で、でも……最近可愛いって言わなくなったし、喋らなくなったのにどうして…………」

提督「それは………その…………………恥ずかしかったんだろう………」

提督「何度も言おうとしたが、言葉が出なかった………お前に『好き』と言わないって指摘された時から、もう心のどこかで気づいてたんだろうな………」

叢雲「…………そう」
提督「………………………返事は………どう…なんだ……?」

叢雲「あんたとは一番付き合い長いし、今までずっと秘書艦やってきて、色んな事を乗り越えてきたし、そこまで嫌いじゃないっていうか、命令……いや、お願いを聞いてもいいっていうか……………」

提督「それって………」

叢雲「………………」

叢雲「………………………よろしく、お願いします」

――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
鳳翔「お赤飯はまだまだありますよ~♪」

卯月「おかわりだぴょん!」

金剛「うぅ……テートクぅー………」

北上「ま、叢雲っちならしょうがないか~」

鈴谷「だねぇ………」

加賀「お似合いカップルですね」

大井「北上さんには私がいるじゃないですか!」

吹雪「妹に先を越されるってどうなんだろ…」

朝潮「だ、大丈夫です!吹雪さんならきっと良い人が見つかりますよ!」

天龍「まあまあ、素直に祝ってやろうぜ!」

鳳翔「さ、みなさん。そろそろ、今日の主役が来ますよ!」

―――――ガチャ

艦娘「「「ケッコンおめでとうございます!!!」」」


どこかで見たような終わり方だなぁ(白目)
ごめんなさい、すっきり終わらせようとしたらこうなってました……

一気に投下するのは中々疲れますね……今度から数日に分けよう、そうしよう。
感想、助言等を書いてくださると今後のモチベーションに繋がるので、何卒。
【同じようで違う】

叢雲「ねぇ、あなた」

提督「……それは前と同じ『あなた』か?それとも………」

叢雲「………………そんなの分かり切ってることでしょ」

提督「………………そうだな」

叢雲「じゃあ、もう一度………」

叢雲「ねぇ、あなた………」

提督「何だ?お前………」


【初めての~♪】

 皆が寝静まった頃、私室に俺達はいた。

提督『…………………』

叢雲『…………………』

 部屋には一組の布団が敷かれており、電気は消されている。

提督『む、叢雲……』

叢雲『な、なによ……』

提督『……………俺、経験ないからどうしたらいいか分からないんだけど』

叢雲『……………私だってないわよ』

提督『…………………』

叢雲『…………………』

提督『…………………』

叢雲『……………あなたがやりたいことを……して』

提督『……………おう』
 そう言うと、壊してしまわないように目の前の華奢な体にそっと腕を回し、離れないように強く抱きしめる。
 叢雲もそれに応えるように、こちらを抱きしめてくる。

提督『叢雲………』

叢雲『あなた………』

 しばらくの間互いの息がかかる距離で見つめ合い、どちらからともなく唇を重ねた。
 最初は唇が触れる程度の短いキス。
 それは繰り返す内に、長く、熱い物へと姿を変えていく。
 相手の熱を逃さないように舌を絡め、受け止める。
 何度目かの触れ合いの後、再び見つめ合う。

提督『叢雲……………』

 繰り返される甘い毒により叢雲の頬は紅く染まり、息は荒く、目は潤んでいた。
 いつもの面影はどこにもない。
 見たことがない表情に思わず見惚れていると、叢雲が口を開いた。

叢雲『……………これで……終わりなの………?』

 上目遣いで発せられたその言葉は、俺の崩れかけた理性を壊すのには十分過ぎる破壊力だった―――――
鳳翔(そして、提督が叢雲さんを押し倒して……………)

鳳翔(なーんてことの真っ最中なんですかね?)

鳳翔(ふふっ、ちょっと遅い結婚初夜ですね♪)
――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

提督「叢雲……………」

 繰り返される甘い毒により叢雲の頬は紅く染まり、息は荒く、目は潤んでいた。
 いつもの面影はどこにもない。
 見たことがない表情に思わず見惚れていると、叢雲が口を開いた。

叢雲「………キスで今日はいっぱいになっちゃったから、この先は今度でお願い………………」

提督「………実は俺も………………」

叢雲「………………」

提督「………………」

提督「……………それじゃ、今日はこのまま寝ようか///」

叢雲「……………うん///」


【愛をこめて】

提督「ふー……今日は早くに仕事が終わったなー………」

叢雲「ねえ、夕餉はどうするの?」

提督「ん?いつも通り食堂でいいんじゃないか?」

叢雲「そう………」

提督「どうかしたのか?」

叢雲「……なんでもないわ」

―ドアの外―

北上「ほほぉ~これは良いこと聞いちゃったかもね~♪」
―翌日―

―――――コンコン

鳳翔「鳳翔です」

提督「入ってください」

鳳翔「失礼します」

―――――ガチャ

提督「どうしたんですか、鳳翔さん?」

鳳翔「実は今食堂のコンロの調子が悪くて、今晩のお料理を出せそうにないんです………」

提督「え?そうなんですか………妖精さんには?」

鳳翔「修理してもらってます。ただ、直すのに時間がかかると………」

提督「……まあ、こうなったら仕方ないです。お金は俺が出すので、皆で外食しましょう」

鳳翔「いいんですか?」

提督「もちろん。偶には贅沢しましょう!」
鳳翔「いえ、お金ではなくここの警備についてなんですが………」

提督「ああ、そうですね………それじゃ、俺が残りますよ」

鳳翔「ですが………」チラッ

叢雲「?…………!!」

提督「いえ、俺は別に大丈夫ですから」

叢雲「…………私も残るわ」

提督「え?いや、叢雲は皆と―――――」

叢雲「あなた一人残っても、深海棲艦が攻めてきたらどうしようもないじゃない」

提督「ぐっ………それはそうなんだが…………」

鳳翔「叢雲さん、よろしいのですか?」

提督「……………本当に、いいのか?」

叢雲「ええ。そこら辺の店より鳳翔さんの料理の方が美味しいし」

提督「……………分かった。じゃあ、鳳翔さんにはお金を渡しておきますね。皆への連絡はお任せしてもいいですか?」

鳳翔「はい」チラッ

鳳翔(「叢雲さん、頑張ってくださいね?」)

叢雲(「はい。ありがとうございます」)

鳳翔「それでは、失礼します」

―――――バタン
提督「………さて、俺達は皆が出かける前にお弁当でも買いに行こうか」

叢雲「……………その必要はないわ」

提督「え?」

叢雲「あなたの部屋にはキッチン、あるわよね?」

提督「確かにあるが…………………まさか」

叢雲「そうよ!私が夕餉を作ってあげるわ!!」

提督「………本当に?」

叢雲「……何よ。不満なの?」

提督「……いや、初めて叢雲の手料理が食べれると思ったら嬉しくて…………」

叢雲「そ、そうなの?……まあ、いいわ!じゃあ、私は準備するから行くわよ?」

提督「おう!期待して待ってるぞ!!」

叢雲「必ず満足させてあげるわ!」

提督・叢雲((そうか……初めての二人きりでの夕飯か……………///))
―提督の私室―

提督「」ジッ

叢雲「えーっと……ここで醤油を入れて………」グツグツ

提督「」ジッ

叢雲「……落し蓋をして、あとはこのまま煮込めば…………って、何見てるのよ?」

提督「いや、エプロン姿で料理をしてる叢雲が部屋にいるって幸せだなって…………」

叢雲「そ、そう?これくらいいつでも……なんなら毎日でも」ゴニョゴニョ

提督「…………俺だけがこんなに幸せを貰っていいんだろうか」

叢雲「心配しないで。私はあなたといられればそれで幸せだから……」

提督「俺も叢雲さえ傍にいてくれればそれで……」

叢雲「……………///」

提督「……………///」

叢雲「さ、さあ!もう出来たかしら!」

提督「じ、じゃあ食器並べようかな!」
提督「いただきます」

叢雲「召し上がれ」

提督「」モグモグ

叢雲「……………どうかしら?」

提督「美味い……美味いよ叢雲!!」

叢雲「ほっ……まだまだあるからどんどん食べていいわよ?」ニコニコ

提督「むぐ…………おかわり!」

叢雲「分かったわ。ちょっと待ってなさい」

提督「いや~この肉じゃが美味しいな~しっかり味が染みてるし、じゃがいももちょうどいい硬さだし!」

叢雲「ふふん。そうかしら?」ニマニマ

提督「………なにより、叢雲が俺のために作ってくれたってだけで俺にはご馳走だよ」

叢雲「……………そう///」

提督「いや~美味しかった~」

叢雲「満足したかしら?」

提督「大満足だよ!」

叢雲「練習したかいあったわね」

提督「練習してくれてたのか、ありがとう」ナデナデ

叢雲「っ!!………別にあなたのためとは言ってないわよ」

提督「違ったか?」

叢雲「……………違うとも、言ってないわ」

提督「そうか、ありがとう」ナデナデ
叢雲「………………………り」ボソッ

提督「ん?」

叢雲「………………隣、行っていい?」

提督「もちろん」

叢雲「………………」ピタッ

提督「………………」ナデナデ

叢雲「………………幸せね」

提督「………………これ以上ないくらい、な」

いつ崩れるか分からないこの平和。
その中だからこそ、今ある幸せを噛みしめる。
忘れることのないように。
決して手放すことのないように。
二人はそっと手を繋いだ。


【青い空、白い雲】

提督「いい天気だなー………」

叢雲「そうね………」

提督「なあ、叢雲。今日が何の日か知ってるか?」

叢雲「……忘れるわけないじゃない。今日は鎮守府が出来た日……………私たちが初めて会った日よ」

提督「そうだな。いやーここも随分立派になったものだなー………」

叢雲「あなたはまだまだだけどね」

提督「ははっ……叢雲は厳しいなー………」

叢雲「そうかしら?あなたはまだ半人前よ。だから………………」

提督「だから?」

叢雲「仕方ないから、私がずっと教育してあげるわ」

提督「………叢雲に教わるんじゃあ一生半人前かな」

叢雲「………それはあなたの能力がそこまでってだけよ」

提督「……………ははっ」

叢雲「……………ふふっ」

提督「叢雲」

叢雲「あなた」

提督「これからもずっと――――」
叢雲「—――――よろしくね」


――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――

叢雲「………最近、あなたに『可愛い』と言われなくなった気がするわ」

提督「そうか?」

叢雲「そうよ」

提督「でもなー………叢雲が可愛いのは常識みたいなものからな」

叢雲「………………………そう」

提督「叢雲が言ってほしいなら言うようにするぞ?」

叢雲「………いえ、それはいいわ」

提督「いいのか?」

叢雲「ええ。だって今は―――――」

叢雲「『可愛い』の代わりに『好き』って言ってくれるから♪」

叢雲「『可愛い』と『好き』」

ということで、叢雲編おしまいです。いかがでしたか?
個人的にはツンの要素が足りなかったなと思ってます。
夕立&時雨の方は(失踪しなければ)まだまだのんびり続く予定なので、そちらも生温かく見守っていただければと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429273235/

-鳳翔, 叢雲